東南アジア揺らす脱炭素 浸透する中国、日本の打ち手は
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0431C0U4A600C2000000/


『2024年6月7日 10:00
東南アジアの内陸国ラオスはアジアの力学を変える最前線だ。日本も絡む各国の脱炭素戦略と中国の広域経済圏構想「一帯一路」がぶつかりあう。その現場を見た。
タイに電力輸出する「第二のクロヨン」ダム
メコン川は中国のチベット高原を源流に、インドシナ半島を縦断してベトナムで南シナ海に注ぐ。ラオスの支流のひとつを遡ると、関西電力などが建設・運営するナムニアップ1水力発電所がある。
「貯水量は22億立方メート…
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『日本はパートナーへの国家戦略を
メコン地域ではラオスのナムグム水力やミャンマーのバルーチャン水力など、独立後の国づくりで日本が建設に協力した発電所が今も使われる。今日のナムニアップ1に至るまでインフラ整備を通じて成長を支え、その実績と信頼のうえに強固な関係を築いた。
日本のASEANへの直接投資残高は22年末で約38兆円で、中国向けの2倍の規模がある。しかし、先行優位が続くと考えないほうがいい。脱炭素が迫る構造変化は日本にとって、チャンスにも、巨大市場を失うリスクにもなる。
東南アジアが誰をパートナーに選ぶのか。着々と存在感を高める中国に対し、「やはり日本と組んだ方がいい」と思わせる国家戦略が必要だ。』