鈴木財務相、為替介入「立場説明」 米財務長官と会談

鈴木財務相、為替介入「立場説明」 米財務長官と会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB17EPA0X10C24A4000000/

『2024年4月18日 5:33

【ワシントン=新井惇太郎】訪米中の鈴木俊一財務相は17日に記者会見し、イエレン米財務長官と個別に会談したことを明らかにした。外国為替市場で進行する円安について「行きすぎた動きには適切に対応するという政府の今の立場を説明した。よく聞いていただいた」と述べた。

17日の日米韓財務相会合に先立ち会談した。鈴木氏は「為替の問題について日米で緊密に意思疎通を図っていくことを確認した」と述べた。「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して、安定的に推移することが望ましい」とする見解も伝えたという。

日米韓は17日の財務相会合で「最近の急速な円安・ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識し、外国為替市場の動向について引き続き緊密に協議する」と盛り込んだ共同声明をまとめた。

これについて17日に会見した財務省の神田真人財務官は、「こういった文書はおそらく史上初めてだ。米国も含めて円安・ウォン安への懸念を共有するということは最近はなかった」と成果を強調した。

円安への日本の問題意識について米国の理解を得られているか問われ、「各国当局とは常に議論している。日本の為替を含めた経済、金融・為替市場の状況についてはしっかりと意思疎通をしている」と説明した。

【関連記事】日米韓「円安・ウォン安の懸念認識」 初の財務相会合で

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

鈴木財務相はイエレン米財務長官との今回の会談で、G7・G20合意に沿った「スムージングオペ」、為替相場が「過度な変動や無秩序な動き」をした場合に値動きを落ち着かせる目的で行う介入を、必要があれば日本の通貨当局はドル/円相場で実施する構えだということを、米国側にあらためて「説明」したとみられる。

イエレン長官は昨年9月19日、ニューヨークで記者団に対し、日本の当局によるそうした為替介入を「詳細な状況次第」では理解するという認識を示したことがある。

ただし同長官はこの時、「為替水準に影響を与えようとするものではない」とも話していた。

日本側からすれば、イエレン長官は「話の分かる人物」なのかもしれない。

2024年4月18日 7:20 (2024年4月18日 7:21更新) 』