スリランカ、28年から債務返済 日本など中国抑止へ調整

スリランカ、28年から債務返済 日本など中国抑止へ調整
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM01D7C0R00C24A4000000/

『2024年4月6日 19:00

【ニューデリー=岩城聡】事実上のデフォルト(債務不履行)状態にあるスリランカの債務問題で、日本やインドが議長国を務める17カ国の「債権国会合」が2028年から返済を始める案で最終調整していることがわかった。最大の債権国である中国がスリランカへの影響力を高める事態を抑止する。

スリランカの外交や対外交渉の実質的トップであるサガラ・ラトナヤカ大統領顧問(国家安全保障担当)が日本経済新聞に明らかにした…

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『「債権国会合との交渉は最終段階にある」と語った。

債務の返済期間は28年から42年までの15年間とし、新たに適用される金利は「2%前後」とする案で調整している。複数の交渉関係者も認めた。ラトナヤカ氏は債務元本の削減については「求めたが認められなかった」と述べた。

22年4月、スリランカは公的対外債務の支払いを一時停止すると発表し、事実上のデフォルト状態に陥った。債権国会合は23年4月に発足し、日本がインド、フランスとともに議長国を務める。中国はオブザーバー参加にとどまる。

スリランカと債権国会合は23年11月に返済猶予や金利減免の方針について基本合意した。主要債権国との債務再編の合意が条件となっていた国際通貨基金(IMF)による金融支援も始まった。

中国政府が中国輸出入銀行を通して貸し付けた債務の再編については「似たようなものだ。どの国も平等に扱われる」と説明し、債権国会合とほぼ同条件になるとの見通しを示した。

23年末時点のスリランカの債務残高は373億ドル(約5兆6000億円)で、このうち中国が47億ドルを占める。

スリランカは17年に南部ハンバントタ港の運営権を中国に引き渡した。債務の返済が滞りインフラ権益などを奪われる「債務のわな」の典型例とされた。日印などはスリランカを拠点に中国がインド太平洋への進出を強める事態を警戒する。

ラトナヤカ氏は「ハンバントタ港は我々から中国に要請して99年間のリースが実現した」と、運営権の譲渡はスリランカ側が望んだものだと説明した。「同港を軍事利用はしない。(インドに近い)北部などインドの安全保障に影響を与える地域で港湾開発をしないよう意識している」とも語った。

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