SNS投稿の岡口判事を罷免、表現行為で初 弾劾裁判所

SNS投稿の岡口判事を罷免、表現行為で初 弾劾裁判所
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『2024年4月3日 16:19 (2024年4月3日 21:03更新)

SNSで殺人事件の遺族を傷つける投稿をしたなどとして訴追された仙台高裁の岡口基一判事(58)に対し、裁判官弾劾裁判所(裁判長・船田元衆院議員)は3日、罷免とする判決を言い渡した。

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弾劾裁判所による裁判官の罷免は8人目で、これまではいずれも刑事罰や重大な職務違反に問われたケースだった。

表現行為が理由となるのは初めてで、社会的反響が大きいSNSの投稿には重い責任を伴うことを示した形だ。

岡口判事の判決公判が開かれた裁判官弾劾裁判所(3日、東京・永田町)

判決は、岡口氏が殺人事件に関する投稿を繰り返したことについて「表現の自由として裁判官に許容される限度を逸脱した」と指摘した。

判決への不服申し立てはできず、岡口氏は法曹資格を失った。判決から5年経過すると弾劾裁判所に資格回復を請求できる。

岡口氏は2015年に東京都江戸川区で起きた殺人事件に絡み「遺族の方々は俺を非難するように洗脳されている」などと投稿し、最高裁大法廷が2度にわたって戒告処分とした。

別の民事事件に関する投稿なども問題となり、21年6月に訴追された。

争点は、一連の投稿などが裁判官弾劾法が罷免の要件とする「裁判官としての威信を著しく失うべき非行」に当たるか否かだった。

投稿を巡っては23年1月、東京地裁が一部の投稿を「不法行為」と認定して岡口氏に賠償を命じ、東京高裁で確定している。

▼弾劾裁判 問題行為があったとして訴追された裁判官について、裁判官の身分と法曹資格を失う「罷免」に該当するかどうかを審理する手続き。審理に関わった裁判員の3分の2以上が賛成した場合に、罷免の判決を言い渡す。

裁判官の身分は憲法で手厚く保障されている。罷免は国会の裁判官訴追委員会による訴追を経て、裁判官弾劾裁判所による弾劾裁判を開かなければならない。

裁判員は衆参各7人の議員で構成し、開廷には衆参各5人以上の出席が必要となる。

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