フォークランド紛争(フォークランドふんそう、英語: Falklands War、スペイン語: Guerra de las Malvinas)は、南大西洋のイギリス領フォークランド諸島(アルゼンチン名:マルビナス諸島)[注 1]の領有を巡り、1982年3月からイギリスとアルゼンチン間で3か月に及んだ紛争である。
しかし1833年にはイギリスが派遣したスループ「クレイオー」によって無血占領に成功し (Reassertion of British sovereignty over the Falkland Islands (1833)) 、以後実効支配を進めたことで長らくイギリスの海外領土(属領)とされてきた[11]。
また、LADE(Lineas Aereas Del Estado、「国営航空」)の各機も空軍の下で輸送任務についた。フェニックス・エスカドロン(徴用ビジネス機部隊)は主に後方支援に当たったが、リアジェットのような高性能機は通信中継や偽装攻撃も行った。アルゼンチン航空などのエアラインも支援体制にあった。 イギリス軍
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関連項目
フォークランド諸島
アンドルー - この紛争に従軍した。
オズワルド・アルディレス - サッカー選手・指導者。紛争発生当時はイングランドのトッテナム・ホットスパーに所属してプレーしていたが、混乱を避けるため、紛争期間中はフランスのパリ・サンジェルマンにレンタルに出された。
フォークランド沖海戦 - 第一次世界大戦でイギリス海軍とドイツ海軍がフォークランド諸島沖で行った海戦。
イギリスの海外領土
en:I Don't Want to Be a Hero - ジョニー・ヘイツ・ジャズによる曲。
中越紛争 - 西側諸国の近代化された軍隊同士による初めての紛争である本紛争に対し、旧東側諸国の近代化された軍隊同士による初めての紛争。
北方領土問題
外部リンク ウィキメディア・コモンズには、フォークランド紛争に関連するメディアがあります。
Falkland Islands Government
アルゼンチン年表1
フォークランド紛争(1982年) - NHK放送史
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中央集権型指 揮統制においては、単一の上級指揮官•司令部に権限が集中され、線下部隊に対して も、その個別的な行動に関して詳細にわたる指示や計画に厳格に従うことを求めるた 1 Joint Chiefs of Staff, DOD Dictionary of Military and Associated Terms (Washington, DC, November 2021), s.v. “command and control.” 2 U.S. Marine Corps, MCDP 6 Command and Control (Washington, DC, 2018), p.1-3. 45 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) め、線下部隊指揮官が独自の判断を行う余地は大きく制限される’°
また、米海兵隊もベトナム戦争後の 改革の中で策定されたドクトリンで機動戦(maneuver warfare)思想を海兵隊の「戦 3 Milan Vego, General Naval Tactics: Theory and Practice (Annapolis, MD: Naval Institute Press, 2020), pp. 148-149. 4 Ibid., pp. 149-150. 5 Martin van Creveld, Command in War (Cambridge, MA: Harvard University Press,1985), pp. 270, 274. 6 Vego, General Naval Tactics, p.159. 7 Clinton J. Ancker, III, “The Evolution of Mission Command in U.S. Army Doctrine, 1905 to the Present,” Military Review, 93, no. 2 (March/April 2013), pp. 47, 48; and Headquarters, Department of the Army, FM 100-5 Operations (Washington, DC,1982), pp. 7-2, 7-3. 46 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド いの哲学」と位置付け、その一環としてミッションコマンドを採用した8 (以下、国防 省や各軍種•機関は、特段の断りがない限り米国のそれを指す)。
これら長い射程•航続距離を有する能力 が戦力発揮するためには、たとえば空軍所属の攻撃機と海軍のイージス艦のトマホー クミサイルの間で攻撃目標の配分や調整を行ったり、米本土を発進した爆撃機がペル シャ湾に移動し、中東上空を監視する早期警戒管制機(AWACS)の管制の下イリノ イ州に司令部を置く航空機動軍の空中給油機から給油を受けて過激派武装勢力に対す 8 Fidelion Damian, “The Road to FMFM 1:The United States Marine Corps and Maneuver Warfare Doctrine, 1979・ 1989” (mastefs thesis, Kansas State University, 2008), p. 29; Daniel Ford, A Vision So Noble: John Boyd, the OODA Loop, and America^ War on Terror (Durham, NH: Warbird Books, 2010), pp. 36-38; Frans P.B. Osinga, Science, Strategy and War: The Strategic Theory of John Boyd (London: Routledge, 2007), pp. 48-49; John R. Boyd, A Discourse on Winning and Losing, ed. and comp. Grant T. Hammond (Maxwell AFB, AL: Air University Press, 2018), p. 94; Michael D. Wyly, “Lecture II: Mission Tactics,in William S. Lind, Maneuver Warfare Handbook (Boulder, CO: Praeger,1985), pp. 91-97; and Kevin R. Clover, ‘”Maneuver Warfare: Where Are We Now?” Marine Corps Gazette, vol.72, no. 2 (February 1988), p. 55. 9 Robert M. Gates, ‘*Reflection on Leadership,Parameters, vol.38, no. 2 (Spring 2008), p.13. 10 Donald Vandergriff, Adopting Mission Command: Developing Leaders for a Superior Command Culture (Annapolis, MD: Naval Institute Press, 2019), pp. 25-29. 11本論文では「ドクトリン(doctrine)」の他、似た用語として「コンセプト(concept)」も使用している。両方 とも戦い方に関わるものであるカヾ、ドクトリンは軍の中においてすでに確立され、当該ドクトリンに基づいて作 戦を行うことができる状態にあるとされるもの、例外的な状況を除き、これに従うことが期待されている「権 威的な指針」である。一方、コンセプトは既存のドクトリンや能力が適切に対応できていない、差し迫った問 題に対するソリューションを提供するものであり、爾後、部隊実験等を含めて有効性の検証がなされていく。
本論文で言及する各軍の文書にはコンセプトの段階のものも、ドクトリンの段階のものもあり、その段階に応 じて書き分けているが、いずれにしても戦い方を示したものという点で共通したものとして扱っている。Joint Chiefs of Staff, JP 1 Doctrine for the Armed Forces of the United States, Incorporating Change 112 July 2017 (Washington, DC, 2017), pp. VI-3, VI-9-VI-10. 47 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) る対地攻撃を行うなど、所属部隊も異なりしばしば地理的にも遠く離れた基地から発 進するプラットフォームの行動を同期させることが必要となる。
本論文は、以上のような検討を通じて、ミッションコ 12 Frederick Coleman, “The Limited Utility of Mission Type Orders for ACE…and a Better Way to Execute Mission Command/’ The Mitchell Forum, no. 49 (January 2023), p. 49. 13米国防省が中国やロシアを安全保障上の脅威と捉え、これらとの武力紛争を想定するようになった経緯につい ては、以下を参照。菊地茂雄「米国防計画におけるFPacingThreat]としての中国」FNIDSコメンタリー』第 191号(2021年 9 月 2 H)1-5 頁。 48 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド マンドに関する、よりニュアンスに富んだ、21世紀の軍事作戦により即した理解を得 ようとするものである0
すなわち、 何のためにその作戦を遂行することが必要なのか、自分に何が期待されているのか、 14 Department of the Army, ADP 6-0 Mission Command: Command and Control of the Army Forces (Washington, DC, 2019), p.1-3. 15 Ibid., pp.1-3, 1-4, 1-5. 16 Ibid., p.1-11. 17 Jorg Muth, Command Culture: Officer Education in the U.S. Army and the German Armed Forces, 1901- 1940, and the Consequences for World War II (Denton, TX: University of North Texas Press, 2011),pp. 173-174; Robert M. Citino, The Path to Blitzkrieg: Doctrine and Training in the German Army, 1920-39 (Mechanicsburg, PA: Stackpole,1999), p.13; and Antulio J. Echevarria II, After Clausewitz: German Military Thinkers before the Great War (Lawrence, KS: University Press of Kansas, 2000), p. 39. 49 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) なぜその任務を行う必要があるのか、どこまで行動することが許されるのかを示すも のである。
逆に、そうした信頼関係や理解の共有がなされていない場合、指揮官は線下部隊指揮 18 Department of the Army, ADP 6-0, pp.1-5, 1-9-1-10; and U.S. Marine Corps, MCDP 6, p. 3-9. 19 U.S. Marine Corps, MCDP 6, p. 3-9. 20 Department of the Army, ADP 6-0, p.1-8. 21 Ibid.,pp. 1-11-1-12. 22 Ibid., p.1-7. 50 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド 官の裁量を認めることが難しくなりマイクロマネージメントに傾き、任務の達成方法 まで詳細に示した命令により款下部隊の行動を拘束しようとすることになる23。
航空戦力の指揮統制の中央集 23 Ibid., p.1-6. 24 Vego, General Naval Tactics, p.159. 25 Ibid., p.149. 26 Joe Labarbera, “The Sinews of Leadership: Mission Command Requires a Culture of Cohesion,in Mission Command: The Who, What, Where, When and Why an Anthology, eds. Donald Vandergriff and Stephen Webber (self-pub., 2017), pp. 3-5. 27 Clint Hinote, Centralized Control and Decentralized Execution: A Catchphrase in Crisis? (Maxwell AFB, AL: Air Force Research Institute, 2009), p.10. 28 Ibid., pp. 7, 8; Rick Atkinson, An Army at Dawn – The War in North Africa, 1942-1943 (New York: Owl Books, 2002), p. 390; and Leland Kinsey Cowie II, “The Ghosts of Kasserine Pass: Maximizing the Effectiveness of Airpower,” Joint Force Quarterly. No. 92 (1st quarter 2019), pp. 75-77. 51 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) 権化は1943年7月の陸軍航空軍のドクトリン文書に早速盛り込まれたが29、実際の作 戦では「第2次世界大戦の初期の戦いからベトナム戦争の全過程にいたるまで、米国 の空軍力に対する指揮権は細分化され、競合する指揮官により統制」されるなど3°、誰 が、いずれの航空戦力を、どのように指揮するかという問題は、米空軍にとっても「悩 ましい問題」であり続けた31。
29 War Department, FM 100-20 Command and Employment of Air Power (Washington, DC: U.S. Government Printing Office,1944), pp.1,2. 30 U.S. Air Force, AFDD 1 Air Force Basic Doctrine (Maxwell AFB, AL: Headquarters Air Force Doctrine Center,1997), p. 23. 31 Hinote, Centralized Control, p.10. 32 U.S. Air Force, AFDD 7, p. 23. 33 Hinote, Centralized Control, p.13. 34 U.S. Air Force, Basic Doctrine, vol.1(Maxwell AFB, AL: LeMay Center, 2015), “Centralized Control and Decentralized Execution.,9 35 Joint Chiefs of Staff, JP 3-30 Joint Air Operations (Washington, DC, 2021),p. GL-6. 36 U.S. Air Force, Basic Doctrine. 37 Jeffrey W. Donnithorne, Four Guardians: A Principled Agent View of American Civil-Military Relations (Baltimore, MD: Johns Hopkins University Press, 2018), p.117. 52
それは、 陸上の固定的な施設であるAOCが攻撃された場合や、JFACC – AOCと各部隊の間 38 Joint Chiefs of Staff, JP 3-30. p. GL-6. 39 XJ S Air Force Basic Doctrine 40 AOCはJFACとの「上級機関」であり「空軍の航空および宇宙作戦の指揮統制を提供し、他の構成部隊や軍 種との調整を行う」ものとされる。地域別AOCとしては、インド太平洋軍向けに3個、欧州軍•アフリカ軍 向けに1個、中央軍向けに1個、北方軍向けに1個など、通常は戦域レベルで1個設置されている。また、機 能別AOCとしては航空機動軍や空軍グローバル打撃軍などにもそれぞれ設置されている。なお、インド太平 洋軍に3カ所設置されているのは、アラスカ周辺、在韓米軍、それ以外のインド太平洋軍責任区域にそれぞれ 設置されているためである。U.S. Air Force, AFDP 3-30 Command and Control (Maxwell AFB, AL: LeMay Center, 2020), pp. 48-51; Joint Chiefs of Staff, DOD Dictionary, s.v. uair operations center^^; and “USAF Major Commands and Air National Guard,” Air & Space Forces Magazine, vol. 106, no. 7 (June/July, 2023), pp. 77, 83, 84. 41 Joint Chiefs of Staff, JP 3-30, p. GL-6. 42 Hinote, Centralized Control, p.11. 53 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月)
の通信が妨害された場合、それが指揮する航空戦力全体を麻痺させかねないためであ る。
米空軍協会ミッチェル空軍力研究所のデービッド・デプチュラ(David A. Deptu- la)退役空軍中将は2014年の論考で、航空作戦の指揮統制の「最上位のエレメントで あり、統合軍指揮官の航空戦略を執行可能な計画に転換」するAOCが敵対国の長距 離ミサイルに対して「きわめておいしいターゲット」になっていると指摘した43。
2020年3月に、統合参謀本部が進める統合全ドメイン作戦(JADO)に関連して空軍 43 David A. Deptula, “A New Era for Command and Control of Aerospace Operations?^, Air & Space Power Journal, vol.28, no. 4 (July/August 2014), p. 7. 44 Gene Kamena, “Before Mission Command/9 Wild Blue Yonder. April 20, 2023, https://www.airuniversity .af.eduAVild-Blue-Yonder/Articles/Article-Display/Article/3368347/before-mission-command/. 45「係争・拒否(contested and denied) Jあるいは「係争(contested)」は、米軍自体が敵対国の攻撃を受けて、 その行動が制約を受ける状況を指し「A2/AD環境」の言い換えとしてしばしば用いられる。 46 Gilmary Michael Hostage III and Larry R. Broadwell Jr., “Resilient Command and Control:rThe Need for Distributed Control,” Joint Force Quarterly, no. 74 (3rd Quarterly, 2014), p. 38. 47 Ibid. 48ホステージらは、統制活動を引き継ぐBMC2プラットフォームとして、E-2早期警戒機、E-3早期警戒管制機、 E-8 JSTARS を挙げている。Ibid., pp. 38, 39. 54 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド が作成したAFDN 1-20「統合全ドメイン作戦における米空軍の役割」は「係争環境 では常続的なリーチバック[注:前線部隊から後方の司令部や本土にある情報にアク セスすること]は保証されず」今後の「JADOでは、より一層の非中央集権型執行、 より高度の権限委任、中央での計画作成とミッション指示への依存を減らすことが求 められる」としたく%その上でAFDN 1-20は、指揮官が指揮官企図を明確に示し、そ れ以上の指示がなくともこれに基づいて線下部隊が行動するミッションコマンドが必 要であると説明していた弟。
さらに、米空軍が「ミッションコマンドを空軍力の指揮統制の哲学として正式に確立」 し・それを具現化するためのCC-DC-DEを採用したのは、2021年4月に基幹ドクト リンAFDP1「米空軍」を改訂した際においてである49 50 51 52(CC-DC-DEについては表参照)。 表2021年版AFDP1「米空軍」で規定された「中央集権型指揮、分散型統制、 非中央集権型執行」(CC-DC-DE)原則 中央集権型指揮 Centralized command ミッションコマンドの指揮統制哲学を用いて、軍事作戦の計画、指示、 調整を行う責任と権限を特定の指揮官(通常JFACCを想定)に付与。 中央集権型指揮により、線下指揮階梯におけるイニシアティブ発揮を 許容しつつ、環境の変化への対応、優先順位付け・バランスが可能。 作戦レベルでの柔軟性と多用途性を確保。 分散型統制 Distributed control 実効的なスパン•オブ・コントロールを確立するため、指揮官(通常 JFACCを想定)が、分散された場所あるいは款下指揮階梯に、計画 作成と調整活動を委任。明確に伝達された指揮官企図に基づき、款下 部隊指揮官が作戦環境の変化と一瞬の好機活用が可能。任務型命令、 否認による指揮による部下への権限付与。 非中央集権型執行 Decentralized execution 実効的なスパン•オブ・コントロールを確立し、戦術レベルでの規律 あるイニシアティブを醸成するための権限委任。ダイナミックな状況 で部下が一瞬の好機をつかむことを可能にするもの。前線の意思決定 < (打撃パッケージリーダー、航空戦闘管理官、前方航空統制官)が 現場で効果的な意思決定を行いうるようJFACC •線下指揮階梯は任 務型命令により指揮官企図を明確に伝達。 (出所)U.S. Air Force, AFDP 1 The Air Force (Maxwell AFB, AL: LeMay Center, 2021),pp.13,14. 49 U.S. Air Force, AFDN 1-20 USAF Role in Joint All-Domain Operations (Maxwell AFB, AL: LeMay Center, 2020), p. 5. 50 Ibid., p. 6. 51 CQ Brown (@GenCQBrownJr), “The New Air Force Doctrine Publication (AFDP)-1 Formally Establishes Mission Command as the Philosophy for the Command & Control of Airpower,” Twitter, April 22, 2021, https://twitter.com/gencqbrownjr/status/1385264895348903941. 52「基幹ドクトリン(capstone doctrine)Jは各軍の作戦の基本的な原則を示す中核的なドクトリン文書で、これ から枝分かれして分野別にドクトリン文書が作成される。空軍のかつてのAFDD!や現行のAFDP1、海軍の NDP1、海兵隊のMDCP h陸軍のADP 3-0などが基幹ドクトリンと位置付けられている。 55 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月)
前 述のヴェゴの指摘を繰り返せば「款下部隊指揮官がイニシアティブを発揮する必要性 53 Air University Public Affairs, “Air Force Rewrites Basic Doctrine, Focuses on Mission Command, Airpower Evolution,” April 22, 2021,https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/2581921/air-fbrce-rewrites-basic -doctrine-focuses-on-mission-command-airpower-evolution/. 54 U.S. Air Force, AFDP 1 Air Force (Maxwell AFB, AL: Curtis E. LeMay Center, 2021),p.13. 55 Air University, “‘Visualizing ACE,” YouTube video, 5:16, https://www.youtube.com/watch?v=LKGeCpdOOjM&t=72s. 56 U.S. Air Force, AFDP 7, p.13. 57 Shaun Waterman, “Using 5G to Create a “Disaggregated and Distributed, AOC,^^ April 7, 2021, Air & Space Forces Magazine, https://www.airandspacefdrces.com/using-5g-to-create-a-disaggregated-and-distributed-aoc/. 58 AOCが任務命令の形で指揮官企図を示し、それによって下位の指揮統制ノードが具体的な命令を作成し、航 空作戦を統制することをミッションコマンドの具体化であるとする見解は以下を参照。Trent R. Carpenter, “Command and Control of Joint Air Operations through Mission Command,Air & Space Poyver Journal, vol. 30, no. 2 (Summer 2016), p. 56. 59 Kamena, “Before Mission Command.” 56 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド が少なければ、詳細な命令の必要性が増すとともに、指揮官企図を伝える必要性は少 なくなる」のであり、逆に現場での判断を求めるのであれば、変化する目の前の状況 に照らして判断を行う基礎となる上位の指針や「なぜ」の説明を示す必要がある。
分散型作戦であるACEと空軍におけるミッションコマンドの導入が関連している 60 U.S. Air Force, AFDN 1-21 Agile Combat Employment (Maxwell AFB: LeMay Center, 2022), p.1. 61 Greg Hadley, “Brown: Air Force May Never ‘Slap the Table/ Finish Iterating ACE/9 September 27, 2022, Air and Space Forces Association, https://www.airandspaceforces.com/brown-air-fbrce-may-never-slap-the-table -on-ace/. 62 U.S. Air Force, AFDN 1-21,pp. 2, 3. 63 Ibid., pp. 5, 7. 57 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) ことは、ACEが太平洋空軍(PACAF)のイニシアティブとして始められた経緯から も裏付けられる。
また、スティー ブン•バシャム(Steven L. Basham) PACAF戦略•政策•プログラム部長は2015年 の論文で、CC-DC-DEを「適切なレベルの指針、権限、および信頼」を「すべての階 梯の指揮官」に付与することで任務の完遂を可能とする「ミッションコマンドという 考え方の精神を具現化」するものと位置付け、CC-DC-DEに含まれる分散型統制を実 現する上では、ミッションコマンド、指揮官企図による統一行動の確保、機敏で柔軟 な戦域航空管制システムが必要となると説明していた7°。
さらに、2020年2月のインタ ビューでブラウンPACAF司令官(当時)も、ACEがPACAFで引き起こした変化と 64 Amy McCullough, “Don’t Call It a Comeback,” Air Force Magazine, vol.98, no. 7 (July 2015), p. 25; and Marc V. Schanz, “Rapid Raptor Package,September 26, 2013, Air and Space Forces Association, https://www .airandspacefbrces.com/box092613rapid/ 65 David A. Williamson, “Pacific Air Forces’ Power Projection: Sustaining Peace, Prosperity, and Freedom,” Air & Space Poyver Journal, vol.29, no.1(January/February 2015), pp. 58-59. 66 Amy Hudson, “ACE in the Hole,” March 30, 201 7, Air and Space Forces Association, https://www .airandspacefbrces.com/article/ace-in-the-hole/; and Amy Hudson, “Rapid Raptor 2.0,^, March 7, 2017, Air and Space Forces Association, https://www.airandspacefbrces.com/rapid-raptor-2-0/. 67 “What’s on the Mind of Gen. C.Q. Brown,” Air Force Magazine, vol. 103, no. 4 (April 2020), p. 9; and Jennifer Hlad and Amy McCullough, “ACE-ing the Test: WestPac Exercise Stresses Agile Combat Employment,,9 Air Force Magazine, vol. 103, no. 5 (May 2020), p. 40. 68ブラウンの空軍参謀総長就任の翌年議会に提出された2022会計年度空軍省態勢報告は「新しいアプローチ」 としてACEを挙げたが、前年の2020年、ブラウンの前任者であるデービッド・ゴールドフィン(David L. Goldfein)空軍大将から議会に提出された202I会計年度空軍態勢報告にはACEに関する言及はない。
69 Pacific Air Forces, Pacific Air Forces: Command Strategy (Hickam AFB, HI, 2014), p.10; and Headquarters Pacific Air Forces Public Affairs, UPACAF Modifies Command Strategy,” October 10, 2023, PACAF, https:// http://www.pacaf.af.mil/News/Article-Display/Article/591127/pacaSmodifies-command-strategy/. 70 Steven L. Basham and Nelson D. Rouleau, “A Rebalance Strategy for Pacific Air Forces Flight Plan to Runways and Relationships,Air & Space Power Journal, vol.29, no.1(January/February 2015), p.11. 58 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド して分権型の指揮統制の導入を挙げていた71。
それは、指揮官企図を十分に 含めた上で戦闘中の対応については線下部隊指揮官に任せる「ネルソンタッチ」や、 上官は部下の判断に問題がない限り介入を控える「否認による指揮(command by negation)Jのような原則に象徴される?3〇
しかし、その米海軍も通信技術の発展もあり中央集権化とは無縁ではなくなった,七
第2次世界大戦中、合衆国艦隊司令官兼海軍作戦部長として海軍を率いたアーネスト・ キング(Ernest J. King)は、大西洋艦隊司令官であった194I年1月21日付で発出 した訓令「指揮権の行使——命令および指示における過剰な詳細」で「何をなすべき か」だけではなく、それを「どのようにすべきか」についてまで命令•指示を出すと いう行いが海軍に蔓延しているとしてこれを批判し「指揮の本質的要素」である「部 下によるイニシアティブ発揮」に立ち返ることを求めていた。
キングによれば、枢軸 国との戦争で指揮官には線下部隊の行動の細部に立ち入る時間や機会はないはずであ り、付与した任務をどのように遂行するかは部下に任せるべきであると説いたのであ 71 “What’s on the Mind of Gen. C.Q. Brown,” p. 9. 72 S. Rebecca Zimmerman, et al., Movement and Maneuver: Culture and the Competition of Influence among the U.S. Military Services (Santa Monica, CA: RAND, 2019), p. 53. 73 Graham Scarbro, “Go Straight at ‘Em!’: Training and Operating with Mission Command,Proceedings, vol. 145, no. 5 (May 2019), p. 23. 74 Vego, General Naval Tactics, p.152. 59 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月)
これは、CSGから離れて、分散して行動するSAGを敵艦艇攻撃に投入 することで「競技場を拡大する」すなわち敵に多方面からの防御に戦力を割くことを 75 Thomas B. Buell, Master of Seapower: A Biography of Fleet Admiral Ernest J. King, first Naval Institute Press paperback edition (Annapolis, MD: Naval Institute Press, 2012), pp. 521,522; and Milan Vego, Operational Warfare at Sea: Theory and Practice. 2nd ed. (London: Routledge, 2017), p. 93. 76 Kit de Angelis and Jason Garfield, “Give Commanders the Authority,Proceedings, vol. 142, no.10 (October 2016), p.19. 77 Dale C. Rielage, “Act on Commander’s Intent: The Navy Must Return to a Decentralized Command-and- Control Culture to Produce Combat Victories,Proceedings, vol. 143, no. 4 (April 2017), pp. 32-37. 78 Vego, General Naval Tactics, p.149. 60 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド 強要することをねらったものである?9〇
さらに、DLコンセプトは2017年1月の「水上部隊戦略——制海への回帰」で海軍 水上部隊のコンセプトに”、さらに、2018年12月の「海上優勢維持のためのデザイン Version 2.0Jで、DMOとして海軍全体のコンセプトへと位置付けられた引。
前述のディアンジェリスとガーフィールドは水上艦のDLコンセプトを 実現する上では「事前あるいは特に敵対行為が開始して以降の指示が上級司令部から * * * * * * 79 Thomas Rowden, Peter Gumataotao, and Peter Fanta, “‘Distributed Lethality’,” Proceedings, vol. 141, no.1 (January 2015), https://www.usni.org/magazines/proceedings/2015/january/distributed-lethality. 80 Commander, Naval Surface Force, Surface Force Strategy: Return to Sea Control (n.p., 2017), https://mediadefense.gov/2020/May/l 8/2002302052/-1/-1/1/SURFACEFORCESTRATEGY-RETURNTOSEACONTROL. PDF. 81 John M. Richardson, A Design for Maintaining Maritime Superiority, Version 2.0 (Washington, DC: OCNO, 2018), p. 8. 82 Michael M. Gilday, Navigation Plan 2022 (Washington, DC: OCNO, 2022), p. 8. 83 John M. Richardson, A Design for Maintaining Maritime Superiority, Version 1.0 (Washington, DC: OCNO, 2016), p. 5. 84 Richardson, A Design, Version 20, pp. 8, 9. 61 安全保障戦略研究 第4巻第2号(2024年3月) ほとんどあるいはまったくなくとも、各艦長が自身の艦を指揮する上で必要な決定を 行う権限が付与されていることが必要」であると指摘しため。また、アンドリュー •ビーラー (Andrew Beeler)も、2017年の論考で「水上艦艇が独立した部隊として空母打 撃群から離れて敵を攻撃する」というDLコンセプトを実現するためには「艦長は自 律的に彼らの艦の戦闘指揮を執り、空母打撃群における現在のリーダーシップモデル から脱却する権限が与えられる」ことが必要であり「分散型戦闘力には権限の分散が 必要」と主張した86。
NDP1は、海上戦闘のネットワーク化の効用に 言及した上で、敵の妨害や故障によりシステムが途絶したり、むしろ米軍側が敵によ る探知を回避するために電波を発信するネットワークの使用を意図的に控えたりする こともありうるとして「統一行動を維持しながら、非中央集権型作戦を積極的に推進」 すると述べた8%その上で、指揮に対するアプローチとして「指示による指揮」、「計画 による指揮」、「影響による指揮」の3つを挙げ、「指示による指揮」、「計画による指揮」 の2つが「不確実性をなくそうとする」ものであるのに対して「影響による指揮」す 85 De Angelis and Garfield, “Give Commanders the Authority/9 pp.19, 20. 86 Andrew Beeler, “Distributed Lethality Requires Distributing Authority: For This State-of^the Art Surface- Warfare Concept to Work, the U.S. Navy Must Recognize the Leadership Challenges It Poses?^^ Proceedings. vol.143, no.1(January 2017), pp. 55, 57. 87 Daniel Stefanus, “Embracing the Dark Battle: Electronic Warfare, Distributed Lethality, and the Future of Naval Warfighting,” Proceedings, vol. 143, no. 4 (April 2017), p. 30. 88 Scott Swift, “Master the Art of Command and Control,Proceedings, vol. 144, no. 2 (February 2018), p. 31. 89 David H. Berger, Michael M. Gilday, and Karl L. Schultz, NDP 1 Naval Warfare (Washington, DC: DON, 2020), pp. 43, 44. 62 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド なわちミッションコマンドは「確実性のニーズ自体を減らそうとする」もので、これ こそが「選好されるアプローチ」であるとした知。
すなわち「ミッショ ンコマンド2.0」は、指揮官達の間の、いわば水平的な関係を強調したものといえよ 108 Robert Rose, “Preventing a Short Jump across a Wide Ditch: Fully Embracing Mission Command to Avoid a Multi-Domain Disaster/9 Military Review, vol.100, no. 2 (March/April 2022), pp. 41,43; and Joint Chiefs of Staff, DOD Dictionary, s.v. “synchronization. 109 Department of the Air Force, AFDP 3-99/SDP 3-99, Department of the Air Force Role in Joint All-Domain Operations (Maxwell AFB, AL: LeMay Center, 2021),pp. 4,15. 110 Ibid., p.15. 111 Anthony C. King, “Mission Command 2.0: From an Individualist to a Collective Model,” Parameters, vol. 47, no.1(Spring 2017), pp. 8,11,12. 112 Ibid., p.19. 66 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド
116 Frederick Coleman, “Distributed Control: Getting It Right,” The Mitchell Forum, no. 50 (January 2023), p. 3. 117 Chris Gordon, “Operational Imperative No. 2: Operationally Focused ABMS,99 Air & Space Forces Magazine, vol. 106, no. 8 (August 2023), p. 33; and Secretary of the Air Force Public Affairs, t4ABMS Moves Forward on Cloud-based C2?” January 9. 2023, U.S. Air Force, https://www.af.mil/News/Article-Display /Article/3262645/abms-moves-fbrward-on-cloud-based-c2/. 118 Tom Clarity, ‘”Distribute DMO to Tactical Commanders,” Proceedings, vol.149, no.1(January 2023), pp. 27? 28. 68 ネットワーク化戦力にとってのミッションコマンド
119 George J. David, “Executing RXR: A MCISRE for Intelligence Operations,Marine Corps Gazette, vol. 107, no.10 (October 2023), pp.18, 20,また、ヴェゴは、作戦目標が政治的であるほど、また、敵対国との武 マ衝突に発展する可能性をはらむ危機時など、部下の錯誤を許容できない場合など、指揮統制の中央集権化が 高まると指摘する。Milan N. Vego, “‘Operational Command and Control in the Information Age,” Joint Force Quarterly, no. 35 (October 2004), p.110. 120 Eliot A. Cohen, Supreme Command: Soldiers, Statesmen, and Leadership in Wartime (New York: Simon & Schuster, 2003), p. 8. 70