日豪比が長距離攻撃兵器への投資を拡大、問題は目標に到達させる能力

日豪比が長距離攻撃兵器への投資を拡大、問題は目標に到達させる能力
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/japan-australia-and-the-philippines-increase-investment-in-long-range-attack-weapons-the-problem-is-their-ability-to-reach-their-targets/

『2024.03.16

中国は南シナ海や東シナ海の周辺で攻撃的な姿勢を強めており、国際戦略研究所は「フィリピン、日本、オーストラリアは長距離攻撃兵器に投資して攻撃能力の射程を拡張しているものの、これを目標に到達させる能力が欠けている」と指摘した。

参考:Philippines, Japan near long-range missile milestones as they arm up for China
参考:Philippines To Acquire HIMARS, More BrahMos Missiles In Coming Years
参考:Long-range Strike Capabilities in the Asia-Pacific: Implications for Regional Stability

長距離攻撃兵器の取得と長距離攻撃能力の確立は別問題、フィリピン、日本、オーストラリアの長距離攻撃能力は米軍に依存

中国は南シナ海や東シナ海の周辺で攻撃的な姿勢を強めており、フィリピンでは2022年1月にBrahMos調達(海兵隊用3個中隊分)を発表し、ロメオ・ブラウナー陸軍大将も砲兵連隊創設125周年記念の式典で「我々は対艦ミサイルを手に入れ数年以内にHIMARSも登場するだろう」と語り、言及した対艦ミサイルはブラモス調達を、HIMARSはPrSM Increment2調達を示唆していると解釈されている。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Jonathan Sunderman/Released

日本もTomahawk BlockV(400発)調達を予定していたが、配備時期を前倒しするためBlockIV(200発)とBlockV(200発)の調達に切り替え、これと並行して12式地対艦誘導弾・能力向上型の開発と量産準備も進めており、こちらも配備時期を2026年度から2025年度に前倒しする方針だ。

オーストラリアも2023年4月「長距離攻撃兵器の国内製造を2027年から2025年に前倒しする」と発表、開発に参加しているのPrSM、シーカー開発に参加しているJoint Strike Missileの国内生産を、ホバート級駆逐艦向けに米国からTomahawk BlockV(20発)とBlockV(200発)を調達する予定だが、この様な長距離攻撃兵器の運用はISR能力やC4ISRの強化が必要で、国際戦略研究所(IISS)は「フィリピン、日本、オーストラリアの攻撃能力は射程が伸びても目標に到達させる能力が欠けている」と指摘した。

出典:Lockheed Martin Long Range Maneuverable Fires missile(PrSM Increment4のデモンストレーター)

IISSは「フィリピンは長距離センサーを搭載した航空機や艦艇が限られ、こうしたギャップを埋めるのに米軍の支援が役立っているものの、長距離攻撃能力と指揮統制能力を効果的にリンクさせるためには追加の投資が必要」「豪州はISR能力への投資を増やしているもののC4ISRイネーブラー・アーキテクチャに対する米軍の支援に依存し続けるだろう」「日本のISR能力も不十分で宇宙能力やレーダーへの投資、部隊間や米軍との調整を改善するため統合作戦司令部の設置を計画しているものの経験が不足のため、日本の長距離攻撃能力は日米同盟の枠に留まる」と予想している。

要するにフィリピン、日本、オーストラリアは長距離攻撃兵器の取得で射程を大きく拡張させてもISRTや経験が不足しているため、独立した長距離攻撃能力の確立が難しい=米軍が中国軍の干渉を受ければフィリピン、日本、オーストラリアの長距離攻撃能力も支障をきたすという意味だ。

関連記事:中国牽制に効果を発揮、フィリピンがブラモス購入計画を承認
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 15  』

『 一般人
2024年 3月 16日

返信 引用 

これは昔から言われていたことで、

 ①敵を捕捉し

 ③射程内まで近づき

 ③ミサイルを発射し

 ④ミサイルを到達させ

 ⑤目標に命中させる

をしなければ目標を撃破できません。

そしてこのすべての工程で敵の迎撃を突破する必要があります。
長距離攻撃兵器の保有だけでは初めの①が達成できません。
さらに言えば米軍以外では敵迎撃網を突破する能力も不足しています。
11

パラベラム
2024年 3月 16日

返信 引用 

このミサイルの話を聞いたとそれを命中させる体制ごと構築すると思ってたんですが違うんですかね。
3

    Whiskey Dick
    2024年 3月 17日
    返信 引用 

>ミサイルを命中させる体制ごと構築する

これは陸自の話だが、先進国では標準となっているレーザー誘導兵器の照準員が存在しないとのこと。また装甲車でもデータリンクを搭載しているのは隊長車のみで、他は無線しか積んでいない。陸自は火器類の装備に熱心なものの、敵を見つけるセンサー、各部隊の情報を共有するデータリンク、装軌車両を戦場に輸送するトレーラーなどの支援装備を極端に軽視している。
米軍ほどの支援能力は必要ないが、他国との共同訓練で運用体制のトレンドを見習うことぐらい出来るはず。
16
        あへ
        2024年 3月 18日
        返信 引用 

    レーザー誘導?火力誘導員の話なら10年辺りから教育が始まって即応機動連隊だの水陸機動団だのに火力誘導員の配置は始まってるからそれは良い
    データリンクの件はコータムに載せてるらしいrecsなどれほど機能してるかという話が全く耳に入ってこないので謎も謎だがデータリンクに関しては整備に力を注いでるのでは

    一番で致命的な問題はドローンやその他データリンクを活用するときに障害となる電波帯の制限ですね』