「継戦能力」に不安抱える日本、岸田首相「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240225-OYT1T50008/
『 2024/02/25 05:00
ウクライナ情勢
[ウクライナ侵略2年]見えない出口<5>
自民党の小野寺五典・元防衛相は昨年12月中旬、ウクライナのオレクシー・レズニコフ前国防相と東京都内で向き合った。
岸田首相と面会後、取材に応じる自民党の小野寺五典・元防衛相(昨年12月15日、首相官邸で)=川口正峰撮影
小野寺氏が、ライセンス生産する地対空誘導弾パトリオットミサイルを米国に輸出する方針を伝えると、レズニコフ氏は「大きな支援になる」と謝意を示した。米国が保有する同ミサイルの在庫は、ウクライナへの提供で枯渇している。日本が米軍に同ミサイルを提供することは、ウクライナへの間接的な軍事支援になり得るためだ。
「日本はこれまでも、そしてこれからもウクライナと共にあります」
岸田首相は19日、東京都内で開かれた「日ウクライナ経済復興推進会議」でこう強調した。首相は日頃から「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し、日本がウクライナに関与し続ける姿勢を示す。
北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、中国による台湾侵攻が懸念される中、ウクライナがロシアに屈することがあれば、日本を取り囲む権威主義国家を勢いづかせかねない。
弾薬保有数の少なさから「継戦能力」に不安を抱える日本の状況も、弾薬不足で苦戦を強いられているウクライナの事情と重なる。外務省幹部は「『ウクライナは人ごと』という態度では、日本周辺で万が一のことがあっても欧州諸国から支援が得られる保証はない」と語る。
ウクライナは各国に戦車や弾薬などの提供を要請するが、日本からの装備品の供与は現在、防弾チョッキなど殺傷能力のないものに限定されている。
ニーズがあっても、ウクライナへの直接提供は認められていない。日本政府内には一時、ライセンス生産したりゅう弾砲などを米国に輸出する案もあったが、実現しなかった。
日本は、ロシア政府が新設した会社が運営する露極東の資源事業「サハリン2」から液化天然ガス(LNG)輸入を継続しており、「さらなる軍事的支援がロシアを刺激する可能性に配慮したのではないか」との見方も出ている。
先進7か国(G7)の一員として、日本は平和国家の理念に反しない範囲で、国際秩序の維持にどこまで貢献できるのか。欧米の「支援疲れ」も指摘される中、真剣な議論が求められている。
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ローマ支局・倉茂由美子、ワシントン支局・池田慶太、ロンドン支局・尾関航也、蒔田一彦、政治部・谷川広二郎が担当しました。』