会議でキレた部長 部下からの高額請求
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00008350W3A211C2000000/
※ 自分の感情のコントロールもできないようでは、「人の上に立つ」資格無し…。
『東京都内にある大手インターネットサービス会社の会議室。2016年6月のある日の夕方、40代の男性が部長として率いるチームの7人が定例会議に臨んでいた。上層部の指示で大幅に引き上げられた月間の売り上げ目標。どうやって達成するか。営業方針などを話し合う場だった。
途中、チームメンバーの報告にひとりの部下が口を挟んだ。「それ意味あるの? もっとやり方あるんじゃないの?」。報告内容は既にチーム内で合意していたはずで、責任者である自分への当てつけではないか――。そう捉えた部長は「文句があるなら言えよ。他に方法があるなら代案を出せよ」と語気を強めた。「文句なんか言ってないじゃないか」と「ため口」で言い返した部下は、役職は違えど同い年だった。』
『「文句があるなら代案を出せ」。男性部長は会議中、部下の言動に怒りを抑えきれず思わずつかみかかった。暴行で心身を傷付けられたとして部下に訴えられ、要求された賠償額は1億4千万円。「沸騰」した感情をいかに鎮めるか。ストレス社会といわれる現代の管理職は、仕事だけでなく自分自身をマネジメントする能力も求められている。 』
『日付が回った午前3時ごろ、部長を含むチームのグループチャットに部下が投稿した。「時間とともに首の症状が悪く、激痛が走ってきている。朝から病院に行きます」。
以後、首の痛みや手足のしびれを訴えた部下はうつ病などの診断を得て、1カ月後に退職。20年、部長と会社を相手取って訴訟を起こし、約1億4千万円の賠償を求めた。』
『そんなストレス社会に生きる管理職に欠かせないのが、自身の怒りの感情をコントロールする力だ。「アンガーマネジメント」の技術として「イラッとしたらまずは心の中で6秒数え、怒りのピークが通り過ぎるのを待つ」方法が知られている。
一審判決後、賠償額に不満の部下側は地裁の評価に誤りがあるとして控訴した。部長側も敗訴部分の取り消しを求め、裁判は今も続く。もし部長が怒りをのみ込めていれば、そもそも争いは起きていない。「6秒」待てなかったばかりに始まったトラブルは既に7年半に及んでいる。』