マレーシア首相「日本とは補完関係」 安保・DXで協力
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM170OC0X11C23A2000000/
『日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議で来日中のマレーシアのアンワル首相は17日、都内で日本経済新聞の取材に応じた。日本との関係について「互いに補完し合っている」と述べ、支援の受け手だった以前より対等な立場にあるとの認識を示した。
アンワル氏は「1970年代や80年代のように投資を受けて生産するだけでなく、パートナーとして参加できるようにしたい」と強調。海洋安全保障やデジタルトラン…
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『海洋安全保障やデジタルトランスフォーメーション(DX)などの分野で日本と協力していきたい考えを表明した。
マレーシアはマラッカ海峡に面し、 シーレーン(海上交通路)の要衝に位置する。日本政府は16日、防衛装備品などを無償で提供する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を活用し、マレーシアへ救難艇を供与すると表明した。
マレーシアは80年代に当時のマハティール首相が日本を手本に開発を進める「ルックイースト政策」を提唱。2015年にはナジブ首相(当時)が日本と「戦略的パートナーシップ」を結び、緊密な経済関係を構築してきた。しかし近年は中国や欧米からの直接投資が目立ち、日本の存在感は薄まりつつある。
アンワル氏は「日本は伝統的に貿易や投資の面で重要な国だ」としてボルネオ島のサラワク州にある天然ガス田からの液化天然ガス(LNG)の日本への安定供給などに触れ、より包括的なパートナーとして関係を強める考えを示した。
マレーシアの22年の国内総生産(GDP)伸び率は8.7%と22年ぶりの高水準となり、23年も4%成長を見込む。22年の1人あたり国民総所得(GNI)は1万1780ドル(167万円)。世界銀行による高所得国の分類(1万3000ドル強)まであと一歩のところに来ている。
経済面での重要課題については「DXと脱炭素問題」を挙げ、海外からの投資の誘致にも引き続き注力するとした。金融面では通貨マレーシアリンギ安を念頭に米国の金融政策などの影響を受けにくくするため貿易での「自国通貨の使用比率を高めたい」とした。
米中対立などの国際関係については「すべての国と友好関係を築き、どこかの勢力の手先になっているとは思われないようにする」と、全方位外交を続ける姿勢を示した。
南シナ海問題については「領有権の問題は中国だけでなく他の国とも問題を抱えており譲歩するつもりはない」としつつも、最大の貿易相手国である中国に配慮し「中国との関係に影響を与えるようなけんかをする必要はない」とした。
(佐藤史佳)
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神保謙
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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分析・考察 今年8月の演説でアンワル首相は「マレーシアの安全保障は”地域の中”(in)に、また”地域と共に”(with)あるが、”地域からもたらされる”(from)ものでない」という謎かけのような発言をしている。マレーシアが主体的に地域と関わることを指向したものであろう。
日本もその中に位置付けられている。
マレーシア自身の戦略的要衝である自覚、経済成長の自信、戦略的自律性や国際社会での代表権を高める指向性(ときとして反欧米主義に傾く傾向もある)、にピントを合わせると、マレーシアとの関係強化の方向性が見えてくる。
2023年12月17日 23:26いいね
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