フィリピン国防相「日本などと合同巡回」 南シナ海で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM293A60Z21C23A1000000/
『【マニラ=志賀優一】フィリピンのテオドロ国防相は30日、日本や英国を含む複数国と合同パトロールを実施する意向を明らかにした。場所は中国と領有権を巡り対立する南シナ海を想定する。11月に米国とオーストラリアと実施し、今後も外国部隊と連携を強める。中国の海洋進出を強く非難し、対中で結束する姿勢を鮮明にした。
テオドロ氏は日本経済新聞の単独インタビューに応じ「多国間の合同パトロールは絶対に実施したい」…
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『テオドロ氏は日本経済新聞の単独インタビューに応じ「多国間の合同パトロールは絶対に実施したい」と語った。同氏はマルコス大統領の政権下で6月、国防相に就任した。2007〜09年にもアロヨ元大統領の政権で国防相を務めるなど歴代の大統領から信頼が厚く、10年には大統領選に出馬した経験も持つ。
フィリピン軍は21〜23日に米軍と、25〜27日に豪州軍とそれぞれ南シナ海で合同パトロールを実施したばかり。テオドロ氏は「海軍間の相互運用性が高まる」と成果を強調し、今後も定期的に実施することに意欲を示した。
米豪のほか多国間で合同パトロールを実施する候補国として「日本、ニュージーランド、英国、カナダ、フランス、そのほか数カ国だ。こうした国が合同パトロールへの参加を希望している」と具体名を列挙した。場所は南シナ海や公海が対象となる。
南シナ海での合同パトロールは領有権を巡り対立する中国へのけん制につながる。
国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年、南シナ海における中国の領有権の主張を否定する判決を下したが、中国は海洋進出を継続する。フィリピン船に対する放水銃の発射のほか両国船が衝突する事案などが頻発している。豪州との合同パトロールでも中国側に追尾されたことが明らかになっている。日米豪など各国は仲裁裁の判決を尊重するとともにフィリピンを支援する姿勢を示す。
テオドロ氏は中国が領有権を主張し今後活動を活発化する可能性について「我々は常に懸念している」としたうえで、「戦争はしたくない」と強調した。一方で「中国こそが違法な行為をしている。一切容認できないうえ国際法のいかなる基本規範にも違反する」と強く非難した。
3〜4日にフィリピンを訪問した岸田文雄首相がマルコス氏と首脳会談し、自衛隊とフィリピン軍の相互往来を促進する円滑化協定(RAA)の交渉開始を決めた。協定を締結すれば合同演習をより頻繁に実施できるようになる。フィリピンの代表団が訪日して交渉を本格化させており、テオドロ氏は24年1月にも締結することを「望む」と語った。
テオドロ氏は防衛協力のほか観光促進や経済活動など日本とフィリピンには「多くの相乗効果と可能性がある」と語った。
フィリピン国内に今後「民間も軍も利用できる戦略拠点」を設置する意向も明らかにした。協力関係にある他国の軍隊に駐留を認めないものの、利用を認める拠点になるという。具体的な場所や設置の時期などについては明らかにしなかった。
フィリピンは6月、日米豪と4カ国による防衛相会議も初めて開いた。テオドロ氏は今後も同会議を開くことに期待を寄せたうえで、「4カ国でも何カ国でも連携は、誤った情報や中国によるフィリピンへの破壊的な戦術などに対抗するために必要だ」と述べた。』