フィリピン軍参謀総長、安全保障分野における米国と日本の関係強化を発表
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/philippine-army-chief-of-staff-announces-strengthening-of-u-s-japan-relations-in-the-security-field/
『フィリピンのマルコス政権は対米関係の強化に乗り出したため南沙諸島の領有権を巡って中国との対立がエスカレートし、フィリピン軍のロメオ・ブラウナー参謀総長は19日「安全保障分野における米国と日本の関係を強化する」と発表した。
参考:Philippine Military Plans Stronger US, Japan Ties Amid China Row
参考:France Offers New ‘Scorpene Evolved’ Li-Ion Submarine To Indonesia
フィリピン軍の戦力構成は「国内ゲリラとの非対称戦」から「中国との対立を視野に入れた対称戦」へと変貌を遂げつつある
フィリピンと中国は南沙諸島の領有権を巡って対立し、中国は占有したスカボロー礁海域からフィリピン漁民を締め出してしまい、対中関係の改善に務めたはドゥテルテ政権は「スカボロー礁での操業」を認めさせることに成功したものの、対米関係の強化に乗り出したマルコス政権は今年2月「米軍による国内基地の使用権拡大(5ヶ所→9ヶ所)」を承認。
米軍が新たに獲得した基地は「南シナ海や台湾を監視するに最適な特等席だ」と言われており、中国側は南シナ海の対立をエスカレートさせることでマルコス政権に圧力を加えている。
中国海警局は今年8月、セカンド・トーマス礁のフィリピン軍前哨基地(戦車揚陸艦を座礁させた拠点)に補給へ向かった船を放水で妨害、9月には「国益を保護するため必要な措置」と主張してスカボロー礁周辺に障害物を設置、フィリピンは「スカボロー礁周辺に設置された障害物は航行の妨げになる上、明らかに国際法に違反した行為だ。さらに漁業で生計を立てているフィリピン漁民の操業も妨害している」と非難し、フィリピン軍のロメオ・ブラウナー参謀総長は19日「安全保障分野における米国と日本の関係を強化する」と発表した。
ブラウナー参謀総長は「新たに使用が許可された基地に『米軍の強力な軍事施設』が建設される。日本とも部隊訪問に関する取り決め(円滑化協定=RAAや物品役務相互提供協定=ACSAのことだと思われる)の取りまとめを急いでおり、来年には自衛隊とより密接に交流することを視野に入れている」と述べ、中国との対立悪化に備えて米日関係を強化する方針を打ち出してきたが、フィリピンの安全保障政策は米国依存ではなく多国間にまたがるタイプだ。
安全保障政策と密接に結びつく武器調達先はインド(ブラモス)、イスラエル(SPYDER、ATMOS、Sabrahなど)、トルコ(T129B/ATAK)、韓国(FA-50、ホセ・リサール級フリゲート、大型OPV)、米国(S-70i)、日本(レーダー)などが挙げられ、スウェーデンからグリペン、フランス、スペイン、韓国の何れからか潜水艦を調達予定で、フィリピン軍の戦力構成は「国内ゲリラとの非対称戦」から「中国との対立を視野に入れた対称戦」へと変貌を遂げつつある。
出典:Lockheed Martin
恐らく米国との関係強化は武器調達の選定にも大きな影響を及ぼすため、戦闘機の調達先に米国(F-16V)が再浮上するかもしれない。
因みにフランスは新しい潜水艦「Scorpene Evolved」を発表、これはインドネシアに提案していたスコルペヌ型潜水艦を置き換える存在で、海中航行の動力源を「AIP機関+鉛電池」の組み合わせではなく、AIP機関を廃止して「リチウムイオン電池」に一本化した設計(たいげい型と同じ)だ。
出典:海上自衛隊
Scorpene Evolvedの連続行動時間は最大80日間(内78日間は潜航状態)、航続距離も8,000海里以上、イタリア製のBlack Shark、フランス製のF21、 エグゾセの水中発射バージョン、フランスが実用化済みのD-17(魚雷発射管から運用できるISR用途のUUV)が統合され、ナバル・グループは「市場に今後提案していくスコルペヌ型から鉛電池を廃止する可能性がある=AIP機関+リチウムイオン電池の組み合わせorリチウムイオン電池のみになるという意味」と述べている。
もしかするとフィリピンに提案しているスコルペヌ型も「Scorpene Evolved」で置き換えられるかもしれない。
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『 58式素人
2023年 10月 19日
返信 引用
潜水艦のAIPについて。
少なくも、スターリング発電機や閉回路?蒸気タービンより、リチウム電池で決着なのでしょうか。
燃料電池は、併用の価値はありそうな気がしますが、どうでしょう。
ところで、リチウム電池は誰が供給するのだろう(ライセンス?を含めて)。
それと、フィリピンは、来る?台湾事変?で台/米(日?)側に立つということだろうか。
4
トブルク
2023年 10月 19日
返信 引用
フランスでもギガファクトリーが竣工してリチウムイオン電池の生産が始まってますので、国産品を使うと思われます。
日本がそうりゅう型にリチウムイオン電池を採用する際にスターリンク機関を排したのは、蓄電容量でさほど優位性がなく、燃料を使い切るとただのデッドウェイトにしかならないからです。
燃料電池も同じ問題があり、充電すれば回復できるリチウムイオン電池一択が、今後は主流になると思われます。
固体電池やバイポーラ型リチウムイオン電池など、次世代電池が登場すれば、差はますます広がります。
ただし、リチウムイオン電池はAIPより値段が高いので、コスト重視なら燃料電池の選択もあるかもしれません。
なお、日本では潜水艦輸出に期待する人がいますが、個人的にはたいげい型のバッテリー急速充電システムを売ればいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうね。
4
58式素人
2023年 10月 19日
返信 引用
そうでしたか、フランスでも自国生産するのですね。
急速充電システムからでも輸出ができれば良いな、と思います。
ただ、リチウム電池はまだ気難しい(?)部分があると思うので、
システムは自国製の電池込みが良いような気がします。
電池の熱暴走対策などは、メーカーによって違うかもしれません。
あと、これは素人の希望ですが、将来的に、潜水艦の外部から
非接触式に充電できる装置が欲しいと思います。
小型艦などでは、将来、ディーゼル機関が邪魔にされそうな気もします。 』