金正恩氏「核保有を永続化」 北朝鮮、核軍拡へ憲法明記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM285TM0Y3A920C2000000/
『【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮メディアは28日、最高人民会議(国会に相当)が核兵器政策の方針を憲法に明記する案を採択したと報じた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は米国の核を「脅威」と強調し、核を永続的な自衛手段と位置づけた。日米韓への対決姿勢を鮮明にし、核軍拡路線を公然と唱えている。
26〜27日に開いた最高人民会議で「核兵器の発展の高度化」について憲法に記載すると決定した。核保有によって戦争抑…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『核保有によって戦争抑止や地域と世界の安定を守るといった内容が新たに憲法に加わる。
金正恩氏は演説で「永続する国家最高法に核兵器の強化政策を規定したことは適切だ」と主張した。「核保有国の地位を譲歩しない」「核を国家の永遠の戦略資産として強化する」などと繰り返し、核を放棄しない考えを前面に打ち出した。
北朝鮮は2006年に初めて核実験を断行し、12年に憲法に「核保有国」と明記した。その後の核実験と相次ぐミサイル発射で核弾頭やミサイルの製造技術は向上した。今回加わった「核の高度化」の文言からは、核の保有だけでなく開発・製造を続ける意思がうかがえる。
憲法に明記したとあえて公表することで、国際社会に一方的な核開発の停止や核放棄の考えがないことを示す。
金正恩氏は演説で核兵器の増産や攻撃手段の多様化にも言及した。ロシアによるウクライナ侵攻以降、核の保有にとどまらず、実際に使うことを前提においた言動に拍車がかかっている。
22年には核の使用条件を定める法令を採択し、韓国を攻撃範囲に入れる短距離弾道ミサイルを「戦術核の訓練」と表明して何度も発射した。
こうした姿勢には、核で周辺国を脅しても孤立しないという自信がうかがえる。実際、22年以降の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡っては国連安全保障理事会から一度も制裁決議を受けていない。常任理事国のロシアと中国が賛同しないためだ。
金正恩氏はこうした国際情勢を「新冷戦」と表現し、日米韓3カ国による安全保障協力の強化を北大西洋条約機構(NATO)になぞらえて「アジア版NATO」と断じた。米国と韓国が核の運用を協議する「核協議グループ」の立ち上げにも触れ、自らの核開発を正当化した。
同氏は13日にロシアのプーチン大統領と会談し、軍事協力で合意を取り付けた。演説では「米国と西側の覇権戦略に反対する国々と連帯を強化する」と明言した。米国と対立するロシアや中国を念頭に置いた発言だ。
最高人民会議では国家宇宙開発局を「国家航空宇宙技術総局」に改編する案も採択した。軍事偵察衛星や弾道ミサイル技術の蓄積に重要な役割を果たしてきた組織を強化する意図がみえる。ロシアは北朝鮮の衛星開発を支援する方針を示す。
【関連記事】米国「米朝対話の突破口の兆しない」 米兵解放も未接触 』