岸田首相、処理水で中国に反論へ 会議で李強首相と同席

岸田首相、処理水で中国に反論へ 会議で李強首相と同席
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA021IL0S3A900C2000000/

 ※ 「認知戦」の戦いなんで、しっかりやってもらいたい…。

『岸田文雄首相は5日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するためインドネシアに向け出発した。中国からは李強(リー・チャン)首相が参加し、会議で顔をあわせる。中国側が東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり批判すれば反論する構えをとる。

首相は5日、処理水放出に関し「複数国間の会談や首脳会談を通じて、透明性を持って国際原子力機関(IAEA)と協力している日本の取り組みに…

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『首相は5日、処理水放出に関し「複数国間の会談や首脳会談を通じて、透明性を持って国際原子力機関(IAEA)と協力している日本の取り組みについて説明を尽くしたい」と述べた。出発に先立ち首相官邸で記者団に語った。

首相は7日までASEAN関連首脳会議に出て、8日にインドに移動する。9〜10日の20カ国・地域(G20)首脳会議に参加し、11日に帰国する。

インドネシアではASEANや域外国も含めた複数の会議で、中国の李首相と同席する。6日にASEANプラス日中韓3カ国の首脳会議、7日には米ロやインド、オーストラリア、ニュージーランドも加えた東アジア首脳会議(EAS)がある。

各国の首脳らにそれぞれ発言の機会がある。その順番は議長国のインドネシアの差配で決まる。日中ともに東電の処理水の海洋放出について発言すると想定される。

海洋放出は放射性物質のトリチウムを安全基準内に収めているものの、中国が「核汚染水」と決めつけて批判している。日本産水産物を全面的に輸入禁止し、福島県などで中国からの嫌がらせ電話も相次いだ。

李首相が各国の前で日本批判をする可能性がある。岸田首相は国際原子力機関(IAEA)の報告書などを踏まえ安全性を確保していると説明する方針だ。中国には引き続き専門家を含めた科学的な議論を呼びかける。

日本は処理水の放出に関し、事前に韓国や東南アジア、太平洋島しょ国などの周辺国に幅広く説明してきた。中国以外に政府として反対論を唱えるのはロシアや北朝鮮といった国に限られる。

日本政府内で「中国は孤立している」との分析がある一方で、中国側がこれほど強く批判するとは読み切れていなかった面もある。中国への経済的な依存度が高い新興・途上国を中心に反対論に理解を示す動きが出ないか警戒する。

日中関係は処理水放出まで改善の兆しがあった。岸田首相はジャカルタで李首相との会談を探り、ニューデリーで習近平(シー・ジンピン)国家主席と会うシナリオも浮上していた。

首相は引き続き中国に対話を呼びかけるものの、その機運はしぼんでいる。公明党の山口那津男代表は8月28〜30日に予定していた中国訪問を延期した。習氏はG20首脳会議を欠席する。

日本政府は中国が国際会議でどのような発言や態度をとるかを踏まえて出方を探る。処理水の海洋放出は福島第1原発の廃炉に欠かせず、妥協の余地は少ない。

中国の厳しい対応は若年層の失業など経済不調への不満をそらす狙いなど国内事情を理由にしているとの見方もある。実際にそのような状況であれば解決には交渉というより時間が必要だという問題といえる。

日米韓3カ国は安全保障協力を強め、対中国を念頭に置いた「自由で開かれたインド太平洋」の実現にも関与する枠組みに変えた。日本政府は中国が日米と韓国の分断に動くために処理水問題を利用するかにも注意を払う。』