中国のメンツ文化と、アメリカ左翼の結果平等。「似ている」
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『中国のメンツ文化については、過去にブログで何回か取り上げています。例えば、いきなり初対面で年収を聞いてきて、金額で人間関係をはかるとか。都会に出た青年が故郷に戻る時は、成功者に見せかけるように高級車をレンタルして、実家の庭に止めるのがデフォルトとか。結婚式で、結納金の札束を、見えるように机に積んでお披露目するとか。まぁ、正直と言えば正直、見栄っ張りを隠す事が美徳にならない文化というか、そういうものだと考えれば、「大陸風」という一言で片付いてしまう社会なんですね。
中国の高級酒で貴州茅台(マオタイ)酒という銘柄があります。何かにつけて、これを出す事が接待の基本になるお酒で、大概は、この酒で乾杯するところから宴が始まります。お酒の種類としては、白酒で、無色・透明でアルコール度数が50度を超える強いお酒です。匂いが独特なので、実は接待の場に付き物のコンパニオンの女性からは嫌われていたりします。もちろん、仕事なので、嫌な顔はしませんが、貴州茅台(マオタイ)酒が好きな女性というのは、その人自身が事業をやっていて、付き合いで、あちこちに顔を出す必要がある人しかいないイメージです。
実は消費量から言うと、世界三大蒸留酒になっていて、ウイスキー、ブランデーと並び称されるお酒でもあります。消費は殆が中国国内ですが、何しろどんな集まりでも、人を持て成す必要が出てくると、出されるお酒なので、消費量が多いです。実は、付き合いで、これで、乾杯する機会が多いので、金持ちを殺す酒と陰口も叩かれています。注がれた酒は飲み干さないと失礼にあたるので、実業家でも官僚でも、力を持っている人ほど好き嫌いにかかわらず、飲む機会が増えて、それは寿命を縮めるほどなんですね。
何かとメンツで物事を考える中国は、出てくる数字が信用できないと良く言われます。大卒の失業率も、とうとう発表自体を止めちゃいましたね。相当に盛って、実態より良い就業率を出したつもりが、それでも評価が悪かったので、数字の公表自体を止めちゃいました。それで、現実が変わるわけでもないんですけどね。とにかく都合が悪い数字は隠すのが、デフォルトです。しかし、中国政府の発表する経済指標なんかより、よっぽと正確に経済状況を判断する現象があるのです。それは、このお酒の価格です。経済が過熱していた時期には、白酒の中でも醸造に手間と時間のかかる本物(ここ大事です。中国では、偽物が大量に出回っています)の貴州茅台(マオタイ)酒の値段は、13万近くしていたのですが、今は6万円程度です。実は、物凄く売上が落ちています。
日本でも経済産業省の出す短観(全国企業短期経済観測調査)よりも、タクシー運転手の感想のほうが正確だと言う都市伝説がありますが、景気に左右される商品やサービスに最も敏感に経済動向が現れるという事ですね。そして、中国の場合は、この貴州茅台(マオタイ)酒の需要が、最も敏感に経済を反映するスケールになりえるのです。実際、中国の経済は、確実に悪化していると言えます。今年は、洪水で大量の耕作地が水没していますが、今から断言しますけど、秋の収穫期には、「大豊作」と発表するはずです。その裏では、嫌がらせでオーストラリアや台湾に課していた、食料関係の規制を撤廃して、大量に輸入するはずです。それで、辻褄を合わせて、真実を伝えないのが中国流です。既に石炭は解除しましたしね。
動機は違うものの、これと良く似ているのが、アメリカ左翼の考える「平等」です。例えば、空軍のパイロットの黒人と女性の比率が少なすぎると問題に上がると、黒人や女性に対する採用基準を下げて、合格者を増やして、結果平等にするんですね。ようは、数字で「平等」という状態を作る事が、正しいとされるわけです。ところが、基準に満たないパイロットが増えるので、当然ながら事故が増えます。素晴らしい思想の結果なのだから、それは社会が受け入れるべきと考えるのが、今のアメリカの左派思想です。
空軍のパイロットという狭い世界なら良いのですが、同じ理屈は医師免許や大学教授の割合にも適用されます。つまり、白人の比率が多すぎると断じられると、試験のレベルを下げたり、特定の人種や性別だけ試験結果にゲタを履かせて、合格させてしまう事で、比率を整えようとします。つまり、基準に満たない未熟な医師が増えるという事です。これも、結果平等の考え方です。そして、それが素晴らしい事だと考えるのが、アメリカの左派思考です。
カリフォルニア州で問題になっている、10万円以下の万引きは、処罰の対象としないという法律も、「貧乏でお金が無い人は、生活に困っているよね」からの、結果平等で犯罪を罰しないという思想なんですね。貧乏だろうと金持ちだろうと、犯罪は犯罪なんですが、生活困窮者は盗んでも良いとしてしまうのが、アメリカ左翼思想です。この原動力は、左翼活動家の考える理想社会という結果を得る為に、法律も道徳も資格試験も、捻じ曲げて構わないという、ある意味、中国の数字改竄と同じ思考があります。
人口比でアメリカの黒人の比率は、15%程度なのですが、全ての職業で15%は黒人を含まなければならないと考えるのがアメリカ左翼です。その為なら、採用基準を下げ、テストの点数を盛り、成績の良い白人を不合格にしてでも、黒人を採用すべきというのが、基本的な考え方です。で、これを支持しているのが、黒人だと思うでしょ? 実は、大部分の黒人は、こういう差別待遇は望んでいないのです。この活動の中心になっているのは、いわゆる革新系白人と自ら呼んでいる白人です。
実は、アメリカで盛り上がったBLM(ブラック・ライブズ・マター)の構成も、47%が白人だったりします。つまり、一部の白人の考える理想社会を実現する為に、社会の規則が変わるべきと考えているのが、今のアメリカ社会です。特に、民主党の力の強い地域ですね。数字で物事を考えて、結果平等で、その数字になるように、社会の基準やら仕組みの方を捻じ曲げるのが正義と考えるのですね。いわゆる、「革命」大好き人間の思考です。
これ、多分、根っこは全然違うのですが、気にするところ、起こす行動、与える影響。「凄く似ていると思いませんか?」共通点は、ファンタジーを現実に当てはめる為に、世の中に強要するところですね。どんなに珍妙に見えても、メンツが満たされる中国共産党の目指す社会と、社会にどんな犠牲を強いても思い描いたファンタジーが実現しようとするアメリカ左翼の夢見る世界って、それを周りに強制する方法が似てくるんですよね。
私が、時々、中国・ロシア・アメリカが、「似ている」というのは、こういう部分です。政治体制に左右されない、何かを強引に社会に適用する為に、脱法も欺瞞も全て「正義」のくくりで許容させようとする部分ですね。ロシアはロシアで、結局のところウクライナ侵攻は、大ロシア主義という、スラブ民族が一級市民で、他は奉仕民族であるというファンタジーの押し付けですしね。ロシアの教科書では、既にウクライナという国は歴史上、存在しなかった事になっています。』