日英安保で接近、40年先へ準同盟 次期戦闘機で「結婚」

日英安保で接近、40年先へ準同盟 次期戦闘機で「結婚」
数字で読む岸田外交
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA18BJI0Y3A710C2000000/

『「短い恋愛ではなく結婚する。40年のプログラムで後戻りはできない」。ウォレス英国防相は3月の来日時にこう語った。

2022年12月にイタリアを含む3カ国で次期戦闘機を共同開発すると合意した。日本は同盟国の米国以外と初めて戦闘機をつくる。

英国とは次期戦闘機の共同開発で、40年先まで続く結束を打ち出す。日英首相は23年1月に自衛隊と英軍が共同訓練しやすくする円滑化協定にも署名した。

日本と欧州の安…

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『日欧接近の象徴が日英伊による次期戦闘機となる。24年までに基本設計を固めて35年の配備を目指す。そこから30年ほどは主力戦闘機として使う。あわせて40年先を見据える。
各国の投資額も今後10年で計250億ポンド(およそ4兆5千億円)規模に達する見込みだ。途中で物別れするわけにはいかない。

地理的に離れた日欧が安保で連携するのは武力による一方的な現状変更をウクライナ侵攻で眼前にしたためだ。首相は「欧州とインド太平洋の安保は不可分だ」と唱え、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化へ日欧協力を急いだ。

防衛省幹部は「日英には一時代をともにする覚悟が双方にある」と語る。第1次世界大戦の開戦から第2次世界大戦の終結までが30年程度、第2次世界大戦終結から冷戦終結までが40年超だった。最重要装備を通じた40年先を見据えた協力は切っても切れない「準同盟」を意味する。

岸田首相は21年10月の就任後、最初の外国訪問先に英国を選んだ。戦後最長の連続在任期間だった外相時代に最も気が合ったというジョンソン氏が当時英首相だった。個人的な信頼関係をテコに日英を経済だけでなく安保でも欠かせない関係に育てた。

英国にとっても欧州連合(EU)離脱後に「グローバル・ブリテン」を掲げてインド太平洋地域への関与を強める流れに沿っていた。5月に広島市で会談した岸田首相とスナク英首相は広島アコードを出し「我々は傑出して緊密なパートナーだ」とうたった。

ロシアと対峙する米欧の軍事同盟のNATOとの間ではサイバー分野などでの新たな協力計画を策定した。この後にEUとの定期首脳協議も開き、安保に関する外相級戦略対話の創設を決めた。

軍事力を増強する中国の抑止のために日本は欧州各国とも距離を詰める。

日本とフランスの5月の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)でルコルニュ仏国防相は米豪英に次ぐ日本との円滑化協定締結を訴えた。マクロン大統領の意向だと触れ「我々の相互運用性をさらに強化できる」と述べた。

7月26〜29日には日本で自衛隊と仏空軍の戦闘機共同訓練を催す。頻繁に遠距離を航行する艦艇と異なり、戦闘機を遠く離れた地域に出すのはより高い運用技術が必要でハードルがある。日本への派遣には戦略的なメッセージが強い。

ドイツも22年9月にゲアハルツ空軍総監自らが操縦し、自衛隊基地に戦闘機で降り立った。日本に外国軍の戦闘機が来るのは今回の仏空軍で米英豪独とインドに続く6カ国目になる。

【数字で読む岸田外交】

・日米韓協議は年50回超、北朝鮮は「無視」 抑止力に限界
・原油の航路リスク183%、要衝のASEAN 法の支配で結束 』