北朝鮮ミサイル発射か、日本へ飛来せず 避難を解除
韓国軍「北朝鮮が宇宙発射体」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19A930Z10C23A4000000/
『政府は31日午前6時半、北朝鮮がミサイルを発射したもようだと全国瞬時警報システム(Jアラート)を発令し、沖縄県に避難を呼びかけた。北朝鮮が31日〜6月11日に発射すると予告した軍事偵察衛星1号機を発射した可能性がある。
政府は午前7時すぎに日本には飛来しないとみられると発表し、避難の呼びかけを解除した。海上保安庁は防衛省からの情報として「弾道ミサイルの可能性があるものはすでに落下したとみられる」と公表した。
韓国軍合同参謀本部によると北朝鮮は午前6時29分ごろ、北朝鮮北西部の平安北道・東倉里(トンチャンリ)一帯から南方向に宇宙発射体を1発打ち上げた。
南北境界に近い韓国・白翎島の西側の上空を通過したと説明した。北朝鮮が衛星と主張する発射体を打ち上げたとすれば2016年以来、7年ぶりになる。
岸田文雄首相は関係省庁に①情報収集・分析に全力を挙げ国民に迅速・的確な情報提供②航空機や船舶などの安全確認の徹底③不測の事態に備え万全の態勢をとる――の3点を指示した。
7時半すぎに首相官邸で「現在のところ被害は報告されていない。詳細は分析中だ」と記者団に語った。
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峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説
北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げたとすれば米軍に対する強い危機感の裏返しです。最も恐れているのが、米空母から発着するF35などの最新鋭ステルス戦闘機などによる空からの攻撃であり、軍事偵察衛星の運用は国防五カ年計画の目標に掲げた悲願です。対空装備の大半が旧システムで空からの攻撃への備えが決定的に脆弱なためで、それを補う「目」の役割を果たす衛星を今後も2号機、3号機と打ち上げる可能性があります。
一方で韓国の聯合ニュースは午前8時前に韓国軍の情報として、北朝鮮の発射体が落下予告地点に到達できずレーダーから消失したと報じました。韓国軍は空中爆発や海上への墜落などの可能性を分析しているといいます。
2023年5月31日 7:54 (2023年5月31日 8:24更新)』