岸田首相、ゼレンスキー氏と会談 広島サミット参加表明
中国仲介外交に対抗、40億円分の装備品供与
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA158PA0V10C23A3000000/
『【この記事のポイント】
・岸田首相、キーウを初訪問しゼレンスキー大統領と会談
・ゼレンスキー氏、広島サミットにオンライン参加の意向
・ウクライナに殺傷能力のない装備品40億円分を支援
岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問しゼレンスキー大統領と会談した。主要7カ国(G7)の議長としてウクライナへの揺るぎない連帯を表明した。殺傷能力のない装備品3千万㌦(40億円程度)相当を供与する。…
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『ゼレンスキー氏は広島サミットへオンラインで参加する。
首相のウクライナ訪問は2022年2月にロシアが侵攻を開始してから初めて。戦闘が続く国・地域を日本の首相が訪問するのは第2次世界大戦後初の事例となった。
東アジアでも中国の軍備増強や台湾有事への懸念が強まる。G7議長として法の支配の重要性を国際社会に訴えるべきだと判断した。中国とロシアによる首脳会談の最中のキーウ入りには、中国の仲介外交に対抗する狙いもある。
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首相は日本時間21日午後7時ごろ、キーウに到着した。ゼレンスキー氏との会談に先立って多くの民間人が殺害されたキーウ近郊のブチャを訪れた。教会で犠牲者を追悼して献花し「強い憤りを感じる」と述べた。
ウクライナの首都キーウの鉄道駅に到着した岸田首相(手前右から2人目)=共同
首脳会談後にそろって記者会見に臨んだ。ゼレンスキー氏は「岸田首相は真に強力な国際秩序の擁護者だ」と述べた。「日本の国際秩序をまもるためのリーダーシップに感謝している」と語った。
首相はロシアの侵攻を非難し、ウクライナへの連帯と揺るぎない支援を伝えた。ロシアによる侵攻と力による一方的な現状変更を拒否し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜く決意を確認した。
ウクライナ支援と対ロシア制裁の継続を表明し、核の使用に反対すると確かめた。殺傷能力のない装備品は北大西洋条約機構(NATO)の基金を通じて提供する。エネルギー分野で4.7億ドルを供与する。
日本とウクライナの関係を「特別なグローバルパートナーシップ」に格上げすることで合意したと発表した。
首相は日本時間21日未明、訪問先のインドからウクライナ隣国のポーランドへ民間チャーター機で向かった。
空港があるジェシュフから車でポーランド南東部のプシェミシル駅に行き、列車でウクライナに入った。バイデン米大統領が2月に訪問したときと同じ経路だった。
米英など他のG7首脳はすでにキーウを訪問した。現地入りしていないのは首相だけだった。首相は1月にゼレンスキー氏と電話協議した際、訪問の要請を受けて「状況も踏まえて検討したい」と語った。
首相は22日にポーランド首脳とも協議し、23日朝に帰国する。当初は21日に政府専用機で日本に向かう予定だった。』