ウクライナでヘリ墜落、内相ら16人死亡

ウクライナでヘリ墜落、内相ら16人死亡
https://news.yahoo.co.jp/articles/677ee5270c817a50597415c72cb770071034e4f8

『【キーウ共同】複数のウクライナメディアは18日、首都キーウ郊外で内務省高官らが搭乗したヘリコプターが墜落しモナスティルスキー内相ら16人が死亡したと伝えた。20人以上が負傷した。当局が原因を調べている。』

護衛艦の次は巡視船「えちご」…海保関係者「ヒューマンエラーでは」

護衛艦の次は巡視船「えちご」…海保関係者「ヒューマンエラーでは」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c83189377ef9bd0eb98a086c018c5491828c93fd

『18日午前6時35分頃、新潟県柏崎市椎谷(しいや)付近の海上で、パトロール中だった新潟海上保安部所属の大型巡視船「えちご」(3100総トン)が浅瀬に乗り上げて動けなくなった。船内の一部に浸水し、周辺に油が流出しているが、沈没の恐れはないという。乗員33人にけがはなかった。

【動画】巡視船「えちご」が浅瀬に乗り上げ浸水

(写真:読売新聞)

 新潟海保によると、現場は、柏崎市の椎谷鼻灯台から北西に約1・1キロの浅瀬。灯台が消灯していたため近寄って確認しようとした際、暗礁に乗り上げた。当時は南西約10メートルの風が吹いており、停船してから風で流された可能性もあるという。

 今月10日には、山口県・周防大島沖で、

海上自衛隊の護衛艦が岩に乗り上げる事故があったばかり。海保関係者は「通常では考えられない事故で、ヒューマンエラーではないか」と話した。海上保安庁は「事故を起こしたことは誠に申し訳ない」としている。』

中国が人口減 働き手10年で9%減、老いる世界けん引役

中国が人口減 働き手10年で9%減、老いる世界けん引役
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1428S0U3A110C2000000/

 ※ こうなってくると、「大規模軍事行動」も起こし難くなってくる(しかも、年月が経つにつれて、ますます困難となる)…。

 ※ しかし、逆に、「それが可能なうちに、やってしまおう…。」という判断への誘因も働く…。

 ※ 今般のウクライナ事態は、「それ、だった。」とする論者もいる…。いわゆる、「衰退する大国の罠」論だ…。(大日本帝国の行動も、それだった…、とも指摘されている)。

 ※ いずれ、注視していく必要がある…。

『【北京=川手伊織】中国が人口減少時代に入った。2022年末の人口は61年ぶりに前年末を下回り、世界最大の人口大国をインドに譲ったもようだ。産児制限のツケで少子高齢化が止まらず、23年からの10年間で生産年齢人口は約9%減る。働き手の減少が足かせとなり、世界経済をけん引してきた中国の成長にブレーキがかかる。

国家統計局が17日、22年末の人口推計を発表した。外国人を含まない中国大陸の総人口は14億…

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小黒一正のアバター
小黒一正
法政大学経済学部 教授
分析・考察

LSEのグッドハート名誉教授らの力作『人口大逆転』という書籍があります。日本国内では現在のインフレが一時的という見方が多いですが、この書籍では、今後30年間は、中国を中心とする世界人口の大転換により、世界全体がデフレ状態からインフレ状態の経済に方向転換すると予測しています。なぜなら、今後は中国も人口減少や少子高齢化が進みますが、このような状況のなか、世界的に生産を担う現役世代の人口は縮小し、労働供給が減少していく一方で、高齢者が需要…。』

『国家統計局が17日、22年末の人口推計を発表した。外国人を含まない中国大陸の総人口は14億1175万人で、21年末から85万人減った。

出生数は106万人減の956万人と1949年の建国以来、初めて1000万人を割った。死亡者数は27万人増の1041万人。人口減少は大躍進施策で多数の餓死者を出した61年以来だ。一時的要因ではなく、今後も減少傾向が続く見通しだ。』

『中国は長年、人口が世界最大の国だった。国連推計では、1日時点のインドの人口は14億2203万人。中国は外国人を含めても届かず、インドが抜いたとみられる。

マクロ経済への影響が大きい、働き手の数も減少が進む。2020年の国勢調査によると1963~75年生まれは各年2000万人を超す中国版「団塊世代」。63年生まれの男性が法定退職年齢の60歳(女性管理職は55歳)に達する2023年から大量退職が本格化する。』

『日本経済新聞社は国勢調査をもとに、今後の生産年齢人口を試算した。男性が20~59歳、女性が20~54歳と定義すると、23~32年の向こう10年間に計2億3400万人が定年退職の年齢を迎える。一方、少子化で労働市場に参入する若年人口は同期間に1億6600万人にとどまる。

この結果、生産年齢人口は今後10年間で6700万人(9%)減る。ピークの16年からすでに2300万人減少しており、今後はペースが速まる。国際標準の15~64歳でみると、ピークは13年とさらに早い。』

『金融危機後の世界経済をリードしてきた中国の潜在成長率が衰えていく。日本経済研究センターは22年12月、中国の実質成長率が30年代に3%を割り込み、経済規模は長期的にも米国を逆転しないとの試算を公表した。成長抑制要因に挙げたのが、人口減少による労働力の不足だ。』

『習近平(シー・ジンピン)指導部は法定退職年齢の引き上げをめざすが、年金減額への反発や若者の失業悪化を懸念し具体策はみえない。少子化対策でも21年に全ての夫婦に3人目の出産を認めて産児制限を事実上撤廃したが、効果は乏しい。

都市部の居住費は高止まりし、保育所整備も進んでいないからだ。大都市では、高校卒業までの子育て費用が250万元(約4750万円)かかるとの試算がある。広東省深?市は11日、子育て世帯に年最大3000元の養育補助を支給する案を示したが、期間は子が満3歳になるまで。出産手当を合わせても合計の補助額は1万9000元にとどまる。

新型コロナウイルス禍もあって、22年の婚姻件数は9年連続で前年割れとなった公算が大きい。エコノミストの任沢平氏が5万人を調査したところ、25%が「子どもはいらない」と答えた。』

『高齢化も止まらない。60歳以上の人口比率は22年末に19.8%と、10年で5.6ポイント高まった。65歳以上も14.9%に達した。年金の給付額は膨らみ、中国社会科学院は、サラリーマンや自営業者が加入する公的年金の積立金が35年に枯渇するとはじく。』

『安全保障にも影響が及ぶ。中国では長年の一人っ子政策の影響が残り、とくに都市部の親は子どもの危険任務の伴う入隊に慎重だ。若者の公務員や大手企業への志向が強まっている。

香港紙は中国人民解放軍が新疆ウイグル自治区やチベット自治区など辺境地域に勤務する兵士の給与を最大4割アップさせると報じた。中国の軍事関係筋は「人口減少でなり手を集めるのに苦労する場面が増えるだろう。無人機などのハイテク兵器の開発を急ぐべきだ」と指摘する。』

『中国の1人当たり国内総生産(GDP)は22年、約1万2700ドル(約163万円)だった。日本で人口の自然減が始まった07年の1人当たりGDPは3万5847ドルで中国は約3分の1にとどまる。

都市と農村には大きな格差が残る。労働力不足で海外企業を引け付けてきた低コスト生産も難しくなり、社会保障負担が経済成長の重荷になる。長年指摘されてきた「未富先老」(富む前に老いる)が現実味を帯びてきた。』

ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その2)

ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その2)
――経済制裁の効果と限界―― 特別研究官 小野 圭司
第229号 2022 年 6 月 23 日
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary229.pdf

 ※ 今日は、こんな所で…。

『NIDS コメンタリー第229号
1
ロシアによるウクライナ侵攻では、日本も含めて西側の支援はロシアに対する経済制裁が中心である。ただ
し今回は、民間企業の動きも含めて新しい傾向が観察される。本稿ではこの点について概説する。

経済制裁は、古代アテネのペリクレスが都市国家メガラに対して発した貿易禁止(「メガラ布令」:紀元前
432 年)に遡ると言われている。近世・近代における対外戦略の一環としての貿易政策の実施は、オランダ
船・船員の英国貿易からの締め出しを狙った英国の「航海条例」(1651 年)や、ナポレオンによる「大陸封
鎖令(ベルリン勅令)」 (1806 年)、南北戦争で北軍が実施した海上封鎖「アナコンダ計画」 (1861~65 年)
などに代表される。太平洋戦争前には、米国政府が日本の在米資産を凍結した(1941 年7月)。これで日本
は貿易決済が自由に行えなくなり、翌月には米国は対日石油禁輸を実行した。
こうした一連の措置は、戦争と深く結び付いている。「メガラ布令」はペロポネソス戦争(紀元前 431~
404 年)の遠因にもなり、「航海条例」は英蘭戦争(1652~54 年)を引き起こした。この流れにおいて最
も有名な事例は、第 4 次中東戦争で石油輸出機構(OPEC)が実施した石油減産・禁輸措置(第 1 次石油ショッ
ク:1973 年 10 月)だろう。

近年では戦争とは無関係に、経済的な手段を用いて国際政治上の利益を追究することも頻繁に行われてお
り、「エコノミック・ステイトクラフト」と呼ばれている。2010(平成 22)年 9 月に中国が尖閣諸島問題
に絡んで、レアアースの対日輸出を一時全面的に禁止したことはその一例だ。これらは相手側の経済的疲弊や
威嚇を狙った「攻めの施策」である。

令和4年5月現在、日本政府はロシアや北朝鮮、イランなどに対し、国連安保理決議や米国・欧州連合(EU)
との協調に従い、38 件の経済制裁措置を実施している(同一国・地域に数件の制裁を実施している例もある)。

「攻めの施策」とは別に、日本では昭和 50 年代に「総合安全保障」に関する議論が盛んとなった。この嚆
矢となったのは、大平正芳首相の下に設置された有識者による政策研究会がまとめた報告書『総合安全保障戦
略』(1980 年 7 月)だ。そこでは報告書の冒頭にあるように、「国民生活をさまざまな脅威から守る」こと
に主眼が置かれている。

つまり経済制裁などとは異なる「守りの施策」であるが、その前に起こった 2 度の石
油ショック(1973 年・1979 年)の影響を強く受けたものである。

報告書の中では、外交・防衛以外の経済に関連する項目として、エネルギーと食糧の安全保障が挙げられて
いる。エネルギーと食糧を海外に依存する日本にとって、これらの供給途絶は国民生活への脅威と認識され、
「生存維持の担保」を目指していた。

その後、日本は供給網(サプライチェーン)リスクに直面する。元々これは企業の経済活動におけるリスク
であったが、21 世紀に入ると国家の危機として認識されるようになった。

先に述べたように、2010 年には
尖閣諸島での中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件後、中国は日本向けレアアースの輸出を事実上
差し止めた。また 2002 年・2008 年・2014 年には、6年おきに行われる北米西岸の港湾労働組合と港湾
使用者団体との労使交渉に絡んで、港湾ストによる貨物の長期間滞留が生じた。

攻めの施策:経済制裁からエコノミック・ステイトクラフトへ
守りの施策:総合安全保障から供給網(サプライチェーン)確保へ
ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その2)
――経済制裁の効果と限界――
特別研究官 小野 圭司
第229号 2022 年 6 月 23 日
NIDS コメンタリー第229号
2

これらは人為的な原因による供給網の機能不全機能であるが、自然災害・感染症などを原因とする供給遮断
も経済活動に大きな影響を与えるようになっている。2011 年に起こった東日本大震災とタイの水害では、
製造業への部品・中間財供給が一時的に断たれた。

そして 2019 年末に始まった新型コロナウイルス感染拡
大では、都市封鎖・工場の操業停止や人流・物流の停滞が生じた。
近年の供給網遮断では、石油や食糧、レアアースといった特定の一次産品の供給が「線」として断たれるの
ではなく、多くの地域から一次産品から半導体などの工業製品も包含する、「面・束」となって遮られる。

これは経済活動の地球規模(グローバル)化に伴う必然的な結果である。令和 4 年 5 月に国会で可決成立した
「経済安全保障推進法」においても、供給網の維持強化は主要 4 項目の中の1つとなっている。

2022 年 2 月 24 日にロシアがウクライナへ侵攻すると、各国はロシアに対して貿易や対外資産凍結など
の経済制裁を実施した。ロシアと貿易相手ごとの輸出入比率を表1に示す。今回の対露経済制裁は EU や G7
が中心となっているが、これらを合わせるとロシアの輸出入の4割以上を占めている(独仏伊の重複を調整)。
他方で EU や G7 にとってロシアが占める割合は1~3%程度に過ぎす、ここに貿易依存に関する非対称性
が観察される。つまり EU や G7 にとって対露経済制裁は、貿易に関しては共倒れになる可能性は低く合理
性がある。あまつさえロシア政府は歳入の約3分の1を石油・天然ガスによる収入が占めており、経済制裁は
この面で直接打撃を与えることになる。なおロシアは航空会社が西側のリース会社から借り受けた旅客機の
返却を拒否しているが、これは非対称性に立脚する経済制裁に対してロシアが出した1つの回答である。
ただ欧州は、石油・天然ガスなどのエネルギー供給の対露依存率が高い。特にドイツではロシアからの輸入
は、石油輸入の3分の1、石炭輸入の約半分、天然ガス輸入の 6 割弱を占めている。幸い対露経済制裁が春先
に始まり、EU がロシア産石油の海上禁輸で合意したのは5月末なので、結果的に暖房需要が生じる次の冬ま
で対策を練る時間の余裕はある。
単純な比較はできないが、第1次石油ショックが昭和 48(1973)年 10 月に生じた時、日本の石油輸入
の中東依存度は 80%に近かった。一般家庭のエネルギー消費の 3 割以上を灯油が占めていたことから、当時
の田中内閣や通産省は時間的な余裕が限られる中、石油の価格上昇が灯油の暖房需要に与える影響を抑える
のに躍起となった。
なお石油・天然ガスの上昇はピグー税(環境税)と同様、長期的には脱炭素化を推し進める効果がある。実
際に EU 各国の対策案では、原発や再生可能エネルギーの活用推進が上がっている。これは市場による調整の
一環だが、価格上昇を抑える目的の各種補助金は、この市場の働きを歪めてしまう(外部不経済)。
表1:各国などとロシアの貿易相手別比率(2016 年)
各国などの貿易
対露貿易が
占める比率
ロシアの貿易
貿易全体に
占める比率
対露輸出
対露輸入
輸出
輸入
EU
1.5%
2.5%
対 EU
35.3%
29.3%
G7
1.0%
1.3%
対 G7
22.5%
31.6%
日本
0.8%
1.9%
対 日本
3.3%
3.7%
中国
1.8%
2.0%
対 中国
9.8%
21.3%
インド
0.7%
1.4%
対 インド
1.9%
1.3%
ウクライナ
9.9%
13.1%
対 ウクライナ
2.2%
2.1%
出所:IMF, Direction of Trade Statistics, 2018より作成。 表1からは、中露間貿易の非対称性も観察される。今や世界最大の貿易大国となった中国は、貿易の対露依
存率は 2%前後であるが、ロシアの輸出の 10%が中国向けで、輸入の 20%超が中国からだ。中国が EU や
G7 と共同歩調をとらない限り、対露経済制裁には大きな穴が開く。
他方でロシアとウクライナは、合わせて世界の小麦供給の3分の1を占め、特にロシアは世界最大の小麦輸
出国だ。しかしロシアは非友好国には、石油や天然ガスに加えて農産物を輸出しない姿勢を見せており、ウク
ライナも食糧輸出ができずにいる。これは第4次中東戦争で OPEC がとった石油戦略の食糧版である。
西側による「面・束」(貿易・在外資産凍結)の経済制裁に対し、ロシアは「線」(エネルギー・食糧)で西
側の生存を揺さ振っている。その「線」において皮肉なことに、制裁でエネルギー全体の価格が高止まりして
いることからロシアの輸出収入は増えており、中国やインドは制裁で他国産比割安となったロシア産石油・石
「面・束」の経済制裁と「線」の対抗
NIDS コメンタリー第229号
3
炭の輸入を増やしている。さらにロシアによる黒海沿岸の封鎖、ロシア・ウクライナからの食糧輸出停滞は、
「ロシアが食糧輸出を人質にしている」と批判されている。
政府による経済制裁に加えて、今回のウクライナ侵攻での特徴は、民間企業による自発的な「ロシアからの
事業撤退」が相次いだことだ。これは紛争開始と同時に、「ロシアは悪、ウクライナは善」という形が国際世
論で出来上がったことが寄与している。そしてその国際世論の形成に大きな役割を果たしたのがソーシャル・
ネットワーク・サービス(SNS)である。 民間企業がこのような行動をとる場合、利害関係者である従業員・株主・取引先・顧客などへのリスクも勘
案する。さらには近年では、環境・社会・企業統治(ESG)も踏まえた企業価値への配慮も欠かせない。その
上での決断である。
欧米の石油大手はロシア事業からの撤退を早々に表明し、日本も含めた西側の自動車や情報通信(IT)機器
などの製造業、小売・飲食業などでも相次いでロシアでの事業を縮小している。また時間が経つにつれ、その
数は増えている。大手企業の中にはロシアでの事業を続けているものもあるが、SNS その他による国際世論
を横目で見ながら判断した結果だろう。
もう1つの新しい傾向が、民間企業の中には「事業撤退」からさら踏み込んで「義勇団的行動」をとったこ
とである。似たような例として、過去には不特定多数の賛同者をサイバー攻撃に参加させた、ハッカー集団「ア
ノニマス」の行動があり、彼等は今回もロシアに対してサイバー攻撃を仕掛けている。しかしアノニマスは「民
間企業」ではなく、利害関係者は存在しない。今回の特徴は、利害関係者(従業員・株主・取引先・顧客など)
を抱える民間企業が行動を起こした点にある。
最も有名な例は、ウクライナのフェドロフ副首相兼デジタル転換相による SNS を通じた要請を受け、米国
の起業家イーロン・マスク氏が行った、人工衛星を使ったインターネットサービスの「スターリンク」の対ウ
クライナ開放だ。フェドロフ副首相が要請したのはロシアによる侵攻の2日後で、その日のうちにウクライナ
でスターリンクのサービスが提供されている。その内容と共に、対応の素早さが世界を驚かせた。
イーロン・マスク氏はスターリンクの端末提供も約束し、これは2月28日からウクライナに届き始めてい
る。さらに米国の開発援助機関である国際開発庁(USAID)は、4月初めにウクライナにスターリンク端末
5,000 個(300 万ドル相当)を供与した。民間企業の義勇団的活動を、米国政府が後押している構図だ。
ウクライナ軍はスターリンクを使って、ドローン偵察部隊と砲兵部隊の連携を図っていると報じられてい
る。またウクライナは傍受したロシア兵の会話を米国企業が提供した人工知能(AI)技術で文章に書き起こし
て翻訳し、必要な部分を抜き出して作戦に役立てている。さらに別の企業から無償提供された AI 技術を使い、
SNS 投稿などから集めた顔写真データから戦死したロシア兵を特定して家族や友人に伝え、報道統制が敷か
れて戦争被害が公とならないロシアでの厭戦気分を煽っている。これらのデータ通信も、スターリンクが担っ
ていると見られている。
日本企業は、ウクライナ避難民に食料や生活必需品などを提供している。これは一見、戦闘行動とは関係な
いように見えるが、ウクライナ政府の避難民支援の負担軽減に繋がる。ただでさえ限られた行政資源を戦争目
的に投入する必要に迫られているウクライナ政府にとって、このような支援は大きな助けとなる。
民間企業の自発的な行動は、SNS などによる同調圧力が引き起こしたとも言え、ブランド価値の毀損を恐
れる付和雷同な傾向も垣間見える。大規模災害が生じた場合には、急速に高まる世論の関心や支援がそのうち
沈静化し、「忘れ去られた被災者」の存在が問題となっている。ウクライナに対する国際世論の「同情」も、
比較的短期で「熱が冷める」可能性は小さくない点には注意が必要だ。
ロシアによるウクライナへの侵攻開始直後から、経済制裁の一環として金融制裁の実施が関係国・機関の間
で議論されていた。その具体的な手段としては資産凍結、国際機関による支援停止、決済システムからの排除
などがある。特にニューヨークやロンドンの中央銀行・大手民間銀行には多くの政府や中央銀行の口座がある
ことから、それが凍結されると該当する政府には大きな打撃となる。
太平洋戦争勃発直前の日本は、昭和 16 年7月に在米資産が米国によって凍結され、翌月には対日石油輸出
が禁止された。この2つの経済制裁では、前者の方が影響は大きかった。当時の日本の石油輸入の対米依存率
民間企業の自発的行動
金融制裁の成否
NIDS コメンタリー第229号
4
は9割に近く、その代金決済は在ニューヨークの銀行間で行われていたことから、在米資産が凍結されるだけ
で日本は石輸入代金の決済ができなくなった。勿論、主力輸出品であった繊維製品などの対米輸出代金も受け
取れなくなる。また第三国との貿易決済も多くがニューヨークで行われていたために、在米資産凍結は当時の
日本にとって供給網の破壊を意味していた。
今回のウクライナ侵攻では、対露経済制裁の一環として、5 月末に EU と英国がロシア産石油を積んだ船舶
への損害保険の付保を禁止した。中国やインドは価格が下落しているロシア産石油の調達を増やしていたが、
露中印も含めて世界中の船舶の多くは英国のロイズ保険組合で保険・再保険をかけている。これが利用できな
くなることは、ロシア産原油の輸出にとって大きな障害となる。
加えて世界の大手金融機関で構成するクレジットデリバティブ決定委員会は6月1日、ロシアのドル建て国
債で「債務不履行」が起きたと認定した。4月4日が償還日の国債の支払猶予期間中に発生した利息を受け取
れなかったとの投資家の主張が認められた。外貨建てロシア国債の不履行認定は、ロシア革命直後に債務不払
いを宣言した 1918 年以来 1 世紀振りとなる。
2月に起こったロシアによるウクライナ侵攻では、制裁措置の一環として国際銀行間通信協会(SWIFT)
やユーロクリア(有価証券を保管し決済する機関)などからの排除が打ち出された。しかしこの効果は、当初
からやや疑問視されていた。その理由として、以下の3点が挙げられる。
第1に、SWIFT が排除したのは露系銀行7行のみで、大手銀行や政府系企業の系列銀行には対象となって
いないものがある。第2に、SWIFT に比べると規模は極めて小さいが、露系決済システム(SPSF)や中国
が運営する人民元決済システム(CIPS)は従前通り稼働している。第3は、ロシアの金産出量・保有量だ。 SWIFT から排除する銀行を増やす動きもあるが、金融制裁全体からみると効果は限界的だろう。なお CIPS
による決済は人民元に限られるが、日本も含めた西側主要銀行も加盟している。今後ロシアの銀行は SPSF や
CIPS の利用を加速させ、SWIFT への依存度を下げることも予想される。ところで SWIFT は過去に何度かサ
イバー攻撃を受けており、今後ロシアが SWIFT に対してサイバー攻撃を行う可能性も否定できない。
ロシア連邦中央銀行の金保有量は、2022 年3月現在で各国中央銀行の中で第5位となる(表2)。これは
米国の3割、ドイツの7割であるが、フランスやイタリアとほぼ同じで日本(846 トン)の3倍近い。また
2020 年のロシアの金の年間産出量は世界2位だ。中央銀行による金の保有はロシアの外貨準備を分散し、
ルーブルの信認を維持させ、金融制裁に対する強靭性向上に貢献する。因みにロシアは 2014 年のクリミア
半島侵攻以来、外貨準備を積み上げているものの欧米の中央銀行などに預けられている分も多く、これは資産
凍結の対象となる。
表2:中央銀行の金保有高と金産出量
中央銀行の金保有
量(2022 年3月)
金産出高
(2020 年)
米国
8,133 トン
中国
368 トン
ドイツ
3,359 トン
ロシア
330 トン
イタリア
2,452 トン
オーストラリア
328 トン
フランス
2,437 トン
米国
190 トン
ロシア
2,302 トン
カナダ
171 トン
出所:ワールド・ゴールド・カウンシル・ホームページより作成。
●参考文献
・内閣官房内閣審議室分室・内閣総理大臣補佐官室『大平総理の政策研究会報告書 5 総合安全保障戦略』(大蔵省
印刷局、1980 年)。
・佐藤晋「田中角栄内閣と石油危機--灯油がつなぐグローバル経済と選挙区」『東アジア学術総合研究所集刊』 〔二
松学舎大〕第 48 集(2018 年 3 月)
・高山武士「研究員の眼 経済・金融制裁と SWIFT」〔ニッセイ基礎研究所〕(2022 年 3 月)
本欄における見解は、防衛研究所を代表するものではありません。
NIDS コメンタリーに関する御意見、御質問等は下記へお寄せ下さい。
ただし記事の無断転載・複製はお断りします。
防衛研究所企画部企画調整課
直 通 : 0332603011
代 表 : 03-3268-3111(内線 29177) F A X : 0332603034
※ 防衛研究所ウェブサイト:http://www.nids.mod.go.jp/
特別研究官 小野 圭司 専門は戦争・軍事の経済学

ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その1) – 防衛研究所

ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その1) – 防衛研究所
https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=commentary216.pdf

 ※ .pdfなんで、テキスト抽出したものを貼っておく…。

『NIDS コメンタリー第216号
1
2022 年 2 月 24 日の早朝に突如として始まったロシアによるウクライナ侵攻では、ロシアが民間軍事会
社(Private Military/Security Company:PMSC)を投入して作戦の一部を担当させている。ロシアはこれ
までにも、武力紛争で PMSC を投入してきているが、以下ではその経緯・特徴を概説する。
ロシアでの PMSC の活動の歴史は、古く遡ると帝政ロシアによるコサック遊牧民の傭兵募集に行き着くと
も言われている。帝政ロシアは広範な自治権を付与する代償として、彼等を傭兵として辺境警備や治安維持に
当たらせた。コサックは正規兵としてもロシア軍に編入され、世界最強と言われたその騎兵団が、日露戦争で
は秋山好古が率いる日本軍騎兵と激しく干戈を交えたことは良く知られている。コサック騎兵は、第2次大戦
でもソ連軍部隊として東部戦線で活動した。
転機が訪れたのは、1991 年 12 月のソ連崩壊である。供給側の要因として、冷戦終結と連邦崩壊で軍の
規模が縮小され、失職した元軍人と廃棄された武器や装備品が市場に流れだした。同時に需要側の要因もあっ
た。旧ソ連諸国は政治・財政基盤が脆弱なまま独立国家となった。したがって治安の悪化に加えて、軍・警察
を含む公務員の待遇は悪化して彼等のモラル低下に繋がった。そこで富裕層や商工業者の中には資産の保護
を警察に頼ることを諦め、民間警備会社と契約する者が現れた。
ロシアでは一般市民が所有している銃は 1,800 万挺で、その約 6 割が未登録所持である。またカザフスタ
ン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、キルギスの中央アジア 5 ヶ国を合計すると、登録・
未登録で一般市民が所有する小火器の数は 90 万挺に上ると見られている。参考までに米国では 4 億挺、日
本では 38 万挺である。
多くの旧ソ連兵が傭兵として活動しているのがアフリカだ。この背景には、アフリカの多くの国では冷戦期
にソ連の軍事援助を受けており、旧ソ連製武器が多く配備されていたことがある。小銃や肩打ち式ミサイルな
どの個人携行火器だけではなく、戦闘機や武装ヘリコプター、戦闘車両などの高性能・大型武器にも旧ソ連製
が多く、操作に慣熟した旧ソ連兵の需要は大きかった。
PMSC を含む民間警備の市場規模は、調査主体によって値が異なり一概に言えないが、2020 年の年間売
上げで 1,300 億ドル~2,900 億ドル、ロシアはその約 5%を占めると見られている。 ロシアは潜在的に PMSC の「社員」となり得るものが 10~15 万人おり、この他にもフランス外人部隊の
勤務経験者が 3,500 人程度いる。このように傭兵・水平分業的な PMSC が設立される素地がロシアには備
わっている。ロシアには民間警備保安会社(合法)が約 4,000 社、PMSC(非合法)は 10~20 社あるが、
後者にはロシア国外に拠点を置くものを含む。
ただし傭兵は「政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」
(「国際人権規約」第 1 条:1966 年)という民族自決権を外部から妨害する存在でもある。このため国際法
では傭兵は禁止されており、民間軍事会社には利用指針や行動規範が定められている(表1)。ただし民間軍
事会社の利用指針である「モントルー文書」には、ロシアは加入していない。
ソ連崩壊と旧ソ連製武器・旧ソ連兵
民間軍事会社の市場と規制
ロシアによるウクライナ侵攻の経済学(その1)
――ロシアの民間軍事会社(PMSC)――
特別研究官 小野 圭司
第 216 号 2022 年 5 月 10 日
NIDS コメンタリー第216号
2
表1:傭兵・民間軍事会社の法規制など
ハーグ陸戦規則
1899 年
軍に付随する非戦闘員(民間業者)の保護
ジュネーヴ諸条約 第 1 追加議定書
1977 年
傭兵は捕虜としての保護対象外
傭兵禁止条約
1989 年
日米欧露などは未加入
モントルー文書
2008 年
民間軍事会社利用者への指針:露は未加入
民間軍事・警備会社のための国際行動規範
2010 年
民間軍事会社に対する指針 :露は未加入
傭兵型の PMSC は冷戦前後に多く設立され、アフリカ内戦などで活動したが国際世論の強い批判にあった。
このため英米系を中心とする西側の PMSC は国際法や規制の動きに従う形で、武装警備を含む警備業務や知
的支援(ノウハウ提供)、後方支援を中心とした業務を展開している。軍が顧客の場合には装備品の維持修理
や兵站・補給などを請け負う垂直分業で、武装警備は行っても戦闘や攻撃任務には加わらない。
しかしロシアの PMSC には、国際法や規制に縛られない形での傭兵的な水平分業で事業を展開しているも
のがある。軍と同じように戦闘部門と支援部門を抱え、独立した戦闘組織としての自己完結性を有する。そし
て正規軍が表立って行うことができないような任務(攻撃任務を含む)を肩代わりしている。
ロシア政府が PMSC を活用し始めたのは、1990 年代前半である。これらは非合法ながら政府と密接な関
係にあり、「プーチン大統領の私兵」と揶揄されている。ロシアの主な PMSC を表 2 に示す。
アンチテロ・グループは、特殊任務を遂行する傭兵の訓練とその準備を行っている。設立に元海軍軍人が関
わったモラン・セキュリティ・グループは海賊対処の海上警備事業を中心に活動し、武装警備船も保有してい
る。リビア内戦に関与した RSB グループは、2017 年の春に「社員」100 人を動員して港湾都市バンガー
ジーで地雷埋設を行った。リドゥート・アンチテロ・センターは輸送業者、軍事施設、石油会社社員、ロシア
外交官の武装警備を担っている。モラン、RSB、リドゥート、スラヴニック、の各社はアンチテロ・グループ
から分離独立した PMSC である。
ルビコン・セキュリティーは、1992~95 年にかけてボスニア・ヘルツェゴビナではセルビア側に立って
数百人を投入し、中には民族浄化作戦を実行した者もいたと言われている。MAR はドネツク人民共和国(ウ
クライナ東端部:日米欧など大多数の国が未承認)への人道支援物資輸送の警備を行い、E.N.O.T はドンバス
(ウクライナ東部:親露地域)でシリア内戦への参加者を募集した。
表 2:ロシアの主な PMSC
社 名
関係の深い政府機関
主な活動地域
アンチテロ・グループ
国防省・GRU
イラク
モラン・セキュリティ・グループ
(アンチテロ・グループから分離)
国防省
ソマリア、ナイジェリア、UAE、シリア、
アフガニスタン、イラク、ナイジェリア
RSB グループ (同上)
国防省、連邦保安庁
ウクライナ、リビア、アフリカ海域、スリランカ
リドゥート・アンチテロ・センター(同上)
国防省
シリア、アブハジア、イラク、ソマリア スラヴォニック・グループ (同上) 国防省 シリア、ウクライナ ワグネル・グループ (スラヴォニック・グループから分離) 国防省・GRU 連邦保安庁 大統領府 ウクライナ、シリア、リビア、ベラルーシ、マリ、 ボツワナ、ブルンジ、中央アフリカ、チャド、 コモロ、コンゴ、赤道ギニア、ギニア・ビサウ、 マダガスカル、モザンビーク、ナイジェリア、 南スーダン、スーダン、ベネズエラ ルビコン・セキュリティー 連邦保安庁 ボスニア・ヘルツェゴビナ シット 第 45 親衛旅団 シリア MAR 国防省、連邦保安庁 ウクライナ、南オセチア、シリア、リビア、 アブハジア、トランスニストリア
E.N.O.T
連邦保安庁
ウクライナ、シリア、アゼルバイジャン、
ベラルーシ、セルビア、タジキスタン

  • アブハジアはジョージアの一部で、2008 年にジョージアからの独立を承認したロシアがロシア化を進めている。
    ロシアの PMSC の現状と傾向:水平分業
    NIDS コメンタリー第216号
    3
    ロシアの PMSC でも最も有名なものが、ワグネル・グループだ。同社も元をたどれば、アンチテロ・グルー
    プに行き着く(表2)。
    アンチテロ社から独立したモラン・セキュリティがロシアの傭兵禁止の国内法を逃れるため、香港でスラ
    ヴォニック・グループを設立し、2013 年に対 IS の石油ガス施設奪還作戦に参加した。これはロシアがシリ
    ア内戦に介入(2015 年 9 月)する 2 年前のことだ。スラヴォニック社はシリアに 250 名の「社員」を送
    り込んだが作戦は失敗した上に、ロシアに帰国した同社幹部は傭兵禁止のロシア国内法に違反したことで逮
    捕された。
    スラヴォニックのシリア作戦に参加していた、GRU 特殊作戦旅団出身の元中佐ドミトリー・ウトキンが
    2014 年に設立した PMSC がワグネル・グループである。ワグネルは 2014 年にシリアとウクライナ東部
    のドンバスで活動を始めている。シリアでの戦闘任務では、同社はロシア国防省から T-72 戦車や 122mm
    ロケット砲の供与を受け、シリア軍特殊部隊の訓練も請け負った。
    リビア内戦ではワグネルは、国連の支持を得ていた国民合意政府に対抗するリビア国民軍を支援する形で
    2015 年頃から関与している。同社はシリアから戦闘員をリビアに移転させ、狙撃兵も含めて 800~2,000
    名を投入した。また同社は、Mig-29、Su-25 などの戦闘機や 130mm 砲、S-1 地対空ミサイルなどをリビ
    アで運用し、ドローンを用いた情報収集・偵察活動も行っている。こうしてワグネルはリビアの石油・天然ガ
    ス施設を掌握したと見られている。報道によれば、リビアでの活動資金はサウジアラビアが提供した。スーダ
    ンでもワグネルは活動しており、財政に余裕の無いスーダン政府は、見返りに金鉱採掘権を同社に供与した。
    なおこれらの活動が平和・安定を乱し人権を侵害しているとして、ワグネル・グループはウトキン元中佐を
    含む同社幹部 8 人、関連会社 3 社と共に欧州連合(EU)より 2021 年 12 月から経済制裁を課されている。
    他の PMSC と同様、ワグネル社も内政への介入を行っている。マダガスカルでは政府軍に軍事訓練を提供
    する傍ら、2018 年の大統領選では希少鉱物・石油・農産物の権益と引き換えに、現職に有利な情報・広報活
    動を実行した。モザンビークではイスラム系武装勢力掃討と並行して情宣活動を行い、天然ガスを代金として
    獲得している。さらに 2020 年 7 月にはベラルーシの大統領選に関連して騒乱を画策したとして、ワグネル
    の戦闘員 32 人がベラルーシで逮捕・拘束された。
    なおワグネル社の戦闘員の月額報酬は数千ドル、死亡の際の弔慰金は 5 万ユーロと言われている。
    表3:ワグネル・グループの主な活動
    2014 年
    ウトキン元 GRU 中佐が設立
    2014 年
    シリアと東部ウクライナで活動
    2015 年
    リビアに転戦・・・サウジアラビアが資金提供
    2018 年春
    スーダン政府軍の訓練開始:金鉱山採掘権が見返り
    2020 年 7 月
    ベラルーシ大統領選に際して騒乱を画策
    2022 年2月
    ウクライナ侵攻に参加:ゼレンスキー大統領らの暗殺を試みる
    ●2014 年 3 月のロシアによるクリミア侵攻では、E.N.O.T などの PMSC が当初担当したのは、半島へ増派
    されるウクライナ軍の阻止など補助的な任務だった。また侵攻と同時にウクライナの放送局接収に PMSC が
    投入され、反政府活動の扇動放送やウクライナ軍兵士に向けた戦意喪失の放送工作を行った。
    ただ矛先がクリミア半島からウクライナ東部に移ると、アンチテロ・グループ、RSB、MAR などの PMSC
    も前線に配備された。2015 年には 2,500~5,000 名の PMSC 戦闘員がドンバス地域で攻撃任務に就き、
    親露派民兵の訓練も行い、彼等と合同でウクライナ軍を攻撃している。
    ワグネル・グループも最初の頃は弾薬庫爆破といった破壊工作や、地域住民への威嚇・脅迫などを行ってい
    たが、2015 年に入ると攻撃任務を担当するようになった。
    ワグネル・グループの活動
    2度のウクライナ侵攻(2014 年・2022 年)と PMSC
    NIDS コメンタリー第216号
    4
    ●2022 年のウクライナ侵攻では英国筋の報道によると、ワグネル社は 400 名の戦闘員をウクライナに派遣
    して、ゼレンスキー大統領や首都キーウのクリチコ市長、閣僚など 20 数名の暗殺を試みた。
    またワグネルは 2022 年の侵攻前には、ウクライナ東部のロシアが実効支配している地域に 300 名の戦
    闘員を展開していたが、現在ではシリアとリビアにいる兵士の一部をウクライナに移転させており、ウクライ
    ナで活動している戦闘員数は 1,000 を超えると言われている。リビアで使用していた野戦砲やレーダーもウ
    クライナに持ち込んでおり、この搬送にはロシア軍が輸送機を提供している。
    彼等の1日当たりの報酬は 2,000 ドルと報じられている。これとは別にロシアの PMSC はシリアでウク
    ライナに派遣する戦闘員を募集しているが、報酬として 1,100 ドルを提示している(シリアでの収入は月額
    35 ドル)。
    なお令和 4 年 3 月以降、日本政府が実施している資産凍結の対象個人・団体に、ワグネル(ワグナー)社
    の他に同社創立者のドミトリー・ウトキン、代表で実質的な所有者であるオリガルヒ(新興財閥)のエヴゲ
    ニー・プリゴジンが指定された。
    ロシアにも垂直分業型の PMSC は存在するが、西側では見られない水平分業型・傭兵型の存在がロシアの
    PMSC を差別化している。ロシア政府からの需要がある限り、この傾向は変わらないだろう。中東やアフリ
    カでの傭兵型 PMSC の活動も、各社が自力で市場を開拓するというよりは、ロシア政府の対外政策の一環と
    して活動している。
    今後彼等が強化すると思われるのが、サイバー攻撃やインターネット、SNS を用いた情宣工作である。地
    政学の泰斗であるニコラス・スパイクマンが、1942 年に著した本の中でナチス・ドイツによる中南米での宣
    伝工作や第五列(スパイ網)構築を指摘しているが、道具が変わっただけで同じことがウクライナやアフリカ
    で繰り広げられている。情宣工作や経済的・政治的影響力まで駆使する総力戦では、軍事力の行使は最後の段
    階であるという 80 年前のスパイクマンの指摘は万古不易の響きがある。
    日本にとっては、このような PMSC を中国が保有しないか気になるところだ。現在 40 社近い中国系警備
    会社が、南アジア・中央アジア・中東・アフリカで活動しており、中には「武装警備」を行っている企業もあ
    る。これら「警備会社」がロシア的な水平分業型 PMSC に発展し、紛争時に破壊工作・情宣活動に先兵とし
    て投入される可能性は捨て切れない。正にグレーゾーンでのグレーな存在となり得る。
    残念ではあるが、こうした動きに対して国際社会による規制の努力は今のところ非力である。
    ●参考文献
    ・Åse Gilje Østensen & Tor Bukkvoll,“Russian Use of Private Military and Security Companies: the
    implications for European and Norwegian Security” FFIRAPPORT (Sep. 2018)
    ・Seth G. Jones, Russia’s Corporate Soldiers: The Global Expansion of Russia’s Private Military
    Companies (Washington, DC: CSIS, 2021)
    ・Max Markusen, “A Stealth Industry: The Quiet Expansion of Chinese Private Security Companies,”
    CSIS Briefs (Jan. 2022)
    ・小野圭司「民間軍事会社(PMSC)による海賊対処――その可能性と課題」『国際安全保障』第 40 巻第 3 号
    (2012 年 3 月)
    ・小野圭司「民間軍事会社の実態と法的地位――実効性のある規制・監視強化に向けて」 『国際問題』No.587(2009
    年 12 月)
    ・ニコラス・スパイクマン『米国を巡る地政学と戦略――スパイクマンの勢力均衡論』〔小野圭司訳〕(芙蓉書房出
    版、2021 年)
    本欄における見解は、防衛研究所を代表するものではありません。
    NIDS コメンタリーに関する御意見、御質問等は下記へお寄せ下さい。
    ただし記事の無断転載・複製はお断りします。
    防衛研究所企画部企画調整課
    直 通 : 0332603011
    代 表 : 03-3268-3111(内線 29177) F A X : 0332603034
    ※ 防衛研究所ウェブサイト:http://www.nids.mod.go.jp/
    特別研究官 小野 圭司 専門は戦争・軍事の経済学
    今後の動向と日本への示唆 』

キッシンジャー氏、ウクライナのNATO加盟に理解

キッシンジャー氏、ウクライナのNATO加盟に理解
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17DRO0X10C23A1000000/

 ※ 宗旨替えしたようだ…。

 ※ これで、「一刻も早く、停戦を!キッシンジャー氏も、そう言ってる!」というお題目が、使えなくなったな…。

 ※ ただ、まだ「38度線方式」は、捨てていないのかもしれないが…。

 ※ 『ロシアに「国際システムに復帰する機会を与えねばならない」』とは、具体的にどんなイメージなのかは、ちょっと不明だ…。

『【ブリュッセル=竹内康雄】キッシンジャー元米国務長官は17日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)にオンラインで登壇し、ロシアの侵攻を受けるウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟について「適切な結果になるだろう」と理解を示した。同氏はロシアの強い反発に配慮してウクライナの加盟に反対だったが、「(侵攻された状況下で)中立のウクライナという考えは意味がない」と立場を変えたことを明かした。

キッシンジャー氏は2022年5月、14年にロシアが一方的に併合したクリミア半島を、停戦のために事実上ロシア領として認める提言をして、ウクライナ側が強く反発した経緯がある。

同氏はダボス会議で、停戦のタイミングとして、22年2月の侵攻以降にロシアが支配した領土をウクライナが奪還すれば、戦いが終結に向かうとの見解を示した。クリミアの帰属については22年12月の英誌への寄稿で、停戦後の交渉の対象になり得るとした。

ロシアについては、対立激化を避けるために西側諸国に対話を続けるよう求めた。和平合意後のいずれかの時期に、ロシアに「国際システムに復帰する機会を与えねばならない」と述べた。

【関連記事】キッシンジャー氏「ウクライナ分割も」 大統領は猛反発
初割ですべての記事が読み放題 https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGR17DRO0X10C23A1000000&n_cid=DSPRM1AR08 
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関連トピック』

ショイグ国防相がロシア軍の大増強を発表、49万人増の150万人体制

ショイグ国防相がロシア軍の大増強を発表、49万人増の150万人体制
https://grandfleet.info/russia-related/defense-minister-shoigu-announces-a-major-build-up-of-the-russian-military-an-increase-of-490000-to-1-5-million/#comment_headline

『ロシア軍は1月1日に「101万人体制」から「115万体制」に拡張されたばかりだが、ショイグ国防相は17日「プーチン大統領がロシア軍の規模を150万人に拡張することを決定した」と発表した。

参考:Шойгу анонсировал масштабные изменения в российской армии
短期的には「書類上の戦力」と言えるが、長期的には「命を顧みない人海戦術で消耗戦に勝利する」という強い決意を感じる

ロシアのショイグ国防相は昨年末「軍の規模を150万人まで増やす必要がある」と発言していたが、17日に「プーチン大統領がロシア軍の規模を150万人体制に拡張することを決定した。2023年~2026年までに大規模な兵力増力が行われる」と発表して注目を集めている。

出典:Mil.ru/CC BY 4.0

ロシア軍の規模は2017年まで「90万人体制」で、その内訳は国防省スタッフ1万人、参謀本部スタッフ1.1万人、陸軍28万人、海軍(海軍歩兵を含む)15万人、空軍16.5万人、戦略ロケット軍5万人、空挺部隊4.5万人、特殊作戦部隊0.1万人、鉄道部隊2.9万人、その他軍属(通常の徴兵に応じた新兵)18万人で構成されていたが、2018年1月1日に発効した法令で「101万人体制」に移行。

つまりウクライナ侵攻時のロシア軍は「101万人体制」だったのだが、プーチン大統領は昨年8月に軍の規模を「115万人体制」に拡張する法令に署名、2023年1月1日にロシア軍は「115万人体制」へ移行したばかりなのに「ショイグ国防相が僅か17日後に150万人体制への移行を発表した」という意味で、ウクライナ侵攻時の規模と比較すると「49万人増」となる計算だ。

出典:Mil.ru/CC BY 4.0 ロシア空挺軍

因みに150万人体制の内訳は不明だが「ウクライナ侵攻を前提にした拡張」なのは明白なため、増員された49万人を全て陸軍に割り振ると「約75万人(計算方法は過去記事:ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性を参照)」になり、ここに部分的動員、海軍歩兵、空挺部隊、特殊作戦部隊、ドネツク人民共和国やルガンスク人民共和国で組織された民兵(推定4万人以上)、民間軍事会社ワグナー(推定4万人以上)を加えると地上戦力の規模は約120万人となってしまう。

勿論、49万人もの兵力が直ぐに揃うことはないため短期的には「書類上の戦力」と言えるが、長期的には「兵士の命を顧みない人海戦術でウクライナ軍との消耗戦に勝利する」という強い決意を感じる。

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0

追記:露メディアのOctagonは「プーチン大統領がレニングラード包囲を突破した記念日(1月18日)に特別軍事作戦に関する重要な声明を発表する」と報じている。

関連記事:ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

 ※アイキャッチ画像の出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ロシア関連 コメント: 23 』

ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で

ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CX70X10C23A1000000/

『【フランクフルト=林英樹】ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は17日、「辞表を書いた」とSNS(交流サイト)で発信した。同氏はウクライナ東部ドニプロの集合住宅を破壊し、多数の民間人が犠牲になったロシア軍のミサイル攻撃を巡り、「ウクライナ軍が迎撃したもの」などと発言し、批判を受けていた。大統領府は同日、同氏の解任が承認されたと明らかにした。

アレストビッチ氏はフェイスブックに画像を載せたうえで、「文明的な行動の模範を示したい。原則的な過ちを犯したら辞任することになる」と投稿した。同氏は14日のミサイル攻撃後に出演したユーチューブ番組で、ウクライナ軍の防空システムによって迎撃されたミサイルが住宅に落下したとの見解を語っていた。

ウクライナ空軍はその後、ロシア軍が使用した空対艦ミサイル「Kh22」について「迎撃できる兵器は保有していない」と明らかにし、アレストビッチ氏の発言を否定した。ロシア側が民間人や民間施設を狙った無差別攻撃を否定する根拠として、同氏の発言が引用され、ウクライナ国内で批判が起きていた。

地元当局によると、ドニプロの集合住宅に対するミサイル攻撃で子供5人を含む44人が死亡、79人が負傷した。20人がまだ行方不明だが、当局は17日、捜索・救助活動を打ち切ると発表した。

Kh22の迎撃には長距離の地対空ミサイル「パトリオット」の配備が必要になる。ウクライナへの供与を決めた米軍は近く、ウクライナ兵に対しパトリオットの使用訓練を実施する予定だ。オランダのルッテ首相は17日、バイデン米大統領とホワイトハウスで会談し、ウクライナに「パトリオット」を供与すると表明した。会談で「我々は米独のパトリオットの計画に参加する意向だ」と語った。ウクライナへのパトリオットの提供は米国とドイツに続き3カ国目になる。

ウクライナのゼレンスキー大統領夫人、オレナ・ゼレンスカ氏は17日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で「生活の崩壊を防ぐには世界の結束が必要だ」と演説した。

オレナ氏はゼレンスキー氏が策定した和平案に関する書簡を、中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相経由で習近平(シー・ジンピン)国家主席に届ける考えを明らかにした。

【関連記事】

・オランダ、パトリオットをウクライナに供与 米独に続き
・キッシンジャー氏、ウクライナのNATO加盟に理解
・ロシア軍、150万人に3割増強決定 2026年までに

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

小泉悠のアバター
小泉悠
東京大学先端科学技術研究センター 専任講師
コメントメニュー

分析・考察

ドニプロのアパートの破壊され方を見るに、対空ミサイルが落ちてきた程度ではこうはならないように思います。ミサイル自体が巨大で弾頭重量も大きく、なおかつ高速=大運動エネルギーで突っ込んでくるKh-22のようなミサイルが当たったと考える方がやはり自然ではないでしょうか。
アレストヴィチがどういう根拠に基づいて記事のような発言をしたのかは明らかでありませんが、これまでの発言を見てもあまり軍事に詳しいようには見えなかったので、ちょっと迂闊なことを口走ってしまったのではないかという気がします。
2023年1月18日 8:32 (2023年1月18日 8:51更新)

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ウクライナ侵攻』

ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問、ロシア側のエージェントと非難され辞任

ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問、ロシア側のエージェントと非難され辞任
https://grandfleet.info/european-region/ukraine-adviser-arrestovich-resigns-after-being-accused-of-being-a-russian-agent/

『ウクライナ大統領府のオレクシー・アレストビッチ顧問は「ウクライナ軍が撃墜したミサイルがドニプロの高層アパートに落下した」と主張、この発言が原因で「奴はロシア側のエージェントだ」と非難が集中したため辞任を発表した。

参考:Арестович заявил, что увольняется из ОП
私の個人的な言葉で傷つけてしまった犠牲者の遺族、近親者、全てのウクライナ人に謝罪したい

ロシア軍が今月14日に発射したKh-22がドニプロの高層アパートに命中、まだ建物の瓦礫は完全に撤去されていないものの17日午前時点で44人の死亡が確認されており、一般市民を狙った攻撃(Kh-22のCEPは100m~300mと推定されているので本当に高層アパートを狙って攻撃したのかは不明)に国際的な非難が集中しているが、ウクライナ大統領府のオレクシー・アレストビッチ顧問は「ウクライナ軍が撃墜したミサイルがドニプロの高層アパートに落下した」と主張した。

後に「現場で爆発音は1回しか聞こえてない」「攻撃に使用されたKh-22をウクライナ軍の防空システムで迎撃するのは不可能」ということが判明したが、ロシア側は積極的に「ドニプロでの悲劇を西側はロシアのせいにしているがウクライナの政府高官が自軍のミスを認めた」とプロパガンダに利用、そのため「アレストビッチはロシア側のエージェントだ」と非難が集中。

アレストビッチ顧問も自身の発言を「間違いだった」と認めていたが、17日に「重大なミスを犯してしまった。私の個人的な言葉で傷つけてしまった犠牲者の遺族、近親者、全てのウクライナ人に謝罪したい」と述べ、大統領府顧問からの辞任を発表した。

因みにイエルマク大統領府長官がアレストビッチ氏の辞任を受理したのか分かっていない。

追記:ドニプロの高層アパートで救助作業が17日午後に完了、州当局は「ロシア軍の攻撃によって44人(内5人が子供)が死亡し79人(内16人が子供)が負傷した」と発表したが、まだアパートに住んでいたと思われる20人の行方が分かっていない。

関連記事:ロシア軍がS-300でキーウを攻撃、ウクライナ軍には有効な対抗手段がない

?

※アイキャッチ画像の出典:Олекс?й Арестович
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 10  』

対露戦争へEUや日本を引き込んで経済を破壊中の米支配層は露の天然ガスを購入

対露戦争へEUや日本を引き込んで経済を破壊中の米支配層は露の天然ガスを購入
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202301170001/

『ドイツのクリスティーネ・ランブレヒト国防相が辞表を提出した。ウクライナに対する軍事支援に積極的でないとして不満を抱く勢力からの圧力によるものだろう。辞任騒動の中、ドイツでは主力戦車の「レオパルト2」をウクライナへ供給する方向で動き始めた。

 ウクライナへの戦車提供で最も積極的だったのはイギリスで、自国の主力戦車である「チャレンジャー2」を引き渡すとしているが、アメリカはキエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権が求めている「M1エイブラムス」の提供を渋っている。かわりに提示しているのは「M2ブラッドレー歩兵戦闘車」だ。

 もっとも、こうした戦車がウクライナへ持ち込まれたとしても戦況が大きく変化するとは思えない。キエフ軍の戦闘員をアメリカ/NATOは訓練しているようだが、すでにウクライナ軍は「玉砕戦法」で多数の死傷者を出し、45歳以上の男性だけでなく少年兵も前線へ送り込んでいると言われている。周辺国などで集めた傭兵が使われているともいうが、限界がある。

 外交的な解決は不可能だと判断したロシア政府は軍事的に解決するしかないと決断している。ロシアが戦っている相手はウクライナでなく、同国へ入り込んでいるアメリカやイギリスをはじめとするNATOだとロシアのニコライ・パトロシェフ国家安全保障会議議長は語っているが、この発言もそれを示していると言えるだろう。

 2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権がネオ・ナチのクーデターで倒される直前、国務次官補だったビクトリア・ヌランドはウクライナ駐在アメリカ大使のジェオフリー・パイアットと電話でクーデター政権の閣僚人事について話し合っているが、その中で話し合いによる解決を目指していた「EUなんかくそくらえ」と口にしている。

 これが彼女を含むネオコンの考え方だが、ロシアとの戦いで血を流すのはアングロ・サクソン以外、例えばヨーロッパや東アジア諸国だと考えている。ユーラシア大陸と太平洋や大西洋で隔てられている自分たちは安全な場所にいると考えている。

 ネオコンが始めた対ロシア戦争は現在、対中露戦争へと変貌しているが、その中で経済戦争も仕掛けている。ソ連に対して有効だった方法を繰り返しているようだが、ロシアは対策を練っていた。ロシア国内の生活に変化はない。統計数字を見ても経済は安定している。

 こうしたことはモスクワに特派員を派遣していなくても簡単に確認できることなのだが、西側の有力メディアはそうした事実を伝えようとしていないようだ。ネオコンの計画に従って作成した予定稿を出しているのかもしれない。

 現在、アメリカが仕掛けた経済戦争で最も大きな被害を受けているのはEU諸国。アメリカも影響を受けているが、それを緩和するため、?ロシアから天然ガスを大量に購入している事実が判明した?。インドのリライアンス・インフラストラクチャーやナヤラ・エネルギーをはじめとするエネルギー会社で精製されたロシア産天然ガスをアメリカは買っているというのだ。

最終更新日 2023.01.17 15:02:55 』

ウクライナ紛争の報道で、ロシアが攻撃しウクライナ人が何人亡くなったというニュースは出るが、ウクライナの攻撃によりロシア兵、ロシア人が何人死んだというニュースは出ない。

ウクライナ紛争の報道で、ロシアが攻撃しウクライナ人が何人亡くなったというニュースは出るが、ウクライナの攻撃によりロシア兵、ロシア人が何人死んだというニュースは出ない。
https://ameblo.jp/muneo-suzuki/entry-12784603828.html

(※ 「鈴木宗男氏のオフィシャルサイト」より)

『ウクライナ紛争の報道で、ロシアが攻撃しウクライナ人が何人亡くなったというニュースは出るが、ウクライナの攻撃によりロシア兵、ロシア人が何人死んだというニュースは出ない。

 メディアは公平とか公正を旨としてと、よく使うがウクライナ問題に関しては圧倒的にウクライナの報道量が多いと感じる。

 こうした流れに視聴者も段々引きずられ、ウクライナに同情が寄る面が出てくるのではないか。

 それぞれ世界でたった一つの命である。命を守るためには「停戦」しかない。

 メディアから「停戦すべきだ」という発言がないことは残念である。

15日のワシントンにおける岸田総理の記者会見でも停戦に向けての言及はなかった。

 「核なき世界」という前に、先ずは「停戦」と思うのだが…。

 北海道の鈴木直道知事が15日再選出馬を表明した。当然の流れであり、14日私にも前もって直接連絡を戴いた。

 4年前、いの一番に推薦した者として、この4年間の鈴木直道知事の舵取りを高く評価したい。

 東の鈴木直道北海道知事、西の吉村洋文大阪府知事は、今や全国的に定着している評価である。鈴木知事の圧勝に向け協力して参りたい。

北海道では知事は鈴木、衆議院も鈴木、参議院も鈴木と言われる。一心同体の思いで闘って参りたい。

 千歳からの釧路行に乗ったが、滑走路で機材に不具合が出たとのアナウンスで駐機場に引き返す。滑走路のはじからはじの移動に25分もかかっていた。

11時半から松山千春さんのお母さんの3回忌が足寄であるので、慌てて女満別空港行きに乗り換え足寄に向かう。

 足寄の自宅で千春さん家族ご一統にご挨拶し、お参りする。

 お母さんがいつも「ムネオさん、ムネオさん」と声をかけてくれたことを想い起しながら、ミヨお母さんは勿論、お父さん明さん、お姉さん絵里子さん、弟さん明人さんのご冥福を祈り、手を合わせる。

 時の流れは早いものである。』

第二次大戦の陰から抜け出すため、日本は平和を追い求めよ

第二次大戦の陰から抜け出すため、日本は平和を追い求めよ
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2023-01/16/content_85062157.htm

『発信時間:2023-01-16 14:51:57 | チャイナネット(※ 中国網日本語版(チャイナネット)) |

日本の岸田文雄首相は現地時間13日、ホワイトハウスでバイデン米大統領と首脳会談を行った。メディアの情報によると、双方の会談は「防衛協力の強化」を中心に展開された。日本の中長距離高級ミサイルの調達拡大の計画や、米軍の沖縄での駐留の拡大などが議論された。さらに米国の元当局者は露骨に、「今回の日米首脳会談は中国けん制を大きな目的とする」と述べた。日米のこの消極的な動向は、国際社会の平和と発展の願いに背き、第二次大戦後に形成された国際レジームに挑戦するものだ。

 岸田氏の訪問には、先月日本で安保3文書が閣議決定されたという重要な背景がある。これには防衛費の大幅な増額、「反撃能力」の構築などが含まれ、日本の戦後最大規模の軍事改革の始まりを象徴している。当然ながらこうすれば道義的な強い反発を受けることを日本が意識しているため、岸田氏の今回の歴訪は「外国人助っ人」を探すという意味合いが強い。岸田氏の今回の訪米には、3つの「手土産」があると見ることができる。まず、日米同盟関係の強化を積極的に目指すことで、米国の「インド太平洋戦略」への忠誠心を示す。次に、米国側に軍事動向と「反中の成果」を報告することで、その代わりに専守防衛の突破への支持を得る。それから、「中国の脅威」を持続的に喧伝することで、これを自国の軍拡の口実にする。

 これは日米同盟の戦後70数年来の重大な調整を象徴する。日本は「堅固な盾」のみに甘んじず、「鋭利な矛」になろうとしているが、米国はこれを強く支持している。岸田氏の訪米前に、米日は外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開いた。双方は日本の効果的な「反撃能力」の保有を目指し協力することで合意した。岸田氏の仏伊英加米歴訪の「成果」のほぼすべてが安全協力の強化に集中しており、経済協力は目立たない場所に追いやられている。注意すべきは、この5カ国がG7メンバー国であると同時にNATO加盟国であることだ。日本が意図的にNATOを抱き込みアジア太平洋事業をかき乱そうとしていることが分かる。

 多くの同盟国に安全の脅迫をし、対中戦略に協力するよう迫る米国と異なり、日本は今回自発的に議題を取り上げ、さらにはその議論をリードする役割を演じた。日本は専守防衛の原則を放棄し、平和憲法の規制を突破しようとしているが、これは本質的に見ると戦後の国際レジーム、第二次大戦の結果を覆そうとするものだ。

 日本の戦略的な衝動と米国の対中戦略の私心によって双方がたちまち一致し、アジア太平洋ひいては国際社会が戦後かつてない大きなリスクに直面している。米日は「ルールを基礎とする国際秩序」を守らなければならないと再三言いふらすが、国際秩序の根幹を揺るがすことを行っている。国際社会は日本のこの動向に警戒し、かつ強い道義的な圧力をかけるべきだ。これが戦後秩序の安定や、アジア太平洋の平和と発展の局面が根本的に損なわれるか否かと関わるからだ。

 一部の米メディアは日本に強くなり、第二次大戦の「陰」から抜け出すよう唆している。実際には日本は戦後の約束を守り、真剣に反省し、実際の行動によりアジアの隣国から信頼を得ることで、初めて第二次大戦の「陰」から抜け出すことができる。日本は70年以上に渡り敗戦のわだかまりを抱えているが、これはその葛藤の根源になっている。この葛藤は、協力を望み対抗に反対する地域諸国の共通認識と相容れない。協力の高地であるアジア太平洋で真の力を持つのはいわゆる「矛」や「盾」ではなく、平和と発展への普遍的な願いであることを日本は理解するべきだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月16日
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韓国のマンションで「宅配業者はエレベーターを使うなら金を払え」と決定→非難殺到するものの……韓国ではあたりまえの光景だった

韓国のマンションで「宅配業者はエレベーターを使うなら金を払え」と決定→非難殺到するものの……韓国ではあたりまえの光景だった: 楽韓Web
https://rakukan.net/article/497000544.html

 ※ 日本の「タワマン」でも、聞く話しだよな…。

 ※ 住民の「マインド」が、あっちの人のマインドなんだろう…。

『宅配業者に「エレベーターに乗るなら金払え」…韓国・使用料要求のマンションに非難殺到(KOREA WAVE)

韓国世宗(セジョン)特別自治市(世宗市)のあるマンション群の入居者代表会議が、宅配業者にエレベーター使用料を課し、議論を呼んでいる。

この代表会議は今月13日、宅配業者に共同玄関カードキー保証金5万ウォン(1ウォン=約0.1円)、使用料(出入カード費用)月額4400ウォンを賦課する案を1月の定期総会案件として上程した。

総会上程に先立ち、マンション側は、宅配業者に「2月から共同玄関カードキーを発給してもらって出入りせよ」と通知していた。この時、宅配業者にカードキー保証金10万ウォンとエレベーター使用料月額1万ウォンを賦課すると明らかにしていた。

また、インテリア工事業者にはカードキー保証金30万ウォン、エレベーター使用料10万ウォン(工事期間内)を支払うよう求めた。 (中略)

宅配業者への使用料要求の背景には、一部住民から「宅配にエレベーター1台を取られ、不便を強いられている」という苦情が出ていることなどがある。

ただ、これが一部メディアに報道されると、「パワハラ」という指摘を受けるようになった。この時の報道には「世宗市の恥。反省してください」「恥ずかしい」「ソウル江南でもなく世宗で?」など、数百個の非難コメントがついた。
(引用ここまで)

 ソウルから官庁の多くが移転したこともあって、韓国の第2の首都ともされている世宗市のマンションで「宅配業者はエレベーターキーを買った上で使用料を払え」との決定をして、世論から大反発を喰らって撤回。
 あ、記事では撤回まで行ってませんがすでに撤回済み。

世宗マンション入居者代表会議、宅配機に「エレベーター使用料内」… 住民反発への撤回(世界日報)

 メディアへのコメントで「世宗市の恥だ」とか書かれて住民が反発したそうですが。
 でもまあ……韓国では普通のこと。
 牛乳配達や宅配はエレベーターを使うな、っていうのは基本ですよ。こっちのマンションは14階建てですが、エレベーター使用禁止。
 公務員が多く住む世宗市ならなおのこと。

 上級公務員は酒の場で「一般大衆なんて豚か犬のように扱う身分制が望ましい」とか発言するくらいですからね。
 まあ、その発言が原因で年金額50%削減されてたりするのですけども。

 実際、世宗市にはこうした「宅配業者からエレベーター使用料金を取るマンション」は複数あるそうで、今回のマンションもそれを参考にして決定したそうで。
 まあ……あるだろうね、そりゃ。

「世宗に宅配便のエレベーターの使用料を受け取るマンションがいくつかある」(ニュース1・朝鮮語)

 そりゃまあ、韓国の最上級市民である公務員が多数住んでいるような場所ならそうなるよ。
 ちなみに前述の14階建てで「宅配業者はエレベーター使用禁止」ってやっているマンションは「韓国最大の高級住宅街」である江南のもの。
 世宗市の公務員や江南のマンション住まいの人間からしたら、宅配業者が同じようにエレベーターを使うなんてとんでもない所業だってことです。
 彼らの意識の中では当然のことですわ。

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1からわかる!習近平国家主席と中国(2)なぜ権力を一手に?

1からわかる!習近平国家主席と中国(2)なぜ権力を一手に?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji109/

 ※ 就活生向けに、時事問題を分かりやすく解説したものだが、参考になった…。

 ※ 是非一読をおすすめする…。

中国の劉鶴副首相「不動産業は経済の柱」 ダボス会議

中国の劉鶴副首相「不動産業は経済の柱」 ダボス会議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM17CKD0X10C23A1000000/

『【北京=川手伊織】中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は17日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演し、政府の規制強化で低迷する不動産業界について「中国経済の重要産業だ」などと語った。開発企業の資金不足で工事が止まった未完成物件の早期完成を促すなど、不動産業向けの支援策を進めていく方針を示した。

劉氏は「不動産リスクの処理を誤るとシステムリスクを招く」と述べ、不動産市場の調整を注視していることを示唆した。

2023年の経済見通しについては「総じて好転し、成長率はかなりの確率で正常のレベルに戻るだろう」と自信を示した。

22年の失業率が5.6%と、政府の抑制目標である「5.5%以内」を実現できなかったことも明らかにした。新型コロナウイルスの封じ込めを狙った「ゼロコロナ」政策で景気が低迷したためだ。

【関連記事】

・ダボス会議運営幹部「対面の率直な議論に期待」
・ダボス会議始まる 気候対策へ新しい暮らしを議論

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

「今年の最も重要な課題は経済の立て直しである」との中央レベルの号令が出された。これに伴い、習近平政権の経済政策はこれまでとは180度異なる大転換を迎えている。ダボスで劉鶴副首相が指摘したように、これまで厳しい規制を敷いてきた不動産政策も、私営企業への政策もすべて一時的に棚上げされることになる。今年、中国は何パーセントの経済成長率を成し遂げることができるのか、そしてポスト劉鶴時代の経済運営はどうなるかがいまの注目ポイントとなっている。
2023年1月18日 9:03

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ダボス会議

キッシンジャー氏、ウクライナのNATO加盟に理解(5:26)』

ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で

ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CX70X10C23A1000000/

『【フランクフルト=林英樹】ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は17日、「辞表を書いた」とSNS(交流サイト)で発信した。同氏はウクライナ東部ドニプロの集合住宅を破壊し、多数の民間人が犠牲になったロシア軍のミサイル攻撃を巡り、「ウクライナ軍が迎撃したもの」などと発言し、批判を受けていた。大統領府は同日、同氏の解任が承認されたと明らかにした。

アレストビッチ氏はフェイスブックに画像を載せたうえで、「文明的な行動の模範を示したい。原則的な過ちを犯したら辞任することになる」と投稿した。同氏は14日のミサイル攻撃後に出演したユーチューブ番組で、ウクライナ軍の防空システムによって迎撃されたミサイルが住宅に落下したとの見解を語っていた。

ウクライナ空軍はその後、ロシア軍が使用した空対艦ミサイル「Kh22」について「迎撃できる兵器は保有していない」と明らかにし、アレストビッチ氏の発言を否定した。ロシア側が民間人や民間施設を狙った無差別攻撃を否定する根拠として、同氏の発言が引用され、ウクライナ国内で批判が起きていた。

地元当局によると、ドニプロの集合住宅に対するミサイル攻撃で子供5人を含む44人が死亡、79人が負傷した。20人がまだ行方不明だが、当局は17日、捜索・救助活動を打ち切ると発表した。

Kh22の迎撃には長距離の地対空ミサイル「パトリオット」の配備が必要になる。ウクライナへの供与を決めた米軍は近く、ウクライナ兵に対しパトリオットの使用訓練を実施する予定だ。オランダのルッテ首相は17日、バイデン米大統領とホワイトハウスで会談し、ウクライナに「パトリオット」を供与すると表明した。会談で「我々は米独のパトリオットの計画に参加する意向だ」と語った。ウクライナへのパトリオットの提供は米国とドイツに続き3カ国目になる。

ウクライナのゼレンスキー大統領夫人、オレナ・ゼレンスカ氏は17日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で「生活の崩壊を防ぐには世界の結束が必要だ」と演説した。

オレナ氏はゼレンスキー氏が策定した和平案に関する書簡を、中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相経由で習近平(シー・ジンピン)国家主席に届ける考えを明らかにした。

【関連記事】

・オランダ、パトリオットをウクライナに供与 米独に続き
・キッシンジャー氏、ウクライナのNATO加盟に理解
・ロシア軍、150万人に3割増強決定 2026年までに

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小泉悠
東京大学先端科学技術研究センター 専任講師
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分析・考察

ドニプロのアパートの破壊され方を見るに、対空ミサイルが落ちてきた程度ではこうはならないように思います。ミサイル自体が巨大で弾頭重量も大きく、なおかつ高速=大運動エネルギーで突っ込んでくるKh-22のようなミサイルが当たったと考える方がやはり自然ではないでしょうか。
アレストヴィチがどういう根拠に基づいて記事のような発言をしたのかは明らかでありませんが、これまでの発言を見てもあまり軍事に詳しいようには見えなかったので、ちょっと迂闊なことを口走ってしまったのではないかという気がします。
2023年1月18日 8:32 (2023年1月18日 8:51更新)

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ウクライナ侵攻』

ロシア軍、150万人に3割増強決定 2026年までに

ロシア軍、150万人に3割増強決定 2026年までに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CN60X10C23A1000000/

 ※ 『ロシア軍の増強は西側諸国によるロシアへの敵対的な行為や経済戦争などへの対抗措置だ』…。

 ※ 「経済戦争」の対抗策が、「軍の規模拡大」だという「論理」がよく分からない…。

 ※ どういう「つながり」「論理構成」なのか…。「軍の規模を、拡大すれば」、どういう経路で、「経済制裁」による「経済苦境」が、軽減されるのか…。

 ※ 「ロシアへの敵対的な行為」とは、NATO加盟国が増えている状況を指すのか…。

 ※ しかし、それも、そもそも「侵攻」したことへの「対応策」で、自らが招いた結果だろう…。

 ※ まあ、「ロシア国内」への「情報発信」としては、それで「説得的」なのだろう…。

『ロシアのショイグ国防相は17日、プーチン大統領がロシア軍の規模を150万人まで拡大することを決定したと述べた。ロシア国防省が発表した。ウクライナ侵攻が長期化する中、西側諸国の動向に対抗する狙いとみられる。

ショイグ氏は同日の国防省の会議で、ミサイル部隊などを含む軍組織の再編強化や、モスクワ軍管区とレニングラード軍管区を設置する方針を示した。侵攻長期化をにらんだ体制強化のほか、ウクライナからの攻撃に対する首都圏や大都市の防衛力を底上げする考えとみられる。2026年までに体制増強を達成するとしている。

22年12月の国防省の幹部会議でショイグ氏はロシア軍の兵力を150万人に増強する必要性を示していた。ロシア軍の定員は現在約115万人で、約3割の増員となる。

ペスコフ大統領報道官は同日、ロシア軍の増強は西側諸国によるロシアへの敵対的な行為や経済戦争などへの対抗措置だと記者団に述べた。

【関連記事】

・ロシア、軍事会社指揮官がノルウェーに亡命申請
・ウクライナ住宅攻撃、死者40人に 侵攻後最悪の民間被害
・ウクライナ市民累計7000人超死亡 国連「実際はもっと」

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ウクライナ侵攻』

コロナ5類移行時、屋内マスク不要に 週内に閣僚協議

コロナ5類移行時、屋内マスク不要に 週内に閣僚協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA175L40X10C23A1000000/

『【この記事のポイント】
・コロナ5類移行後は屋外に続き屋内でもマスク不要
・発熱症状や基礎疾患がある人などを除き原則適用へ
・首相、週内に閣僚協議。満員電車での対応などは調整

政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを「5類」へ変更した場合、屋内でのマスク着用について症状のある人らを除き原則不要とする方針だ。岸田文雄首相は週内に関係閣僚と協議し、感染状況を見極めて分類変更の時期を判断する。

新型コ…

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
分析・考察

5類移行は、過去の例に照らして感染が減少に向かうタイミングでしょう。問題は、社会がついて来るか、です。
菅野さんが仰る通り、内輪のおしゃべり飲食はとっくに解禁しつつ、外では無意味とも言える無言マスクで歩く人、人、人。ここまで来ると、同調圧力ももちろんですが、「顔を隠したい」という集合無…。』

『新型コロナは現在、感染者らの入院勧告や外出自粛要請などを伴う「新型インフルエンザ等感染症」に分類している。結核などの2類以上に相当する。5類は季節性インフルエンザ並みの扱いだ。』

『政府は屋内では距離が確保でき会話をほとんどしない場合を除きマスク着用を推奨している。5類に移行した場合は着用対象を発熱などの症状があって他人にうつすリスクがある人のほか、高齢や基礎疾患で感染防止が必要な人らに限る。

満員電車などの特に感染リスクが高い場所での扱いは調整する。屋外については既に近距離で会話をしなければ原則マスク不要としている。

5類になれば現在は感染者に原則7日間、濃厚接触者に原則5日間求めている待機も不要になる。診察を受けられる場所は特別な感染防止策を講じる発熱外来に限らず、一般の診療所や病院でも可能とする。』

『厚生労働省は分類変更に向けて自治体や医療機関などに受け入れ体制の早期移行を求める方向だ。

治療や入院にかかる医療費などの公費負担や発熱患者を受け入れた医療機関に対する診療報酬の加算は段階的に縮小する見通しだ。感染者数の把握方法もさらに簡素化する。緊急事態宣言などは感染が拡大しても発令できなくなる。』