コソボの大臣は、セルビアの緊張の高まりにロシアの影響があると見ている

コソボの大臣は、セルビアの緊張の高まりにロシアの影響があると見ている
https://www.aljazeera.com/news/2022/12/28/kosovo-minister-sees-russian-influence-in-growing-serbian-tension

 ※ 今日は、こんな所で…。

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

ジェラル・スヴェクラ内務大臣は、ベオグラードがコソボを不安定化させる手段としてセルビアの抗議者を支援していると非難した。

2022 年 12 月 28 日に公開2022年12月28日

コソボのシェラル・スベクラ内務大臣は、セルビアがロシアの影響下にあり、コソボ北部のセルビア人少数派を支援することで国を不安定にしようとしていると非難 した。

コソボ北部の民族的に分断された都市ミトロヴィツァのセルビア人は火曜日に新しいバリケードを建てた.セルビアがベオグラードとプリシュティナの間の抗議行動をめぐる数週間の緊張の高まりを受けて軍隊を最高の戦闘体制に置いたと発表した数時間後.

読み続けます
4 項目のリスト
リスト 1/4
「戦闘準備」状態のコソボ国境のセルビア軍
リスト 2 の 4
セルビアとコソボの間の暴力の背後にあるものは何ですか?
リスト 3/4
セルビアのヴチッチは、コソボ北部に軍隊を派遣するためにNATOの承認を求めています
リスト 4 の 4
セルビアのピロート市がアンモニア漏れで非常事態宣言
リストの終わり

重い荷物を積んだトラックで作られた新しい障壁は、ミトロヴィツァで一夜にして設置され、最近の危機が始まって以来、セルビア人がコソボの主要な町の 1 つで通りを封鎖したのは初めてのことです。これまで、コソボとセルビアの国境に通じる道路にはバリケードが設置されていました。

トラックは、町のセルビア人が多数を占める部分とアルバニア人が多数を占める部分を結ぶ道路を封鎖するために駐車されています。

「ロシアの影響を受けたセルビアこそが、テロ行為を行う犯罪グループを正当化し保護するために、軍事的即応態勢を整え、新たなバリケードの建設を命じている」と、スベクラは火曜日の声明で述べた。

セルビアは、隣国コソボを不安定化させようとしていると否定し、現在のコソボ領土に住むセルビア人の少数派を保護したいだけだと述べているが、ベオグラードには認められていない.

ベオグラードは、コソボがセルビア人を攻撃し、バリケードを強制的に撤去する準備をしていると信じているため、命令が必要であると述べて、軍隊と警察に最高の警戒態勢を敷いています。

12月10日以降、コソボ北部のセルビア人はミトロヴィツァとその周辺に複数のバリケードを設置し、コソボ軍で働いていた元セルビア人警察官が逮捕された後、コソボ警察と散発的な銃撃戦を交わした.

民族セルビア人の抗議者たちは、逮捕された将校の釈放を要求しており、その他の要求もある. 彼らの抗議は、車のナンバー プレートの問題をめぐる以前の騒動に続くものです。コソボは何年も前から、北部のセルビア系住民に対し、セルビアの自動車ナンバープレートをプリシュティナ発行のナンバープレートに切り替えることを望んでいた。これは、コソボ の領土に対する権限を主張したいという政府の願いの一環である。セルビア人はそれを拒否した。

約 50,000 人のセルビア人がコソボ北部に住んでおり、プリシュティナ政府またはコソボを独立国家として認めることを拒否しています。彼らはベオグラードを首都と見なしており、セルビアのナンバー プレートを保持したいと考えています。

コソボの当局者は、セルビアの国営メディアを使って問題をかき立て、旧セルビア州への武力介入の口実になりかねない事件を引き起こしたとして、セルビアのアレクサンダー・ヴチッチ大統領を非難している。

コソボ安全保障研究センターの学者である Skender Perteshi は、セルビアとロシアが意図的にこの地域を混乱させようとしていると非難した。

「セルビアとロシアが協力するという考えは、西側が役割を果たしている場所ならどこでも紛争と危機を引き起こし、この地域でのこの種の不安定性を高めて、地域におけるロシアとセルビアの影響力を高めることです」と彼は示唆した.

コソボのメリザ・ハルディナイ元外相は水曜日、コソボ北部のバリケードはセルビア社会の権利の「欠如」に拍車をかけられたのではなく、セルビアとロシアから紛争に火をつける「直接の命令」であるとツイートした。

#Vucicの犯罪集団が #コソボ共和国 との共産党 Merdare CCP の一部を封鎖したという事実は、北部🇽🇰に違法に建設されたバリケードが #セルビア コミュニティの権利の欠如に対する抗議ではなく、 #からの直接命令であることを明確に証明しています。セルビア/ #ロシアが紛争を引き起こす!

— メリザ・ハラディナイ (@MelizaHaradinaj) 2022 年 12 月 28 日

 コソボ政府は、自国の警察にはセルビアのバリケードを撤去する能力があると述べているが、彼らは、平和維持軍にバリケードを撤去するよう求める彼らの要請に応えて、NATO のコソボ平和維持軍 (KFOR) が対応するのを待っていた。

ロシアのウクライナ侵攻により、欧州連合諸国は、EU のさらなる拡大には消極的であるにもかかわらず、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビアの 6 つのバルカン諸国との関係改善により多くのエネルギーを注ぐようになりました。

アルバニア人が多数派を占めるコソボは、1998 年から 1999 年にかけての戦争の余波を受け、西側諸国の支持を得て、2008 年にセルビアからの独立を宣言しました。この戦争では、NATO がアルバニア系住民を保護するために介入しました。

コソボは国連に加盟しておらず、 EU の 5 つの加盟国 (スペイン、ギリシャ、ルーマニア、スロバキア、キプロス) は、コソボの国家承認を拒否しています。

セルビアの歴史的同盟国であるロシアも、コソボの国連加盟を阻止している。

出典:アルジャジーラと通信社
アルジャジーラ・メディア・ネットワークのロゴ
© 2022 アルジャジーラ メディア ネットワーク 』

インドで侵攻批判のロ議員転落死 同行者死亡の直後

インドで侵攻批判のロ議員転落死 同行者死亡の直後
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122800159&g=int

『【ニューデリー時事】インドを訪れていたロシア地方議員の男性が、滞在先のホテルから転落し死亡した。議員はウクライナ侵攻に批判的な発言が報じられていた。同行していた友人も直前に同じホテルで亡くなっており、警察が詳しい状況を調べている。インドメディアが27日伝えた。

ロシアへ機密、独情報機関員逮捕 ウクライナ侵攻で当局警戒

 タイムズ・オブ・インディア紙などによると、亡くなったのはモスクワ東方にあるウラジーミル州の議員パベル・アントフ氏(65)。食品加工業で財を成した富豪としても知られる。休暇で他のロシア国籍者3人とインド東部オディシャ州のホテルに滞在していた24日、3階から転落し死亡したという。 』

中国全人代、反スパイ法改正へ 台湾巡り外国介入警戒か

中国全人代、反スパイ法改正へ 台湾巡り外国介入警戒か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM265VZ0W2A221C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は27日から反スパイ法の改正案を審議する。改正案の内容は現時点で公表されていないが、台湾統一をにらむ習近平(シー・ジンピン)指導部が取り締まりをさらに強化するとの見方がでている。

審議は30日までの予定で、2023年前半にも可決される可能性がある。14年11月に施行された現行の反スパイ法は「外国などのスパイ組織に参加する」…

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『ペロシ米下院議長の訪台にあわせ、習指導部が掲げる中台統一を拒む台湾の住民を威嚇する狙いがあったとみられる。共産党関係者は「反スパイ法の改正で台湾独立をあおる反中勢力はすべて取り締まりの対象になるだろう」と指摘する。

習指導部は台湾統一を巡り、米欧日といった「外国勢力」が介入を強めていると警戒している。習国家主席は11月の米中首脳会談でバイデン米大統領に「いかなる者も台湾を中国から分離させようと考えるなら、決して許さない」と強調した。中台間のビジネスなどにも影響が出る可能性がある。

反スパイ法の改正案の検討作業が進むようになったのは19~20年の香港の抗議デモも関係している。習指導部は米英を念頭に「外国勢力」が香港の民主活動家らと結びつき、国家の転覆を企てていると断定。香港国家安全維持法を制定した。対象が香港に限られていることから、反スパイ法も強化すべきだとの意見がでたという。』

https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM265VZ0W2A221C2000000&n_cid=DSPRM1AR07

プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」

プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/12/27/28253.html

『「プーチン氏は偉大な戦略家から最悪の戦略家になってしまった」

国際的なリスク分析で知られるアメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について、こう語りました。

ロシアによる軍事侵攻で世界は大きく変わり、二度と元には戻れないと指摘するブレマー氏。

いったいなぜ元には戻れないのか。今後、世界はどうなってしまうのか。ブレマー氏の分析です。

(聞き手 アメリカ総局 佐藤真莉子)

※以下、ブレマー氏の話

軍事侵攻が始まったとき、どう考えたか?

残念ですが、ロシアはウクライナに侵攻すると思っていました。

プーチン大統領とロシア政府が「ウクライナのナチス政権がウクライナ南東部でロシア市民に対する大量虐殺行為を行っている」と国民に訴えた時点で。しかし、国土を丸ごと奪おうとしたことにはかなり驚きました。ロシアの侵攻はウクライナ南東部だけに限られる可能性の方がずっと高いと思っていました。

ロシア プーチン大統領(左・2022年12月)

彼らにはキーウにまで行き、ウクライナ全土を獲得するほどの兵力はありませんでしたし、全土獲得のためにはウクライナ人が全く戦わないことが前提にならなければなりません。2014年からウクライナ南東部で戦ってきたウクライナ人が戦わないなどと想定できるでしょうか。

プーチン大統領の判断ミスはそもそもはっきりしていたものの、それがこれほど大きなミスになったことに驚きました。

アメリカの国際政治学者 イアン・ブレマー氏

ロシアによる侵攻で世界は変わったか?

西側諸国、ヨーロッパにとって、大きな転換点となる出来事となりました。

冷戦終結後の30年間、我々には平和の恩恵があり、ヨーロッパ各国は自分たちの安全保障と防衛にお金を使う必要がなくなりました。経済や社会保障にこれまでよりもはるかに集中することができたのです。それがほぼ一夜にして終わってしまいました。

戦争が始まってからの数週間、私はNATO本部のことを考えていました。NATO本部にはベルリンの壁の一部と2001年のアメリカ同時多発テロ事件で破壊された世界貿易センタービルの鉄骨が展示されています。

NATO本部に展示されているアメリカ同時多発テロ事件のモニュメント(ブリュッセル)

それらは地政学的な意味で最も象徴的な2つの破片です。1つは冷戦終結を象徴するもの、もう1つはアメリカにとって史上最長で最終的に敗北したアフガニスタン戦争を象徴するものです。

そして私は、ウクライナのどこか、キーウのどこかのがれきが、いずれNATO本部のベルリンの壁やツインタワーに加わるだろうと思いました。つまり、今回のロシアの侵攻は、西側と地政学的秩序にとって、あの2つの出来事と同じくらい重要な転換点なのです。

ロシアからのミサイル攻撃を受けたキーウ市街(2022年10月)

世界の安全保障、経済、政治にどんな変化をもたらしたか?

まず、ロシアを“ならず者国家”にしました。G20のメンバーが他のすべての先進国から強制的に引き離されたのは史上初めてです。

先進国はロシア中央銀行の資産を凍結し、オリガルヒの資産を差し押さえ、貿易を断絶しました。SWIFTの金融取引を停止し、莫大なコスト増になるにもかかわらず、ロシアのエネルギーから遠ざかりつつあります。

ロシア経済は当分激しく落ち込むことになり、それを元に戻すことはほとんど不可能です。

モスクワ

そしてもちろん、食料と肥料の価格が大幅に上昇したため、途上国がより深刻な飢餓に直面するという影響も出ています。食料と肥料では世界最大の生産・輸出国である2つの国が戦争になることでサプライチェーンに大きな混乱が発生しています。

ウクライナの小麦畑

最後に、当然ですが、西側諸国はより緊密に連携するようになりました。NATOは拡大し、防衛費も大幅に増えました。前線への配備もはるかに多くなっています。ウクライナ政府は、欧米各国から、非常に多くの防衛装備品や訓練、情報を得ています。

特に欧米関係は強化され、日本や韓国、オーストラリアとの同盟関係までもが強くなっています。もしロシアがウクライナに侵攻していなかったら、岸田首相は「日本の防衛費をGDP比2%にする」と発表していたでしょうか。

プーチン大統領がミスを犯した?

孫子の言葉に「敵が間違いを犯しているときには決して邪魔をするな」というのがあったと思いますが、ロシアの敵はご存じのように数多くの間違いを犯していました。

アフガニスタンで失敗し、NATOは弱体化し、ヨーロッパ各国は防衛費を使おうとしませんでした。アメリカにはトランプ前大統領がいて、アメリカ第一主義の立場でした。「なぜNATOが必要なのか」というところにまでいったのです。フランスのマクロン大統領は「NATOは脳死状態で我々は戦略的自治を求める」と言っていました。NATOはあらゆる面で弱体化し、アメリカは独自の道を歩んでいました。

アメリカ トランプ前大統領

まさにそんな中、プーチン大統領はヨーロッパを攻撃するというとんでもない行動に出て、そのたった1つの行為がNATOを団結させることになりました。彼は地上戦を始め、ポーランドに、そしてNATOに直接流入する何百万人もの難民を生み出したのです。

プーチン大統領の行動がNATOを団結させ、NATOを強化したのです。彼はチェスの名手でありロシアの偉大な戦略家だったはずですが、最も重大な戦略的ミスを犯しました。世界の舞台においてこれまでで最悪の戦略家の1人になってしまったのです。

ポーランドに落ちたミサイルについての見解の相違は?

ゼレンスキー大統領は直後に「ロシアのものだ」と言いましたが、その後、撤回しました。 

ゼレンスキー大統領は戦争のさなかにあり、生き残るために戦っているのです。彼自身、毎日ロシアに脅かされています。そして彼は非常に愛国的で自分の主張を通すため偽情報を使用することもありますが、そんなことで我々は驚かないし我々は彼を支援します。
ポーランドのミサイル落下地点とされる画像(2022年11月15日公開)

しかし、事実を重視しようとするなら、彼の言うことをすべて額面通りに受け入れるわけにはいきません。レーガン元大統領はかつて「信頼せよ。されど確認せよ」と言いましたが、ゼレンスキー大統領に対して我々はそういう立場であるべきです。

ロシア軍による攻撃との見方を表明する ウクライナ ゼレンスキー大統領(2022年11月16日)

ウクライナのミサイルがポーランドに落下しポーランド市民2人が死亡したのは「ロシアがNATO加盟国であるポーランドとの国境にいるウクライナの民間人を標的にしていたからだ」というのが事実です。

ロシアがウクライナとポーランドの国境を標的にしていなければ、ウクライナ人があそこで自国領土の防衛のためにミサイルを使用することなどなかったはずです。つまり、ポーランド人の死はウクライナの責任だとは言えないのです。責任はロシア政府にあるし、そのより重要な点では根本的な意見の相違はありません。

核兵器使用の可能性をどう見るか?

核抑止力は依然として大きく機能しています。

ロシアが毎日、民間の建物を標的にして戦争犯罪を繰り返し、文字どおりウクライナの住民を凍えさせ服従させようとしているにもかかわらず、NATOが現地でウクライナを守らない理由の1つはロシアが6000発の核弾頭を持っているからです。

ロシアによる新型ICBM「サルマト」の発射実験(2022年4月)

ロシアの核戦力には、ウクライナ側にロシアを攻撃させるような、アメリカなどからの軍事支援を制限するという点で大きな意味があるのです。

プーチン大統領が核の脅威を使って西側諸国を脅そうとしてきたのはもちろん事実です。しかし、西側諸国はロシアに対して、どんなに小規模なものであっても核兵器を1発でも使用すれば、戦争に直接参加すると応じてきました。こうなると、ロシアが核兵器を使用する可能性もずっと低くなると思います。

ただ、ロシアが自暴自棄になり、プーチン大統領が自身の支配や安全が脅かされる、祖国が脅かされ経済も体制も崩壊するかもしれないと考えた場合、絶望的な思いで核兵器を使用する可能性は確実に高まるでしょう。1962年のキューバ危機で我々はすでに経験済みですが、今は残念ながら、あの事態が現実となりうる状況に戻ってしまったのです。

今後、世界はどうなるのか?

キューバ危機の後、アメリカとソビエトはそれ以前の冷戦状態に戻り、キューバ危機以前と全く同様の関係となりましたが、今回はそんなことはありえません。

プーチン大統領をG7各国と正常な関係に戻せるような道筋が私には見えません。ヨーロッパにガスを供給し、ノルドストリーム1と2を復旧させ、ドイツにガスを供給するような関係に戻ることは不可能だと思います。

プーチン大統領が権力の座から降ろされ、指導者がかわったとしても、それがプーチン大統領を支持してきた人物であれば、以前のような関係を再構築することなどできません。2月23日に戻ることはできないのです。

キーウ郊外を飛行する軍用ヘリコプター(2022年2月24日)

ヨーロッパの友人たちがロシアの資産を凍結し、それを押収してウクライナの再建に使おうという話をしているのは、ロシアがウクライナに与えた被害がヨーロッパの人々がその再建のために支払いうる金額よりはるかに大規模だからです。仮にロシアの資産を奪い取りウクライナのために使用すれば、ロシアとの関係が再び正常化すると思いますか。そんなことはありません。

問題はウクライナでの戦争を終わらせることだけではありません。問題はロシアを再び普通の国に戻すことができないということなのです。ロシアは“ならず者国家”になってしまいました。ロシアは侵略によって自らそうなりましたが、西側諸国は信じられないほど協調的に対応しました。

この戦争の大きな皮肉の1つは、もしロシアが数週間でゼレンスキー大統領を辞めさせるか、殺害するかしてウクライナを占領していた場合、9回に及ぶ制裁も、今回のようなNATOの連携も見られなかっただろう、ということです。

ショックはあったでしょうが、その後は2014年の時と同様、新しい現実にどう対応するか、誰もがその答えを見いだしていたことでしょう。あの時よりも深刻ですが、ロシアにとってこれほど悪い顛末とはならなかったでしょう。

しかし、ロシア側の出方がこれほどまずい一方、ウクライナ人が西側を驚かせ、勇敢に戦い、自らを守り、ロシアを押し返してキーウを守り、ハルキウからロシアを押し出し、南部ヘルソンや東部ルハンシクで領土を奪還できた。

こうしたあらゆる事実が、制裁強化、ウクライナへの支援強化、NATOやEUの拡大につながったのです。

こうしたことすべてが、ロシアが構造的な屈辱を回避することを不可能にしています。そしてそのことで、この対立はより悪化しています。

日本の役割は今後どうあるべきか?

日本の役割は、基本的に防衛に関する支出を増やすことではないと思います。

日本の役割は法の支配と多国間主義、既存の国際機関を支持し、それらが損なわれないよう、その改革を支援し密接に連携することです。

2023年は日本がG7の議長国を務め、国連安全保障理事会の非常任理事国になります。そこで極めて重要なのは、日本が国連憲章や世界における法の支配に対するコミットメントを活かし、これらの機関をできる限り強固にすることです。

今日の世界で単独主義が目立ち、こうした国際機関がロシアやイラン、場合によっては中国からも根本的な挑戦を受けているということがあってもです。それが日本の役割であり、非常に重要な役割なのです。

プーチン大統領を国際ニュースナビで深掘り
ウクライナを国際ニュースナビで深掘り

アメリカ総局記者佐藤 真莉子
2011年入局
福島局、社会部、国際部を経て現所属
佐藤 真莉子』

日本企業のシステム開発外注に潜む北朝鮮工作員の影

日本企業のシステム開発外注に潜む北朝鮮工作員の影
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26762

『2022年5月27日 山崎文明 (情報安全保障研究所首席研究員)

読売新聞が5月18日から19日にかけて、独自ニュースとして、中国に住む北朝鮮のIT技術者が日本に住む知人の名義を使って、兵庫県のスマートフォンアプリ「ひょうご防災ネット」の修正業務などの開発業務を請け負っていたことがわかったと報じている。兵庫県危機管理部によると、「ひょうご防災ネット」の保守業務は、ラジオ関西に委託していたが、県には報告せず、不具合の修正を大阪市内の業者に再委託している。この業者がさらに東京都内のアプリ開発会社に委託し、最後は、「仲介サイト」を通じて、北朝鮮の技術者に修正業務が依頼されていたことがわかったという。
(ilkaydede/gettyimages)

 技術者は、「仲介サイト」にハンドルネームで登録し、顔が見えないチャット形式で仕事を進めていたという。兵庫県警の発表では、この技術者の報酬が不正送金だったとして「銀行法違反(無許可営業)」の疑いで韓国籍のタクシー運転手の男(57歳)を書類送検したとしている。

 タクシー運転手の男は、2019年6月にIT技術者の報酬として受け取った約191万円から手数料として1割を引き、技術者の親族である東京都北区に住む朝鮮籍の無職の女(75歳)の口座に送金。女はその口座に紐ついたデビットカードを中国にいる技術者に送り、技術者が中国で人民元を引き出していたというものだ。技術者はこの男の名義で「仲介サイト」に登録していたという。

 無職の女は、同ほう助の疑いで横浜地検に書類送検されている。どうしてタクシー運転手や無職の女が銀行法違反で書類送検されるのか、報道だけでは、理屈が不明だが、おそらく今回の事件は、米連邦捜査局(FBI)からの通報によって警察が捜査に当たったものと思われる。

 「ひょうご防災ネット」は、地震速報や河川の水位などのほかに北朝鮮のミサイル発射も速報される仕組みで、およそ26万人が利用しているという。記事では北朝鮮のIT技術者によるシステム開発の危険性を指摘している。
IT技術者養成に力を入れる北朝鮮

 北朝鮮は、ミサイルや核開発の資金源を稼ぐ手段として、IT技術者の養成に力を入れている。これはIT技術者が世界的に不足していることと、建設要員や工場労働者、ウェイトレスといった従来の北朝鮮の労働者派遣と比べて、はるかに多くの稼ぎをもたらすことに金正恩総書記が気づいたからにほかならない。

 金総書記の指導のもと、北朝鮮では、何十年もの間、市民に対して数学と科学の重要性を強調し、科学技術の研究分野と人員への投資を行っている。一流大学と称されている金日成(キムイルソン)総合大学、金策(キムチェク)工業総合大学、平壌(ピョンヤン)科学技術大学の各大学ではIT学位プログラムを開発し、毎年約3万人もの学生が情報通信技術関連の技術を習得し、巣立っている。』

『2019年時点で37の大学が、85のIT関連プログラムを確立しており、有望な学生を育成するために、少なくとも1つの新しい中学校を設立している。これらの学生は、卒業後、IT技術をさらに向上させるため、北朝鮮の各地域のIT研究センターで、追加のトレーニングを受けることになっている。

 さらに多くの場合は、東アフリカ、東南アジア、南アジアでトレーニングを受けており、実践経験を積み重ねている。北朝鮮のIT技術者は、歴史的にこれらの国々と交流しており、IT技術の実践の場となっているようだ。

 すでに数千人ものIT技術者が海外に派遣されているが、主たる派遣先は、中国とロシアである。彼らの稼ぎは、従来の北朝鮮の派遣労働者とは比べものにならない。中には、年間30万ドル(約3750万円)以上稼ぐ者もおり、1チームで年間300万ドル(約3億7500万円)にも及ぶ収入を得ているケースもある。

 これらの収益は北朝鮮政府によって、最大9割が差し押さえられており、年間数億ドルもの収入が北朝鮮政府にもたらされているのだ。北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルを含む兵器の軍事装備品の研究開発と生産を管理する軍需工業部(Munitions Industry Department)第313総局は、朝鮮労働党中央委員会に従属する機関だが、北朝鮮の大部分のIT技術者は、ここから海外に派遣されていることから、これらの収益は、核開発やミサイルの開発資金になっているとみられている。
高度な開発技術で機密情報も取得

 北朝鮮のIT技術者がこれほどまでに稼ぎをあげられる理由には、最先端のIT技術取得がある。モバイルアプリケーションはもちろんのこと、グラフィックアニメーションやモバイルゲームなどをはじめ、人工知能関連のアプリケーションやVR(拡張現実)のプログラミングなどもこなすからである。

 北朝鮮のIT労働者が開発するソフトウェアはさまざまだが、一部のIT労働者は、仮想通貨取引所を設計したり、仮想通貨トレーダー向けの分析ツールを開発したりもしている。

 こうした技術力を武器に外貨を稼ぐ北朝鮮のIT技術者だが、彼らには外貨収入以外にも目的がある。それは不正なロジックをプログラムに組み込んだり、バックドアと呼ばれる遠隔操作が可能な機能を組み込みセキュリティ機能を回避したり、あるいは開発の過程でその企業の機密情報を盗み出したりすることである。まさにソフトウェアの開発は、北朝鮮政府にとって一挙両得の戦略なのである。

 そのためには、身元を隠す必要がある。北朝鮮のIT技術者は、身元証明書を含む偽造または改ざんされた文書、署名を日常的に使用しているとされる。

 海外派遣労働者には、偽造または改ざんされた運転免許証、社会保証カード、パスポート、国民識別カード、居住外国人カード、高校および大学の卒業証書、就労ビザ、クレジットカード(デビットカード)、銀行口座などが与えられる。北朝鮮のIT労働者は、これらの情報をもとにIT労働者に必要とされるアカウントを複数、開設するのである。』

『見破るのが困難なフリーランス

 筆者が、今回の捜査がFBIからの情報にもとづくと判断する理由に5月16日に米国務省、財務省およびFBIが共同で提出した勧告書があるからだ。「朝鮮民主主義人民共和国に関するガイダンス 情報技術労働者」と題するこの勧告書は、北朝鮮のIT技術者が非北朝鮮国民を装いながら雇用を得ていることについて、国際社会、民間部門および一般市民に対して警告を発する目的で発表されたものである。

 添付されているファクトシートには、北朝鮮のIT技術者がフリーランス・ワーク・プラットフォオーム(Freelance Work Platform)やデジタル決済プラットフォームを悪用していることや、企業が北朝鮮のIT技術者の雇用を回避する方法についても詳細に情報を提供している。
北朝鮮技術者が身元を隠し、システム開発を請け負う流れ(出所)「朝鮮民主主義人民共和国に関するガイダンス 情報技術労働者」 写真を拡大

 フリーランス・ワーク・プラットフォオームとは、今回、報道されている「仲介サイト」のことである。IT技術者やイラストレータなど、手に職のある個人が登録しておき、仕事を抱えた個人や企業がその仕事の適任者を検索し、マッチングさせるサービスだ。米国ではFiverrやToptal、日本でもランサーズやレバテックなどのプラットフォームが営業している。

 中国や東南アジアに派遣された北朝鮮のIT技術者達は、偽造IDを使用して、このフリーランス・ワーク・プラットフォオームに登録し、システム開発を請け負っている。ガイダンスでは、北朝鮮のIT技術者らは、仮想プライベートネットワーク(VPN)や仮想プライベートサーバー(VPS)を使用して、プラットフォームにアクセスしており、北朝鮮以外の外国人または米国を拠点とするテレワーカーと偽っているとしている。

 フリーランスが北朝鮮のIT技術者か見破る方法として、
・短時間にさまざまなIPアドレスから1つのアカウントにログインしている。
・中国の決済プラットフォームを使用して頻繁な送金を繰り返している。
・中国の銀行口座や仮想通貨での支払いを求めてくる。
・フリーランス・ワーク・プラットフォオームやSNS、決済プラットフォームに登録されているフリーランスのプロファイル欄の名前のスペルミスや国籍、勤務地、連絡先情報、学歴などに不整合な記載がある。
・フリーランス・ワーク・プラットフォオーム上の評価を上げるために不正な業務委託者のアクウントを用いて評価を書き込んでいるが、受託者と同じPaypal(決済プラットフォーム)などのアカウントが使用されている。
・プロジェクトへの入札数と落札した数が同じである。
など、一般市民のレベルや企業担当者のレベルでは入手が不可能と思える項目が並んでいるのが残念だ。
企業内の工作員にも注意が必要

 今回の米国政府による勧告は、フリーランスのIT技術者を下請けで使うことの危険性をあらためて認識させた一方、民間人のレベルでは偽装した北朝鮮のIT技術者を見破ることが困難であることが示されている。プロファイルの不整合な記載は、参考にはなるが、北朝鮮技術者のケアレスミスにすがるしかないことは、決め手にはならない。

 また、今回の勧告書はフリーランスの問題を取り上げたものだが、正規社員の中にも北朝鮮や中国の工作員が入り込んでいることにも注意が必要だ。中国や北朝鮮の工作員は数十年もの間、日本企業に入り込んでいるため製造や研究開発部門だけではなく、人事や経理といった間接部門にも入り込んでいる。このため、人の採用や外注手配まで工作員で占められているケースもある。

 企業にはフリーランスの使用に注意を払うだけでなく、正規社員の適正な人事ローティションが求められる。』

米国独立の裏側で暗躍した3人のインテリジェンスの父

米国独立の裏側で暗躍した3人のインテリジェンスの父
小谷 賢 (日本大学危機管理学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/28877

『1997年に米中央情報庁(CIA)は、米国の「インテリジェンスの父」として、3人─ジョージ・ワシントン、ジョン・ジェイ、ベンジャミン・フランクリン─の名前を挙げている。いずれも米国の建国に貢献した偉大な政治家だ。しかし、崇高な理念だけでは国家は建設できず、そこには国家間の権力闘争やインテリジェンス活動など、裏の活動が必要不可欠であった。

現実主義に徹した米国の初代大統領

 ワシントンは20代の頃、英国植民地政府のスパイとして、オハイオ駐留の仏軍の動向を探るべく派遣されたことが、インテリジェンスの世界に足を踏み入れるきっかけとなった。

 そして彼が米国独立戦争で総司令官となると、軍事費の10%を情報にあて、敵の動静を掴むための情報網を構築したのである。現在、欧米諸国は国防費のおおよそ5〜10%をインテリジェンスに割いているので、ワシントンの予算配分はかなり適切なものであった。

 ワシントンは米軍で初となる情報部も創設した。これは「ノールトン・レンジャーズ」として知られている偵察部隊で、ここに所属していたのがネイサン・ヘイルという21歳の大尉であった。
ネイサン・ヘイルが残した言葉は、軍人やインテリジェンス・オフィサーに求められる倫理に昇華され、現在も語り継がれている(BUYEN_ARGE/GETTYIMAGES)

 ヘイルは英軍占領下のニューヨークで活動していたが、最後は英軍に捕まり、スパイとして処刑されている。彼はスパイとして大きな功績を残したわけではないが、「私はこの国のために失う命が一つしかないことを悔やむだけだ」と言い残して処刑されたことで歴史に名を刻んだのである。

 彼の言葉は軍人やインテリジェンス・オフィサーに求められる倫理に昇華され、その後、CIAをはじめとする公的機関にヘイルの銅像や肖像画が置かれるようになったのである。

 ヘイルの活動は英軍に妨害されたものの、ワシントンのスパイ網は英軍内に着々と築かれていた。1780年7月、「レディ」と呼ばれたあるスパイが英軍の極秘計画をもたらしている。

 これはロードアイランドに到着するフランスからの援軍(当時、米仏は同盟国)を、ニューヨーク駐屯の英軍によって迎撃するという内容であった。この情報を得たワシントンは、即座に米軍がニューヨークに侵攻するという噂を流し、さらに現実味を加えるため、彼の部隊をニューヨーク郊外まで行進させた。この噂を信じた英軍は策略にはまり、ニューヨークの部隊をロードアイランドへ移動させることができなかったのである。

 ワシントンは初代米国大統領就任後も、インテリジェンスを重視した稀有な政治家であった。彼は国家予算の12%を機密費にあてているが、決して議会に対してその詳細を説明することはなかった。

 この慣習は現在にも受け継がれているが、ワシントンの後継者たちはその情報運用については学ばなかったようである。

 ワシントンといえば、父が大事に育てていた桜の木を斧で切ってしまったことを自ら打ち明けて称賛されたエピソードが有名なように、正直な人物であるというイメージが強い。

 しかし、このエピソードは後世の創作であり、真実のワシントンはインテリジェンスに秀でた現実主義的な人物であったのである。』

『総合力で勝ち取った強大な国からの独立

 ジョン・ジェイはワシントン政権で、最高裁判所長官やニューヨーク州知事を務めた政治家だが、同時に、国内の防諜にも貢献した。初期のキャリアは、同州議会のメンバーとして、英国勢力の浸透を阻止することだった。彼は「英国の陰謀対処のための委員会」の長となり、10人前後の捜査官を率いて英国のスパイや秘密工作活動を摘発していた。

 当時、英国植民地政府は、米国の独立派リーダーの排除を計画しており、ワシントンのボディーガードも買収されて彼の命を狙うようになっていたが、ジェイの組織はこれを未然に防ぐことに成功した。そこで頭角を現したのが、イーノック・クロスビーだった。クロスビーは「ジョン・スミス」という、英語圏ではよくある名前で英軍の下部組織に加わり、英軍の作戦計画について貴重な情報を多くもたらした。

 ジェイは合衆国憲法の基となった「フェデラリスト・ペーパーズ」起案者の一人であり、その中には、彼の信念が記されている。「交渉の過程では、完全な秘密保持と迅速な処理が要請されることがしばしばある。情報を握っている者がそれを露見させる心配がなければ、もっとも有益な情報を入手し得るだろう」。

 ベンジャミン・フランクリンは科学者として著名で、政治家も務めた多才な人物である。フランスを米国の同盟国とすることに尽力し、インテリジェンス分野では主にプロパガンダや秘密工作を担当した。彼は米国の特使として、1776年12月にパリを訪問しているが、その際、反英プロパガンダを自らの手で作り、欧州各国の大使や軍人に広める工作を行っている。

 彼の偽情報でよく知られるものの一つに、英国が戦場で負傷したドイツ兵にきちんとした報酬を払わず、見殺しにして死亡金だけを払っている、というものがあった。当時、ドイツ語圏のいくつかの領邦国は米国に兵士を派遣し、英軍とともに米軍と戦っていたのである。この偽情報は米国に派遣されたドイツ兵にも広まり、多くの逃亡者を出した。対して駐仏英国大使も米国に関する偽情報を流布していたが、フランクリンの方がはるかに上手だった。

 さらに彼はボストンの新聞に、カナダの英国人総督がインド兵に対して米国兵士の頭皮を収集することを依頼した、というでっち上げの記事を掲載し、英国本国で問題視されるようになる。

 またパリにおいて、フランクリンはエドワード・バンクロフトという、ロンドン在住の米国人をスパイとして雇い、彼から英仏に関する多くの情報を入手していたが、バンクロフトは英国の情報機関にも通じていた二重スパイでフランクリン側の情報も英国に漏洩していた。ただしフランクリンはバンクロフトへの警戒も怠らず、英国に接触していたことに気づいていたようである。

 独立戦争時における米国建国の父たちのインテリジェンス活動は、それぞれが独自の判断で始めたものである。彼らは、強大な英国を打ち倒すためには、軍事力だけではなく、外交やインテリジェンスなどを駆使しなければならないことをよく理解していたのである。』

平壌の南の地区。例年、12月1日から、郷土防衛部隊(ミリシャ)の訓練年度が始まる。

平壌の南の地区。例年、12月1日から、郷土防衛部隊(ミリシャ)の訓練年度が始まる。https://st2019.site/?p=20737

『Mun Dong Hui 記者による2022-12-26記事「Some N. Korean military units shorten training periods due to food shortages」。

 平壌の南の地区。例年、12月1日から、郷土防衛部隊(ミリシャ)の訓練年度が始まる。
 稽古をつけるのは、正規軍である。

 北鮮では、12月から翌年3月までが「冬の訓練期」で、7月から8月までは「夏の訓練期」ということになっている。
 ※どちらも農閑期を選んでいる。

 12月にはまず中隊規模の訓練をするのが普通である。

 この集合訓練のために国家から郷土防衛組織に対してコメの支給があるのだが、今年はいつもの半分の量だという。そのため、集合訓練の日数は、半減するそうである。』

台湾がSEAD用のロイタリングミュニションとしてこしらえた「剣翔(Chien Hsiang)」は、イスラエルから昔買った「ハーピィ」を参考にしている。

台湾がSEAD用のロイタリングミュニションとしてこしらえた「剣翔(Chien Hsiang)」は、イスラエルから昔買った「ハーピィ」を参考にしている。
https://st2019.site/?p=20737

『ストラテジーペイジの2022-12-27記事。

 台湾がSEAD用のロイタリングミュニションとしてこしらえた「剣翔(Chien Hsiang)」は、イスラエルから昔買った「ハーピィ」を参考にしている。

 プロペラ駆動。1.2m×2m。自重6kg。
 巡航185km/時で、5時間滞空可能。

 最大航続距離は900kmという。

 敵のレーダー波をパッシヴで捉えてそこに向って突っ込んで行くのだが、機載のビデオカメラを通じた操縦もできる。※甚だ疑わしい。パッシヴだけなら衛星リンクなしでも長射程化可能だが、画像操縦するとなったら衛星リンクが不可欠である。ぜんぜん違うシステムになってしまう。価格も数倍、高くなる。

 ダイブ突入時の終速が600km/時くらいになるので、敵のレーダーの破壊にはこのエネルギーだけでも十分である。

 トレーラーに乗るコンテナ内部に3段×4列に格納され、そこから打ち出す。

 量産はしかし2024にならないと始まらないという。この遅れは、自律誘導のためのソフトウェア開発が未熟段階であるため。

 台湾は1990年代にイスラエルから「ハーピィ」を買った。敵のレーダー波を自律探索させて自律突入する。画像操縦しないからスウォームにしても安い。

 イスラエルは「ハーピィ」の次に「ハロプ」を完成したが、画像を通じてリモコンもできるようにしたために単価が跳ね上がった。重さも135kgに増えた。
 「ハロプ」は、インド、トルコ、ドイツに輸出されている。』

「Molfar」というNGOによる試算では、ウクライナは9月13日から10月17日までのあいだ、露軍の無人特攻機を阻止するために2814万ドルを使ったはず…。

「Molfar」というNGOによる試算では、ウクライナは9月13日から10月17日までのあいだ、露軍の無人特攻機を阻止するために2814万ドルを使ったはず…。
https://st2019.site/?p=20737

『「Molfar」というNGOによる試算では、ウクライナは9月13日から10月17日までのあいだ、露軍の無人特攻機を阻止するために2814万ドルを使ったはずだという(この中に各種のSAM代が含まれる)。

 それに対して、攻撃を発起したロシア側では、1166万ドル~1790万ドルの攻撃コストしかかかっていない(この中に「シャヘド136」の代金が含まれる)。

 ※大手メディアからの確たる報道がなく、SNS動画だけが出回っているのだが、ロシア各地の銀行で年金を引き出そうとした老人たちが、「現金がありません」と言われて門前払いされている』

ロシア軍は、特攻ドローン攻撃をしかける際には、1目標に対して12機をスウォーム殺到させる…。

ロシア軍は、特攻ドローン攻撃をしかける際には、1目標に対して12機をスウォーム殺到させる…。
https://st2019.site/?p=20737

『Tanmay Kadam 記者による2022-12-27記事「Shooting Down A $14,000 Geran-2 UAV With A Million Dollar Missile Cannot Win That War For Ukraine – Experts」。

 ロシア軍は、特攻ドローン攻撃をしかける際には、1目標に対して12機をスウォーム殺到させるようにするのが良いと考えている。ただ、じっさいには「シャヘド136」の輸入量が追いつかず、5~6機のスウォームになってしまっているが……。

 また露軍は、特攻ドローンを低空と高空の2機ペアで飛ばす戦法も使う。もし低空を先行するドローンがAAで撃墜されてしまったら、高空を続行するドローンが目標を引き継いで狙う。もし先行機が目標突入に成功したら、それを見届けた後続機は別目標へ向かうわけだ。

 これまでのところ、ウクライナ軍は、襲来した特攻ドローンの6割を墜としている。調子の良い日には8割を阻止できている。

 だが問題は、それは金銭的・物質的に持続可能なのか? ――ということ。

 「シャヘド136」の単価は2万ドルだ(1万4000ドルだとしている論者もあり)。ドイツが援助したSAMシステムの「IRIS-T」はミサイル1発が43万ドルするであろう』

緊張が高まるバルカン半島、発砲事件を受けてセルビア側が戦闘準備

緊張が高まるバルカン半島、発砲事件を受けてセルビア側が戦闘準備
https://grandfleet.info/european-region/balkan-tensions-rise-serbia-prepares-for-war-after-shootings/

『コソボ当局とセルビア人住民の間で発砲があり、セルビア共和国のブチッチ大統領は「コソボに住むセルビア人を守るためあらゆる手段を講じよ」と指示、これを受けてセルビアの治安部門や軍は最高レベルの警戒体制に入った。

参考:North Kosovo: Shots fired near NATO patrol amid tensions
参考:Serbia places troops on ‘highest’ alert amid Kosovo tensions
参考:Serbian troops along Kosovo border placed on combat alert
参考:Serbian army shifts to ‘combat readiness’ amid growing Kosovo tensions

NATOが事態をエスカレーションさせないよう呼びかけたが、これを無視したセルビア側の行動によって緊張感が高まっている

セルビア共和国から分離・独立したコソボ共和国にはセルビア人が多数派を占める地域が幾つかあり、ここに住む人々はコソボ側の統治を受け入れておらず道路をトラックやバリケードで封鎖することがよくあるのだが、25日に「コソボ当局がズビン・ポトク村のバリゲードを撤去しようしてセルビア人住民と戦闘(銃撃戦)に発展した」と報じられ、コソボ当局はこれを否定したもののNATOのコソボ治安維持部隊(KFOR)は「ズビン・ポトク村で発砲があった」と発表。

出典:GoogleMap/管理人が加工(クリック拡大可能)

これを受けてセルビア共和国のブチッチ大統領は「コソボに住むセルビア人を守るためあらゆる手段を講じよ」と政府に指示、ガシッチ内相は警察や治安部隊に完全な戦闘準備を行うよう命令して「所定の作戦計画に基づき同部隊は陸軍参謀総長の指揮下に入る」と発表、国境沿いで最高レベルの警戒体制に入ったためコソボ軍も同じように警戒体制に入ったらしい。

陸軍参謀総長もブチッチ大統領と会談後「コソボから約10km離れたラスカ(軍の駐屯地がある)に向かった」と報じられているため、国境沿いにはセルビア軍も動員されている可能性が高く、海外メディアは「NATOが事態をエスカレーションさせないよう呼びかけたが、これを無視したセルビア側の行動によって緊張感が高まっている」と報じている。

関連記事:中国製防空システムの欧州進出が成功、セルビアがFK-3を調達

 ※アイキャッチ画像の出典:MO и ВС 27日にラスカ駐屯地を訪れたミロシュ・ブチェビッチ国防相
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 16 』

侵入してきた北朝鮮軍のUAVにお手上げの韓国軍、効果的な対応システムがない

侵入してきた北朝鮮軍のUAVにお手上げの韓国軍、効果的な対応システムがない
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/south-korean-military-is-helpless-against-intruding-north-korean-uavs-no-effective-response-system/

『北朝鮮は26日に5機の無人機を韓国北西部の領空に侵入させ、内1機はソウルの金浦市と坡州市の間をすり抜けてソウル市内に侵入、龍山にある大統領執務室の近くを飛行して北へ飛び去ったため、首都防空の脆弱性が露呈したと指摘されている。

参考:北 무인기 용산 상공까지 침투했다…대통령실 촬영했을 가능성
参考:北무인기 서울 침투… 軍 100발 쏘고도 놓쳤다

現時点でも最も効果の高い対無人機対策は人海戦術による肉眼監視とMANPADSを組み合わせた方法だろう

韓国軍によれば北朝鮮の無人機は小型で低空から侵入してきたためレーダーで継続な追尾を行うが困難=目標の検出と消失を繰り返し、大統領執務室の近くを飛行して北に進路をとった後の飛行コースは分かっていない=恐らく北朝鮮に戻ったと推定されており、韓国軍は戦闘機や攻撃ヘリなどを繰り出して迎撃(攻撃ヘリが20mm機銃を100発以上発射)を試みたものの失敗に終わっている。

出典:Google Map/管理人加工

今回の件は韓国軍の失態というよりも各国に共通する問題が露呈したと言うべきで、低空を飛行する小型無人機を従来のセンサーで検出するのが如何に難しいか、位置が分からない無人機の迎撃に戦闘機や攻撃ヘリを繰り出したとことで目標捕捉は困難を極め、仮に発見できても目標が小さいため従来の照準装置で小型無人機を正確に撃ち抜くが難しく、小型無人機を効果的に無力化できると主張するカウンタードローンシステムは幾つか存在するものの「能力」が実証されたものは今のところ存在しない。

韓国陸軍が低高度をカバーするため運用するTPS-830KEは小型目標の検出能力が低く、韓国空軍が運用するGap Filler Radarも山岳特有の地形が影響して監視範囲に限界があり、陸軍首都防衛司令部は2019年にイスラエル製のカウンタードローンシステム(恐らくラファエル製のDrone Dome)を大統領府、国会、空港、軍事施設などに導入していたが、今回効果を発揮することがなかったため「首都防空の脆弱性が露呈した」と指摘されているのだ。

米国を含む複数の国が採用しているDrone Domeは3.5km範囲内の小型の無人機(RCS値0.002㎡)を検出できるレーダー(RPS-42)に加え、ハードキル(指向性のレーザーや高圧放水砲など)やソフトキル(電子妨害や制御用周波数の乗っ取りなど)で対象を無効化できるとラファエルは説明しているが、実戦で効果を発揮できなかったため現時点でも最も効果の高いは「人海戦術による肉眼監視とMANPADSを組み合わせた方法=ウクライナ軍が実践しているコストのかかる戦術」ぐらいだろう。

因みに偵察衛星などのISR戦力を保有しない北朝鮮は不足する認識力をカバーするため「約1,000機の無人機を保有している」と推定されており、中国製D-4を改良したBanghyon-IとBanghyon-II、中国製Sky-09PをコピーしたUAV、シリア経由で入手した米国製MQM-107Dを参考に開発した自爆型UAV、旧ソ連製のPchela1-TやVR-3Reysをベースに開発したUAVなど保有していると見られているが、弾道ミサイル技術と引き換えにイランから無人機技術を入手している可能性もあるため、もっと高度なUAVを保有している可能性もある。

ちょっとソースを失念したが北朝鮮の空軍基地を移した衛星写真に「見慣れない大型UAV」が写っているのが最近確認されており、中国製のUCAVに似ていると指摘されていたため北朝鮮は近代的な無人機を導入しているのかもしれない。

関連記事:韓国、RCS値0.01㎡未満のドローンを8km先で検出できるアンチドローンシステムを開発

関連記事:米軍が開発を進める対ドローンセンサー網、実現すれば東京都全域を2.3億円でカバー可能

関連記事:UAV分野で存在感を増すトルコ、ロシアがトルコ製アンチドローンシステムを購入

関連記事:無人機による攻撃を受けて目が覚めたインド、アンチドローンシステム導入に動き出す

 ※アイキャッチ画像の出典:한국 국방부 2014年に韓国で発見された北朝鮮軍のUAV
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 41 』

ネオ・ナチの中心メンバーが率いるウクライナの代表団がイスラエルを訪問

ネオ・ナチの中心メンバーが率いるウクライナの代表団がイスラエルを訪問 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212280000/

『ウクライナ内務省の親衛隊における中心的な存在だった​アゾフ連隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)のイリヤ・サモイレンコが率いるウクライナの代表団が12月15日にイスラエルへ到着​した。

 アゾフは2014年3月13日、バラク・オバマ米大統領を後ろ盾としるネオ・ナチがビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的なクーデターで倒し、大統領を追い出した翌月に組織された。その基盤になったのが「右派セクター」。この右派セクターは2013年11月、ドミトロ・ヤロシュやアンドリー・ビレツキーらが「三叉戟」を元にして組織され、クーデターを成功させた後、2014年5月2日にオデッサで反クーデター派の市民を虐殺している。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ヤロシュはネオ・ナチ。最近、親衛隊はタグを変えて誤魔化そうとしているが、中身に変化はない。ヤロシュはネオ・ナチであるだけでなく、NATOの秘密部隊ネットワークに参加していると言われている。つまりCIAやMI6と連携、破壊活動を続けてきた。

 親衛隊が組織された理由のひとつは、ウクライナの軍や治安機関にネオ・ナチを拒絶する兵士や隊員が少なくなく、ドンバスの反クーデター軍より戦力が劣っていたことにある。しかも残った者の中にも反ネオ・ナチ派がいる可能性が高い。つまりクーデター政府やオバマ政権は軍を信用しきれなかった。

 アゾフを資金面から支えていたイゴール・コロモイスキーはウクライナ、キプロス、イスラエルの三重国籍を持つシオニストの富豪。シオニストがネオ・ナチを支えていたことになる。これが現実だ。シオニストを「ユダヤ人」と解釈、そのシオニストがナチズムの信奉者と手を組むはずがないという「公式」に囚われると事実を見誤ることになる。

 NATOの東への拡大を新たなバルバロッサ作戦だとロシアは見ているはずだが、このナチスの作戦をイギリスやアメリカの支配層はソ連を粉砕することを願いながら傍観していた。そのナチスへシティやウォール街、つまり米英金融資本が資金を提供していたことが今では明確になっている。

 そうした役割を果たした金融機関としてブラウン・ブラザース・ハリマンやディロン・リードが有名だが、ブラウン・ブラザース・ハリマンの重役の中にはW・アベレル・ハリマンやプレスコット・ブッシュも含まれていた。ハリマンとブッシュはドイツ企業との手形交換業務を行う名目で「ユニオン・バンキング(UBC)」を設立、ブッシュはその経営を任された。

 ブッシュが金融界で出世できた理由のひとつはエール大学でハリマンと同じように「スカル・アンド・ボーンズ」に入会したことのほか、結婚した相手のドロシーが金融界の大物であるジョージ・ハーバート・ウォーカーの娘だったことが挙げられる。

 ドロシーとプレスコットは1921年に結婚、24年にウォーカーが社長を務める投資銀行A・ハリマンの副社長に就任している。ユニオン・バンキングが創設されたのも1924年だ。1931年にブッシュはブラウン・ブラザース・ハリマンの共同経営者になった。この頃、アレン・ダレスは弁護士としてウォール街で仕事を始めている。ちなみに、ブッシュは1895年生まれだが、ダレスは93年生まれで、ふたりは親しくなる。

 結局、ナチスはソ連を破壊できない。フランクリン・ルーズベルト米大統領が急死した翌月、1945年5月にドイツが降伏するとチャーチルはJPS(合同作戦本部)に対し、ソ連を攻撃するための作戦を立案するように命令、「アンシンカブル作戦」が提出された。

 その作戦によると、攻撃を始めるのはその年の7月1日。アメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団で「第3次世界大戦」を始める想定になっていたが、この作戦は発動していない。参謀本部が5月31日に計画を拒否したからである。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

 この後、アメリカ軍はソ連に対する先制核攻撃の計画を作成するが、ソ連が核兵器と大陸間弾道ミサイルの分野でアメリカに追いついたことから攻撃を実行できなかった。アメリカの好戦派は最後のチャンスと考えていたのは1963年の後半、つまりジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたころである。』

CIAはNATOの秘密部隊ネットワークを利用し、ロシアに対するテロ戦争を始めた

CIAはNATOの秘密部隊ネットワークを利用し、ロシアに対するテロ戦争を始めた | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212270001/

『​ロシアの治安機関であるFSB(連邦保安庁)によると、12月25日にウクライナからロシアのブリャンスクへ侵入しようとした4名のチームを銃撃戦の末に殲滅した​という。その4名はサブマシンガンやカービン銃で武装、破壊活動に使う予定だったと思われる爆発物を持っていた。

 12月5日にはロシア領内へ深く入った場所にあるディアギレボ基地とエンゲルス基地が、また12月26日にもエンゲルス基地がそれぞれUAV(ドローン)で攻撃されたが、いずれもロシア領に潜入した工作員によるものだと言われている。​ジャーナリストのジャック・マーフィーによると、CIAはNATO加盟国の情報機関を利用し、ロシアで破壊活動を続けてきた​。本ブログでも繰り返し書いてきたように、アメリカとイギリスの情報機関はNATO加盟国全てに秘密部隊を作らせている。

 この秘密部隊の背景にはイギリスとアメリカの対ソ連戦略があった。第一次世界大戦の際にイギリスはロシアとドイツを戦わせるため、MI6を使い、障害になっていたグレゴリー・ラスプーチンを暗殺する。

 1917年3月の「二月革命」で誕生した臨時革命政府は巨大資本と手を組んでいたこともあり、戦争推進。それを嫌ったドイツは「即時停戦」を主張していたウラジミール・レーニンが率いるボルシェビキに目をつけ、その幹部をロシアへ列車で運ぶ。ドイツの思惑通りボルシェビキ政権は即時停戦を決めるが、アメリカが参戦していたこともあり、ドイツは負けた。

 しかし、そうした経緯もあり、ドイツとボルシェビキ政権は友好的な関係を維持するが、ナチスの台頭によって関係が壊れる。ソ連はイギリスと共同でドイツを抑え込もうとするが、失敗。ヨシフ・スターリンは1939年8月にドイツと不可侵条約を結ぶのだが、41年6月にドイツ軍の4分の3隊がソ連へ向かって進撃を開始する。バルバロッサ作戦だ。西側に4分の1しか残さなかったのはアドルフ・ヒトラーの命令によるが、彼は西から攻められる心配がないことを知っていたと考える人もいる。

 1990年代にNATOは東へ、つまりロシアへ向かって拡大し始めた。約束違反だが、アメリカやイギリスの支配者の言うことを信用することが悪い。この段階で「新バルバロッサ作戦」は始まっている。その山場が2010年1月から14年2月にかけてのウクライナにおけるクーデターにほかならない。その「新バルバロッサ作戦」が現在、ロシア軍の反撃で窮地に陥っている。

 ところで、ソ連に攻め込んだドイツ軍は1941年7月にレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)を包囲、9月にはモスクワまで80キロメートルの地点まで迫る。ソ連軍は敗北し、再び立ち上がることはないと10月3日にヒトラーはベルリンで語り、ウィンストン・チャーチル英首相の軍事首席補佐官だったヘイスティングス・イスメイは3週間以内にモスクワは陥落すると推測している。(Susan Butler, “Roosevelt And Stalin,” Alfred A. Knopf, 2015)

 しかし、レニングラードでドイツ軍は激しい抵抗に遭い、モスクワは陥落しない1942年8月にドイツ軍はスターリングラード市内へ突入して市街戦が始まるが、11月からソ連軍が猛反撃に転じ、翌年の1月に生き残ったドイツの将兵は降伏した。この時点でドイツの敗北は決定的だ。

 そこで慌てたのはイギリスのチャーチル政権。すぐアメリカ政府と協議し、1943年7月に米英両国軍はシチリア島上陸作戦を実行する。その作戦の最高司令官はイギリス人のハロルド・アレグザンダーで、その下で戦ったのがジョージ・パットン司令官の第7軍(アメリカ軍)とバーナード・モントゴメリー司令官の第8軍(イギリス軍)だ。この作戦が相手にしていたのはドイツでなくソ連だと言えるだろう。

 その年、アメリカのOSSとイギリスの特殊部隊SOEはレジスタンスに対抗させるためにゲリラ戦部隊を組織する。それが「ジェドバラ」だ。大戦中、西ヨーロッパでドイツ軍と戦っていたのは事実上、レジスタンスだけだが、その主体がコミュニストだったことから米英の支配層は敵視していたのだ。後にシャルル・ド・ゴールが命を狙われた一因は彼がレジスタンスに参加していたからだとも言われている。

 大戦後にジェドバラは解散するが、人脈は消えない。その人脈はアメリカで破壊工作機関OPCを創設、1951年にはCIAの内部に入り込み、秘密工作部門になる。要人暗殺やクーデターを仕掛けてきたのはこの部門だ。

 この人脈はヨーロッパで破壊工作機関のネットワークを組織、NATOが創設されるとその内部に入り込む。そのネットワークの中で最も有名な組織はイタリアのグラディオ。1960年代から80年代にかけ、極左を装って爆弾テロを繰り返し、クーデターも計画している。そのメンバーを日本政府が守ったことも知られている。ネットワークを指揮しているのはイギリスのMI6とアメリカのCIAだ。

 NATOへ加盟するためには、秘密の反共議定書にも署名する必要がある。アメリカ人ジャーナリストのアーサー・ローズ、情報活動に関するイタリアの専門家であるジュゼッペ・デ・ルティース、イタリアでグラディオを調査しているマリオ・コグリトーレなどもこの議定書は存在していると主張している。

 この問題を研究しているダニエレ・ガンサーによると、NATOの元情報将校は「右翼過激派を守る」ことが秘密の議定書によって義務づけられていると語っている。コミュニストと戦うために彼らは役に立つという理由からだという。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 秘密工作ネットーワークにはウクライナのネオ・ナチを率いているひとりのドミトロ・ヤロシュも含まれていると言われているが、ロシアの内部にも網の目は伸びているだろう。そうした網を構成する工作員が活動を開始したとマーフィーは言っているのだ。

 9月26日のノード・ストリーム爆破はイギリス海軍が実行したとロシア政府は主張しているが、10月8日にクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(ケルチ橋)が爆破された事件はイギリスのMI6が計画したとも言われている。

 10月29日にクリミアのセバストポリにある基地がUAVや無人艦で攻撃されたが、攻撃を実行したのはオチャコフにいるイギリスの専門家から訓練を受けたウクライナ第73海軍特殊作戦センターの隊員だという。』

米政府、ネパールと協力継続 親中姿勢にくぎ

米政府、ネパールと協力継続 親中姿勢にくぎ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27DF30X21C22A2000000/

『【ワシントン=共同】ブリンケン米国務長官は27日、中国やインドと国境を接するネパールで共産党毛沢東主義派(毛派)のダハル新首相の政権が発足したことを受け「民主主義や人権の尊重など互いに重要な課題で協力し続ける」と強調する声明を発表した。インド寄りだったデウバ前政権と比べ、親中とみられている新政権にくぎを刺す狙いがありそうだ。

声明は「米国はネパールとの強固な関係を誇りに思っている」とし「ネパールの民主主義への取り組みは世界中の国々の模範だ」と持ち上げた。

バイデン政権は中国に対抗する上で民主主義や人権を重視する「価値観外交」を展開している。』

「世界最安」iPhone、1人数百台購入も Apple追徴課税

「世界最安」iPhone、1人数百台購入も Apple追徴課税
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC217A80R21C22A2000000/

『米アップルの日本法人が東京国税局から消費税を追徴課税されたことが判明した。1人で数百台購入するなど、免税の要件を満たさない不適切な販売が多数あったもようだ。主力製品のiPhoneは世界の主要国で日本が最も安い水準にある。日本で仕入れて海外転売すれば利益が出やすい構図で、転売業者が暗躍していた可能性もある。

アップルジャパン(東京・港)は税務調査を受け、2021年9月期までの2年間で約130億円の…

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中国からの渡航者、入国時コロナ検査義務付け 30日から

中国からの渡航者、入国時コロナ検査義務付け 30日から
陽性なら7日間隔離 首相表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA273KN0X21C22A2000000/

『岸田文雄首相は27日、中国からの渡航者について新型コロナウイルスの水際対策を強化すると発表した。30日から入国時に感染検査を義務付け、陽性で症状がある場合は待機施設で原則7日間の隔離措置をとる。中国での感染急拡大が日本へ波及するのを抑える。

検査を義務付けるのは中国からの渡航者と7日以内の渡航歴がある人。現在は入国時検査が原則不要で、新型コロナの3回目ワクチン接種証明か出国前72時間以内の陰性証明を求めている。

接種証明の対象は世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに掲載されているワクチンで、中国のシノファーム製やシノバック製も含む。30日以降はワクチンの種類や接種の有無にかかわらず全員、入国時の検査が必要になる。

検査での陽性者は全てゲノム解析の対象にして変異型などの把握につなげる。航空会社には中国と往来する便を増やさないよう要請する。直行便の到着は成田、羽田、関西、中部の4国際空港に限定する。

首相は首相官邸で記者団に「新型コロナの国内流入の急増を避けるため入国時検査や空港の集約をする」と説明した。中国の感染状況に関して「中央と地方、政府と民間で感染情報が大きく食い違っており詳細な把握が困難だ」と述べた。

中国では浙江省政府が25日に1日あたりの新規感染者が100万人を超えたと発表した。一方で中国政府は2023年1月8日から海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を撤廃する。

制限してきた海外旅行を正常化させる方針も打ち出した。1月下旬に春節(旧正月)を控え、日本への旅行者の増加が想定される。

保守層に中国からの感染流入への懸念が強まっていた一方、観光業界には中国人旅行客の増加を待ち望む声も多い。首相は「国際的な往来を止めないよう可能な限り配慮する」とも強調した。

中国側は反発した。中国外務省の報道官は27日の記者会見で、日本の対応に「防疫措置は科学的かつ適度であるべきだ。正常な人の往来に影響を与えるべきではない」と批判した。

日本政府は22年10月に入国者数の上限を撤廃し、個人観光客の受け入れや査証(ビザ)なしの渡航を解禁した。

中国からの観光客は同国の水際措置が厳しいため戻っていない。出入国在留管理庁によると、11月の中国からの新規入国者数は1万7417人と、全体の2%程度にとどまる。新型コロナ禍前の19年11月はおよそ58万人だった。

【関連記事】

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石原純
インペリアルカレッジロンドン 講師
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今後の展望

このニュースには驚きました。確かに中国ではmRNAワクチンやオミクロン株対応ワクチンは接種がされていません。
しかし今までの渡航制限のように中国で懸念される株が発生したという情報が出ているわけではありません。
日本で中国の感染状況を確認する疫学的な目的が大きいのかもしれません。

欧米ではコロナに関する制限はほぼ撤廃され、既に最新のXBB株に対してはワクチンの感染防止効果はほとんどないとされています。(重症化防止効果はある程度期待できる)
また市民のコロナ検査の頻度も激減しています。この冬にまたコロナに関する入国制限が戻るかどうかに注目したいです。
2022年12月27日 18:14 (2022年12月27日 19:49更新)

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

①政府がまず守るべきは、自国民の健康と安全。中国でゼロコロナ政策緩和を機に感染が爆発し、中国当局の情報開示に大きな疑問符がつく以上、今回の日本政府の措置は適切だと思います。
②最も懸念されるのは、中国での感染爆発に伴う変異株の発生。中国当局はゲノム解析の結果公表に消極的とされるだけに、最大限の警戒感をもって対処すべきです。
③2020年に武漢からコロナ感染が広がった際には、地方当局の隠蔽が事態の悪化を招きました。今回は中国全土が武漢化の様相を呈しています。
④25日はコロナ死がゼロとか、中国当局が実態からかけ離れた情報を発信していることは、世界にとっても懸念事項。黙視すべきではないはずです。
2022年12月27日 15:49 (2022年12月27日 17:13更新)

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益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 教授
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分析・考察

中国からのコロナ変異株流入を警戒する国内世論対策、という側面が強いようです。
別コメでも指摘されていますが、日本政府は観光ビザをほとんど新規発給していないです。また、日本に複数回入国できるマルチビザは3年有効なので、現在有効なものを持っている中国人もほとんどいません。すなわち、一般の中国人はもともとまだ日本に渡航できません。
いまこの対策をとって一番影響を受けるのは、これまで中国に残って日本経済を支え、年末年始の休みを楽しみにされていた在中日本人かと思います。昨年も12月に入ってオミクロン株の流行で突如、1週間のホテル隔離が導入され、帰国控えがありました。在外邦人にとっては辛い時期が続きます。
2022年12月27日 15:29 (2022年12月27日 15:37更新)

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西村友作
中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授
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ひとこと解説

2023年の春節(旧正月)休暇は1月21日からで、4年ぶりに行動制限なしで迎える大型連休となりますが、訪日中国人が以前のように大量に押し寄せるという状況にはならないと思います。

その主な理由が、パスポートの期限切れとビザ発給の問題です。この3年間で多くの人のパスポートが期限切れとなり、更新されていません。手続きなどで比較的時間がかかるため春節休暇には間に合わないと思います。

もう一つが、日本大使館(領事館)によるビザの対応です。現時点では大使館への来館者の入場は原則受け付けていません。事前連絡、メールでの対応となっており、ビザ発給が以前のようにスムーズに行える状況ではないようです。
2022年12月27日 15:13

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岸田首相、防衛増税前に衆院解散 具体的時期は言及せず

岸田首相、防衛増税前に衆院解散 具体的時期は言及せず
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『岸田文雄首相は27日、防衛費増額の財源を確保するための増税を始める前に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見通しを示した。増税開始は2024~27年の適切な時期だと説明した上で「スタート時期はこれから決定するが、それまでには選挙はあると思う」と述べた。
BS-TBS番組で語った。具体的な時期への言及はなかった。いまの衆院議員の任期は25年まで。増税は法人、所得、たばこの3つの税が対象となる。27年度時点で年1兆円強を確保する方針は決定済みだ。

衆院解散に関しては自民党の萩生田光一政調会長が25日、増税前にすべきだと主張した。「7月の参院選で増税でまかなうと約束していない。明確な方向性が出たときは国民に判断いただく必要がある」と指摘した。

首相は自民、公明両党の連立政権の枠組みに国民民主党を加える可能性について聞かれると否定的に答えた。「具体的に連立の組み合わせが変わるような大きな変化はいま頭の中にはない」と言明した。

内閣改造を巡っては「年末年始その周辺での内閣改造はいま私の頭にはない」と話した。「何カ月先も考えていないという意味ではない」とも付け加えた。

【関連記事】

・復興相に渡辺博道氏就任 岸田首相、秋葉賢也氏を更迭
・秋葉復興相交代へ 場当たり閣僚更迭、岸田政権を痛撃
・自民党・萩生田政調会長、防衛増税前に衆院解散必要

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ロシア、原油輸出を禁止 価格上限制裁国に対抗

ロシア、原油輸出を禁止 価格上限制裁国に対抗
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR27DEG0X21C22A2000000/

『ロシアのプーチン大統領は27日、同国産原油の輸入価格に上限を設けた国に対し、2023年2月から原油の輸出を禁止する大統領令に署名した。長期化するロシアのウクライナ侵攻への打撃を目指す主要7カ国(G7)などへの対抗制裁となる。

大統領令によると、G7などに対して23年2月1日から5カ月間、原油輸出を禁じる。石油製品も対象とし、同年2月以降で政府が定めた日から適用する。プーチン氏の特別な決定があれば、禁輸を解除できるとした。

米国などの行動からロシアの国益を守るためとしている。G7や欧州連合(EU)は22年12月5日、ロシア産原油の取引価格に上限を設ける制裁を発動した。上限を1バレル60ドル(約8000円)とし、これを超えて取引する場合には、海上輸送に欠かせない保険契約ができないようにした。

ウクライナ侵略を続けるロシアの戦費を削ることが狙いだ。価格の急騰など市場の混乱を避け、ロシア産原油が国際市場に供給される流れを保つ目的もある。

プーチン氏は9日の会見で、こうしたG7やEUの制裁について「我々はそのような決定をする国には(原油を)売らない」と述べ、対抗制裁を実施する考えを示していた。「必要であれば減産の可能性についても考えていく」とも発言し、西側諸国をけん制した。

米国や英国はロシアからの原油輸入を停止し、EUも海上輸送のロシア産原油の輸入をやめている。

日本政府はG7の合意に基づき、ロシア産原油の上限価格を超えた輸入を禁じた。ただ日本企業が参画するロシアの資源開発事業「サハリン2」で産出する原油は制裁の対象外としている。これに対するロシア側の反応は明確になっていない。

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