OPECプラスが日量200万バレルの減産を決定 : 机上空間

OPECプラスが日量200万バレルの減産を決定 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29846340.html

『石油輸出国機構(OPEC)と、オブザーバーとして参加する非加盟産油国(ロシアなど)で構成するOPECプラスが、日量で200万バレルの減産を決定しました。会議のメンバーにロシアが入っているので、色々と色眼鏡をかけて見てしまいがちですが、淡々と事実を拾っていましょう。

まず、日量200万バレルの生産枠削減は、そのまま同量の減産を意味しません。というのは、OPECプラスが8月の時点で決めた日量360万バレルの生産目標を未達のまま経過していて、生産枠を削っても、そもそも、現在の目標生産量まで到達していなかったという事があります。未達の目標から200万バレルを削っても、そのまま減量という事にはなりません。恐らく、実際の減産は100万バレル~110万バレルと言われています。それでも、大きな減産です。

ウクライナ侵攻を巡って、エネルギーの奪い合いが起きている状況な上、主な消費先であるEUが、経済制裁としてロシア産原油の輸入禁止措置を発動しようと準備をしていたりするので、この状況は、多くの意味で、世界のリスクを高めます。政治的にも経済的にも軍事的にもです。

冷静に現状を分析すると、確かにインフレや物流の停滞により、アメリカを筆頭に世界中が景気後退に入っているのは確かです。

それゆえ、今後、エネルギー需要が減るという事は予想できます。天然ガスなど、思想的な運動で特殊な需要を抱えるエネルギーは別ですが、やはり世界規模で経済が停滞すると、エネルギー需要という大枠で見た場合、需要が減って、価格は下がるのですね。

これを、産油国が希望する価格を維持するには、供給を減らすのが一番てっとり早いです。もちろん、消費国の反発は受けますが、「他所で産出しない資源を、大量に持っている」国の決定には逆らえません。

純粋に安定した利益を抜きたいが為に、減産によって価格を維持したいというのが、大きな理由でしょう。

サブ的な環境として、アメリカと中東の関係が、うまくいっていないという事もあります。もともと、サウジアラビアなどは、アメリカと「利害が一致する」という意味で、仲が良かったのですが、反体制ジャーナリストだったジャマル・カショジ氏を、指導者の皇太子がトルコの自国大使館内で殺害した事件を巡って、人権批判をしたので、今は仲が拗れています。

何しろ、サウジアラビアは、国名が「サウジ一族の土地」という意味の、王族一族の支配が浸透している国です。いわば、王族は神なので、それを批判する人間は、存在自体が許されないのですね。

それを、欧米基準で批判すると、そりゃ関係が拗れます。バイデン大統領が、ウクライナ侵攻で逼迫したエネルギー事情を解消する為、増産の会談に乗り込んだ時も、ノーアンサーに近い結果しか出ませんでした。そこに、OPECプラスのメンバーにプーチン氏がいるとなると、何らかの感情に基づく判断が行われたと考えても無理はありません。

ただし、ここが経済の難しいところですが、資源を握っているからと言って、産出国が好き勝手できるわけでも無いのです。お客あっての商売というのは、資源取引でも同じです。

もし、エネルギー価格のつり上げで、インフレ対策で世界中の中央銀行が利上げを継続した場合、本格的に世界経済が悪化して、過去の世界不況で起きたような、無秩序な価格の下落が起こる可能性もあります。つまり、産出国がノーリスクで、価格設定ができるわけでもないのです。

エネルギー事情が悪化しても、潜在的な原油埋蔵量が世界一のアメリカは、それを取り出す為に必要なシェール技術を使った採掘を、「脱炭素社会」を公約にして当選したバイデン大統領は、規制し続けていますし、建前と虚実が入り混じって、政治の方向性はぐちゃぐちゃです。

どう考えても、不可能な事をできるという前提にして、政策が決定しているように見えます。

SDGsのスローガンも、そうですが、「できたら素敵だね」レベルの目標を「達成しなければならない」みたいな雰囲気で政策に盛り込むので、恐らく無駄に消費される予算が割り振られています。ただ、予算がついた以上、それを使って潤う人はいるので、そういう力学が働いているのかなぁと思います。

まぁ、夢を語れるうちは、なんだかんだ言って、皆さん余裕があるんですねという事です。この流れが止まるのは、地球環境保護活動が原因で、人がバタバタ死に始めないと無理なのかなぁと思います。』