北朝鮮、親ロシア派の独立「承認」 外相が書簡送る

北朝鮮、親ロシア派の独立「承認」 外相が書簡送る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM140FY0U2A710C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は14日、北朝鮮政府がウクライナ東部の親ロ派勢力の独立を承認したと報じた。崔善姫(チェ・ソンヒ)外相がロシアの支援で東部を実効支配する「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の外相宛てに書簡を送った。

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同通信は「自主、平和、親善の理念に従い、これらの国々と国家関係を発展する意思を表明した」と伝えた。

ロシアが2月に両勢力を独立国家として一方的に承認し、シリアも6月に独立国家として認めた。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記は6月にロシアのプーチン大統領に祝電を送るなど、ウクライナ侵攻後もロシアとの関係発展に意欲を示している。
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峯岸博
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ひとこと解説

対露接近は対中接近と同じ文脈で捉えられます。エネルギーや食糧支援に加え、国連の制裁強化を阻止する役割も期待できます。行き過ぎた対中依存も緩和されます。ただ、旧冷戦構造を利用するのは北朝鮮にとって良いことばかりではありません。米中対立や米露対立に巻き込まれ、自主外交・安保の幅が狭まるリスクと背中合わせです。7回目の核実験を見送っているのもそれと無関係ではないでしょう。
2022年7月14日 11:52 』

インドネシア大統領、7月下旬に訪日へ 中韓も検討

インドネシア大統領、7月下旬に訪日へ 中韓も検討
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM129AC0S2A710C2000000/

『【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアのジョコ大統領は7月下旬に日本を訪れる調整に入った。中国と韓国の訪問も検討する。20カ国・地域(G20)の議長国として、加盟国3カ国の首脳との会談で、11月に開くG20首脳会議(サミット)への協力を求める。

岸田文雄首相、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談を予定する。

米国などはウクライナに侵攻したロシアのG20からの排除を要求する。ジョコ氏はプーチン大統領のサミットへの出席に理解を求めるとみられる。

プーチン氏とともに、G20に非加盟のウクライナのゼレンスキー大統領も参加することで折り合いをつけようとする。6月下旬にウクライナとロシアを相次ぎ訪れ、首脳会談を通じて調整した。

日本との首脳会談は首相が4月下旬にインドネシアを訪れた際に開いたばかりだ。ジョコ氏は今回の日本訪問で経済関係の強化へトップセールスに軸足を置く。

新型コロナウイルス禍などで日本からインドネシアへの投資が停滞する。都内で日系企業が参加する投資フォーラムも計画する。

ジョコ氏は中国、韓国にも投資拡大を呼びかける。インドネシアは電気自動車(EV)の電池の材料となるニッケルを豊富に埋蔵しており、EV生産の地域のハブを目指す。新首都「ヌサンタラ」の建設などでも外国企業の参加を促す。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Indonesia-s-Jokowi-set-to-visit-Japan-this-month?n_cid=DSBNNAR 』

スリランカ非常事態宣言、一族支配に幕 中国と蜜月暗転

スリランカ非常事態宣言、一族支配に幕 中国と蜜月暗転
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM130T50T10C22A7000000/

『【ムンバイ=花田亮輔】経済危機下のスリランカで13日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が国外に脱出した。20年弱にわたり中国の支援を受けたラジャパクサ一族による支配に幕が閉じた。ウィクラマシンハ首相は同日、大統領代行として全土に非常事態を宣言した。政情不安がインフレや対外債務にあえぐ他の新興国に飛び火する恐れもある。

【関連記事】スリランカ、首相が非常事態宣言 大統領は国外脱出

ラジャパクサ氏は13日に軍用機でモルディブに「逃亡」した。デモ隊の活動は激しさを増し、当局は同日に催涙ガスを使用。大統領代行に就いたウィクラマシンハ氏は当局に「秩序回復に必要なことはなんであれ実行を」とも命じた。

20日に新たな大統領が選出される見通しだが、情勢は不透明感が強まっている。

ラジャパクサ氏失脚の直接的な要因は経済運営だ。スリランカでは新型コロナウイルスの発生により、国内総生産(GDP)の1割程度を占める観光業が低迷し、外貨が急減した。2019年末時点で約76億ドルだった外貨準備高は6月末時点で約18億ドルに減少し、国営企業などの輸入に支障が生じた。

スリランカでは国際商品価格の上昇や通貨下落で、燃料や食料といった生活必需品の不足や高騰が深刻だ。9日には数千人のデモ隊が大統領公邸などを占拠し、ラジャパクサ氏とウィクラマシンハ氏は辞意表明に追い込まれた。

国民の怒りは長年にわたるラジャパクサ一族の支配そのものにも向けられている。ラジャパクサ氏の兄であるマヒンダ氏は05年から15年まで大統領を務めた。ラジャパクサ氏が19年に大統領に就任すると、マヒンダ氏を首相に任命した。4月時点では財務相を弟のバシル氏が務めていたほか、ほかの複数の閣僚ポストも一族が担っていた。

ラジャパクサ兄弟を裏で支えてきたのが中国だ。中国を中心に投資を積極的に呼び込んだ結果、01年に83億ドルだった対外債務残高は21年には507億ドルにまで増えた。

債務返済に窮したスリランカ政府はマヒンダ氏の大統領選敗北後の17年には、南部ハンバントタ港の99年間の運営権を中国側に渡している。援助と引き換えに権益を奪われる「債務のワナ」の典型例とも指摘された。

ゴタバヤ・ラジャパクサ氏(右)は兄のマヒンダ氏とともに中国寄りの姿勢が懸念されていた(1月、コロンボ)=ロイター

ラジャパクサ氏は大統領就任後、バランス外交を演出してきた。一方で21年には日本とインドで合意した港湾開発計画を突如として白紙撤回し中国企業に一部を発注するなど、依然として中国寄りの姿勢が懸念されていた。

ラジャパクサ氏は1月、スリランカで中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談し、対中債務の支払いの条件緩和を求めたと報じられている。しかし中国でも広域経済圏構想「一帯一路」の事業などで採算性を精査する傾向が強まるなか、中国側からのつなぎ融資などは見込みにくいもようだ。

窮したスリランカは4月、経済再建のメドがつくまで対外債務の支払いを一時停止すると表明。ウィクラマシンハ氏は5日に同国の現状を「破産国家」と表現した。国際通貨基金(IMF)からの金融支援を得るために8月末までに債務再編計画をまとめる方針だったが、経済再建交渉の行方は不透明になっている。

国連は6月の報告書で、ウクライナ危機の影響で世界94カ国の16億人が食料とエネルギー、金融のいずれかの分野で深刻な危機にさらされると指摘した。グテレス事務総長は「未曽有の飢餓と貧困の波が引き起こされ、社会と経済に混乱を残す」と述べた。スリランカで起きたような生活苦への国民の怒りが噴出し、他国でも政情不安を招きかねない。

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ロシア産原油、中印の輸入最高に G20分断深まる

ロシア産原油、中印の輸入最高に G20分断深まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1358W0T10C22A7000000/

『20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が15日、インドネシアで始まる。ウクライナに侵攻を続けるロシアに対して米欧日が制裁を強める一方、中国やインドはロシア産原油の輸入量が過去最高水準に膨らむ。ウクライナ危機下の資源高や食料高など国際協調が必要な課題を前に、当事国のロシアを含むG20は分断が鮮明。対立が先鋭化する恐れさえある。

ロシアが2月にウクライナ侵攻して以来、西側の主要国は経済制裁で圧力をかけている。主要7カ国(G7)はロシア産原油の輸入を原則禁止した。6月のG7サミットでは世界的な物価高に歯止めをかけるために石油価格の上限制の導入を目指すと表明し、金の輸入停止でも合意した。

相次ぐ制裁の強化はロシアの外貨調達手段を断ち、戦費調達を防ぐ狙いがある。穴として指摘されるのが、中国やインドの動きだ。

インド商工省の貿易統計によると、ロシアからの原油輸入量は4月に日量39万バレルとなった。21年平均の9万バレルから増え、全体に占める比率も2%から8%に高まった。輸入額は12.8億ドル(約1766億円)と前年同月の5倍超になった。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が調査会社ケプラーなどの推計を基に、インドの輸入量は足元でも拡大していると分析する。5月は65万バレル、6月は100万バレルに近づいて過去最高の水準になったとみられる。

インドは地理的に近いイラクやサウジアラビアなど中東を中心に輸入の有期契約が7~8割を占める。スポットでの調達を全量ロシア産に切り替えれば「日量150万バレルまで増やせるとの見方もある」(JOGMECの竹原美佳調査部長)という。

ロシアから原油を陸路でも調達できる中国の輸入量も伸びている。5月は198万バレルと前年比55%増え、これまでで最も多くなったもようだ。全体に占めるロシア産の比率は2割近くになる。中国税関総署の5月の貿易統計によると、サウジアラビア産を抜いてトップの輸入先になった。

国際エネルギー機関(IEA)によると、5月のロシアの原油・石油製品の輸出量は米国・英国向けが21年平均と比べて日量60万バレル、日本を含むアジアの先進国向けが40万バレル減った。一方でインドが80万バレル、中国が40万バレル、トルコが10万バレル増えた。

原油価格は中東産が上昇する一方、世界的に買い手の減ったロシア産は割安に買える。インドで精製した石油製品が米欧に流れているとの指摘もある。

G20財務相・中銀総裁会議はロシアの制裁のほか、食料価格の高騰対策、新興国の債務問題など議題が山積する。外相などの閣僚会合でも西側諸国とロシアは非難の応酬を続けてきた。財務相会議も4月の前回会合は共同声明を出せずに終わった。危機対応の国際枠組みは機能不全に陥っている。』

ウクライナ、北朝鮮と断交 親ロシア派国家承認に反発

ウクライナ、北朝鮮と断交 親ロシア派国家承認に反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB140VC0U2A710C2000000/

『【キーウ=共同】ウクライナ外務省は13日、北朝鮮との断交を発表した。ロシア軍の支援を受けてウクライナ東部ドンバス地域の一部を実効支配する親ロ派「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を北朝鮮が国家として承認したことに反発した。

【関連記事】北朝鮮、親ロシア派の独立「承認」 外相が書簡送る

ウクライナ外務省は、北朝鮮による親ロ派の国家承認について「主権と領土の一体性を損ねる決定であり、ウクライナ憲法や国連憲章、国際法の規範に対する重大な違反だ」と強く非難した。

ロシアはウクライナに侵攻する直前の2月、二つの「人民共和国」を独立国家として承認。シリアも6月に独立を承認した。』

[FT・Lex]英国保守党党首選、最優先すべきは財政再建

[FT・Lex]英国保守党党首選、最優先すべきは財政再建
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB140M40U2A710C2000000/

『英与党・保守党の党首選はテレビアニメシリーズの「チキチキマシン猛レース」(原題は「Wacky Races」)に似ている。個性豊かな登場人物が自国の経済エンジンを加速させようと画策する。各候補はブレーキから足を離し、数百億ポンドもの減税を公約に掲げて競い合っている。

財政規律を強調するスナク前財務相は13日の保守党党首選第1回投票で首位に立った=ロイター

減税願望は理解できる。税負担は約70年前のアトリー政権以来の高水準に迫っている。インフレによって財務省には財政的な余裕がある。そのうえ公共部門の効率化で100億ポンドを節約したので400億ポンドの減税の余地があると、13日の党首選直前にレースから撤退したジャビド前保健相は主張していた。

だが、財政の余裕を減税で使い果たすのは危険だ。公務員給与の大幅な削減が必要になる上、国防費増額やエネルギー価格高騰対策など他の要求に対応する余地が限られてしまうからだ。

減税してもほぼ採算は合うと主張する候補もいる。確かに、法人税減税は投資を促すかもしれない。2013年の財務省のモデルによると、成長が押し上げられれば長期的には減税のコストが45~60%減る。ただし、短期的な見返りはない。企業は当然ながら、利益が下がっている時期の減税には懐疑的だ。

財政政策の緩和は経済を刺激するが、インフレが加速してイングランド銀行(中央銀行)が利上げを余儀なくされれば、それが財政への打撃となる。量的緩和の遺産があるとすれば、金利変動に対する感受性が増したことだ。昨年3月の英予算責任局の発表によると、金利が1%上がるごとに国債の利払い費用が208億ポンド増加する。

際立つスナク前財務相の存在感

財政規律を強調するスナク前財務相の存在感は際立っている。同氏は複数の財務相経験者や同省の元幹部から支持を受けている。スナク氏のライバルとなるのはサッチャー元首相の後継者ではなく、トルコのインフレ率を80%近くまで押し上げる政策を推進したエルドアン大統領の弟子の方だと断じる者もいる。

非効率的な税制が成長にブレーキをかけるのは確かだ。とはいえ早い時期に減税しても英経済は困難から抜け出せないどころか、悪化する可能性さえある。党首選でどんな公約が掲げられるにしても、最優先すべきは財政再建だ。

(2022年7月13日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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党首選の決選投票にのぞむ候補者絞り込む保守党員による第一回投票で首位に立ったスナク氏。
しかし、決戦投票で票を投じる保守党員を対象とするユーガブの世論調査では、モーダント貿易担当閣外相の人気が高く、スナク氏は誰が決戦投票の相手でも勝てないという結果が出ている。保守党員の間では歳出削減と減税への支持が高く、スナク氏が掲げる財政健全性回復のための増税への抵抗は強いということなのだろう。
本コラムはスナク氏を高く評価するが、FTの著名なコメンテーターのマーチン・ウルフ氏は、スナク氏が財務相として実施した増税は家計の不安感を強め、負担軽減措置も不十分だったため、インフレを助長したとして批判的だ。
2022年7月14日 12:25 』

ウクライナ軍はHIMARSで露軍南部の補給潰す、1日で14ヶ所

ウクライナ軍はHIMARSで露軍南部の補給潰す、1日で14ヶ所 北の国から猫と二人で想う事 livedoor版
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5355806.html

『ウクライナ軍南部司令部は2022年7月12日、ノーバ・カホフカNova Kakhovkaに対する攻撃でロシア軍が榴弾砲、迫撃砲、装甲車輌、弾薬庫を失ったことを確認したと発表した。
11日午後10時半頃にヘルソン州のノーバ・カホフカ市内(46.76282, 33.37467)で大爆発が発生、ロシア軍が弾薬庫として利用していた建物がウクライナ軍の高機動ロケット砲システム(長距離精密兵器)HIMARSで破壊されたと報じられていたが、ウクライナ軍南部司令部は12日に「ノーバ・カホフカに対する攻撃で榴弾砲、迫撃砲、装甲車輌、弾薬庫を失ったことを確認した」と発表した。南部司令部は攻撃に用いた武器についてハイマース「HIMARS」とは明言していないが、ウクライ6b662651a118f3eeナ軍支配地域からノーバ・カホフカまでは約50km離れているため「榴弾砲以外の武器」が使用された(エクスカリバー:155mm誘導弾)可能性は間違いない。過去ブログ:2022年7月「近代兵器の実験場となってもOK」とウクライナ

FireShot Webpage Screenshot #1733 –

‘ウクライナ南部因みにウクライナ軍は11日にHIMARSによる攻撃を計14回(ノーバ・カホフカ2回、タブリースク、チョルノバイエフカ、ヘルソン、ヘルソン北部の入植地2ヵ所、オレスキー・サンズ、トクマク、ルハンシク、シャフチョルスク、コムナルスク2回、ベリカ・シシフカ)実施しており、HIMARS到着(6月末)直後から始まったウクライナ軍の攻撃は「榴弾砲では手が届かなかったロシア軍拠点」を着実に破壊し続けている。

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ロシア軍が、HIMARS:左で狙うことが可能な前線の物資集積拠点を失うと燃料や武器の補給効率が低下するため、中長期的に見ればロシア軍が前線で行使できる火力投射量は低下するだろう。11日、ロシア軍の航空機Su-30がオデーサ州を2回4発の対艦ミサイルKh-31で攻撃し、港湾インフラへの着弾含め、複数建物が損傷した 記録映像。南部Mykolaiv、北部 Kharkivへのロシア軍の砲撃が続いており、9日夜に砲撃を受けアパートが破壊されたChasiv Yar での犠牲者は45人になった。 記録映像 英文記事 参照記事 参照記事 参照記事 英文記事

ウクライナ側は数十万人の兵士を動員した反撃で、この地域の奪還を計画している。 軍によると、この攻撃でロシア軍で52人が死亡、弾薬庫のほか、軍事車両なども破壊した。一方ロシア側現地軍民行政府は、今回の攻撃で少なくとも7人が死亡、70人が負傷し、民間人と民間のインフラ施設が攻撃を受けたと説明。

ウクライナは、黒海へのアクセスという戦略的重要性を持つ南部地域をロシア軍から奪還するため、最大100万人の兵士を動員するとしている。 トルコのアカル国防相は7月12日、同国およびロシアとウクライナの軍代表が13日に国連の代表とイスタンブールで会合し、ロシアとの戦争でウクライナに滞留する穀物の安全な輸出の再開に向けて協議すると明らかにした。参照記事 参考:ハルキウの商業施設など砲撃、多数死傷 ウクライナ軍7千人超が行方不明と当局者

FireShot Webpage Screenshot #1734 –

‘米・EUが計3700億円米国と欧州連合(EU)は12日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、合わせて約3700億円の支援を表明した。ウクライナに軍事支援も行っているEUは、5月に合意された90億ユーロ(約1兆2000億円)の財政支援の第1弾となる10億ユーロ(約1400億円)の融資を承認した。米国も侵攻からの復興資金として、17億ドル(約2300億円)の拠出を表明した。5月にジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が承認していた75億ドル(約1兆円)の追加支援の一部となる。参照記事

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左は2022年3月上旬のロシア軍ウクライナ侵攻がすでに起きていたころ判明した侵攻経路で、2022年7月10日の記事は、6月に判明したベラルーシ側からの破壊、偵察任務の特殊工作員のウクライナ潜入が今も行われ、一部は首都キーウ近郊で捕獲されていると報じている。写真では軍服を着ているが、市民やウクライナ軍に変装したりしているのは以前に報告されている。出身国は、ベラルーシだけでなくロシアからの兵員も交じっている。破壊工作の中には暗殺も含まれ、一方南部では、ウクライナ民間防衛隊、或はパルチザンと呼ばれれる市民抵抗組織により親露派ウクライナ人公務員らが暗殺される事態が頻発している。参照英文記事 』

[FT]「英政府は減税以外の政策を」 長期戦略求める声

[FT]「英政府は減税以外の政策を」 長期戦略求める声
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB140M70U2A710C2000000/

『英国政府は長年のちぐはぐな経済政策を改め、国内総生産(GDP)の力強い成長を下支えする首尾一貫した長期的な経済戦略が必要だと、13日に公表された3つの報告書が指摘した。

EU離脱で英国では国内で高技能労働者を育てる必要性が増しているという(英南東部のロールスロイス工場)=ロイター

英シンクタンクのレゾリューション財団は、英国経済が「低成長と大きな格差という有害な組み合わせ」によって他国に後れを取りつつあると警告した。英下院財務委員会も同様の見解を示し、政府が「長期的な視点に立った経済戦略を欠いている」と批判した。また、英会計検査院(NAO)は、政府の技能戦略はビジネスのニーズを満たしていないと結論付けた。

3つの報告書はいずれも2020年代の経済課題に対応するためには中途半端な減税を超えるものが必要だと示唆した。

次の保守党党首で英首相の候補者が打ち出す経済改革は、これまでのところ減税を伴うものが支配的だ。

他国との所得差が拡大

レゾリューション財団が英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経済パフォーマンスセンターと共同でまとめた、30年までに望まれる英国経済のあり方に関する研究の中間報告書は、英国が直面している経済課題を浮き彫りにした。

この報告書によると、英国は生産性で2000年代半ばにフランスとドイツにほぼ追いついたが、労働党政権による08〜09年の金融危機への対応やその後の保守党政権による経済再生策の下で両国に後れを取った。

報告書は格差の大きさも指摘した。上位10%で比べると英国の世帯は他の欧州諸国の大半より収入が多いが、中所得層ではオーストラリア、フランス、ドイツ、オランダに比べて世帯所得が8800ポンド(約144万円)少なく、その差は拡大している。

各国の貨幣購買力は計算方法によって異なるため、厳密な所得の差は明確ではない。だが、レゾリューション財団のトーステン・ベル最高経営責任者(CEO)によると、2000年代半ば以降の傾向は明白であり、経済運営の失敗が浮かび上がるという。

同財団はプレスリリースで、政策立案者が英国経済の本質や投資する企業、生産性の向上、公平性の確保、税制に対して真剣に向き合っていないと批判した。

報告書はこうした政府の怠慢が英国を「経済停滞国」にしたと断じた。政治家に対しては、英国は製造業大国になることはなく、専門的サービス業や教育、知的財産といった強みにこそ将来性があると認識するよう求めている。

また、高齢化が進むなかで公共サービスの財源を十分に確保するには減税ではなく増税が必要になると指摘した。

ベル氏は「我々はわが国の相対的な衰退の規模を過小評価しており、経済の本質や変化を起こすのに必要な改革の大きさに真剣に向き合っていない。こうした状況を変える必要がある」と述べた。
企業の研修予算は減少

レゾリューション財団の報告書で指摘された点の多くは、大きな影響力を持つ下院財務委員会に所属する国会議員にも認識されている。同委員会の報告書では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降の労働力の減少や、生産性の伸び悩みが長引いている点が強調されている。

同委員会は、新型コロナ後遺症患者の労働市場への復帰を支援するための追加予算の確保や、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う経済的打撃を補填するための財政措置の増額、EU離脱によって生まれる経済的なチャンスを見つける取り組みの強化を求めた。

委員長のメル・ストライド議員(保守党)は、生産性を向上させるのに税制優遇に着目したのは「出発点としては適切」だったものの、「政府はより安定的で長期的に揺るぎない政策立案をする必要があることを我々が入手した証拠は示唆している」と述べた。

政府の支出を監視する独立機関である会計検査院の報告書は、今後数十年に英国の労働者が備えるべき技能を身につけるための適切な戦略を政府が描けているかについて疑問を投げかけた。

報告書は、EU離脱によって域内から来る高技能労働者が減り、国内で育成する必要性が増したと指摘した。しかし、企業の研修予算は11年から19年までの間に11%減少しており、19年の調査では過去12カ月間に従業員に技能研修を行わなかった雇用者が39%に上ったという。

会計検査院トップのガレス・デービス氏は、政府と雇用者が労働者の技能習得を支援することは「不可欠」だとし、「政府は近年、技能不足への賢明な対応を取ってきたものの、直面する課題は増えている。政府が正しい意図をもって対策を強化しても、以前ほどうまく国民に必要な技能を提供できない恐れがある」と指摘した。

英財務省にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

By Chris Giles

(2022年7月13日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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台湾半導体5社、6月売上高が鈍化 スマホなど需要減速

台湾半導体5社、6月売上高が鈍化 スマホなど需要減速
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM12AC70S2A710C2000000/

『【台北=龍元秀明】世界のIT(情報技術)大手に半導体を供給する台湾メーカーの勢いが鈍り始めた。主要5社の6月の売上高の合計額は前年同月比で19%増にとどまり、30~40%台の増収が続いた1~5月に比べ大きく鈍化した。インフレや中国経済の減速を受け、スマートフォンやパソコン向けの需要が落ち込んできている。

台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)、日月光投資控股(ASE)、聯発科技(メディアテック)の主要5社の6月の売上高合計は、3149億台湾ドル(約1兆4500億円)だった。

家電向けの半導体メモリーが主力の南亜科技は31.5%の大幅減収となった。スマートフォン向け半導体設計のメディアテックは5月まで25カ月連続で2ケタ増収が続いていたが、6月は6.9%の増収にとどまった。

半導体受託生産のTSMCも18.5%の増収で、65.3%増収だった5月に比べ伸びが鈍化した。

半導体5社を含む台湾IT主要19社(アジア主要上場企業=Asia300)の6月の売上高合計は、前年同月比で23%増の1兆3622億台湾ドルだった。売上高全体の半分近くを占め、iPhoneなどを受託生産する鴻海(ホンハイ)精密工業や和碩聯合科技(ペガトロン)が、中国の都市封鎖解除を受けて挽回生産を進めたことなどが寄与した。

【関連記事】

・半導体市場が一転、2年ぶり変調 台湾勢に警戒感強まる
・台湾半導体TSMCが見据える「世界最先端の先」
・台湾・鴻海、中国半導体大手の紫光集団に2000億円出資へ 』

[FT]企業経営者、台湾有事を警戒 コンサルに解説を依頼

[FT]企業経営者、台湾有事を警戒 コンサルに解説を依頼
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB131K50T10C22A7000000/

『企業経営者らは台湾を巡る戦争の可能性に懸念を強めている。ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、コンサルティング業界へはブリーフィングの要請が急増しているという。
敵軍による攻撃を想定した台湾での軍事演習(2020年)=ロイター

米ビーコン・グローバル・ストラテジーズでインド太平洋部門を率いるエリック・セイヤーズ氏は、中国政府による香港の民主主義弾圧にウクライナ侵攻が重なり、不安を「一気に加速させた」と話す。

「1年前、当社では顧客から時折、台湾について1つか2つ質問を受ける程度だった」という。

「それが今では台湾の政治や軍事情勢について経営トップに直接ブリーフィングすることや、米政府高官や元米軍幹部の状況認識を知るための会合を設けるよう求められている」

セイヤーズ氏によると、2024年の台湾での次期総統選についてもブリーフィングの要望がある。一部の企業からは、危機管理計画の検討に向けて、台湾危機はどのように展開していくのか、経営幹部が把握できるように机上演習を実施するよう要望も受けているとしている。

ここ2年間、中国が主権を主張する台湾周辺に戦闘機を侵入させることがますます増える中で、民主主義体制の台湾を巡る不安は急速に高まった。バイデン米大統領は5月の日本訪問中に、中国が台湾を攻撃すれば米国は軍事的に関与するとの警告を発し、緊張関係を浮き彫りにした。

21年の米インド太平洋軍司令官発言を意識

一部の企業は、21年3月に当時のデービッドソン米インド太平洋軍司令官が中国は27年までに台湾への軍事行動を起こす可能性があると述べたことを受けて、懸念を募らせていた。当局者はこの発言の火消しに動いたが、数カ月前から一部の高官がこのリスクについて公然と語るようになっている。

ヘインズ米国家情報長官は5月、台湾は10年間にわたり中国の「深刻な」脅威に直面する状況にあると発言した。3月には、4月末に就任したアキリーノ米インド太平洋軍司令官がフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、ウクライナ侵攻は台湾への脅威が抽象的なものでないことを人々に思い起こさせるはずだと述べた。

米アジアグループのマネージングパートナー、カート・トン氏は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて台湾への関心が「急激に高まった」と話す。

「リスク状況をどのように認識すべきか、継続的に追跡すべき重要な要素は何か、企業は知りたがっている」。ベテランのアジア外交官だったトン氏は、テック企業から金融機関、製薬会社、日用品メーカーまで、幅広い顧客からブリーフィングを求められていると付け加えた。

米中央情報局(CIA)の元上級中国担当分析官で、現在はチャイナ・ストラテジーズ・グループを率いるクリス・ジョンソン氏によると、企業が抱える懸念は、台湾を巡る戦争が勃発した際に世界で最も重要な半導体製造拠点としての台湾に及ぶ影響から、中国での生産活動に生じる支障まで多岐にわたる。懸念の高まりを引き起こしているのは「ウクライナ情勢とくすぶり続ける27年予測」で、デービッドソン氏の警告のことだ。

「企業トップたちにはこのニュースが染み付いており、懸念を感じざるを得ない状況だ。ウクライナ侵攻によって、この問題が最優先されるようになった。それまで台湾の最新情勢は6番目の質問だったのだが」

ウクライナ侵攻でも制裁や経済混乱で企業に打撃

企業側もサプライチェーン(供給網)や台湾または中国に抱える人員など、あらゆる事柄について独自に状況を評価しているが、一部の米当局者はリスクへの警戒を強めるようさらに促してもいる。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は先週、ロンドンで経済人らに対し、ウクライナ侵攻が制裁措置や経済混乱などで企業にも様々な影響をもたらす結果になったことを踏まえて、企業経営者は中国の台湾への脅威がもたらすものについてさらに考えを深めるべきだと警鐘を鳴らした。

「ドアが閉じられた時にまだ指をはさまれたままの欧米企業が多かった」とレイ氏は語った。

「中国が実際に台湾に侵攻すれば、はるかに大きな規模で同じことがまた起こりかねない。ロシアの場合と全く同様に、長年積み上げてきた欧米の投資が人質になって資本が動かせなくなり、サプライチェーンと関係に混乱が生じる恐れがある」

米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のアジア専門家、ザック・クーパー氏によると、台湾への最近の「極めて大きな関心」は以前から関心を持っていた企業から、ここにきて問題を認識して「恐れを抱いている」企業へと広がっている。

経営陣への浸透が遅れていた台湾有事のリスク

「大国がかかわる大規模な紛争は起こらないはずだと多くの企業は単純に思い込んでいたが、ロシアのウクライナ侵攻でその前提が崩れた」とクーパー氏は説明する。「今後の焦点は他のどの大国に軍事行動の可能性があるのかで、多くの人は台湾海峡危機をすぐに連想する」

米トレンチコート・アドバイザーズの共同創業者ホールデン・トリプレット氏は、ウクライナ紛争も一因としてからんでいるが、企業の経営陣は中国でのサプライチェーンと事業活動の見直しの一環として、台湾へのシフトを進めようとしていたと話す。安全保障担当の幹部はリスクを強く意識していたが、その懸念は必ずしも上層部にくみ上げられていなかったという。

「一般的に思われそうなほどには経営陣に浸透していなかったようだ」とトリプレット氏は言う。「安全保障や情報セキュリティーを担当する責任者たちは、警鐘を鳴らそうとしていたのにと不満をあらわにしている」

国際セキュリティーサービスを手掛ける米グローバル・ガーディアンのデール・バックナー最高経営責任者(CEO)によると、同社は世界の有力企業「フォーチュン500」の7社から、台湾有事の際の人員退避を含む危機管理計画について引き合いが来ている。うち3社はハイテク業界だという。

「名前を聞けばわかる有名企業だ」とバックナー氏は語る。「率直に言って、彼らは恐れている」

By Demetri Sevastopulo and Andrew Edgecliffe-Johnson

(2022年7月12日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

中国輸入、6月1%どまり 内需回復鈍く

中国輸入、6月1%どまり 内需回復鈍く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1175M0R10C22A7000000/

『【北京=川手伊織】中国税関総署が13日発表した2022年6月の貿易統計(ドル建て)によると、輸入は2333億ドル(約32兆円)で前年同月比1.0%増えた。伸び率は5月の4.1%から鈍化した。新型コロナウイルス対応の行動規制は緩和されたが、内需が緩やかな回復にとどまっている。

国際商品市況の高騰で原油の調達額が4割伸びた。原油を除いた輸入額は3%減で、4カ月連続で前年同月を下回った。最大の輸入品目である半導体が5%減ったほか、化粧品類も6%落ち込んだ。

輸出は3312億ドルで17.9%増加した。増加率は5月の16.9%から拡大した。輸出の伸びが輸入の伸びを大幅に上回ったため、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は979億ドルと、前年同月の約2倍に膨らんだ。

輸出を品目別にみると、パソコンなどは9%上回った。3カ月ぶりに前年同月を上回った。上海市が6月1日にロックダウン(都市封鎖)を解除し、生産が持ち直した影響とみられる。労働集約的な衣類と玩具はそれぞれ2割、4割増えた。

輸出先ごとにみると、最大の輸出相手国である米国向けは19%増と、5月の16%より伸びが拡大した。東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州向けも2~3割増えた。』

中国、4~6月の対ロ輸出17%減 欧米の2次制裁警戒か

中国、4~6月の対ロ輸出17%減 欧米の2次制裁警戒か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM137CX0T10C22A7000000/

『【北京=川手伊織】中国税関総署が13日発表した貿易統計(ドル建て)によると、2022年4~6月の対ロシア輸出は前年同期比17%減少した。マイナス幅は15年10~12月(33%)以来の大きさとなった。米欧がロシアのウクライナ侵攻を非難して経済制裁を科すなか、中国企業が2次制裁を警戒しているとの見方がある。

対ロ輸出が前年同期を下回るのは、中国経済が初めて新型コロナウイルスの打撃をうけた20年1~3月以来となる。

米ピーターソン国際経済研究所が4月までの各国の対ロ輸出を調べたところ、制裁に加わる国の4月の輸出は21年7~12月の平均より6割減った。非参加国も同4割減少した。

非参加国のなかでも、中国は主要な貿易相手国だ。20年には、ロシアが調達した半導体の6割近くを供給した。「正常な経済貿易活動は継続する」(外務省)との立場を示してきたが、実際の輸出は大きく落ち込んだ。

同研究所はその背景として、世界的なサプライチェーン(供給網)に組み込まれた中国企業が、米国の輸出管理強化などで2次制裁を受けるリスクを認識していると分析した。中国で輸出事業を展開する外資企業が制裁参加国にある本社の意向に沿って輸出を抑制した可能性も指摘した。

4~6月の対ロ輸入は前年同期比64%増えた。米欧などの経済制裁で割安になったロシア産原油の調達を増やしてきた。輸入額は289億ドル(約3兆9600億円)で、最高を更新した。輸出入を合わせたロシアとの貿易総額は4~6月、25%増えた。』

ロシア原油に「洗浄」疑惑 インドで精製、欧米に輸出

ロシア原油に「洗浄」疑惑 インドで精製、欧米に輸出
制裁の抜け穴に懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC078RW0X00C22A6000000/

『ロシア産原油を石油製品に精製して輸出する「オイルロンダリング(原油洗浄)」の中継拠点としてインドの関与が浮上してきた。制裁で行き場を失ったロシア原油を大量に買い、ガソリンなどに精製して一部を欧米への輸出に回している。精製過程で原油の原産地を証明するのは難しく、制裁の抜け穴になりつつある。

金融情報会社リフィニティブによると、6月にインドに到着したロシア原油は前年同月比4.2倍の2056万バレルだった。5月は同8.1倍の2376万バレルで、ロシアのウクライナ侵攻後に急増している。売却額は単純計算で5月だけでも19億ドル(約2600億円)近いとみられ、プーチン政権の重要な収入源となっている。

インドはロシア原油を国内消費だけでなく、石油製品に精製して輸出する。一大拠点とみられるのが、インド財閥企業のリライアンス・インダストリーズの旗艦製油所などが近い西部の都市シッカ(グジャラート州)だ。

4~6月だけでロシアからシッカに約2600万バレルの原油が到着した。前年同期比の5.3倍という急膨張ぶりだ。シッカに海路で届いた原油のうち、ロシア産は2割を占める。同時期にシッカの港から輸出された石油製品は約7500万バレルで、うち20%が欧米向けだった。

2021年のインドの海路での石油製品の輸出は4.2億バレル。このうち欧米向けは18%だった。比率は足元でもほぼ同じだが、原料にロシア原油を混ぜた「メード・イン・インディア」のガソリンなどが欧米で使われている可能性が高い。

日本の石油元売り大手は「原油は調達国別にタンク貯蔵されるわけではない。厳密に原油の輸入元を追跡するのは不可能に近い」と話す。欧米向けの石油製品の原料にロシア原油が混ざっている可能性について、リライアンスは日本経済新聞の取材に対してコメントを拒否した。

インドのジャイシャンカル外相は6月、同国が「積み替え拠点」として制裁の抜け穴になっているとの指摘には「ナンセンスだ」と主張。「ロシアの石油を買いに行けと送り出しているわけではない。最も良い(条件の)石油を買っているのだ」と話す。ロシア産の欧州向け中心の主力油種「ウラル」の価格は、国際指標の北海ブレント原油などより1バレル当たり30~40ドル安い。

米欧にとっても「疑わしい」だけで輸入を止めるのは難しい。米国はコロナ禍の需要減に対応しようと古い製油所の稼働を相次ぎ止めた。経済回復に伴い、国内の生産能力だけで需要を満たせずにいる。ガソリン価格を集計する全米自動車協会(AAA)によると、全米のガソリン平均価格は6月に1ガロン5ドルを突破して過去最高を更新した。

欧州も似通う。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は独シュピーゲル誌の取材に「軽油やガソリン、パラフィンなどで欧州でボトルネックが発生する可能性がある」と語った。脱炭素の流れが強まるなか、製油所への新規投資は難しく海外産の石油製品に頼らざるを得ない。

制裁の抜け穴を突くのはインドだけではない。中国の5月のロシア産原油輸入は前年同月比55%増と大幅に増えた。中国はロシアから天然ガスの輸入も増やしている。

主要7カ国(G7)は6月に実施した首脳会議(サミット)で、ロシア産原油の価格に上限を設定する方針で一致した。15日にインドネシアで開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でもロシアへの制裁が議題となる。米欧日は着実な履行を訴えるが、中国やインドをはじめ新興国の一部はロシアに配慮して制裁から距離を置く。英シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は「(制裁が)どのように機能するのか、全く分からない」と懐疑的だ。

ロシア経済は制裁の影響でじわじわ縮む可能性が高い。国際通貨基金(IMF)によると、22年のロシアの国内総生産(GDP)成長率はマイナス8.5%と1995年以降で最悪となる見通し。外資の撤退や物価高による国内消費の低迷が響く。一方、エネルギー市場の需給逼迫を映し、原油や石炭などの輸出は新興国向けを中心に底堅い。

第三国を経由した原油の原産地を証明するすべは現時点でない。萩生田光一経済産業相はロシア原油のロンダリングについて「各国ともアンテナを高くあげて、いろんなシミュレーションをしていかないと、結果として我々がやっていることが何のための制裁だったのかということになってはならない」と語った。ロシア以外の産油国に代替先を広げ、制裁の網をG7の外にきちんと張る。もう一段の協調が欠かせない。

(外山尚之、ムンバイ=花田亮輔)

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/India-under-spotlight-for-laundering-Russian-oil?n_cid=DSBNNAR 

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多様な観点からニュースを考える

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

マネーロンダリングならぬ「オイルロンダリング」がインドで行われている疑惑をとりあげており、興味深い。米欧などが実施中の対ロシア経済制裁には抜け穴がいくつもあり、効果に限界があることが、あらためて実感される。原油を精製してガソリンや軽油などの石油製品にしてしまうと、その原産国はあいまいになる。原油には重質油や軽質油など、産地によってそれぞれ特徴があるのだが、それらを混ぜた上で精製処理をして家計や企業が使える製品になってしまうと、どのような原油から作ったのかはわからないだろう。プーチン大統領はウクライナ戦争に関し、このところ強気の発言をしている。経済制裁はかなり乗り越えたという自信もあるのだろう。
2022年7月14日 7:53

益尾知佐子のアバター
益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 准教授
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分析・考察

国際政治におけるインドの立ち位置を、日本は再確認した方が良いと思います。日本では「インドは反中でロシアの武器が必要だからロシアを非難できない」という見方が一般的ですが、私がインド人たちと中国問題を議論してきた中で感じたのは、そんな単純なものではないということです。インドは西側が構築した西側に有利な国際秩序に深い疑問を持っています。アメリカがアフガンやシリア、さらにイランなどに行ってきた行動を暴挙だと思っています。ロシアがウクライナで行っている「悪」の程度は、その意味ではたいしたことない、というのが彼らの理解です。インドは八方美人外交を行っており、QUADはインドにとっては便宜的なものです。
2022年7月14日 10:35

高橋徹のアバター
高橋徹
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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分析・考察

これは当たり前です。インドが突如として石油製品の輸出を拡大したわけではありません。もともと石油製品の輸出大国で、仕向け地には米欧向けも含みます。「原材料」となるロシア産原油の輸入を増やせば、それを使った石油製品の輸出につながるのは当然です。真剣に問題視するなら、ロシア産原油の輸入という行為に対して制裁を科すしかないでしょう。インドをロシアにこれ以上接近させないよう、あの手この手でインドにすり寄っているいまの米欧や日本に、そうした覚悟があるのでしょうか。
2022年7月14日 9:24 (2022年7月14日 9:26更新) 』

対イラン攻撃 バイデン氏「核保有阻止へ最後の手段」

対イラン攻撃 バイデン氏「核保有阻止へ最後の手段」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1400P0U2A710C2000000/

『【エルサレム=中村亮】バイデン米大統領は13日放送のイスラエルメディアのインタビューで、イランによる核兵器保有を防ぐための「最後の手段」として武力行使の可能性があると言及した。イランの核関連活動を懸念するイスラエルに配慮し、核保有を認めない考えを強調する狙いがあったとみられる。

バイデン氏は13日、イスラエルを訪問した。14日にはエルサレムでラピド首相との首脳会談に臨み、イランの脅威への対応について意見を交わす。13日の演説ではイランへの対抗を念頭に「世界最先端の防衛システムをめぐる協力を含めてイスラエルの安全保障に対する米国の揺るぎない関与を再確認する」と述べた。

バイデン氏はイスラエルメディアに対し「イランは核兵器を取得することはできない」と重ねて言明した。イランの核武装を阻むために軍事力を行使する考えがあるかどうかを問われて「それが最後の手段であればイエスだ」と応じた。

米国のトランプ前政権は2018年、イランの核関連活動を制限する国際枠組み「イラン核合意」から一方的に離脱した。これに反発したイランは核合意に基づく義務履行を相次いで停止。バイデン政権は核合意復帰を目指して交渉を重ねてきたが、6月の協議でも進展は乏しかった。

バイデン氏はイラン最高指導者のハメネイ師に直属する軍事組織である革命防衛隊について「外国テロ組織」の指定を解除しないとも断言した。イランは解除を求めており、バイデン氏の発言で核合意をめぐる協議がいっそう難航する可能性がある。トランプ政権は19年、革命防衛隊を外国テロ組織に指定していた。』

米国務長官 ロシアが最大160万人を連れ去ったと非難

米国務長官 ロシアが最大160万人を連れ去ったと非難
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220714/k10013680371000.html

『アメリカのブリンケン国務長官はウクライナに軍事侵攻を続けるロシアが、支配下に置いた地域から子どもたちを含む最大160万人の市民をロシアに連れ去ったとして非難しました。

ブリンケン国務長官が13日に発表した声明によりますと、ロシアに連れ去った人数は、90万人から最大160万人で、このうち子どもたちはおよそ26万人と推計されるとしています。

また、連れ去った人たちの生体情報や個人情報を収集してロシアに滞在することに同意する書類に強制的に署名させ、ウクライナに自由に帰国できないようにしているとしています。

さらに市民のパスポートを押収してロシアのパスポートを発給することで、ウクライナの人口構成を変えようとしているとしています。

ブリンケン長官は「市民の違法な移送や連れ去りは、ジュネーブ条約に著しく違反しており、戦争犯罪だ」と非難していて、国際社会とともに、ロシア政府の責任を追及していく姿勢を強調しています。』

安倍外交の真価 日本はアメリカの「代理戦争」戦略に巻き込まれるな

安倍外交の真価 日本はアメリカの「代理戦争」戦略に巻き込まれるな
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07141100/?all=1

『銃撃事件で死去した安倍元総理の通夜が営まれた7月11日、外国要人による来日と弔問の動きが相次いだ。ブリンケン米国務長官は同日午前、岸田総理を表敬訪問し、安倍氏への弔意を伝達した。台湾の頼副総統も同日、安倍氏の自宅を訪問した。

【写真11枚】プーチンの長女・マリアの“訪日旅行写真” 東京ディズニーランド満喫後の姿を捉えた!

 安倍氏の国際社会における存在感の大きさが改めて実感された形だ。

 安倍氏は総理在任中、日米同盟の強化に努めるとともに、ロシアと中国が連携して日本に対抗する構図になることを阻止してきた。このため、ロシアのプーチン大統領と27回の首脳会談を行い、中国の習近平国家主席との関係構築も進めてきた。

 タカ派と言われた安倍政権だったが、外交の基本は対話重視だった。「ロシアのウクライナ侵攻のような安全保障上の危機がアジア地域で起きなかったのは安倍氏の功績だ」との評価が出ているほどだ(7月9日付ニューズウイーク)。

 残念ながら日本を巡る安全保障環境は急速に悪化している。

 北大西洋条約機構(NATO)は6月29日、今後10年の指針となる新たな「戦略概念」を採択、中国について「我々の利益、安全保障、価値観への挑戦」を突きつけていると初めて明記した。今回の戦略概念の見直しにより、旧ソ連に対する同盟とした出発したNATOは「中ロ専制主義」に対する同盟へと変わったことになる。

 岸田総理は6月29日、NATO首脳会議に日本の総理として初めて出席した。岸田総理は、中国を念頭に「ウクライナは明日の東アジアかもしれない。力による一方的な現状変更の試みはけっして成功しないということを示さなければならない」と訴え、NATOとの協力を強化する考えを表明した。

 ウクライナ危機を契機に、日本はロシアはもちろんのこと、中国に対しても強硬路線に転じたかのような印象が強いが、はたして大丈夫だろうか。
米国の「失敗」

 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化が進む中、米国の保守系シンクタンクであるランド研究所が2019年に発表した報告書に注目が集まっている。

 報告書のタイトルは「ロシア拡張~有利な条件での競争」、米国がロシア、中国などの「敵対的勢力」に対して採用する戦略的対応が主な内容だ。その内容をかいつまんで説明すれば「米国側が挑発して、敵対的勢力に過剰な反応を引き出し、これに対抗する形で米国が行動に出ることでその影響力を喪失させる」というものだ。

 2019年以降、米国政府は英国とともにウクライナに対して軍事支援を強化してきた。両国の後ろ盾を得たことでウクライナ政府はロシアに対して強気に転じ、停戦合意を破棄し、ドンバス地域で軍事攻勢を強めた。これに対しウクライナ国境沿いに兵力を増強させて圧力を高めていたロシア政府は、2月24日に軍事侵攻に踏み切った。米国側の挑発(ウクライナの軍事支援等)→ロシア側の過剰反応(ウクライナ侵攻)という一連の流れは、報告書が想定したとおりの展開だ。

 ランド研究所の報告書に従い、米国政府は対抗手段として、ロシアに対して過去最高レベルの経済制裁を科し、ウクライナに対して破格の軍事支援を行っている。だが、対抗手段の有効性に大きな誤算があったことは否めない。

 ロシアの戦費調達に欠かせない外貨収入を断つため、強力な制裁を講じているが、世界的な資源不足が災いして、ロシア経済に深刻な打撃を与えるに至っていない。ウクライナに対する軍事支援も当初期待されたほどの成果は出ておらず、物量で勝るロシア軍の優位が明らかになりつつある。米国政府は「ロシアの影響力を喪失させる」ことに失敗したと言わざるを得ないだろう。

 前述の報告書の中で中国に関する記述は少ないものの、「ロシアは米国と正面から対決する余裕はないが、中国は力をつけている」として、中国を「真の敵」だと位置づけていることが気になるところだ。』

『台湾有事の際も「代理戦争」

 米国は中国にもロシアと同様の対応に出ている節がある。

 米国政府は近年、台湾に対して史上最大規模の武器売却を実施し、軍事顧問団を派遣して台湾軍を訓練している。米軍艦艇による台湾海峡の航行なども日常化させている。

 中国軍も台湾海峡周辺で軍事演習を活発化させており、事態はエスカレートするばかりだが、深刻な分裂が進む米国で対中強硬路線は超党派で一致できる数少ないテーマだ。米国政府が中国への挑発を止めることはないだろう。

 バイデン政権はウクライナに米軍を投入しない代わりに強力な武器支援を行っている。いわゆる「代理戦争」というやり方でロシア軍と対峙しているが、台湾有事の際も「代理戦争」になる可能性が高い。だが、その遂行が危ぶまれる事態となっている。

 ウクライナに未曾有の規模で武器供与を行っている米国で深刻な武器不足が生じているからだ。武器の生産能力には限りがあり、在庫補充には数年を要するという。

 香港紙「アジア・タイムズ」は6月26日「中国が台湾に武力侵攻しても、米国は多くの武器をウクライナに供与してしまったために、台湾への武器支援を行うことはできないだろう」と報じている。

 米国の「代理戦争」戦略の失敗のせいで多くのウクライナ人が犠牲となっていることは否定できない事実だ。米国の挑発が台湾有事を招き、これに有効に対処できなければ、「アジアは次のウクライナ」になってしまうことは火を見るより明らかだ。

 国難に直面している今こそ、日本は真の国益を追求しなければならない。対話重視に徹した安倍外交の真価をもう一度見つめ直すべきではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部 』

バイデン米大統領の中東訪問  サウジとの手打ち、石油増産要請、さらには中東全域の協力体制なども

バイデン米大統領の中東訪問  サウジとの手打ち、石油増産要請、さらには中東全域の協力体制なども – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/acaa618bf1da92aeac2ca2939e81ad06

『【アメリカ ウクライナ情勢を背景に、「脱・中東」から「中東再関与」へ】
アメリカは自国内石油産出の増大もあって、イラク戦争など深く関与してきた中東から身を引き、台頭する中国との対決を主軸とする戦略に専念したい考えでしたが、ロシアのウクライナ侵攻で再びロシアとも対決を余儀なくされ、中国とロシアの二正面作戦、あるいは関係を深める中国・ロシアの協力体制と対立という構図になりつつあります。

更に、ウクライナ戦争に伴うロシア制裁によってエネルギー問題が表面化し、サウジアラビアなど中東に石油増産を求める必要が生じるという、中東への再関与も迫られています。

****バイデン氏中東歴訪へ、中東「再関与」、中露に対抗****
バイデン米大統領は12日、就任後で初となる中東訪問のため、ワシントンを出発する。13〜16日にかけてイスラエルとヨルダン川西岸のパレスチナ自治区、サウジアラビアを歴訪。

バイデン政権はこれまで、「戦略的ライバル」である中国との競争に注力するために「脱・中東」を図ってきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた原油高などの現実に直面し、中東への「再関与」を打ち出す。

バイデン氏は、エルサレムや西岸でイスラエルのベネット首相やパレスチナ自治政府のアッバス議長らと会談する。その後、サウジ西部ジッダで湾岸アラブ諸国にイラク、エジプト、ヨルダンを加えた「湾岸協力会議(GCC)+3」の首脳会合に参加するほか、サウジのサルマン国王や、その息子で同国の実質的指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子らとも会談。エネルギー価格の抑制に向け、湾岸諸国に石油増産を働きかける見通しだ。

「インド太平洋と欧州の地政学的な競争が激しくなる中で、中東の重要性を増している」。11日に記者会見したサリバン大統領補佐官(安全保障問題担当)は中東訪問の意義をこう要約した。

米国は近年、エネルギー自給率の向上を背景に、中東アラブ諸国への関与を縮小。バイデン政権はその分の資源を中国との競争に振り向けるとしてきた。

だが、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー市場の不安定化で事情が一変した。バイデン政権は、エネルギーを輸入に頼る欧州やアジアの同盟・パートナー諸国との連携を保つためにも、世界有数の石油地帯である中東の安定に関与する方向へかじを切った。

これは同時に、バイデン政権が外交の中心に据える人権や民主主義といった価値観を、少なくとも中東ではひとまず棚上げすることも示している。

バイデン氏は2020年の大統領選で、18年に起きたサウジ人記者殺害事件をめぐり、「サウジに代償を払わせる」と主張。就任後は、皇太子が殺害を承認していたとの分析を公表し、同国と距離を置いた。

会見でサリバン氏は「人権重視に変わりはない」と強調したものの、バイデン氏自身による訪問そのものが、原則を曲げてでも同国との関係修復を急ぎたいとのメッセージを帯びるのは必至だ。人権問題で中東諸国に批判的な与党・民主党内の左派から突き上げを食らうリスクもある。

バイデン氏は10日付の米紙ワシントン・ポストに「なぜ私はサウジへ行くのか」と題する文章を寄稿。「私の決断に多くが反対していることは知っている」としつつ、中露への対抗上、サウジを含む戦略的重要性の高い国々に「直接関与する必要がある」と訴えた。【7月12日 産経】
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【イスラエル・パレスチナでは「2国家共存」の枠組みを再確認】
上記のようにメインはサウジアラビア訪問による湾岸諸国への石油増産の呼び掛けになりますが、イスラエルとパレスチナについては、トランプ前政権及びイスラエルの保守強硬派ネタニヤフ政権時代に暗礁に乗り上げた「2国家共存」の枠組みを中道路線のイスラエル・ラピド新首相やパレスチナ自治政府・アッバス議長と再確認する運びになると思われます。

****バイデン氏、13日から初の中東歴訪 サウジと関係修復目指す****
(中略)サウジに先だってバイデン氏は13〜15日にイスラエルとヨルダン川西岸を訪れる。イスラエルでは、地域で拡大するイランの脅威に対抗するためイスラエルとアラブ諸国の連携拡大を模索する。

イスラエルは20年、米国の仲介でUAEなど一部アラブ諸国と国交を正常化し、対イランで連携を開始している。イスラエルのガンツ国防相は6月20日、イランの無人航空機(ドローン)やミサイルに対抗するため、米国や一部アラブ諸国と「中東防空同盟」を作り、防衛協力を進めていると明らかにした。

サウジはイスラエルとの国交正常化に慎重姿勢だが、バイデン氏の相互訪問で両国が接近する可能性もある。

ヨルダン川西岸では、バイデン氏はパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談する。極端な親イスラエルの立場をとったトランプ前政権の中東政策からの転換をアピールし、パレスチナ国家樹立を前提とする「2国家共存」の支持を改めて明確にする方針だ。【7月12日 毎日】
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ただ、「2国家共存」の枠組みを再確認したとしても、新たな具体的動きがすぐに見られるような状況でもないように思われます。

【人権や民主主義といった価値観を“棚上げ”するサウジ訪問へ米国内では反対も】
話をメインのサウジアラビア訪問及び湾岸諸国への石油増産の呼び掛けに戻すと、上記記事にあるように人権や民主主義といった価値観を“棚上げ”する形にもなり、与党内や人権活動家の反発もあります。

****米大統領のサウジ行きに批判殺到 首都に「カショギ通り」****
バイデン米大統領の7月のサウジアラビア訪問計画に国内外から批判が殺到している。人権活動家らはムハンマド皇太子の関与が疑われるサウジ人記者殺害事件を不問に付すことになりかねないと反発。

米首都のサウジ大使館前の道路は今月、記者の名前を冠した「ジャマル・カショギ通り」と命名され、事件にも改めて注目が集まっている。【6月17日 共同】
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バイデン大統領は9日、米紙ワシントン・ポストに「なぜサウジに行くのか」と題した寄稿で「ロシアの侵攻に対抗し、中国を打ち負かすためにベストな環境を整え、世界の重要な地域をより安定させなければならない」と強調。

また、会談の相手はサルマン国王であり、人権問題がつきまとう実力者ムハンマド皇太子は同席するだけだとしてはいますが・・・苦しい弁解にも聞こえます。「人権問題も議題に」とも。

****サウジ訪問で「人権問題も議題に」、バイデン氏が理解訴え****
バイデン米大統領は9日、米紙ワシントン・ポストへの寄稿で自身のサウジアラビア訪問に批判の声があることについて、人権問題を議題にすると説明し、80年来の戦略的パートナーであるサウジと関係を断絶せずに新たな方向に導くことが狙いとした。(中略)

寄稿で「サウジ訪問に反対の人が多いことは知っている。人権に関して私には明確かつ長年変わらない見解があり、基本的自由は外遊で常に議題になる」とした。(後略)【7月11日 ロイター】
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人権や民主主義といった価値観を“棚上げ”するにしても、手ぶらでは関係が冷え込んだムハンマド皇太子から石油増産に向けた協力は引き出せないので“お土産”の検討も。

しかし、人権や民主主義といった価値観を重視する与党民主党左派だけでなく、9.11への関与が疑われるサウジアラビアには野党共和党内にも根強い反発があります。

****米政権、サウジへの攻撃兵器売却解禁を議論中=消息筋****
バイデン米政権は、サウジアラビアに対する攻撃用の兵器売却禁止措置を解除する可能性について議論している。ただ最終的な決定はサウジがイエメン内戦の停戦に向け、軍事介入を打ち切る姿勢を明確にするかどうかに左右されるとみられている。事情に詳しい4人の消息筋が明らかにした。

バイデン大統領は今週、サウジを訪問する予定。これに先立ち消息筋の3人は、サウジ側がここ数か月の米国との数回にわたる政府高官レベルの協議で、サウジに防衛用と見なされる兵器のみ米国が売却するという方針の撤回を迫っていたと語った。例えば消息筋の1人によると、サウジの防衛副大臣が5月にワシントンを訪れた際、サウジ側が売却制限をなくしてほしいとの要望を出していた。

ただ、2人の消息筋によると、米政権内の議論は非公式で初期的な段階にあり、すぐに決定が出ることはない。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日の記者会見でサウジへの武器売却制限解除の検討について問われ、「現状では具体的なものはない」と発言している。

それでもバイデン氏は今回のサウジ訪問を前に、同国との緊張関係の「リセット」を探っているとのシグナルを送っている。背景には世界的なエネルギー需給ひっ迫の折、米国としてペルシャ湾岸諸国に原油の供給拡大を望んでいることや、イランに対抗する上でイスラエルとアラブ諸国が安全保障上の連携を強めてほしいと考えているという事情がある。

一方、米議会スタッフらによると、サウジへの攻撃兵器売却を認めれば議会の反対を招くのは間違いない。与党・民主党だけでなく野党・共和党の議員もずっとサウジを声高に批判している。消息筋らは、今週のバイデン氏のサウジ訪問中に関連の発表がある見込みはないと強調した。

バイデン氏も昨年の初めの就任早々、サウジに厳しく接する外交姿勢を選択。サウジが主導する有志連合軍によるイエメンの親イラン武装組織フーシ派への軍事攻撃で多数の民間人犠牲者が発生していることや、サウジの反体制派記者殺害などの国内人権侵害問題を受け、バイデン氏は歴代米政権が承認してきた攻撃兵器売却の停止を昨年2月に宣言した。

ところがロシアのウクライナ侵攻以降、バイデン氏のサウジに対する強硬姿勢は和らぎ、米国をはじめとする西側諸国も世界最大の石油輸出国であるサウジにロシアの穴を埋める形で供給を増やしてほしいと働きかけるようになった。

サウジが6月上旬、国連が仲介したイエメンでの休戦協定を2カ月延長することに同意すると、米政府はこれを称賛。米国はこれが恒久的な停戦につながる展開を期待している。【7月12日 ロイター】
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【サウジ・ムハンマド皇太子 事前に関係国を訪問し、存在感を高める】
上記にあるように、サウジアラビアが軍事介入しているイエメンでの戦闘が一時的ながら停戦状態にあることも、バイデン大統領のサウジ訪問を可能にした要因です。

イエメン停戦だけでなく、サウジアラビア・ムハンマド皇太子の側もバイデン米大統領のサウジを前に、関係国との関係を調整して、世界有数の産油国としての経済力もテコに、自らの存在感を高めようとしています。
ムハンマド皇太子は6月21日~22日、エジプト、ヨルダン、トルコの中東3カ国を歴訪しています。

****エジプトとサウジ、77億ドルの投資協定に調印****
エジプトとサウジアラビアは21日、経済関係を強化するための総額77億ドルの投資協定に調印したと発表した。サウジの実力者ムハンマド皇太子がエジプトの首都カイロを訪問し、エジプトのシシ大統領と通商や投資、安全保障について会談。投資協定でも合意した。

投資は再生可能エネルギーから石油関連、食品、フィンテックなど14分野に及ぶ。両国電力企業による15億ドルの風力発電プラント建設計画や、エジプト・ディムヤート港の多目的施設整備のほか、エジプト製薬業界によるサウジでの1億5000万ドルのプロジェクトなどが盛り込まれた。

サウジがエジプトで300億ドル規模の投資事業を主導するとの共同声明も出された。

2014年のシシ氏の大統領就任以来、サウジは同国に計数十億ドル規模を経済援助。エジプト大統領府によると、シシ氏とムハンマド氏は、バイデン米大統領が来月に就任後初めて中東を訪問して参加するサウジでの地域首脳会談も議題にした。

ムハンマド氏はエジプトに続きヨルダンとトルコも訪問する。同氏の湾岸地域以外の外遊は3年以上ぶり。【6月22日 ロイター】
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****サウジアラビア皇太子がトルコ訪問 和解演出、経済関係も強化へ****
サウジアラビアの実力者であるムハンマド皇太子は22日、トルコの首都アンカラを訪問し、同国のエルドアン大統領と会談した。ロイター通信が伝えた。

2018年にトルコ国内で起きたサウジ人記者殺害事件で両国関係は悪化したが、昨年から修復の動きが進んでいた。事件以来となる今回の訪問は関係正常化の「総仕上げ」とみられる。

会談後に発表された共同声明などによると、両国は今後、経済的結びつきも強める方針という。積極的な動きの背景には、バイデン米大統領による7月中旬のサウジ訪問やトルコの厳しい経済状況がある。

人権重視のバイデン氏は21年の就任以来、記者殺害事件の黒幕とされるムハンマド氏とは距離を置いてきた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻などによる原油高と物価高騰への対策が喫緊の国内課題となり、産油大国サウジとの関係修復にかじを切った。ムハンマド氏としては、事件の舞台となったトルコへの接近でイメージ改善を狙い、バイデン氏訪問の地ならしを図った模様だ。

一方、来年半ばに大統領選が想定されるエルドアン氏は、低迷する国内経済の回復へ向けて、サウジからの投資や両国貿易の拡大をもくろむ。今年4月にはサウジの商都ジェッダを訪問し、サルマン国王、ムハンマド皇太子と会談していた。今回の共同声明によると、両者は「エネルギーや防衛といった分野での投資について協議した」という。【6月23日 毎日】
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なかなかに入念な下準備です。
石油増産についても、6月初旬段階で“対米関係改善のシグナル”とも見られる動きがありました。

****サウジ、対米関係改善のシグナル送る 「OPECプラス」増産合意****
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国の連合体「OPECプラス」は2日の閣僚級会合で7、8月の原油増産ペースを引き上げることで合意した。バイデン米政権は歓迎する意向を表明、サウジアラビアが合意の取りまとめに貢献したと評価した。

露のウクライナ侵攻後、露産原油の禁輸制裁を打ち出したバイデン政権は、市場安定のため産油国に増産を求めてきた。しかし、サウジや友好国のアラブ首長国連邦(UAE)は露とウクライナの間で中立を維持し、米国の要請にも応じてこなかった。(中略)

ロシアの原油生産量は米欧の制裁により日量100万バレル規模で減少しており、OPECプラスが決めた増産分では穴埋めできない。市場の反応も限定的だ。バイデン氏は中東訪問を通じてさらなる増産を働きかける狙いとみられ、米露の綱引きが活発化しそうだ。【6月3日 産経】
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【中東全域の安全保障や経済の協力関係拡大の期待も】
中東地域全体に関わる問題である“イスラエルでは、地域で拡大するイランの脅威に対抗するためイスラエルとアラブ諸国の連携拡大を模索する。”【前出 毎日】という件に関しては、アラブ側からアメリカのイスラエル重視を改めるよう求める声も。

****「米の政策転換なければアラブの安定望めず」 エジプト元外相補佐官****
バイデン米大統領の中東訪問を機にエジプトのフセイン・ハリディ元外相補佐官(74)が産経新聞の取材に応じ、「米国がイスラエル寄りの姿勢を変えない限り、中東地域の永続的な治安の安定は望めない」という考えを述べた。

ハリディ氏は「バイデン氏はイスラエル訪問で同国の治安維持に関与し続けると表明する」と推測した上で、「イスラエルの治安維持戦略は中東で常に軍事的優位を保つことだ。だからイランの核保有は決して許さない。この戦略が続く限り、アラブでも不安定と治安の懸念は続く」との見方を示した。

バイデン氏はサウジアラビア訪問を通じ、イスラム世界に大きな影響力がある同国とイスラエルの国交正常化を働きかけるとみられる。ハリディ氏は、イスラエルがパレスチナ人が多数住むヨルダン川西岸の占領を続け、レバノンやシリアに攻撃を行っている限り、イスラエルとサウジの間では「段階的な正常化は別として、完全な国交正常化が実現するとは考えにくい」と持論を語った。

また、議論が高まっている北大西洋条約機構(NATO)をモデルとする中東の軍事同盟創設構想に関しては、「イスラエルとアラブは(4度の戦争を行うなどして)長年対立してきた。軍レベルで協力するとは思えない」と、実現に否定的な姿勢を示した。【7月12日 産経】
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軍事面での中東の軍事同盟創設構想の他にも、経済面での中東地域の共同市場形成という話もあるようです。

****イスラエル、サウジ含む中東共同市場構築に期待 バイデン氏訪問を機に****
イスラエルのリーベルマン財務相は11日、今週予定されるバイデン米大統領の中東歴訪が、サウジアラビアを含む中東地域の共同市場形成につながることを期待していると語った。

バイデン大統領は13日にイスラエルを訪問し、15日にサウジに向かう。米ホワイトハウスは、中東地域の経済や安全保障の協力関係拡大がバイデン氏の歴訪の目的という認識を示している。
イスラエルとサウジは外交関係がない。

リーベルマン財務相は「イスラエル、サウジ、湾岸諸国、ヨルダンなど、中東に新たな共通の市場を構築する時だ」とし、「安全保障と経済双方における現実が大きく変わるだろう。バイデン氏の訪問中に重点が置かれることを期待する」と述べた。

また、イスラエル、ヨルダン、サウジ、バーレーン、アラブ首長国連邦のアブダビやドバイなどを結ぶ道路や鉄道の建設といったビジョンを描いているとも語った。

イスラエルのフラタ国家安全保障顧問も、バイデン氏訪問という枠組みにおいて「中東地域の市場拡大の可能性を巡る協議を開始する公算はある」と指摘。さらに、バイデン大統領がイスラエルから訪問後、直行便でサウジに向かう計画は「偶然ではない」とした。

バイデン大統領がイスラエル・サウジ直行便の開設を発表する可能性があるかという質問に対し、ロール副外相は「バイデン氏がサウジ訪問後に(イスラエル・サウジの)正常化に向けたニュースをもたらすと期待する」と応じた。【7月11日 ロイター】
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あくまでもイスラエル側の“期待”ということですが、サウジアラビアにしてもイスラエルにしても、アメリカの中東「再関与」にいろいろ期待するものが多いようにも見えます。

いろいろ注目点の多いバイデン大統領の中東訪問です。』

【解説】 英保守党党首選、ジョンソン氏の後任は誰になるのか?

【解説】 英保守党党首選、ジョンソン氏の後任は誰になるのか?
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27275

『英与党・保守党は、ボリス・ジョンソン首相が党首を辞任すると表明したのを受け、12日に党首選を開始した。8人の議員が出馬を表明し、ジョンソン氏の後任を狙っている。

候補者の顔ぶれと経歴、党首選の流れを紹介する。(名字のアルファベット順)

ケミ・ベイドノック前レベリング・アップ(標準化)担当相

減税と低規制を約束。一方、2050年までに炭素排出量を差し引きゼロにする「ネットゼロ」目標には批判的
元ソフトウエア・エンジニア。幼少時代は一時、アメリカや、両親の母国であるナイジェリアで過ごした
金融業界で働いた後、英雑誌「スペクテイター」の主幹となった
政界ではロンドン市議を務めた後、2017年にファフロン・ウォルデンから下院議員に当選
平等担当政務次官を経て、マイケル・ゴーヴ・レベリング・アップ担当相の下で政務次官となった。ゴーヴ氏は推薦人の1人
「非常に残念」だとしながらジョンソン政権を離脱した後、出馬を表明した

スエラ・ブレイヴァーマン法務長官

イギリスを欧州人権裁判所(ECHR)の管轄から外すこと、エネルギー付加価値税(VAT)の軽減、規制緩和を公約に掲げて立候補。「ネットゼロ」目標を明確に批判している
テリーザ・メイ政権下で欧州連合(EU)離脱担当政務次官に就任するも、メイ氏のEU離脱協定をめぐり辞任した
2015年以降、ハンプシャー州フェアハムから選出されている。元弁護士で、2020年に法務長官に就任
党首選への出馬を表明し、「大きな名誉です」と語った
閣僚の相次ぐ辞任を受け、ジョンソン首相に退陣を迫っていた

ジェレミー・ハント元保健相

法人税と事業税の軽減を公約に出馬。景気が改善すればさらに減税政策を進めると約束した
英海軍将校の息子として生まれた。教育機関と学生を結ぶウェブサイト「Hotcourses」を創設し財産を築いた。日本で英語教師を務めていたこともある
2005年にイングランド南部のサウス・ウェスト・サリーから出馬し、初当選した
2010年以降、文化相、保健相、外相などを歴任している
2019年の党首選ではジョンソン首相と決選投票を戦った。その後は影響力のある議員として閣外にとどまった

ペニー・モーダント通商政策担当相

ソーシャルメディアに投稿した動画で出馬を表明。エネルギー付加価値税(VAT)の軽減と、所得税の課税所得のインフレ率に応じた引き上げを主張
2019年にイギリス初の女性国防相に任命された
海軍予備役であり、デイヴィッド・キャメロン政権では国防省の軍担当閣外相も務めた
2010年にポーツマス・ノースから初当選
かつては手品師のアシスタントや、保守党青年部の部長を務めていた。また、2013年に英民放ITVで著名人がダイビングに挑戦する番組「Splash!」に出演した
ウィリアム・ヘイグ議員が保守党党首だった当時、報道担当を務めていた

リシ・スーナク前財務相

立候補の際には、経済に注力し、財政が改善するまでは減税は行わないと発表した
グラント・シャップス運輸相やドミニク・ラーブ副党首から推薦を得て、現時点で最も議員からの支持が厚い候補
新型ウイルスのパンデミックに際しては、経済の停滞を防ぐため財政支出を大幅に拡大した
しかし、妻の脱税疑惑に加え、新型コロナウイルス流行を受けたロックダウン中に首相官邸などでパーティーが行われていた問題で罰金を課せられ、評判が落ちた
先週初めに財務相を辞任し、ジョンソン氏失脚につながる閣僚の集団辞任のきっかけとなった
2015年にノース・ヨークシャー州リッチモンドから初当選。その後、わずか5年弱で財務相にのぼりつめた

リズ・トラス外相

迅速な減税の実施、国民保険料の増額の停止、長期的にいわゆる「小さな政府」への移行を進めると公約した
ナディーン・ドーリス文化相やジェイコブ・リース=モグ・ブレグジット機会担当相から推薦を得た
イギリスでは2人目の女性外相。イランで拘束されていたジャーナリストのナザニン・ザガリ=ラトクリフさんを帰国させ、評価を得た
大法官や法務相、環境相など数々の大臣職を歴任している。ブレグジット後には、国際貿易相として通商協定の交渉に臨んだ
2010年にサウス・ウエスト・ノーフォークで初当選。保守党議員からの支持も厚いという
2014年党大会で「この国はチーズの3分の2を輸入している。なんて、みっともない」と発言したことが、ソーシャルメディアなどで大きな話題となった
スーナク氏とジャヴィド氏が相次いで辞任した際には、ジョンソン氏の支持を表明した

トム・トゥーゲンハート下院外交委員長

首相に選ばれた場合には、国民保険料とガソリン税の引き下げるとともに、イングランド南東部以外への投資を拡大すると約束した
国防義勇軍(英陸軍の予備役部隊)に所属し、イラクとアフガニスタンで従軍した。ここ数年、保守党党首候補として名前が挙がるようになった
ポピュリズム(大衆主義)より実用主義を重んじる穏健派で、今回の党首選では「今こそ刷新が必要だ」として最初に出馬を表明した
2020年1月以降、下院の外交委員長を務めている
2015年にケント州トンブリッジで初当選
昨年、西側諸国の軍がアフガニスタンから次々と撤退した際には、議会で、退役軍人はアフガニスタンを「見捨てる」ことに悲しみと怒りを感じていると語った

ナディム・ザハウィ財務相

減税と国防費拡大を公約に掲げて出馬した
イラク出身。家族は故サダム・フセイン元大統領が政権に握った際に同国から逃げ出した
BBCの幼児向け番組「テレタビーズ」のグッズを販売する会社やオンライン調査会社「ユーガヴ」を設立した後、2020年にストラットフォード・オン・エイヴォンで初当選した
ジョンソン政権では教育相を務めていたが、パンデミックの最中にはワクチン担当相にも任命され、評価を固めた

党首選のプロセスは?

保守党の党首選を取りまとめる1922年委員会は11日に、党首選の日程とルールを発表。立候補に必要な推薦人を、前回の8人から大幅に引き上げて20人にした。

また、最初の投票を通過するのに必要な票数を18票から30票に増やすことも発表した。

保守党議員は今週から来週にかけて複数回の投票を行い、候補者を2人まで絞り込む。

その後、全国約16万人の保守党員が郵便投票で決選投票を行い、議会の夏季休暇までに次期党首を決定する見込みだ。

新たな党首は9月5日に首相に就任する予定。

イギリス保守党党首選のスケジュール

7月13日:保守党議員による最初の投票。30票未満の候補者は除外される
7月14日:2回目の投票。獲得票数が最も少ない候補者は除外される
7月18~21日:3回目以降の投票。決選投票に進む2人を選出する
7月/8月:全国の保守党員による決選投票(郵便投票)
9月5日:決選投票の勝者の発表

(英語記事 Who could be the next prime minister?)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-62134730 』

米国が後押しするイスラエル・アラブ関係の裏事情

米国が後押しするイスラエル・アラブ関係の裏事情
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27209

『2020年の「アブラハム合意」(イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、モロッコとの関係正常化)に端を発する、イスラエルとアラブ諸国との関係改善は、急速に進展しているようである。イランによる核、弾道ミサイルの開発、代理者を通じた地域における影響力拡大などが共通の脅威となっていることが背景にある。双方にとりイランは生存にかかわる脅威と言ってよい。

Anastasiia_Guseva / StockHolidays / Olga Strelnikova / iStock / Getty Images Plus

 こうした中、イスラエルでは6月20日にベネット前首相はクネセット(議会)の解散を表明、6月30日にクネセットは解散を決定した。ベネットは首相を退き、連立のパートナーだったラピド外相が選挙管理内閣の首相に就いた。

 ベネット前政権は、右派からアラブ系政党にいたる8党が、ネタニヤフ元首相を追放すること一点のみにおいて一致してできた連立政権で、その基盤は全く脆弱なものだった。今後イスラエルの内政は混乱することが予想される。しかし、イスラエルの政変がイスラエルとアラブ諸国との関係改善に与える影響は、あまりないと見られる。

 イスラエルは、イランの科学者らへの暗殺を繰り返している。核、ミサイル、ドローンなどの開発にかかわる重要な人物がターゲットになっている。それにより、これらのプログラムを遅らせ、もってイスラエルの安全に資するという狙いである。

 ラピド暫定首相もこういったやりかたを継続すると思われる。当然、イランとの緊張はますます高まることになる。イランによる報復がエスカレートする可能性も排除できない。

 よりマクロな動きとしては、「中東防空同盟」がある。ベネットが解散を表明した6月20日にガンツ国防相は、「中東防空同盟」を米国主導で構築し既に運用していると、クネセットの外交・国防委員会に対して説明した。』

『「中東防空同盟」の具体的な加盟国、枠組みなどの詳細については公表されていないが、対イランを目的としていることは、ガンツ国防相も明言していることであり、間違いない。漏れ伝わって来る情報によれば、「中東防空同盟」は、ミサイル迎撃システムと地域的なレーダーシステムのネットワークから構成されているとされる。なお、「同盟」と名付けられてはいるが、通常の意味での軍事同盟ではなく、レトリック的なものであろう。
米国の狙い通りに運ぶのか

 米国がイスラエルとアラブ諸国との関係改善を後押しし、「中東防空同盟」を主導するなどしているのは、米国のグローバルな戦略の一環であると考えられる。米国は、インド太平洋への軸足移動を進めるべく、中東のことは中東でやってもらいたい、具体的には、イランの脅威への対応は自分たちでやってほしいということである。

 それには、イスラエルとサウジやUAEなどのアラブ諸国とが関係強化し、協力してイランと対峙するのが最も都合が良い。ただ、このシナリオがうまく運ぶかどうかは予断を許さない。

 イスラエルとしては、この過程で、パレスチナ問題をアラブ諸国が棚上げしてくれることを望んでいよう。しかし、「アラブの大義」とされるパレスチナ問題をアラブ諸国がそう簡単に見逃すかどうかは疑問である。こうした動きの中、イスラエルおよびアラブ諸国とイランとの緊張が高まっていることだけは確かである。』

フィリピン外相 南シナ海領有権 6年前の仲裁判断の重視を強調

フィリピン外相 南シナ海領有権 6年前の仲裁判断の重視を強調
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220713/k10013714571000.html

『フィリピンのマナロ外相は、南シナ海で中国の領有権の主張を全面的に否定した国際的な仲裁判断から6年となった12日、判断について「議論の余地はない最終的なものだ」とする声明を発表し、新政権として仲裁判断を重視する姿勢を強調しました。

フィリピンは、南シナ海の領有権をめぐって中国の主張を全面的に否定する国際的な仲裁裁判の判断を2016年に勝ち取りましたが、域内で埋め立てなどを進める中国は判断を無効だとして受け入れていません。

仲裁判断の発表から6年となった12日、首都マニラの中国大使館前では数十人のデモ隊が集まり「南シナ海は私たちのものだ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議しました。
今月1日に就任したばかりのフィリピンのマナロ外相は、この判断について「否定や反論、それに議論の余地はない最終的なものだ」としたうえで「弱体化させようとする試みや、法律、歴史、それに記憶から消し去ろうとする試みを断固として拒否する」とする声明を発表し、マルコス新政権として、仲裁判断を棚上げした前政権とは一線を画し、判断を重視する姿勢を強調しました。

また、マナロ外相は声明発表後、日本の林外務大臣と電話会談し、仲裁判断にしたがって領有権争いの平和的解決を求めていくことを確認するなど、日本とも連携していく姿勢を鮮明にしました。』