日: 2022年5月10日
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EUの法律はどのように決められていますか?
https://eumag.jp/questions/f0813/

『Q1. EUの立法府は欧州議会ですか?
日本では国会が立法府で、法案は政府または国会議員によって提出され、国会(衆議院と参議院)の議決によって法律が制定されます。このため、欧州議会という呼称から、欧州連合(EU)の立法府は欧州議会ではないかと思われがちです。
しかし、EUの立法プロセスは極めて特殊で、基本的に、欧州委員会が提出した法案を、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会が共同で採択しています。
元々、法案の修正・否決・最終的な採択という立法権限を手にしていたのは、EU理事会だけで、欧州議会の役割はあくまでも諮問的なものでした。しかし、1979年から欧州議会議員が市民の直接選挙で選ばれるようになり、直接に選挙されたという正統性を得て、欧州議会は呼称に相応しい権限を求め続け、リスボン条約に至る一連の基本条約の改正過程で、欧州議会は理事会との共同立法権を大部分の政策領域で獲得してきました。
現在では、議会と理事会が立法権を共同で行使しています。このため、EUの立法府はEU理事会と欧州議会であると言えます。
Q2. 具体的にはどのような立法手続きが行われているのでしょうか?まず、法案提出権は、特別の場合を除いて、欧州委員会が独占しています。欧州議会もEU理事会も、欧州委員会に法案提出を要請することはできますが、提出するか否かは欧州委員会の裁量です。もちろん、欧州委員会は、加盟国、地方自治体、関係業界、NGOなど多様なアクターと公式・非公式のルートを使って事前に意見を聴き、協議して、法案を作成し、立法がスムーズに行われるよう配慮しています。
EUの立法手続きには、欧州議会の共同決定を必要とする「通常立法手続き」とそうではない「特別立法手続き(諮問手続きと同意手続き)」との2種類があり、ほとんどの場合は「通常立法手続き」が用いられています。特別立法手続きのうち、諮問手続きは最初から欧州議会に付与されていたもので、欧州委員会の提案後、欧州議会の諮問を経て、EU理事会が法案を採択します。欧州議会の賛否表明や修正案には法的拘束力がありません。同意手続きは、1987年発効の「単一欧州議定書」(Single European Act=SEA)によって初めて導入されたもので、EU理事会が採択しようとする決定には欧州議会の同意が必要になります。ただし、欧州議会は賛否の表明はできますが、理事会の立場に修正を求めることはできません。
通常立法手続きにおける欧州議会での審議は、三読会制が採られています。まず、第一読会で法案が審議され、EU理事会に修正案が提出されます。EU理事会は賛否を決定し、法案が修正された場合は第二読会が開かれます。第二読会でも欧州議会と理事会が合意できない時には調停委員会が開催されます。ただ、実際には第一読会で、理事会・欧州議会・欧州委員会の各代表が非公式に「三者対話」を行い、なるべく第一読会での合意を目指す努力がなされており、第一読会での立法成立件数の割合は最近では約80%に上っています。
EU理事会での決定は、全会一致を必要とする少数の案件を除いて、多くが各加盟国に割り振られた加重票(票数はおおまかに各加盟国の人口を反映)を用いた特定多数決で行われ、議案の採択には国別352票中260票以上、加盟国数の過半数(15カ国以上)、EU人口の62%以上(参加構成員から要請があった場合などに適用)の三重の要件を満たす必要があります。将来的には加盟国数の55%(15カ国)以上とEU人口の65%以上の二重多数決制に移行することが予定されています。※その後、2014年11月1日より、二重多数決制に移行しました。
Q3. 欧州理事会(首脳会議)は、EUの立法に関与しているのですか?EUの最高意思決定機関として、一般的な政治方針や優先順位を決定する欧州理事会は、元々非公式会合であり、基本条約の枠外で開催されていました。1974年12月のパリ首脳会議で常設化が決定され、1975年3月のダブリン会議を第1回に、年3〜4回のペースで開催されてきました。1987年、SEAによって初めて明文化され、2009年発効のリスボン条約で初めてEUの主要機関として制度化されました。
欧州理事会は、EUの最高意思決定機関として、対外政策を含めて一般的な政治的方針を定めますが、立法的な機能は行使しません。しかし、閣僚レベルの理事会で合意できないセンシティブな立法問題に関して協議を行い、会議場の内外で妥協を探り、問題解決の場としても機能してきました。なお、欧州理事会での政治的合意は、後にEU理事会によって正式に決定されます。
Q4. 各国の議会やEU市民も立法プロセスに参加できますか?EU法令には「規則」(Regulation)、「指令」(Directive)、「決定」(Decision)の3種類があり、「指令」であれば、国内法化を必要とし、それにあたり国内議会が立法を行います。しかし、各加盟国の国内法に優先する「規則」や対象者に直接拘束力を持つ「決定」については、国内議会はバイパスされます。つまり、EU立法において、加盟国議会が果たす役割は限定されているのです。
しかし、リスボン条約は、国内議会に対して新たに「補完性監視」権限を付与しました。各加盟国の議会は、欧州委員会から立法提案の送付を受け、それが補完性原則(「EUと加盟国は権限をどう分担していますか?」で説明しています)に適合していないと判断する場合には、送付から8週間以内に異議申し立てを行えるようになりました。加盟28カ国の国内議会には、それぞれ持ち票(一院制2票、二院制各院1票)があり、異議申立票が総票数(56票)の3分の1(19票)を超えた場合、欧州委員会に対して立法提案の見直しを求めることができます(警察・刑事司法協力、自由・安全・司法領域での行政協力については4分の1以上)。欧州委員会は、再検討を行い、理由を付して提案を維持・修正・撤回を行います。国内議会が、過半数(29票)以上で見直しを提案した場合には、欧州議会およびEU理事会も関与し、立法提案が補完性原則に適合しているかどうかを審査します。
一方、EU加盟国の市民は、「EU市民権」の一部として、欧州議会議員選挙に投票したり、欧州議会へ請願したりする権利を持っていましたが、リスボン条約では「欧州市民イニシアティブ」が初めて認められました。つまりEU市民が欧州委員会に対して法案提出を要請する手続きが定められたのです。発議の条件としては①少なくとも7つの異なる加盟国に居住する7人以上が発議を取りまとめる市民委員会を組織している ②発議には少なくとも100万人の有資格署名者の支持がある(少なくとも全加盟国の4分の1からの出身者の支持、および4分の1の加盟国でそれぞれの最低人数の支持が必要になる)。
市民の発議について欧州委員会は必ず立案する義務はありませんが、案を検討しそれについてどのような行動を取るかを決定しなければなりません。正当な理由なしに無視することは政治的なリスクを伴い非常に困難な選択となります。こうした権利の獲得は、より市民に近いEUを構築するために行われた一連の基本条約の改正の結果だと言えるでしょう。
参考文献:庄司克宏『新EU法 基礎編』岩波書店、2013年
執筆=田中俊郎(慶應義塾大学名誉教授、ジャン・モネ・チェア)』
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マクロン氏、新欧州組織を提唱 ウクライナ加盟を想定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09DAS0Z00C22A5000000/
『【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領は9日、欧州連合(EU)より簡素な手続きで加盟できる新組織「欧州政治共同体」の設立を提唱した。現状のEU加盟基準が厳しすぎるためだと説明した。拡大が容易な組織を設けてウクライナなどを取り込み、欧州の結束を強める狙いがある。
マクロン氏は仏東部ストラスブールの欧州議会での演説で「ウクライナのEU加盟手続きにはおそらく数十年かかる。新しい組織を作れば、(ウクライナなど)欧州の民主主義の国が仲間に加わることができる」などと語った。EU加盟には政治や経済の安定などの条件があり、侵攻で甚大な被害を受けているウクライナには高いハードルとなる可能性がある。
欧州各国で構成し、安全保障を含む政治決断を共同で下す組織を想定しているもようだ。ただ発足の流れや各国の賛同を得られるかなど不明点が多い。
マクロン氏とドイツのショルツ首相は同日、ベルリンで首脳会談を開いた。会談に先立つ記者会見でショルツ氏は「現在の課題に対応するために、興味深い提案だ。(マクロン氏と)この点について議論できることをうれしく思う」と述べた。
ロシアのプーチン大統領に対しては「我々の要求は明確だ。停戦を実現し、ロシア軍が撤退することだ」と改めて批判した。
マクロン氏は7日に2期目の就任式を終えており、初の外遊先にドイツを選んだ。フランスにとってドイツとの関係が最も重要で、歴代大統領は就任後まず訪独するのが慣行になっている。
【関連記事】
・ウクライナ危機、問われるフランス独自外交
・[FT]マクロン氏、EU変えるか 安保自立論に加盟国懸念多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
上野泰也のアバター 上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト コメントメニュー
ひとこと解説
マクロン仏大統領が提唱した新組織「欧州政治共同体」は、ウクライナと欧州の連帯をより強く示したいという熱意から出てきた構想なのだろうが、「生煮え」である感は否めない。
「安全保障を含む政治決断を共同で下す組織を想定しているもようだ」「ただ発足の流れや各国の賛同を得られるかなど不明点が多い」と、記事にある。
EUの対ロシア経済制裁は、ロシア産原油の禁輸にハンガリーが反対するなど、相変わらず足並みを揃えるのに苦労している。
EUは加盟国が多くなり過ぎた。
そうした中で、ウクライナを取り込む新組織を作る場合、EUに加盟申請をしているものの未承認の国々から含め、さまざまな意見が噴出することは容易に想像できる。
2022年5月10日 7:57
菅野幹雄のアバター
菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
コメントメニュー分析・考察
ウクライナを仲間に引き入れるため「第2EU」を結成して有志を集めようという考えでしょうか。
加盟にも、そして離脱にも制約が多い現在のEUの仕組みが窮屈という感覚は分からなくもないですが、同時に危険な提案であるように思います。
まず、第2EUは西欧勢の理念とそりが合わないハンガリーなどとの亀裂を広げるでしょう。
次に、マクロン大統領とドイツのショルツ首相が新機構作りで同調すれば、独仏というEU2大国への力の偏重が強まり、欧州結束に影響を与えかねません。
第3にロシアの反応はどうか。
マクロン氏の2期目の野望が伝わるものの、賢明な考えなのか。詳細がわかりませんが、短慮という印象を禁じ得ません。
2022年5月10日 8:09
柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
コメントメニューひとこと解説
英国のEU離脱でEUが分裂の危機に直面していた。
ウクライナ問題によってEUは再び結束を強化している。
しかし、あらゆる地域連携の難題はメンバーの国々が自国の利益を最優先に重視するため、同床異夢の関係になってしまう可能性がある。
目下、ウクライナを取り込むことを優先にされているようだが、ハードルを下げすぎると、連携が弱くなる可能性もある。
2022年5月10日 7:53 』
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ロシア、黒海のミサイル戦力を倍増か ウクライナ分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09D0T0Z00C22A5000000/
『【イスタンブール=木寺もも子】ウクライナ国防省の報道官は9日、巡航ミサイル計50発を搭載したロシア軍艦7隻が黒海で確認できると明らかにした。4日時点では3隻で20発分だとしていた。ウクライナメディアなどが伝えた。ロシア軍は黒海沿岸の南部や南東部での攻勢を強めるとみられる。
【関連記事】米、武器貸与法が成立 ウクライナ支援を迅速に
同報道官によると、ロシア軍は9日、南東部マリウポリでウクライナの部隊が立てこもる巨大製鉄所アゾフスターリに対し、戦車や砲撃の援護を受けた突入作戦を行った。「爆撃機による空爆が再開する可能性を否定できない」との懸念も示した。
ウクライナ、ロシア双方によると、アゾフスターリにいた民間人の女性や子供らは7日までに全員が退避した。残る部隊は降伏しない考えを表明している。
一方、欧州連合(EU)のミシェル大統領は9日、南部の港湾都市オデッサを電撃訪問した。ウクライナのシュミハリ首相と会談し、EUによる支援について協議した。ウクライナの国営通信などによると、会談中にオデッサ近辺にロシア軍のミサイル攻撃があり、両首脳が一時避難した。
両首脳はオデッサ港を訪れ、世界各地に輸出される穀物が出荷できないまま積まれた様子を視察したという。シュミハリ氏は貨物船が黒海を航行できなくなったことなどで、1日あたり1億7000万ドル(約220億円)の損失が生じていると述べた。
国連食糧農業機関(FAO)によると、2500万トン近くの穀物が輸出できずウクライナ国内で滞留しているという。有数の生産地であるウクライナでの戦争で、世界の穀物価格は高騰し続けている。
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プーチン大統領 演説で侵攻正当化も「戦争状態」は言及せず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220509/k10013617871000.html※ 「戦争」ということになれば、「戦時国際法」が適用されて、いろいろと「制約」も生じて来る…。
※ それこそ、「戦争犯罪」の問題も、浮上して来る…。
※ 「特別軍事作戦」ということにしておけば、「対ゲリラ」「対テロリスト」と言うことで、「戦時国際法」の制約からは、逃れられる…。
※ 「汚い戦い」をやっている…、という自覚はあるんだろう…。


『2022年5月9日 18時37分
ロシアのプーチン大統領は9日、戦勝記念日の式典で演説し「ロシアにとって受け入れがたい脅威が直接、国境に作り出され、衝突は避けられなかった」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻を重ねて正当化しました。
一方、一部で指摘されていた、戦闘による具体的な成果や「戦争状態」の宣言については言及しませんでした。
約10分にわたる演説
ロシアでは9日、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利して77年の記念日を迎え、各地で軍事パレードなどの記念式典が行われています。
首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から赤の広場で式典が開かれ、プーチン大統領が演説しました。
およそ10分にわたる演説でプーチン大統領は「去年12月、われわれは安全保障に関するさまざまな提案を行ったが、すべてむだだった」とし、安全保障をめぐるロシアの提案が欧米各国に受け入れられなかったと批判しました。
その上でウクライナのゼレンスキー政権が核兵器を取得する可能性を明らかにしていたなどと、一方的に主張しました。
そして「われわれにとって受け入れがたい脅威が直接、国境に作り出されていた。アメリカやその同盟国が背後についたネオナチとの衝突は、避けられないものになっていた」と強調しました。
そして「NATOの加盟国から最新兵器が提供されるようすを目の当たりにし、危険は日増しに高まっていた。必要で、タイミングを得た、唯一の、正しい判断だった」と述べ、ウクライナを軍事支援する欧米の脅威を背景に軍事侵攻に踏み切ったと正当化しました。
一方、プーチン大統領は、一部で指摘されていたウクライナでの戦闘による具体的な成果や「戦争状態」の宣言については言及しませんでした。
ゼレンスキー大統領「自由な国民支配できる侵略者などいない」
ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、新たに動画を公開しました。
このなかで「これは2つの軍隊による戦争ではない。2つの世界観の戦いだ。ミサイルが、われわれの哲学を破壊できると信じている野蛮人による戦争だ」とプーチン政権を非難しました。
そして「ナチズムに勝利したこの日、われわれは新たな勝利のために戦っている。その道のりは険しいが、われわれは勝利を確信している」と述べました。
そのうえで「私たちの土地に根を張ることができる占領者はいない。自由な国民を支配できる侵略者などいない。もうすぐわれわれは勝利する」と訴え、徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。
キーウ市民「プーチン発言はどうせ事実ではない」
ウクライナの首都キーウの市民からは、ロシア側にとって都合のいい理屈を並べただけだとして軍事侵攻を止めるべきだとあらためて求める声が上がっています。
このうちスポーツ用品店に勤める33歳の男性は「ロシアでの式典にはまったく興味がありません。プーチンの発言はどうせ事実ではない。軍事侵攻はすぐに止めるべきで、ウクライナ軍のおかげでわれわれが勝つのは間違いない」と話していました。
また弁護士の23歳の女性は「ニュースを見るかぎり、演説では『戦争状態にある』という発言も、ロシア国民を大量動員するという発言もなかったようだが、これはプーチン自身も軍事作戦がうまくいっていないことを認めざるを得ないからではないか」としたうえで「ロシアの軍事侵攻によって、逆にウクライナ国民はますます団結している」と話していました。
演説に対し日本国内からは
ウクライナから和歌山大学に留学しているパーダルカ・オリハさん(22)は自宅で時折、涙を流しながら聞いていました。
オリハさんはウクライナの首都キーウにある国立大学で日本語を学び、ことし3月から和歌山市にある和歌山大学に留学しています。
オリハさんは「演説の内容はすべてうそばかりで、心が傷つけられて涙がこみ上げてきました。多くの人が亡くなっている今の状況で軍事パレードをするのも信じられない」と強く批判しました。
そのうえで「母国の家族や友人、すべてのウクライナの人が無事でいてほしい。戦争がもっと激しくなる心配はもちろんありますが、戦争が早めに終わってほしいです」と話していました。
札幌市に住む、ウクライナ人のベロニカ・クラコワさん(27)は、ロシアのプーチン大統領が戦勝記念日の式典での演説でウクライナへの軍事侵攻を正当化したことについて、「ロシアはとても良いことをしているという、思った通りの内容だった。なぜ市民が爆撃されているのか本当にプロパガンダでしかない」と強く非難しました。
またウクライナに残り、戦闘に参加している父親について「私の父がいる場所は詳しく言えないが、今激しく爆撃されている。父からの返事がないとすごく不安だが信じるしかない」と話していました。
そしてウクライナから避難し、先月9日に来日した母親のナタリアさんについては「来日したときはすごく疲れていたが、ここ1か月で元気になった。もちろん早く帰りたいと言っているし父のことも心配している」と話していました。
モスクワ出身で京都市に住むナイフズ・イアンさんは、自宅でプーチン大統領の演説を聞きました。
ナイフズさんは「とてもつらいです。きょうは先の戦争で犠牲になった家族や友人のことを思うロシア人にとって大切な日です。演説の中で、プーチン大統領は今の軍事侵攻と先の戦争が同じことのように話していましたが、全く違うことだと思います。ロシア人をごまかそうとするプロパガンダだと思います」と複雑な心境を明かしました。
そのうえで「なぜモスクワがこんな状態になり、なぜ今ロシアが戦争をしているのか、演説を見ていてとてもつらい気持ちになりました。開戦の宣言をしなくてよかったですが、ロシア出身者として、どうやって戦争を止めらるか分からず、何もできない無力感があります」と話していました。
40代のロシア人男性は「想像していたよりも演説が短く、新しい情報が盛り込まれていなかったことが印象的だった。役に立つ情報しか出さない今の政権のやり方の1つだと感じた」と話しました。
また、軍事パレードの様子について「私が子どものころ、『戦勝記念日』は戦争で亡くなった人を思い、静かに過ごす思い出の日だった。しかし今は祭りのような盛大な行事になってしまい、戦争に利用するためのものになってしまっている」と話していました。
日本に住む30代のロシア人の女性は「今までロシア人にとって5月9日はたくさんの人が命を落としたことや、戦後の大変な暮らしを思い出し戦争を終わらせてくれたおじいさんやおばあさんに感謝する記念日でした。
けれど、きょうテレビで流れていたパレードはみんなが嬉しそうにしていて、違和感がありました。本来は嬉しい記念日ではありません」と語りました。
そのうえで、ロシアによる軍事侵攻について「最近はロシア国民が戦争に慣れてきてしまい良くないことだと思っている。早く終わってほしいがどうすればいいかまったく分かりません」と話していました。
北方領土の元島民で、千島歯舞諸島居住者連盟根室支部の角鹿泰司支部長代行(85)は根室市内の自宅のテレビでプーチン大統領の演説を聞きました。
角鹿さんは「自分の国のことしか考えておらず、ウクライナのことを1つも考えていない。演説で言っていたことをプーチン大統領にそのまま返してあげたい」と話しました。
そのうえで「北方四島の返還を求めている身としては、いち早くこの軍事侵攻が終わって元に戻ってもらいたい。返還運動は続けていく」と話していました。
日本の政界反応
自民党の茂木幹事長は、記者会見で「明らかに誤った行為を正当化するための発言だ。
力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこにおいても断じて受け入れられず、国際社会が一致団結して、ロシアに厳しく対応していくことが必要だ」と述べました。』
