月: 2019年11月
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※ 『 米韓同盟がいよいよ壊れ始めた。韓国の大統領が米国の国防長官に面と向かって、日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の維持を拒否したからだ。この協定こそは韓国が海洋勢力側に属する証しである。韓国観察者の鈴置高史氏が報告する。 』
『鈴置: 「日韓GSOMIAを破棄すれば、中国・北朝鮮を喜ばせるだけだ」と米国は繰り返し韓国を説得してきました。エスパー国防長官も韓国での会見でそう強調しました。
要は、中国・北朝鮮側に立つつもりか、と米国は問うていた。GSOMIAは日韓の問題を超え、韓国の立ち位置を問う踏み絵になっていたのです。
文在寅大統領は、その踏み絵を蹴飛ばして「中国・北朝鮮――大陸側に行く」と米国に通告したわけです。韓国の保守にすれば「米国に宣戦布告した」も同然なのです。』
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5 要素技術確立のための取り組み・実証実験
(1)5G電波伝搬(総論)その2(測定技術・測定方法の開発の話し)
※ 従来は、こんな感じで「スループット(単位時間当たりに、伝送できるデータの量。「実効速度」とか、訳されている。これが大きいほど、大容量のデータを短時間でやり取りできる…、と言う話しになる)」を計測していた。「サーバ」から、でかいデータを流して、自分のPCで、最寄りの「アクセスポイント(AP)(※ 無線の基地局)」にアクセスして、そのデータを「ダウンロード」してみて、それに掛かる時間を計測する…、という方法だ。インターネット回線を開設した時、「どれくらいの、速度なのかな?」と、試してみた人も多いことだろう。
また、「遅延量」は、上記のような感じで、計測していた…。同様に、「サーバ」から、最寄りの「アクセスポイント(無線基地局)」に指示して、「測定用パケット」を送信してもらい、測定対象のPCで受信する。そして、パケット到着を「計測用のサーバ」に送信する…。他方で、「サーバ」は、パケットの通過を「計測用のサーバ」に送信する…。「計測用のサーバ」では、この両者の「データ」を付き合わせて、「遅延量」を計算する…。
この方法では、問題点が2つある…。1つは、専用の「計測用のサーバ」が必要となることで、2つ目は、その「計測用のサーバ」と測定対象のPCからのアクセスを許可するIPアドレスの設定が必要になることだ…。測定対象のPCが、通常ネットにアクセスしている時に使う「サーバ」は、「プロバイダー」が準備して、アクセスを許可しているものだからな…。「計測用のサーバ」にアクセスするには、それを許可する設定が必要になる…。
5Gにおいては、4Gまでとは、比較にならないくらいの数の「基地局・中継局」が必要となる…。それに対応するだけの数の、「計測用のサーバ」を設置するのは、手間とコストの両面から大変だ…。
※ そこで、「簡易な測定装置」を、新たに開発した。

14センチ×20センチ(厚さ6センチ)のリモコンくらいの大きさの装置だ。それでも、「周辺AP情報表示」「利用済みチャンネル番号確認」「無線通信状況表示」「スループット推定」「IP電話音声品質推定」と言う機能を有している…。 「IP電話音声品質推定」 とあるが、この当時は、「遅延量」が問題となる代表のデータのやり取りが、 「IP電話音声品質 」だった(「遅延量」が多くなると、「通話」が途切れて、「何を言っているのか、分からんぞ…。」と言う話しになる…)からそう表現しているだけの話しで、「データの送受信における遅延量」と言うことだ…。

この装置を使用した測定技術は、上記のような感じとなる(専門技術のようなんで、「感じ」しか分からんが…)。
まず、「スループット」の方は、「伝送速度」を固定しておいて、「パケット長」と「伝送速度」から「スループット理論値」を計算する…。そして、実際に「測定用パケット」を流してみて、「パケット再送要求(うまく受け取れなかったから、もう一度送信してくれ、と言う要求)」「パケットロス(送信したけど、どういうわけか、受信されずに行方不明となった)」なんかを折り込んで、「パケットエラーレート」を計算する…。この両者の値から、「スループット推定値」を計算する…。
次に、「遅延量」の方も、上記のような感じとなる(同様に、「感じ」しか掴めんが…)。
まず、利用する「IP電話アプリ」の「コーデック」(デジタルデータを音声データに変換する、「やり方」-何種類かあるんだろう…)を決定する…。それに応じて、「測定用パケット」の「パケット長」と「パケット送信周期」を決定する…。そして、実際に「測定用パケット」を流してみて、上記同様に「再送要求」や「パケットロス」を折り込んで「パケットエラーレート」を計算し、「送信時刻」と「受信時刻」の付き合わせから、「遅延量」を測定し、「平均遅延量」を計算し、「(総合的な)遅延量を推定する」…、と言う段取りのようだ…。
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※ これまでの説明で分かる通り、現状5Gは、「絵に描いた餅」だ…。
この餅が「喰える餅」になるためには、目標とする大容量、超高速、超低遅延、移動性への追従…、なんてな「お題目」を実現するべく、実際の行動を積み重ねて行くより他は無い…。
世間の人々(オレも含めて)は、「絵に描いた餅」の話しを聞くと、または、それが示されると、「ああ…。オレもそういう餅を、喰ってみたいものだ…。」と思うだけのことだ…。
しかし、そう思っているだけでは、いつまで経っても、「餅」は喰えるようにはならない…。喰えるようになるためには、一歩一歩地道に、「実現」へと向けて進んで行くより他は無い…。
特にこの手の、「新技術」の実現の場合は、仮説の提起→実証実験(=データ取り)→それを受けての、新たな仮説の提案・提起→実証実験(データ取り)…、を何度も何度も繰り返して行く他は、無い…。
そういう取り組み・実験を、外部に発表したNTTドコモの資料に当たったんで、それを紹介する…。多分、2016年頃の資料だと思う…。『ドコモ、5Gへの取り組み・実験(.pdf) https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/tech/5g/docomo5G_openhouse2016.pdf 』
その前に、もう一度、5Gの「絵に描いた餅」の話しを、確認しておこう…。「絵に描いた餅」の話しは、何度聞いても心地よいものだからな…。






5 要素技術確立のための取り組み・実証実験(NTTドコモの取り組みの話し)
(1)5G電波伝搬(総論)

※ 「様々な環境における高周波数帯電波伝搬特性(伝搬損失特性、遅延特性、到来方向特性、人体遮蔽特性、粗面による影響の特性)」を、検討する…、と言っているな…。「粗面」とは、よく分からないが、表面がツルツルしていない、ザラザラの壁面なんかの「電波の反射・折れ曲がり特性」なんかを調べるんだろう…。
※ そして、その結果をもとに、「5Gシステム評価用チャネルモデルの提案を行う」と言っている…。まず、「5Gのシステム」にふさわしい「電波のチャネルモデル」を提案する前の段階で、「評価用のチャネルモデル」を構築・提案する…、と言う話しだ…。
この手の「新技術」の開発は、その目標とすることの実現のための「実証実験」を重ねて行くんだが、その「実験装置」自体が、まだ「存在しない」…。それどころか、対象である事象の「測定装置」すら「存在しない」…。だから、「測定装置」から「作って行く」「試作して行く」と言う話しだ…。この後も、延々と、そういうことの繰り返しなんで、よくよく噛みしめておいた方がいい…。
そうそう…。前に、「日本の場合、ギッシリと既存周波数帯が利用されていて、空き周波数帯を見つけるのに、難儀した…。」という話しをした…。しかし、それは、特に日本に特有のことでは無く、各国それぞれそういう状態に置かれていて、それぞれ自国の事情を申し述べて、採用周波数帯の決定に当たっては、すり合わせを行ったらしい…、と言う資料に当たったんで、紹介しておく…。

グリーンは、「良かろう」というもの、イエローは、「まあ、なんとか」と言うもの、レッドは、「ムリです」というもののようだ…。これを見ると、28GHz帯を採用したと言うことは、日米韓の市場を狙い、中国市場及びヨーロッパ市場は、「あきらめた」と言うことのようだな…。それぞれ攻略できる市場の規模も考慮して、採用周波数帯を決定して行った…、と言うことだろう…。

※ まず、タイム・スケジュールが示されている。大体、10年毎に「世代(G)」が進むらしいんで、「4G」が確定したすぐ後の2010年頃から、2020年に向けての「歩み」を始めたんだろう…。と言うよりも、「4G」の実証実験の中に、既に、「5G」に向けての「進歩・発展の芽」が、見い出せるものなんだろう…。技術的な「進歩・発展」とは、そう言うものなんだろう…。
上段で、実証実験の様子が紹介されている…。注目は、一番右で語られていることだ…。「高周波数帯の伝搬特性の高精度推定法の検討」と言っている…。実験装置を組んで、特性を示すデータを収集しても、どうも「高周波数帯」においては、その特性を把握することは、困難らしい…。わずかな「波の電界・磁界」の変化なんで、測定装置の精度の限界の問題もあるんだろう…(素人の推定だが…)。それで、「推定」する他無く、その推定を「高精度」なものにして行く…、と言う方向性で、取り組んだようだ…。
そういう「理論」や、それに基づく「取得データ」を示して、「標準化会議」に臨み、「要素技術の策定・確定」をリードして行く…、と言う話しのようだ…。
それで、「デファクト・スタンダード」となれれば、いいが、そうでなければ、投入したヒト・モノ・カネの資源と時間の、回収は覚束ない…、担当者の責任問題も発生する…、と言う話しだ…。大変なものだな…。
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※ 周波数つながりで、5Gの要素技術として、無線通信技術関連の要素技術について、語ることにする…。5GNR(New Radio)と言われているものだ…。

※ いきなり専門用語が出まくりで、かなり分かりにくい…。素人には、通信方式も接続方式も似たようなものに思えるが、通信方式は、受送信している電波をどう利用するのかに焦点を当てて考えていて、接続方式は、基地局と端末や、基地局間でどう信号をやり取りして、狙った電波を送信させるのかに焦点を当てて考えているもの…、程度の理解で十分だろう…。
※ 上記の分類だと、TDD方式は通信方式に、OFDM方式は接続方式に分類されているが、素人的には、代表的な「通信・接続方式」として、TDD方式とOFDM方式がある…、というような把握でいいだろう…。


※ 5Gに限らず、公衆無線通信においては、基地局と端末は、常に信号のやり取りを行い、基地局から一方的に電波が送信され、それを端末が一方的に受信する…、というようなものでは無い…。端末側も、「今の受信状態は、どうなのか」「どういう送信を行ってもらいたいのか」という情報を、基地局・中継局に対して送信しながら、適切な受信を得る…、と言うような構造になっている。
※ FDD方式は、その送受信を、異なる周波数帯の電波を使用して行う。それに対して、TDD方式は、送受信を、同一の周波数帯の電波を使用して行う…、と言うものだ。
※ デジタル信号は、自在に分割・結合が(理論上は)可能だという説明をしたが、まさにTDD方式は、1本の周波数帯の電波に、送信情報と受信情報を埋め込んで行うものだ…。それで、Time Division Duplex(時分割複信)と呼ばれている…。もちろん、技術的には、相当難易度が高い。連続した電磁波(電波)の波の山と谷を、正確に0と1に置き換えるのは、至難の業だし、当然「エラー対策」の仕組みも、用意する必要が出てくる…。しかし、技術的な進歩は、そういうことを可能にしたようだ…。



※ それで、ドコモなんかも、徐々に採用に踏み切ったりしたようだ…。前述のように、既存周波数帯がギッシリ詰まっていて、とてもまとまった空き周波数帯を取れないような日本みたいな状況では、背に腹はかえられない…、と言う事情も、あったんだろう…。

※ 「OFDM」という技術が、説明されている。『 OFDMとは、Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略で、日本語では直交周波数分割多重と訳されるデジタル信号の変調方式の一種。ADSL、無線LAN、WiMAX、LTE、デジタルテレビ放送などで幅広く採用されている。
データをサブキャリアと呼ばれる複数の搬送波に分割し、周波数方向に並列に送信するマルチキャリア変調方式の一種となるが、各サブキャリアを直交させる(波の位相を90度ずらす)ことでサブキャリア間の間隔を密に配置し、限られた周波数帯域を有効に利用したり、マルチパスや干渉波の影響を少なくすることができる。
周波数軸上にたくさんのサブキャリアが重なり合うように配置されるため、信号が互いに干渉するように見えるが、直交させることで各サブキャリアの中心周波数が他のサブキャリアの信号強度が0の部分に位置するように重なり合うため、重ね合わせた信号を後から分離して容易に取り出すことができる。
なお、OFDMのサブキャリアをそれぞれ異なるユーザーに割り当てることで同一周波数上での多元接続を実現する方式をOFDMAと呼ぶ。』これも、電波(電磁波)の山と谷を、正確に0と1に置き換え、正確に復元するための技術の一つだ…。限られた周波数の中に、できるだけ多くの山と谷を詰め込むと、間隔が密になり過ぎて、正確に0と1に置き換えるのに難儀する…。そこで、「 各サブキャリアを直交させる(波の位相を90度ずらす) 」というような仕掛けを施して、取り出し復号することを容易にしようという考えだ…。

※ 「超低遅延」実現のための技術の説明だ。前述のように、基地局と端末間では、情報のやり取りを行っているわけだが、その送受信にかかる時間を、短縮して、送信も受信もパパッと完了するようにして行こう…、というものだ。そのための方策として、・サブキャリア間隔を広くするー同じ12サブキャリア( データを複数の搬送波に分割したもの)でも、180KHzから1.44MHzに間隔を広くして、同じデータ量を短時間で送信可能としよう、というものだ。 ・単位時間長をフレキシブルに変更するーデータ量が少ない場合などに、スロット内のシンボル数を変化させて送信する…、というようなことを考えている…。
※ ここで、「フレーム」「サブフレーム」「スロット」「シンボル」というような用語が登場している…。

※ 電波(電磁波)の山と谷を、0と1に置き換えたもの(デジタル信号)なんで、コンピューターにおける「マシン語」の理解のアナロジーで、理解すればいいだろう…。そういう0と1を詰め込む(または、乗っかる)「箱」の単位の話しなんだろう。
※ 「フレーム」が一番でかい箱で、10個の「サブフレーム」が詰め込まれている。「サブフレーム」は、1「スロット」を構成し、その中には14個の「シンボル」が入っている。1「シンボル」には、先頭に「CP」と言うものがある。電波(電磁波)の山と谷を正確に1 と0に置き換えないとならないので、他の「実効データ」と判別しやすくするための「フラグ」みたいなものなんだろう…。この1「スロット」内の14個の「シンボル」が、実際の「0と1」で表現される「デジタル・データ」というわけなんだろう…。
※ 「サブキャリアの間隔を広げる」とは、波の幅を狭くして(より細かい波にして)単位時間当たりに伝送できる山と谷の数を多くする…、と言うことなんだろう…。
※ そうすると、機器(特に、電磁波の発生装置)の「発熱」は、もの凄いものとなるだろうな…。CPUにおいて、処理能力を上げようとして、「クロック周波数」を上げると言う話しと、同じだ…。

※ 基地局( or 中継局)と端末間の、情報のやり取りの方向の切り替えの話しだ…。『アップリンクとは、通信回線の上り方向のこと。端末から、基地局やサーバーに近い方向への通信経路を意味し、パソコンなどの端末からデータを送信する場合は、ほとんどがアップリンクとなる。逆方向の通信経路はダウンリンクという。 また、通信速度や使用する周波数帯域を表現する際にも使用する。携帯電話などの無線通信では、端末側と基地局側の装備の違いや常時双方向通信を可能にするなどの理由から、送信と受信で利用する周波数帯域や通信速度が異なる場合が多い。そのため、「アップリンクの帯域は○○MHz」「通信速度はアップリンク(上り)○○kbps」というように表現される。』
前述のように、公衆無線通信においては、絶えず、端末は基地局との間で、通信のやり取りを行っている…。それで、この切り替え(端末→基地局、端末←基地局)を、4Gまでは、時間単位で行っていた。「10msec(0.01秒)」経過する毎に、アップとダウンを切り替えると言う仕様になっていた…。
5Gでは、これを、もっとフレキシブルな形で行えるように、仕様を変更した…。「Semi-static TDD」では、基地局が「0.5 0.625 1 1.25 2 2.25 5 10」の8種類のパターンを選択できるようにした。
パターン「#A」の図を見ると、オレンジの「D」(ダウンリンク、基地局→端末)とブルーの「U」(アップリンク、基地局←端末)の間に、白い部分がある…。これが、「Switching period」と言うもので、物理現象(電磁波を出して、空間に作用させ、波のように伝搬させて、遠くまで到達させる)なんで、そう「瞬時に」切り替えることができるものでは無い(送信側は、高周波電流を切り替えるだけなんで、瞬時に切り替えることはできるんだろうが、端末側は、「波」の到来を待って、切り替える必要がある…)。それで、一定の間隔を空けているんだろう…。
パターン「#C」の図を見ると、最初は、「D(ダウンリンク、基地局→端末)」だったが、「切替スロット」の情報が到来している…。ここで、「D」と「U」を、切り替えるわけだ…。1スロットには、14個のシンボル(0と1の情報)を納めることができ、4個の「D」の後に、5個の白い部分(おそらく、無意味信号部分)が続いた後、4個の「U」に切り替わっている…。合計すると、1個が14個のシンボルに足りないが、1個は前述の「CP」と言うことなんだろう…。
後は、この基地局の選択した本来の「切り替え周期(0.25msec)」で、「U」と「D」を切り替えて、通信がなされて行く…、というような感じのようだな…。
「Dynamic TDD」は、もっと凄いぞ…。切り替える頻度が、もはや「スロット(14シンボル)」単位では無く、「シンボル(1スロット内に14納められている)」単位でできる仕様になっている…。
「56パターン」の切り替えが可能…、と言っているが、この「56」という数字がどこから生じたのかは、ちょっと分からないな…。
いずれにせよ、ここで紹介されている5パターンのような 「U」と「D」 の通信を、端末からの要求を受けて、自在に切り替えて通信を行っていくわけだ…。
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4(1)要素技術の策定・標準化(使用する周波数帯の決定までの動向)
※ ここまで、5Gの目標を達成するための様々な要素技術の代表を検討してきた。それで、次は、そういう要素技術の提言・策定のために、各メーカーが試行錯誤し、様々な実証実験を行って来たことを、「NTTドコモ」の事例を中心に紹介しようと、思っていた…。
※ しかし、今日また、いろいろ調べていたら、「新世代モバイル通信システム委員会 技術検討作業班における検討状況」と言う総務省作成の資料に、当たった…。( http://www.soumu.go.jp/main_content/000538001.pdf )
ここには、5Gの目標実現のために、主に「利用する周波数帯」の決定に至る過程が、記述されていて、非常に参考になる…。そもそも、5Gの目標実現のためには、「要素技術」の検討どころか、その「利用する周波数帯」をどう決定するのか、の段階で悩まないとならなかったんだ…。それで、順番は前後するが、この資料の方から紹介する…。

※ まず、タイム・スケジュールは、こんな感じだった…。ITU(国際電気通信連合)と言う国際組織や、3GPP(日米欧中韓の標準化団体)が中心となって、プロジェクトを進めて行ったようだ…。「リリース」と言うのは、ある程度固まった「仕様」から、どんどん発表して行って、各国の対応を促して行ったんだろう…。

※ わが国の「電波の使用状況」は、こんなものだった…。既に、ギッシリ使用されてしまっていて、新たに利用できる周波数帯は、見当たらないような状況にも見える…。近年は、「自動運転」とか、「安全運転支援」とかで、自動車ですらミリ波のレーダーを使ったりしているからな…。

※ ピンクの破線と薄いピンクの部分が、「利用できる可能性があるのでは…。」とされた帯域のようだ…。

※ 3.7GHz帯と、4.5GHz帯において、共用ができないか、検討したようだ…。ここでは、「電気通信業務(固定衛星から地球に、電波を送信して利用している)」や、隣接帯域では、「航空機電波高度計」や「5GHz無線アクセスシステム」( 『この5GHz帯無線アクセスシステムは、都市部に加えてルーラル地域におけるインターネットサービスのインフラとして、特に離島や山間部など有線方式が困難であった地域において、本システムを利活用することにより、光ファイバー等の敷設費用に比べ、ユーザーあたりのコストを抑えたインターネットアクセスが可能となることから、電気通信事業者の使用に限らず、地方公共団体等による地域ごとに特色のあるサービスへの利活用が期待されています。』と言うことらしい…)がある…。近接周波数帯域では、どうしても、電波の「干渉」が生じてしまう…。「航空機電波高度計」に干渉が生じては、マズいだろう…。

※ 「Cバンド固定衛星業務」って、スカパーとかの「通信衛星」を利用したサービスなんかのことかな? 別に、コンテンツ配信に限らず、国際中継画像の送信なんかにも、利用されているものだな…。「国内免許の地球局は56局」もあるのか…。
どうも違うようだ…。大体、オレの認識ではWOWOWは衛星放送、スカパーは通信衛星放送、スターチャンネルも通信衛星放送…、というものだったんだが、いつの間にか、全部「衛星放送」になっていたようだ…( スター・チャンネル https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB#BS/%E6%9D%B1%E7%B5%8C110%E5%BA%A6CS%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E6%94%BE%E9%80%81%E3%81%AE%E7%B5%8C%E7%B7%AF )。
そうすると、「 Cバンド固定衛星業務 」ってなんだろう…。「ケーブルテレビ」の通信衛星版みたいなことをやっている業者なのか…。

※ 国内免許の電波高度計は1,100局もあり、5GHz帯無線アクセス登録局に至っては、12,017局もあるんだな…。

※ 固定無線アクセスシステムとは、『固定無線アクセスシステム(FWA:Fixed Wireless Access)は、オフィスや一般世帯と電気通信事業者の交換局や中継系回線との間を直接接続して利用する無線システムです。地域通信市場の競争促進、インターネットの利用拡大等大容量通信ニーズへの対応という点で展開が期待されています。電気通信事業者側の基地局と複数の利用者側の加入者局とを結ぶ1対多方向型(P-MP;Point to Multipoint)と、電気通信事業者側と利用者側とを1対1で結ぶ対向型(P-P;Point to point)があります。』と言うようなものらしい…。


※ こっちも、国内免許局は、6,150局もある…。

※ 筑波に、衛星間通信に関して、「筑波衛星間通信校正局」なるものがあることは、知らんかった…。正しいデータがやり取りされているのか、「チェック」でもするんだろうな…。

※ 前述のように、5Gの「多元接続」実現のためには、「ビームフォーミング技術」が必須となるが、これを実行すると、隣接の他システムに「干渉電力」が生じる…。しかも、ビームフォーミング技術においては、その電波の指向性が「動的に」変動するために、対処が難しい…、と言う話しになる…。そこで、5G基地局から発信・送信される電波を、統計的にモデル化して、「最大パターン」「平均パターン」「瞬時のパターン」などとデータ化し、それを提供することで、極力干渉を抑制してもらおう…、と言うような提言のようだ…。

※ これも、上記と似たような提言だ…。5Gの利用形態として、コンサートやスポーツ観戦において、多くの人が集まるようなところで、「多元接続」を実現することが、想定されている…。その時、例えば地方のコンサート会場やスタジアムなんかでは、恒久的な基地局ではなく、一時的な「移動基地局」を設置することなんかが、考えられている…。その時に、近隣の無線局にデータを提供して、極力電波干渉なんかの影響を、抑制してもらおうと言う話しだろう…。もう、そういう5G対応の移動基地局のようなものは、開発されている…。

ちょっと、頼りない感じだが、支柱を傾けて、台車を転がして、数人がかりで移動させるんだろう…。あるいは、移動の時はパーツを取り外しておいて、大体位置が決まったら、各パーツを組み付けるのか…(「ドコモが5G移動基地局、すぐに使いたい人へ」(2019年04月26日) https://newswitch.jp/p/17416 )。
こういう風に、共用のための技術や方策の策定の他方で、既存の無線局の人々に協力をお願いして、周波数帯の移動が実現できるものは、移動してもらう…、と言う話しになったようだ…。

※ 28GHz帯なんて、このくらいのボリュームだ…。「プラチナ・バンド」と言われているわけが分かるな…。

結局のところ、まとまって取れる空き周波数帯なんてものは無く、なんとか「共用技術」により、干渉を極力抑制しつつ、既存周波数帯との共用で行く…、と言う話しになったようだな…。(「5G実現に向けた進捗状況について(※ 平成30年総務省作成の資料)」 ( http://www.soumu.go.jp/main_content/000587659.pdf )
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4(4)要素技術その4(ビームフォーミングの話し)
※ ビームフォーミング技術について、語る…。この技術が、5G三大目標の一つ、「多元接続」のポイントとなる技術だからだ…。

※ 電波の「発生原理」が、上記のようなものだから、電波は電流が流れる導体を中心として、「同心円状」に伝わるのが原則のはずだ…。

こんな感じとか…

こんな感じとかのはずだ…。
※ しかし、こういうものだとすると、5Gの「多元接続」においては、少し具合が悪い…。この状態では、この同心円内にある端末は、全て同じ種類の電波を受け取る…、という話しになるからだ…。
※ 5Gの目標とする「多元接続」では、端末毎に違ったことをやれないと困る…。あるユーザーは、高速で大容量の「データ」をダウンロードしたいし、あるユーザーは、スポーツ観戦における360°映像を、リアルタイムで視たいし、あるユーザーは、双方向でRPGがやりたい…。そういう多種多様な、接続形態を実現して行こうとするのが、5Gにおける「多元接続」だ…。




※ こういう図を見ると、素人は、「送信する際に、何らかの仕掛けを施して、電波の送信の方向を曲げたり、何層もの電波を発信したりするんだろうな…。」と思ってしまうが、どうもそうでは無いようだ…。

上記は、5G実現のためにドコモが行った実証実験について、ドコモが外部に発表した資料だ…(後で、また、まとめて取り上げる)。上段右を見てほしい…。4Gのパケットを、組み立て直して変更しているだろう。前に語ったが、デジタル方式においては、デジタルデータの切り出し・結合は、自由にできるんだ…。だから、空間中に存在する電波のデジタル信号から、何を取り出して、どういう風に結合するのかは、その端末の自由…、と言うことになる…。
「図4送信ストリームとビームフォーミング効果」の図では、セル(基地局)からの距離の遠近により、4層のビームの内のどれかを選択しているイラストになっている…。しかし、別に送信側で「層状」になるように電波を発信しているわけでも無く、その電波が届く範囲内の「端末」が、自分で「デジタル信号」を「切り出し」、自分が必要とするものを選択・決定し「結合」して、利用している…、と言う話しだ…。
そういうことを、実現する基盤となっているのが、「MIMO」と言うことになる…。
「MIMO」とは、定義的には、
MIMO
※ 『MIMO (multiple-input and multiple-output、マイモ)とは、無線通信において、送信機と受信機の双方で複数のアンテナを使い、通信品質を向上させることをいう。スマートアンテナ技術の一つ。なお、”input” および “output” との言い方はアンテナを装備した機器を基準とするのではなく、信号を伝送する無線伝送路を基準としている(伝送路から見て入力となる送信側が “input”、伝送路から見て出力となる受信側が “output” となる)。
帯域幅や送信出力を強化しなくともデータのスループットやリンクできる距離を劇的に改善するということで、無線通信業界で注目されているテクノロジーである。周波数帯域の利用効率が高く(帯域幅1ヘルツ当たりのビットレートが高くなる)、リンクの信頼性または多様性を高めている(フェージングを低減)。以上からMIMOは、IEEE 802.11n (Wifi)、4G、3GPP Long Term Evolution、WiMAX、HSPA+といった最近の無線通信規格の重要な一部となっている。』と言うようなものだ…。
https://ja.wikipedia.org/wiki/MIMO
要するに、送信側・受信側ともに、複数のアンテナを使用し、複数の電波の中から必要なものを、切り出したり、結合したりして、結果として、「複数の層状の電波」や「複数のビーム状」の電波を受信したと同じような状況を作り出す技術 (その意味では、「電波の仮想化」の一つ)…、と言うことのようだ…。
なにしろ、送信側のアンテナは、パネルになっており、1024個もの送信端子を備えている…。原理的には、1024もの「電波」を発信できる…、という話しになるはずだ…。もちろん、現実には「干渉」や、「遮蔽」と言った問題があるし(天候にも左右されるという話しだ…。雨だと、あまり遠くまでは、飛ばないらしい…)、地形やビルの配置なんかによっても、影響されて来る話しだろう…。
しかし、空間中に複数個存在する電波から、必要なものを選択して、自分が必要とするものを「切り出し」自在に「結合して」利用すればいい…、と言う話しになる…。
そうやって、「多元接続」を実現して行こう…、という話しだ…。
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※ これまでは、いろいろネットで収集した資料を元に、構成して来た…。自分なりに順番を考えたりして、紙に構成を書き出したりして、それに基づいて説明してきた…。しかし、今日、調べたいことを検索してたら、「2018年版 総務省作成の資料」に当たった…。これがよくまとまっている感じで、5Gの全体像を把握するには、こっちの方が手っ取り早い感じだ…。
※ ここら辺が、「デジタル資料」のいいところだ…。編集、章立て、説明の順番の差し替えなんかが、自由自在だ…。
※ さらには、オレ自身の5Gへの理解も、少しは深まったんだろう…。こういう投稿を作成する一番の効用は、そういう作成者自身の理解が深まって行くことだ…。
※ そういうことで、重複もあるが、ちょっと当初の予定の順番を崩して、紹介する…。
2020年の5G実現に向けた取組(2018 年 1 2 月 1 8 日 総務省)( http://www.soumu.go.jp/main_content/000593247.pdf )

※ 5Gで達成しようとしている目標だ…。

※ 同じく達成しようとしている目標だ…。「2時間の映画を、3秒でダウンロード」「ロボット等の精緻な操作をリアルタイム通信で実現」「自宅部屋内の約100個の端末・センサーがネットに接続」とか、言っているな…。

※ 5Gの基本コンセプトの説明だ。「スマートホーム・ビルディング」「スマートシティ」とか、社会インフラ的なもの、「AR(拡張現実)」「インダストリアル・オートメーション」とか、「ミッション・クリティカル・アプリケーション」とか、「自動運転車」とか、社会的なインパクトの大きいものを取り上げている点が、特徴だ…。

※ さらには、「ビジネスモデル」にも言及している。「B2B2X」モデルだ…。5Gは、通信ネットワークで、本来は通信事業者が国の後押しを受けて推進して行ってもおかしくは無いようなものだ…。しかし、「どういう形態が、最も適切なのか」「どういう形態のサービスが、成り立ち得るのか」先行きの予測は、誰にもつかない…。そこで、「X」(最終ユーザー)の動勢に委せ、そのニーズをくみ取り、そのニーズの動勢によって、成り立ちうる「ビジネス」を探って行こう…、というわけだ…。こうしておけば、「X」と「B」を仲介するような新規の「起業者」も現れ得るし、経済活性化にも寄与し、「行政」は責任を取らなくて済む…、という話しでもある…。

※ 2016年版と一番大きく違うのは、この「IoT(インターネット・オブ・シングス、ありとあらゆるもの(デバイス、端末)がインターネットに接続するようになるという概念)」の基盤を支えるものとして5Gを捉えていることだ…。そうなると、社会インフラだけでなく、「産業構造」にすらインパクトを与えるものとなる…。当然、その流れに「ついて行ける企業」と「ついて行けない企業」が生じ、企業の選別・合従連衡も生じ得ることとなる…。「日経コミュニケーション 2015年4月号」には、既に掲載されていた話しのようなんで、2年間で総務省(その官僚達)の理解も進んだということなんだろう…。

※ 要素技術の解説だ…。「5Gのネットワーク構成」という観点から説明している…。
「サブキャリア」という用語が出てきているが、『OFDMの概要
読み: おーえふでぃーえむ 英語名: Orthogonal Frequency Division Multiplexing
OFDMとは、Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略で、日本語では直交周波数分割多重と訳されるデジタル信号の変調方式の一種。ADSL、無線LAN、WiMAX、LTE、デジタルテレビ放送などで幅広く採用されている。
データをサブキャリアと呼ばれる複数の搬送波に分割し、周波数方向に並列に送信するマルチキャリア変調方式の一種となるが、各サブキャリアを直交させる(波の位相を90度ずらす)ことでサブキャリア間の間隔を密に配置し、限られた周波数帯域を有効に利用したり、マルチパスや干渉波の影響を少なくすることができる。
周波数軸上にたくさんのサブキャリアが重なり合うように配置されるため、信号が互いに干渉するように見えるが、直交させることで各サブキャリアの中心周波数が他のサブキャリアの信号強度が0の部分に位置するように重なり合うため、重ね合わせた信号を後から分離して容易に取り出すことができる。
なお、OFDMのサブキャリアをそれぞれ異なるユーザーに割り当てることで同一周波数上での多元接続を実現する方式をOFDMAと呼ぶ。』と言うようなものらしい…( https://www.kddi.com/yogo/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/OFDM.html )。
※ 要素技術の解説2だ…。ここでは、「拡大LTE」では無く、「高度化LTE」と言っているな…。C/U分離も、出てきている…。

※ 要素技術の解説3だ…。ここで説明されていることは、「無線技術」ではなく、むしろ、「基地局」同士をつなぐ光ファイバー・ケーブルのネットワーク技術に関するものだ…。後で、もう少し語るつもりだ…。

※ 既存の4Gの設備を活かしながら、いかに5Gに対応させて行くのかの説明だ…。ここでは、エリア単位では無く、既存の「マクロセル(比較的大きい基地局)」はそのままにしておいて、新しい「スモールセル(ユーザの端末と電波をやり取りする設備)」を、どんどん増設して行く…、という構想が説明されている…。そして、ある程度普及して来たら(5G端末の契約ユーザーが増えて来たら)、「マクロセル(比較的大きい基地局)」の設備を更新して行く…、と言うやり方が説明されている…。そこでも、全く設備を入れ替えるのでは無く、「新設備」を付加していくようなイメージで、説明されている…。
※ なお、「5Gで達成が期待されていること」「5Gで達成される明るい将来」の夢のような話しの「イラスト」は、2016年版と全く同じものが、使われている…。よほど、お気に入りか、思い入れがあるか、あるいは、別のイラストレーターさんにあらためて依頼するのが、面倒くさかったんだろうな…。だから、スーパーでお買いものする子連れのお母さん、競技場で観戦するカップルさん、救急搬送を待つ倒れているおじさん、無人EVで病院に行くばあちゃん、スマート農業に従事するおじさん、 子供を抱っこしながら 無人建機をあやつる女の人…、なんかは、同じ絵柄だ…。
































