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カテゴリー: IT関連
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https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00657/?P=1









『「GAFAの中でもアマゾン・ドット・コムの強さは突出している」
こう話すのは、米ハーバード経営大学院でテック大手の経営戦略を教えるスニル・グプタ教授だ。名門大学院の教授をもうならせるアマゾンの強さとは、その類いまれな成長率にある。
同社の2019年の売上高は2805億ドル(約29兆円)。通常、企業規模が大きくなると成長率は鈍化するが、アマゾンは売り上げが30兆円に迫る今もなお、年率20%を超えるスピードで成長している。
グプタ教授は「アマゾンは、私が大学院で教えてきた『ビジネス成功の方程式』をことごとく覆してきた」と語る。規模が大きくなってからも成長を続ける点が一つ。もう一つが、テック大手の多くが単一の事業を手掛けるのに対し、アマゾンは多様な収入源を持っている点だ。
レジなしコンビニ「アマゾン・ゴー」はコロナで脚光
いわゆる多角経営は、1つの業界に収入を頼らずに済むためリスクヘッジにはなるが、経営資源も分散するため競争力が弱まるというデメリットがある。ところがアマゾンは、それぞれの事業領域で既存の競合をも圧倒する勢いで成長を遂げている。教科書の逆を行く経営で勝ち続けているのだ。
スマートスピーカー「エコー」に話しかけて発注も
しかもその矛先は、グーグルやフェイスブックなど、アマゾンと同じ時代に急成長を遂げてきたテック大手にも向く。「近い将来、アマゾンがグーグルやフェイスブックの事業領域を奪うことも十分に考えられる」と、グプタ教授は予想する。
PART1で見てきたように、GAFAの強さは、消費者が気付かぬうちに大量のデータを自動的に収集し、それを活用することで収益を上げる点にある。
荷物を早く届けるためのジェット機も運用
消費者はGAFAが提供するサービスの使い勝手が良いため、何の疑いもなく利用する。サービスが使われれば使われるほどGAFAの蓄積データ量は増え、利用者の嗜好をより精度高く予測できるようになる。すると、利用者がまさに欲しい商品の広告がタイミング良くコンピューター画面に表示されるようになり、利用者も広告主も喜ぶ「ウィンウィン」の構図が生まれる。
財布のひもを握る強さ
アマゾンの強さの秘密もまさにこの点にある。ただ1点だけ異なるのは、グーグルやフェイスブックと違って、アマゾンが利用者の購買にまつわるすべての情報を保有していることだ。クレジットカード番号や発送先の住所はもちろん、何をいつ購入してどんな理由で返品したかまで把握する。この違いが、グーグルとフェイスブックの業績を支えるデジタル広告の分野で効果を発揮し、両社を脅かし始めている。仮に、今週末にハイキングの予定があるAさんがブーツを探していたとする。グーグルで検索したところ、アマゾンのサイトがヒットした。Aさんはそこで好みの物を見つけ、購入した。
グーグル検索ではその後もしばらくブーツの広告が表示されたが、アマゾンからは今度は「ハイキング用衣類はいかがですか?」と広告メールが届いた。グーグルもアルゴリズムを駆使してクリック率を高めるが、購買情報を持つアマゾンはリアルタイムで利用者の状況を把握できる点で分がある。
アマゾンのデジタル広告事業はここ数年で急拡大している。数年前はほぼなかった同事業の売り上げが、20年は200億ドルに達しそうな勢いだ。大半をデジタル広告が占める「その他事業」の売上高は20年7~9月期、前年同期比51%増の53億9800万ドルだった。
無論、グーグルの同期のデジタル広告事業の売り上げは370億ドル、フェイスブックは212億ドルとアマゾンをしのぐ。だが、売上高全体に占める同事業の割合がグーグルは83.4%、フェイスブックは98.8%であることを踏まえると、アマゾンの破竹の追い上げは両社にとって不気味なはずだ。
だが、アマゾンの本当の怖さはもっと別のところにある。
会社全体でコストを共有
創業当時、創業者のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)がサイト名の候補として「Relentless(情け容赦ない)」を考えていたことは広く知られている。目的達成のためなら情け容赦なく突き進み、描いた世界を必ず実現する。そこまでして達成したい目的が「顧客満足」であることも有名だ。
利用者の利便性追求を軸にした多角化で増殖を続ける
●アマゾンのビジネスモデル[画像のクリックで拡大表示]
上の図は、同社が多角展開する事業領域の関係を大まかに示したものだ。20年7~9月期の売上高構成を見ると、ネット通販が50%、サイトの出店者向けサービスが21%、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」のクラウド事業が12%、有料会員「プライム」向けのサブスクリプション(継続課金)が7%、食料品店「ホールフーズ」などの実店舗が4%、その他事業としてデジタル広告が6%だ。
それぞれは全くの異業種だが、共通項がある。主力のネット販売の利用者の満足度向上を目的としている点だ。
例えば、AWSはクラウドサービスを企業や政府機関に提供して急成長を遂げており、今ではアマゾンの利益率を支える事業の柱に育った。AWSの利益はアマゾン全体の約半分を占める。ベースは、ネット通販の利用者がいかにスムーズに商品を検索・比較できるかを突き詰める中で開発した技術だ。通販サイトのコストでしかなかった技術を「再利用」しているから利益率が高い。
一見、関係ないようで、実はオンライン通販の利用者拡大に貢献する事業を見極めて参入し、相乗効果を出しながら全体としてコストを下げる。これがアマゾンの「勝利の方程式」だ。
コロナ禍で特に注目されているのが、有料会員サービス「プライム」向けに06年に事業化したビデオ配信サービスだ。娯楽を自宅で楽しもうとする消費者が増え、業界トップの米ネットフリックスとのシェア争いが激化している。
通販サイトが映画やドラマを製作しても既存の強豪に勝てそうもないと考えるのが普通だ。ところがアマゾンは、ここでも強豪を追い上げている。
英調査会社カンターの調べによると、ビデオ配信サービスの新規契約者のシェアは20年4~6月期、アマゾンが23.2%でネットフリックスの15.1%を大きく上回った。アマゾンが20年1~3月期の14.1%から飛躍したのに対し、ネットフリックスは15.6%から横ばいを続けている。追い上げの結果、20年4~6月期時点のアマゾンのビデオ配信サービスの会員は1億5000万人とみられ、ネットフリックスの1億9000万人に迫ろうとしている。
やはりここでもアマゾンは、単一事業ではなく会社全体を見ている。16年にロサンゼルスで開催された技術コンファレンスで創業者のジェフ・ベゾス氏は、こんな話を披露している。
「(プライム向けに製作したドラマが)ゴールデングローブ賞を受賞すれば、アマゾンのサイトで靴が売れる」
米国のドラマシリーズは数年間にわたって話が進行するため、ビデオを鑑賞する会員は他の会員に比べて契約期間を延長する確率が高いという。
つまりベゾス氏はビデオ配信を、より多くの消費者に「アマゾン経済圏」に長く滞在してもらうためのコストと捉えているのだ。だから利益度外視で強豪を攻め立てられる。
情け容赦がないベゾス氏の経済、「ベゾコノミー」の真骨頂だ。新型コロナを追い風に、どこまでアマゾンがネットフリックスを追い上げられるかはこれからが見ものだ。
もはや政府も敵ではない
アマゾンは共和党にも献金
●IT大手の連邦議会議員向け献金の政党別比率
出所:米調査サイト「OpenSecrets」
[画像のクリックで拡大表示]ここで1つの疑問が湧く。多角化を図りながらコストを共有し、会社全体として経済圏を広げるのがアマゾンの勝利の方程式なら、政府が進める「分割論」が実現したときに強みが消えてしまうのではないかという点だ。
アマゾンのネット通販とその他の事業を分割すべきだと唱えるのは、左派のバーニー・サンダース上院議員やエリザベス・ウォーレン上院議員などだ。10月中旬にも、アマゾンが従業員の行動を不当に監視しているとしてベゾス氏に手紙を送り、圧力を強めている。
だが、実際に米政府や米議会議員がアマゾンを徹底的に弱体化させる手段に出るとは考えづらい。そうすることが、今や米国全体の弱体化につながりかねないからだ。
アマゾン自身も米政府が自社の強みを奪いかねないことは理解している。同社が連邦議会議員に投じた政治献金の額は、ここ数年で急増している。4年前は民主党に57万ドル、共和党に34万ドルだった献金額は、20年、民主党270万ドル、共和党75万ドルに跳ね上がっている。
また両党への割り振りを見ても、アマゾンのしたたかな戦略が見えてくる。上の円グラフは、GAFAの政治献金先を政党別に示したものだ。アマゾンだけが、共和党にも相当額の献金をしていることが分かる。企業分割の必要性を議論するのは米議会だ。上院と下院で多数派の政党が分かれるため、両方の政党に一定の発言権を持っておいたほうがいい。「個人の信条よりビジネスの損得」がアマゾンの方針なのだ。
アマゾンは米国の雇用を支える
●アマゾンが生んだ雇用数[画像のクリックで拡大表示]
配達件数の増加に伴い、配送センターでの雇用は増えている
新型コロナで浮かび上がったのは、「米国の雇用がアマゾンで支えられている」という事実だ。米国で雇用する従業員は20年7~9月期時点で80万人、さらに物流など派生ビジネスで78万人、同社サイトの出店者が生み出す雇用は110万人にも上る。国内のほとんどの企業が新型コロナで人員削減に踏み切る中、アマゾンだけが毎月のように新拠点の設置と新規雇用を発表している。今年に入ってその数は北米24カ所、雇用総数は発表しているだけで2万2000人以上になる。もはや米国とアマゾンは運命共同体とも言えるのだ。
猛スピードで肥大化するアマゾンにブレーキをかけられる人はいないかというと、そうではない。社内の事情をよく知る同社の幹部や従業員だ。
ところが「アマゾンは従業員の声に耳を傾けるどころか口を塞いでいる」と、5月に同社に抗議してAWSを退社した元バイスプレジデントのティム・ブレイ氏は話す。解雇された従業員によると、アマゾンは会社に背く行動を取る従業員は容赦なく切るという。
前出のサンダース議員らが問題視する「不当な監視」も、労働組合を立ち上げる動きを技術を駆使して事前に察知し、食い止めるためだと見られている。従業員にも疎まれる状況で、果たしてアマゾンの快進撃は続くのだろうか。』
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65523280X21C20A0X11000/





『人工知能(AI)が産業や生活を変え始めている。難解な計算モデルを作り上げ、データ解析をしてくれるAIは専門のエンジニアが欠かせなかったが、昨今は事情が違うらしい。素人でもクリック操作だけで作れるサービスが広がっているという。にわかに信じがたいが、AI担当記者として確かめずにはいられない。文系出身の私でもできるのか、トライしてみた。
「誰でもすぐにAIを作れますよ」。aiforce solutions(エーアイフォースソリューションズ、東京・千代田)の西川智章代表の一言に当初、記者は半信半疑だった。
ビッグデータから最適解を導くための複雑な数理モデルを考え、プログラミングしないといけないAI。技術は難解極まりなく、自分で計算式を書くなどもってのほかだが、触ってみないことには始まらない。同社を訪れた。
■予測の誤差は0・5%
今回、同社のサービス「AMATERAS RAY(アマテラス・レイ)」を使って作るのは、翌日の日経平均株価を予測するAIだ。株価の過去データと影響を与えそうなデータを集めて入力。すると、データの相関関係やデータの変動傾向から自動で株価を予測するモデルを構築してくれるという。プログラミングが一切要らない「ノーコード」サービスだ。
まずはデータの準備から。過去の日経平均の値に加え、米ダウ工業株30種平均やドル円の為替相場、トランプ大統領に関するグーグルの検索データなど、公開されている約35のデータを集めた。
データはエクセルのような表計算シートにアップロードする。次に操作画面から予測する対象に日経平均株価、データを整理するインデックスに日付の列を選ぶ。為替など他の列のデータは株価との関係性を分析、予測に役立てる。
次のステップはデータの計算手法である「アルゴリズム」の選択だ。アルゴリズムをもとに、株価を予測するモデルを構築するとあって重要な作業。といってもここでも操作はクリックだけだ。
アマテラスは14種類のアルゴリズムを用意している。画面上ではそれぞれの特徴について解説している。計算手法の細かな解説がないのがかえって入りやすい。すべてのアルゴリズムを使って計算し、その結果から一番優れたものを選ぶこともできるが、今回はよく利用される代表的な2種類をクリックして選んだ。
待つこと数分。2種類のAIモデルができあがった。実際に予測に使うアルゴリズムは、2つから優れた方をアマテラスが選んでくれる。今回は、過去の日経平均株価の値とモデルが導き出した数値の差がより少なかった「Light GBM」というモデルが最適との結論を出した。
素人の私だとアルゴリズムを勉強するのに数カ月はかかるはず。なのに、自動推奨までしてくれてこんな楽ちんでいいのかと思ってしまう。
最後の工程は選んだモデルの動作確認だ。モデル構築に使った時と同じ種類のデータをアップロードして計算、狙い通り株価予測ができるか検証した。作ったモデルは問題なく動いた。
予測結果はどうか。何と、実際の株価との誤差は0.5%の118円。気分はもうマーケットアナリストだ。
同社のエンジニアに教えてもらいながら操作しても、かかった時間は15分ほど。一度覚えればもっと短縮できそうだ。触れ込み通り、操作は本当にクリックのみだった。アルゴリズム名など見聞きしない専門用語はちらつくが、すべて分からなくても使いこなせた。
どうして分からなくても使えるのか。西川代表は「AIが次々と実用化されていくなか、研究開発が進み、分野によっては計算手法が確立されてきたため」と話す。
アマテラスのアルゴリズムには、これまでAI業界が積み重ねてきた知見が詰め込まれている。作ったモデルは、多くのエンジニアが参加してAIの性能を競うコンテストで上位数%に入ることも。必ずしもエンジニアが一から計算式を組み立てる必要はなくなりつつあるという。
エーアイフォースソリューションズの西川代表
■AI開発費用を大幅に減らす
「アマチュアAI」のインパクトは大きい。エンジニアに委託する場合、1回あたり数カ月の時間と数百万円から、ときには数千万円の費用がかかる。アマテラスは年間数百万円で使える。適切なデータの選び方などエンジニアにサポートしてもらった後は、データさえあれば誰でも30分ほどで制作できるという。
アイスクリーム店を運営するB-Rサーティワン アイスクリーム(東京・品川)。店の実務担当者はアマテラスを使って自らAIを作り、売れ行きを予測しながら生産や在庫管理を効率化している。従来は3カ月に1回、AIを活用した社外のデータ分析サービスを使い、過去の出荷実績などのデータからシーズンごとに変わる商品の出荷量を予測していた。
だが、エンジニアはAIには詳しくても31種類ものアイスクリームには門外漢。消費トレンドなど予測のためにどんなデータが必要なのか、どんなデータをひも付ければよいのかなどの検討に時間がかかり、費用が膨らむことも課題だった。
そこで店舗のパソコンから使えるアマテラスを導入。現場担当者が必要だと判断した時に”専門家”となって予測できるようにした。かかる費用は月数十万円と大幅に削減できたという。
定型化したアルゴリズムを組み込んだソフトを使うことで、素人でもAIを作れるシステムは他にも。19年にニコンから独立したエンジニアが設立したMENOU(東京・中央)は、製造業の検品に使える画像解析AI作成ソフトを開発する。「技術はすでに実用レベルを上回っている。これからは使い勝手の改善に注力したい」(西本励照代表)という。9月にグーグルが発表したプログラミングなしでアプリを作れる新サービスでも、AIが作れる機能が実装される見通しだ。
もちろん簡易AIは万能ではない。AIには画像処理や言語処理用などデータのタイプによって様々な種類がある。簡易AIが扱えるのは数値データと一部の画像データに限られており、その分野以外のアルゴリズムは十分確立されていない。
また、どういうデータを読み込ませるかによってAIが導き出す結果は違ってくる。高精度にはじき出そうと思えば、計算技術にたけたエンジニアの力がものをいう。専門家はこれからも欠かせない存在といえる。
作り終えての感想は「AIの民主化」に向けた扉がいよいよ開かれたということだ。AIが専門領域ではなく、データさえあれば誰でも”開発”できる時代は意外に早く訪れるかもしれない。動作の仕組みは分からずとも誰もが使いこなしているスマートフォンのように。
(企業報道部 山田彩未)』
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秋は軽くて高速、Windows 10 October 2020 Updateの更新の仕組み
増田 裕正 富士ソフト
2020.10.23
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01440/101600003/※ 『「有効化パッケージ(Enablement Package)」という形式で更新プログラムが配布されている』という話しは、知らんかった…。
※ 参考になったわ…。








『2020年10月、Windows 10の大型アップデート「Windows 10 October 2020 Update」の配信が始まった。本特集では主要な機能強化や新機能を解説していく。
注:本記事はプレビュー版であるWindows 10 Build 19042.572を基に執筆しており、通常のWindows Updateでリリースされる版とは異なる可能性がある。
Windows 10 October 2020 Update(以下、October 2020 Update)はパフォーマンスと品質の向上を重視した位置づけとなっており、配布方法にも工夫が施してある。一部のエディションにおいては、春と秋の大型アップデートでサポート期間も異なる。秋はパフォーマンスと品質の向上を重視
Windows 10の更新プログラムは2種類ある。1つは最新機能を追加する「機能更新(Feature Update)」で年2回配布される。もう1つは脆弱性やバグ、信頼性に関する修正が中心の「品質更新(Quality Update)」で月1回の提供となっている。
前者の機能更新は大型アップデートとも呼ばれ、春と秋に多くの新機能が提供されてきた。だが2019年秋の「November 2019 Update」から、この状況が変わった。
November 2019 Updateの新機能は、それまでに比べて明らかに少なく限定的だった。パフォーマンスと品質の向上を主目的として、追加する新機能の数を絞ることで安定性を重視した。特に企業ユーザーに対し、業務アプリケーションの互換性の検証作業を少なくして移行コストを最小限に抑えることに配慮した更新であったと考えられる。
その後の2020年春の「May 2020 Update」では従来通り多くの新機能が提供された。そして今回のOctober 2020 Updateは、May 2020 Updateと比べて新機能の数が明らかに少なく、November 2019 Updateと同様、パフォーマンスと品質の向上を重視した位置づけとなっている。
Windows 10の各機能更新と配布形式
2019年以降、秋のリリースに関しては連続して同様の位置づけでの機能更新が続いている。米Microsoft(マイクロソフト)は公式にアナウンスしていないが、今後もこの傾向が続く可能性がある。有効化パッケージで軽量・高速インストール
今回の更新プログラムの配布形式がNovember 2019 Updateと同様である点にも注目すべきだろう。October 2020 Updateは、November 2019 Updateと同様の「有効化パッケージ(Enablement Package)」という形式で更新プログラムが配布されている。実は、October 2020 Updateの新機能はMay 2020 Update以降の品質更新に含まれており、機能が無効化された状態で配信されてきた。これらの無効化された機能を有効化し、新機能を開放する仕組みが有効化パッケージだ。このため、非常に軽量で機能更新に要する時間も少なくて済む。
ただしOctober 2020 UpdateはMay 2020 Updateをベースとしているため、May 2020 UpdateからOctober 2020 Updateへ機能更新する場合のみ、この恩恵を受けられる。November 2019 Update以前からOctober 2020 Updateへの機能更新に関しては、OSのシステムファイルを置き換える通常の更新プロセスとなる。
品質更新の一部として無効化された状態で配布されてきた機能が、有効化パッケージ(Enablement Package)によって有効化される
[画像のクリックで拡大表示]有効化パッケージ(Enablement Package)は、無効化した状態で提供されてきた機能を有効化する。画面はNovember 2019 UpdateからWindows 10 Insider Preview Build 19042.546(20H2)へ更新した後の状態。2020 October Update(KB4562830)のモジュール名に「Enablement Package」の表記がある
[画像のクリックで拡大表示]筆者は先日、有効化パッケージの動作を検証したのでここで紹介したい。検証には、Surface Pro 4(メモリーは4ギガバイト、ストレージは128ギガバイトのSSD)と自宅の固定インターネット回線を利用した。
まずMay 2020 Updateが動作するPCへ、2020年10日1日に提供されたオプションの更新プログラム(品質更新)を適用。Microsoft Edgeレガシー版を搭載した状態でWindows Updateを使い、October 2020 Updateのプレビュー版(Build 19042.546)に更新した。その結果、機能更新プログラムのダウンロードは1分ほどで、更新は2分ほどで完了した。
一方、その時点における最新の品質更新プログラム(オプションの品質更新プログラムを含む)を適用していないと、品質更新プログラムも同時にインストールされることを確認した。この場合、インストールされる品質更新プログラムの分、ダウンロード時間と更新時間が長くなる。
さらに、October 2020 Updateプレビュー版(Build 19042.546)を適用する前のMay 2020 Updateの環境に、Chromiumベースの新しいMicrosoft Edgeがインストールされている場合には、ダウンロード時間と更新時間がさらに短くなることも確認できた。
今後、秋の機能更新は、パフォーマンスと品質を重視した有効化パッケージによるリリースとなることが予想される。新機能の追加は限定的となり、ダウンロードと機能更新プロセスが高速に完了するものとなるだろう。これは企業における機能更新の負担を軽減する方針によるものと考えられる。
大規模組織・教育向けエディションのサポートは30カ月
Microsoftは2018年9月にWindows 10の製品ライフサイクルを変更した。Windows 10のEnterpriseとEducationエディションについては、秋の機能更新のみを対象として、リリース日から30カ月間までをサポート期間とした。この発表以前は、すべてのエディションが18カ月間までをサポート期間としていた。つまり、EnterpriseとEducationエディションは、秋の機能更新のサポート期間が春の機能更新より約1年長い。秋の機能更新に該当するOctober 2020 UpdateにアップデートしたEnterpriseとEducationエディションにおいても、October 2020 Updateのリリース日より30カ月間がサポート期間となることが発表されている。
Updateについては、新型コロナウイルスの影響への考慮により、一部サポート終了日が延期された
各バージョン、各エディションのライフサイクルに関する詳細は、MicrosoftのWebサイトで確認したい。Windows 10 リリース情報
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/ライフサイクルに関する FAQ – Windows
https://docs.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/faq/windows
Windows 10
EnterpriseとEducationエディションは大量の端末を抱える企業や教育機関で利用されていることが多い。これらのユーザーはアプリケーションやドライバーの互換性検証、新バージョンへの移行計画などに多くの時間を費やしており、移行の周期をなるべく長くしたいと考えている。年1回、機能更新ごとに移行するケースを見てみよう。移行先の機能更新がリリースされてから、移行先環境の検証や移行の準備が完了するまで6カ月かかるとする。
春の機能更新でバージョンを上げる場合、準備完了後に移行を開始すると、サポート期間は残り1年(12カ月)となる。そして移行開始後6カ月で次の春の機能更新が出て、その移行準備が始まる。その準備が終わると同時に、運用中だったバージョンはサポート終了を迎える。つまり、移行準備終了後に予期せぬ障害が発生すると、回復に要する移行猶予の期間がない。これはすべてのエディションにおいて同じである。
年1回、春のリリースを対象とした場合の移行周期の例。検証/移行準備にリリース後から6カ月かかると想定すると、移行を開始した時点で移行元のバージョンのサポートが終了する
[画像のクリックで拡大表示]
これに対して秋の機能更新でバージョンを上げる場合、EnterpriseやEducationエディションのユーザーであれば、次のバージョンの移行準備が完了した時点で12カ月のサポート期間が残る。これを移行猶予期間に使える。次のバージョンの移行準備終了後に不測の事態が起こっても対処でき、余裕を持って移行できる。Windows 10 EnterpriseとEducationエディションにおいて、秋のリリースを対象とした場合の移行周期の例。1年に1回の移行周期でも移行実施の猶予を十分に取れる
[画像のクリックで拡大表示]October 2020 Updateはパフォーマンスと品質の向上を目的としており、新機能の追加が限定され、パッケージサイズも軽量で高速にインストールできる。新機能を楽しみにしているユーザーには喜ばれない側面はあるが、移行を負担と考えているユーザーにおいては労力を軽減してくれる。
Windows 10 EnterpriseとEducationエディションのユーザーには、より長いサポート期間が提供されるので、その多くは秋の機能更新をターゲットとして移行を計画し、実施するようになっていくと考えられる。October 2020 Updateは新機能が少なく、サイズも小さな機能更新ではあるが、毎回の移行に悩んでいるユーザーにとっては、大きなリリースと言える。』
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※ Emotet(エモテット)の話し、途中になっていたな…。
※ コロナ騒ぎで、それどころじゃなくなったな…。あの時、画像も大分キャプチャしたはずだったが、もはやどこに行ったのか、見つけられなかった…。
※ それで、新たに検索かけて、別記事からキャプチャした…。
流行マルウェア「EMOTET」の内部構造を紐解く
2018.12.25
コンサルティングサービス事業本部
サイバーインテリジェンスグループ
吉川 孝志、菅原 圭
https://www.mbsd.jp/blog/20181225_2.html吉川孝志の他のブログ記事を読む
https://www.mbsd.jp/blog/yoshikawa_index.html菅原 圭の他のブログ記事を読む
https://www.mbsd.jp/blog/sugawara_index.html











































































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東証システム障害の一部始終と残る疑問、NAS故障と切替設定の不備が重なる
山端 宏実、岡林 凛太郎、長倉 克枝、金子 寛人 日経クロステック/日経コンピュータ
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04708/※ まあ、当分は揉めるだろう…。
※ この記事で言われていることは、そもそも「実際には、NASのファームウエアの切り替え用設定値に誤りがあり、メモリー故障に起因する障害パターンが発生した際はNASの冗長化が機能しなくなっていた。」という事実が、「大抜かり」ではないのか、という「システムの運用・管理」の手際(てぎわ)に関する批判が一つ…。
※ もう一つは、その場合に「終日取引停止」とした「総合的判断」への批判だ…。
※ 関係各方面に「ヒアリング」した結果、「そっちの方が、傷は浅い、と判断した。」ということなんだが、その「ヒアリング」自体が、「適正手続きを踏んだもの」だったのか…。早速、「オレのところには、問い合わせが来て無いぞ。」という話しが、出ているようだ…。
※ 話しは、「証券各会社」間の競争へとも広がって行くような様相も見せている…。そういう「東証のシステム障害」をも、織り込んだ「料金設定」「顧客への事前通知・承諾の体制」となっているのかどうか…。そこら辺も、含んでの「競争力」「証券会社間の優劣」だろ…、という話しだ…。「護送船団方式」じゃないんだから、という話しだ…。



『 東証の売買システム「arrowhead(アローヘッド)」で取引に支障をきたす大規模なシステム障害が発生したのは2018年10月以来。システム障害により全銘柄の売買を終日停止する事態は東証が取引を全面的にシステム化した1999年以降初めてだ。
これにより、3兆円規模の売買機会が失われた。影響は東証だけにとどまらず、arrowheadを使用している名古屋・札幌・福岡の各証券取引所でも10月1日の取引が全銘柄で終日にわたり停止となった。
設定不備で切り替えできず
同社が最初に異常を検知したのは、午前9時の取引開始を約2時間後に控えた午前7時4分だ。arrowheadを構成する運用系ネットワーク内で、同社が「共有ディスク装置」と呼ぶNAS(Network Attached Storage)1号機のメモリーに故障が発生した。NASは、arrowheadの複数のサブシステムが共通で使用する認証用のデータなどを格納している。1号機と2号機をActive-Active構成で運用しているが、1号機の障害発生時に2号機のみの運用へ自動で切り替える機能が正常に働かなかった。
この影響で、本来はarrowheadのサブシステムの1つである「情報配信ゲートウエイ」を通じ、同日午前7時0分に送信すべき電文の送信ができなかった。別のサブシステムである「売買監視サーバー」や監視端末へのログインも不可能になるなど、NASの停止による影響はarrowheadを構成する複数のサブシステムに広がった。
証券会社など外部に異変を通知したのは約1時間後の午前8時1分。さらに午前8時30分すぎに、午前9時からの取引を停止すると通知。午前8時54分には障害の影響が東証以外のシステムに波及しないよう、arrowheadと証券会社間の発注系経路を遮断。
原因究明と復旧作業を進めたが、結局午前11時45分に終日売買停止を発表した。原因となったメモリーが載った基板を同日中に交換したうえでシステムを再起動し、翌10月2日午前9時から売買を再開した。
その後の調査で、富士通が納入したNASのファームウエアの設定不備が大規模障害につながったことが判明した。2台構成のNASの1台で障害が発生しても、本来はもう1台のみの運用に自動で切り替えてarrowhead全体の運用に支障が出ない設計だった。
しかし実際には、NASのファームウエアの切り替え用設定値に誤りがあり、メモリー故障に起因する障害パターンが発生した際はNASの冗長化が機能しなくなっていた。
東証はarrowheadを2019年11月に刷新する際、事前のテストで2台のNASの死活監視を途絶えさせて、自動で切り替わることを確認していた。だがその際、今回の設定不備は見抜けなかった。設定作業そのものは富士通が実施していたという。
東証と富士通は2020年10月4日までにファームウエアの設定を修正したが、なぜNASのファームウエアの設定不備を見抜けなかったのかが今後の焦点となりそうだ。
終日停止の東証判断は適切なのか
今回のシステム障害では別の問題も浮き彫りとなった。実は午前9時26分の段階で、共有ディスク装置2号機への強制切り替えを完了しており、システムを再起動すればarrowheadを復旧できる状態となっていた。しかし東証は再起動を見送り、午後0時30分からの午後の取引もせずに終日取引停止とすることを正午前に発表した。同日夕方の会見で東証の宮原幸一郎社長はこの判断について「複数の市場関係者と協議した結果、(仮に取引時間中に復旧できても)システムを再起動すると(証券会社などから送信済みの注文の扱いなどを巡り)投資家などに混乱が生じることが想定され、終日売買停止することにした」と説明した。
これに対しauカブコム証券の斎藤正勝社長は「当社にそのような(協議の)問い合わせは来ていない。当社はイレギュラー対応でデータを修正すれば注文の失効手続きができる。平常時の手数料だけでなく障害対応も含めてサービス品質だ」とする。
そのうえで斎藤社長は、証券会社はシステム障害が起こりうると見越してイレギュラー対応で迅速に取引再開できるよう、システム投資や事業継続計画(BCP)の整備を進めるべきだと指摘する。
「一部の証券会社が障害への備えを怠り、東証もそうした一部証券会社に合わせて再開を見合わせるならば、BCPは画餅と化す。対応可能な証券会社だけでも早期に市場を再開させることこそ、東証が投資家に対し提供すべきサービスではないか」と疑問を呈する。』
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https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04693/
※ 新事実が判明した…。
※ 「設定ミス」「単なるヒューマン・エラー」とも、言えない側面もあるようだ…。
※ 前の投稿の、「修正」の要素もあるようなんで、上げておく…。
※ オレの「PC組み立て」の方は、一応組み終わって、まだバラック状態だが、「OSインストール」は済んだ…。しかし、一部の機能が使えない(ケース前面のUSB2が、使えない…。マザボとの結線、間違ったようだ…。違うところに挿しているようだ…。USB3は、OK)…。それでも、まあまあ動いている…。
※ しかし、インターネットへの接続で「てこずって」いる…。詳しい説明は、省略するが、ルーターの設定に起因するかも知れん…。
※ 今日は、ルーターに「入って」、手動で設定を試みてみる予定だ…。
※ まあ、「ヤレヤレ…」と、「トホホ…」の連続だよ…。
『東京証券取引所で2020年10月1日に起きたシステム障害の全容が徐々に見えてきた。障害の原因は、富士通が納入したNAS(Network Attached Storage)のファームウエアの設定不備にあった。2台構成のNASでメモリー故障に起因する障害パターンが発⽣した際、NASの冗長化が機能しない設定になっていた。
東証で10月1日に起きたシステム障害は、全銘柄の売買を終日停止するという未曽有の事態を招いた。東証が取引を全面的にシステム化した1999年以降、システム障害で全銘柄の売買を終日止めたのは初めて。これにより、3兆円規模の売買機会が失われた。』
『NASのメモリー故障が発端
システム障害の発端は、東証の株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」のNASに搭載したメモリーの故障にあった。業務サーバーで使うユーザー情報などを格納するNASは2台あり、Active-Active構成で冗長化していた。このうちの1台のメモリーが故障し、本来なら1台のみの運用に自動で切り替わるはずが、うまくいかなかった。関連記事:東証システムの「切り替え失敗」は設定値の誤り、テスト行程で見抜けず
原因はNASのファームウエアの切り替え用設定値の不備にあった。東証はarrowheadを2019年11月に刷新する際、事前のテストで2台のNASの死活監視を途絶えさせて、自動で切り替わることを確認していた。だがその際、今回の設定不備は見抜けなかった。設定作業そのものは富士通が実施していたという。』
『問題の設定を変更し本番適用済み
テストなどで設定の不備を見つけられなかった理由は今のところ分かっていない。東証の田村康彦IT開発部トレーディングシステム部長は「なぜこの事象を事前のテストで確認できなかったのかは引き続き検証していく」と話す。東証は原因判明を受け、ファームウエアの設定を変更。これにより、メモリー故障に起因する障害が起きても、NASの冗長化が機能することを確認済みだ。具体的には、10月3日にセカンダリセンター(バックアップセンター)で検証したうえで、10月4日にプライマリセンターの本番システムに適用した。
東証の親会社である日本取引所グループは10月5日、システム障害の原因究明や再発防止策の実効性を高めるため、独立社外取締役で構成する「システム障害に係る調査委員会」を設置した。委員長には弁護士で日比谷パーク法律事務所代表の久保利英明氏が就いた。調査委員会では、システム障害の責任の所在も調べる。
今後の焦点は、今回のシステム障害の原因となったNASのファームウエアの設定不備を見抜けなかった経緯だ。稼働前のテストに不十分な点がなかったかどうかなどを明らかにする必要がある。さらに、東証は証券会社側のさらなる混乱を避けるため、終日売買停止を決めたが、この判断そのものや決定のタイミングが適切だったのかも焦点になりそうだ。』