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カテゴリー: AI、関連
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65523280X21C20A0X11000/





『人工知能(AI)が産業や生活を変え始めている。難解な計算モデルを作り上げ、データ解析をしてくれるAIは専門のエンジニアが欠かせなかったが、昨今は事情が違うらしい。素人でもクリック操作だけで作れるサービスが広がっているという。にわかに信じがたいが、AI担当記者として確かめずにはいられない。文系出身の私でもできるのか、トライしてみた。
「誰でもすぐにAIを作れますよ」。aiforce solutions(エーアイフォースソリューションズ、東京・千代田)の西川智章代表の一言に当初、記者は半信半疑だった。
ビッグデータから最適解を導くための複雑な数理モデルを考え、プログラミングしないといけないAI。技術は難解極まりなく、自分で計算式を書くなどもってのほかだが、触ってみないことには始まらない。同社を訪れた。
■予測の誤差は0・5%
今回、同社のサービス「AMATERAS RAY(アマテラス・レイ)」を使って作るのは、翌日の日経平均株価を予測するAIだ。株価の過去データと影響を与えそうなデータを集めて入力。すると、データの相関関係やデータの変動傾向から自動で株価を予測するモデルを構築してくれるという。プログラミングが一切要らない「ノーコード」サービスだ。
まずはデータの準備から。過去の日経平均の値に加え、米ダウ工業株30種平均やドル円の為替相場、トランプ大統領に関するグーグルの検索データなど、公開されている約35のデータを集めた。
データはエクセルのような表計算シートにアップロードする。次に操作画面から予測する対象に日経平均株価、データを整理するインデックスに日付の列を選ぶ。為替など他の列のデータは株価との関係性を分析、予測に役立てる。
次のステップはデータの計算手法である「アルゴリズム」の選択だ。アルゴリズムをもとに、株価を予測するモデルを構築するとあって重要な作業。といってもここでも操作はクリックだけだ。
アマテラスは14種類のアルゴリズムを用意している。画面上ではそれぞれの特徴について解説している。計算手法の細かな解説がないのがかえって入りやすい。すべてのアルゴリズムを使って計算し、その結果から一番優れたものを選ぶこともできるが、今回はよく利用される代表的な2種類をクリックして選んだ。
待つこと数分。2種類のAIモデルができあがった。実際に予測に使うアルゴリズムは、2つから優れた方をアマテラスが選んでくれる。今回は、過去の日経平均株価の値とモデルが導き出した数値の差がより少なかった「Light GBM」というモデルが最適との結論を出した。
素人の私だとアルゴリズムを勉強するのに数カ月はかかるはず。なのに、自動推奨までしてくれてこんな楽ちんでいいのかと思ってしまう。
最後の工程は選んだモデルの動作確認だ。モデル構築に使った時と同じ種類のデータをアップロードして計算、狙い通り株価予測ができるか検証した。作ったモデルは問題なく動いた。
予測結果はどうか。何と、実際の株価との誤差は0.5%の118円。気分はもうマーケットアナリストだ。
同社のエンジニアに教えてもらいながら操作しても、かかった時間は15分ほど。一度覚えればもっと短縮できそうだ。触れ込み通り、操作は本当にクリックのみだった。アルゴリズム名など見聞きしない専門用語はちらつくが、すべて分からなくても使いこなせた。
どうして分からなくても使えるのか。西川代表は「AIが次々と実用化されていくなか、研究開発が進み、分野によっては計算手法が確立されてきたため」と話す。
アマテラスのアルゴリズムには、これまでAI業界が積み重ねてきた知見が詰め込まれている。作ったモデルは、多くのエンジニアが参加してAIの性能を競うコンテストで上位数%に入ることも。必ずしもエンジニアが一から計算式を組み立てる必要はなくなりつつあるという。
エーアイフォースソリューションズの西川代表
■AI開発費用を大幅に減らす
「アマチュアAI」のインパクトは大きい。エンジニアに委託する場合、1回あたり数カ月の時間と数百万円から、ときには数千万円の費用がかかる。アマテラスは年間数百万円で使える。適切なデータの選び方などエンジニアにサポートしてもらった後は、データさえあれば誰でも30分ほどで制作できるという。
アイスクリーム店を運営するB-Rサーティワン アイスクリーム(東京・品川)。店の実務担当者はアマテラスを使って自らAIを作り、売れ行きを予測しながら生産や在庫管理を効率化している。従来は3カ月に1回、AIを活用した社外のデータ分析サービスを使い、過去の出荷実績などのデータからシーズンごとに変わる商品の出荷量を予測していた。
だが、エンジニアはAIには詳しくても31種類ものアイスクリームには門外漢。消費トレンドなど予測のためにどんなデータが必要なのか、どんなデータをひも付ければよいのかなどの検討に時間がかかり、費用が膨らむことも課題だった。
そこで店舗のパソコンから使えるアマテラスを導入。現場担当者が必要だと判断した時に”専門家”となって予測できるようにした。かかる費用は月数十万円と大幅に削減できたという。
定型化したアルゴリズムを組み込んだソフトを使うことで、素人でもAIを作れるシステムは他にも。19年にニコンから独立したエンジニアが設立したMENOU(東京・中央)は、製造業の検品に使える画像解析AI作成ソフトを開発する。「技術はすでに実用レベルを上回っている。これからは使い勝手の改善に注力したい」(西本励照代表)という。9月にグーグルが発表したプログラミングなしでアプリを作れる新サービスでも、AIが作れる機能が実装される見通しだ。
もちろん簡易AIは万能ではない。AIには画像処理や言語処理用などデータのタイプによって様々な種類がある。簡易AIが扱えるのは数値データと一部の画像データに限られており、その分野以外のアルゴリズムは十分確立されていない。
また、どういうデータを読み込ませるかによってAIが導き出す結果は違ってくる。高精度にはじき出そうと思えば、計算技術にたけたエンジニアの力がものをいう。専門家はこれからも欠かせない存在といえる。
作り終えての感想は「AIの民主化」に向けた扉がいよいよ開かれたということだ。AIが専門領域ではなく、データさえあれば誰でも”開発”できる時代は意外に早く訪れるかもしれない。動作の仕組みは分からずとも誰もが使いこなしているスマートフォンのように。
(企業報道部 山田彩未)』
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エヌビディア、アーム買収のなぜ(2)GAFAも半導体開発
IoT機器向けは「適度なサボり」で省電力化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63962040X10C20A9I00000/

『米半導体大手のエヌビディアの手掛ける人工知能(AI)半導体は、米IT大手のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)も開発に乗り出している。技術開発競争の焦点は小型化や省電力化で、クラウドにデータを送らずに端末側でAI処理する「エッジAI」の普及の原動力となる。Q&A方式で現在の競争環境をまとめる。
【関連記事】
エヌビディア、アーム買収のなぜ(1)AI半導体
AI半導体、覇権狙うエヌビディア アーム買収Q エヌビディアが手掛けるAI半導体の課題は何か。
A エヌビディアのGPU(画像処理半導体)は演算速度が速い一方で、消費電力量が比較的大きく、半導体チップを搭載するための部品も大型になってしまう。スマートフォンやパソコンに搭載するのは難しい。そこで、専用の用途に特化した「エッジAIチップ」とよばれる半導体の開発が世界で進んでいる。
Q どのような企業が参入しているのか。
A エヌビディアのほかに、例えばグーグルはサーバー向けに機械学習に特化した「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」と呼ばれる半導体を開発している。さらに、グーグルはこのAI半導体を、監視カメラなどのIoT端末に組み込むとAI機能を持たせることができるエッジの領域に拡大し「エッジTPU」を外販している。エヌビディアのGPUに比べて消費電力が1桁小さいといい、検索エンジンに使っているという。
スマホ向けでは、コンピューターの頭脳を担うCPU(中央演算処理装置)やメモリーなどを1つのチップに搭載する「SoC(システム・オン・チップ)」にAI機能を搭載する動きが広がる。アップルはiPhone向けのチップに機械学習に対応した「ニューラルエンジン」を搭載し、顔認証などに使っている。アップルはチップを自社で設計し、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)に製造を委託している。
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Q なぜ、エッジAIチップは省電力化できるのか。A AIの機能は、大量のデータから解析モデルなどを作る「学習」と、そのモデルをもとに分析や予測をする「推論」の2つに大きく分けられる。例えば、スマホの顔認証機能は推論機能で、学習に比べて分析するデータは少ない。
エッジAIチップでは、推論の精度が保てるギリギリのラインまで半導体の計算速度を落としている。「適度にサボる」ことで、消費電力を小さくするという考え方だ。
Q エヌビディアはこうした流れにどう対抗しようとしているのか。
A その解の一つがスマホ向け半導体設計で高いシェアを持つアームの買収と言える。エヌビディアは英アームの買収後に、英国に大規模なAI研究施設を立ち上げる方針を示している。エッジAIチップの開発強化に向け、「適度なサボり」方のコツを知るアームの設計書をもとに、医療やロボット、自動走行など幅広い分野での半導体開発をスタートアップやパートナー企業と連携して目指していくとみられている。』
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https://style.nikkei.com/article/DGXMZO63178800Y0A820C2000000
※ 何回も言ったが、「人工知能に、知能無し。」だ…。
日本語の「造語機能」は、凄まじいものだと思うが、時々その「造語したもの」に逆に引きずられて、本質から外れたり、本質から遠く離れたところに連れていかれたりすることも、よくある…。
「人工知能」という訳語を当てたことにより、人々はその「字面(じづら)」に引きずられて、「人間と同じような、知能を有するもの」と誤解する…。その動作原理からして、「考えたり」「知能を働かせたり」できようはずも無い…。
使っているのが、単なる「電子計算機(電子演算機)」で、やっていることが、単なる「行列データの演算・変形」である以上、「知能」も「思考力」もへったくれも、あろうはずが無い…。
この手の、「訳語を当てたがゆえの」本質とかけ離れたところに連れて行かれる例は、多々ある…。
「function」も、その一つだ…。これに、「函数」という訳語を当てたところまでは、いい…。ある種の、「函(ハコ)」「なんらかの操作を加えるしかけ」というニュアンスが残っているからな…。しかし、「函」の漢字が、「教育漢字」から外れてしまったんで、使えなくなった…。そこで、「関数」という漢字を当てた…。こうなると、「比例・反比例」「一次関数」「二次関数」というものに引きずられて、本来の「入力すると、それに何らかの操作を加えて、結果を出力するもの」という「本質」が希薄になる…。
日本人で、プログラミングがイマイチ苦手な向きが多い遠因の一つは、functionに「関数」の漢字を当てていることもあると、オレは思っている…。
この手の、漢字の字面(じづら)ゆえの誤解の最たるものは、「交戦権」だ…。
『第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
RENUNCIATION OF WAR Article 9.
Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.
In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.
[4]』とされている…。
それで、「The right of belligerency of the state」の訳語を「国の交戦権」とした…。
そういう訳語を当てたものだから、世間の人々は、「国家が交戦する権利」と解している人が殆んどだ…。極端なことを言う人だと、「敵国が侵攻してきても、これを撃退しようとして、「交戦する権利」は一切認められない。それが、憲法の趣旨だ!」などと言う人も出てくるしまつだ…。
冗談じゃない…。そういう「腰の抜けた」ことで、一国の存立が図れるか…。「国家」というものは、今現在生きている人のためだけのものじゃない…。あなたたちの子・孫・その子孫、営々と継続していく子孫のためのものでもある…。
幸い、学説の多数説、政府見解は、「国際法上交戦状態の国家にも、認められている種々の国際法上の権利」と解している…。
「船舶の臨検・拿捕、占領地行政等の権利など」と解するわけだな…。



『囲碁でも将棋でも天下無敵。世界最高の棋士をも打ち負かしてしまう人工知能(AI)。「AI」は、正確無比な手を指し続けます。しかし、それはあくまで、厳密に決められたルールがあるゲームの中の世界。いろんな想定外が起こる現実世界は、そう簡単ではありません。現実世界のAIは、実は結構いい加減で、緻密な仕事は苦手なんです。赤石雅典氏の近刊『Pythonで儲かるAIをつくる』(日経BP)を読むと、そんなAIの本当の実力が見えてきます。
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業務に本当に役立つAIを作るには?
本書の「儲(もう)かるAI」とは「業務に本当に役立つAI」のこと。そんなAIを作るには、AIの得意・不得意を把握しておくことが不可欠です。AIを適用する分野で、著者の赤石氏がまず薦めるのが「営業」です。語弊を覚悟で言うと、営業という仕事がそもそも、いい加減なことがその理由です。
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コンピューターサイエンスを教養に 米大教授が講義
パソコンも計算間違い!?
「100%成功する営業」なんて、あり得ません。ダイレクトメールを使った営業なら、1件の受注を取るのに、数百件も数千件も送ることがあるでしょう。お得意さまに電話で新製品を売り込むときも、10件中1件成約すれば大成功というケースがあり得ます。そもそも1割しか成功しない営業なのに、AIで既存の顧客リストをうまく絞り込んだら、成功率が2割に上がったとしましょう。AIを使っても「外れ」が8割もあったわけですが、営業成績は実に2倍になりました。AIの導入は、大成功です。
現在のAIで中心的な手法である「機械学習」は原理的に、正解が「100%」になることはあり得ません。過去のデータを基に予測するだけなので、必ず外れる場合があります。それでも、うまく最適化していくと、どんどん正解率を高められます。その点、営業のようにもともとの正解率が低い業務なら、正解率を高める余地が大きくなります。AIが「いい加減な仕事の方が得意」という理由がそこにあります。
「不良品を漏れなく探せ」は苦手
一方で、AIが苦手なのが「100%の精度を求められる」仕事です。典型的なのが、工場のラインにおける不良品の検出などで、「漏れなく見つけること」が目標になります。AIで98%の精度を達成するのは、技術的にかなり困難ですが、仮にそれを達成できたとします。その場合でも、不良品の2%は見逃すことになります。それは業務的には認められず、結局AIの導入は断念するということになりがちです。
要するに、AIが得意なのは、どんな仕事なのでしょうか。「いい加減な仕事が得意」だけでは、よく分からないですね。
AIが得意な5種類の業務を厳選
そこで『Pythonで儲かるAIをつくる』では、基本的なAIの技術を使って成果を出せる業務を5種類に絞って、紹介します。一つめが営業です。ほかに、天候などで変わる売り上げの予測、お薦め商品の予測などをAIで実践します。どの業務でも、AIで定番のプログラミング言語「Python」を使って、具体的なAIプログラムを作っていきます。本書のPythonプログラムは、PC上のブラウザーがあれば、面倒な導入作業なしにすぐに動かせます。Googleのクラウド上のPython実行環境「Colaboratory」を使うためです。
コードの1行1行を理解できなくても、ブラウザー上で動かしていくと、AIがどんな手順で何をやっていくのか、何ができるのかが分かってきます。それで、AIの得意・不得意が見えてくるのです。「もともとAIには向かない業務をAI化しようと大金を投じ、撃沈する」ようなことを避けられます。
AIを適用する際には、データをじっくり見ることから始める必要がありますが、Pythonを使えば、データの状態をビジュアルに確認できます。予測結果も同様です。そんな具体的なAI化の手順を紹介していきます。
Pythonで学習データや予測結果を可視化した例
実は本書のPythonプログラムは、本書のWebページ(https://github.com/makaishi2/profitable_ai_book_info)ですべて公開しています。Chromeブラウザー上ですぐに動かして、AIの動きを確認できます。先ほど「100%を求められる仕事は苦手」とは言いましたが、病気の診断など、まさにミスが許されない領域にも、最先端のAIは果敢に挑戦しているところです。最先端は本書の範囲外なので収められませんでしたが、そうした仕事にAIを適用する基本的な手法についても、同じWebページで解説しています(併せて、ディープラーニングで画像認識をする例も紹介)。本書で5種類の業務をどのように解説しているのか、イメージがつかめます。
本書のWebページでもAIの実践事例を補足解説
「AIの得意・不得意を知りたい」「実際にPythonでAIを作ってみたい」という方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。(日経BP ラズパイマガジン 安東一真)』
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63169460Y0A820C2MY1000/




※ ネットは、「匿名性」が保たれているはず…、と思っている人は、特に見ておいた方がいい…。
「匿名」どころか、「本性バレバレ」だ…。
※「デジタル・ツイン(ネットやPC操作などの様々な「デジタル活動」から割り出し、作り上げた、その人の「デジタルな双子」)」の話しと言い、「薄気味悪い世の中」になったもんだ…。
『SNS(交流サイト)から本人の知能指数(IQ)や精神状態、生活習慣を見抜く実験に総務省傘下の情報通信研究機構が成功した。人工知能(AI)を使った初期の実験とはいえ、わずか140文字の投稿でプライバシーを明かしたと思っていない人にとっては驚きの事実だ。米科学誌に論文を公表してから1週間余りが過ぎたばかりで、論争が起きるとしたらこれからだが、情通機構は悪用を懸念してAIプログラムの公開を見送る異例の対応をとった。
誰もがつぶやけるSNSは、今では社会参加のインフラになっている。行き交う短い文面から、その先の相手がどんな人かを確かめたいという欲求が研究の始まりだった。
実験でAIは短文投稿サイト「ツイッター」の情報から人々の内面を表す23種類の特徴を推定した。IQなどの知能や性格のほか、統合失調症やうつ病のような精神状態、飲酒や喫煙の生活習慣、人生の満足度も読み取れた。
これまでも、技術力を見せつけたい研究者らがSNSの解析に挑んできた。それでも「開放性」「誠実性」「外向性」「協調性」「神経症傾向」の大まかな傾向がわかっただけで、解析成果を「Big5」と呼んで誇ってきた。
今回は数百の少ないデータでもAIを賢くできる新たな手法で、個人のより細かな特徴まで突き止めた。専門家は一線を越えたとみる。
一体、どうやって見抜いたのか。研究チームはツイッターを日ごろ使う239人に最大数十のアンケートを個性にまつわる項目ごとに回答してもらい、ツイッターの投稿内容とともにAIに学ばせた。
学習を終えたAIはツイッターから人々の内面をあぶり出す規則性を次々と発見した。例えば「いいね」をされた頻度が多いと「漢字の読み書きの能力が高い」。毎回のつぶやきで文字数のばらつきが大きいほど「統合失調症の傾向がある」。「飲む」「歩く」「時刻表」などの単語を多く使う人は「飲酒の習慣がある」。新たなつぶやきで試してもその傾向を見いだした。
短文だけで「真の自分」をこれだけアピールできるのかと歓迎する人もいるかもしれない。だが「今回の技術で厳密に個性を算出するのは難しい」(情通機構の春野雅彦研究マネージャー)という慎重な発言こそ、多くの人の実感を代弁している。
新技術を目の当たりにしたとき、人々の反応は2つに割れる。先に立つのは薄気味悪さだ。SNSのつぶやきから内心まで分かれば、脳の中に監視の目が届く。「犯罪集団のネットワークを絶てる」と当局が小躍りしそうだ。
かつてフェイスブックの個人情報は世論操作の標的となった。16年の米大統領選では民間企業が「いいね」の対象分野を5000項目に分けて調べ、個人の大まかな傾向を推定していたとする報告も出ている。この技術は政治広告に使われたとみられている。
選挙活動だけでなく、いずれ就職や昇進などの判断にも関わってくるだろう。AIとプライバシーの問題に詳しい小林正啓弁護士は「現時点では規制がない。SNSを採用などの人事に使う行為は法的に問題ないと考える」としつつも、「AIは偏見を身につける危険もある。将来はAIの使い方に規制がかかる可能性はある」と話す。
一方で、SNSは一人ひとりの内面を映し出す鏡だ。適切に使えば、真の自分をアピールでき、自分では気づかない一面を知ってもらうきっかけになる。AIの解析を「見張り」ととらえず、「見守り」と思う人にとっては技術の進歩が光明となる。
情通機構が応用を目指すのはストレスの分析だ。海外では18年、うつ病の兆候をフェイスブックに並ぶ単語から3カ月前につかめるとする研究が発表された。豪雨などの災害発生時に、避難をためらいがちな住民をSNSから探り、早めに声をかけるような使い方も有望かもしれない。
中国は個人の信用力を数値化した信用スコアの活用が進む。信用スコアに応じて融資やホテル利用などで優遇を受けられる。AIが管理する社会では、SNSでの交流などに気を配って信用スコアを引き上げ、生活を豊かにするのも一つの生き方だ。
新技術は産業や経済を大きく変える。期待と不安のはざまで問われているのは、開発者や企業、個人の責任だ。開発者や企業はAIの開発指針や情報をどう活用したいのかなどを明示し、個人はどんな使い方であれば情報を託すのかを自分自身で考える必要がある。個人の特徴を見抜くAIが人を助ける道具となるか監視の武器となるかは、私たちの行動次第だ。(大越優樹)』
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あの超高層を手掛けた構造設計のエースが開発中、竹中工務店の「使えるAI」
木村 駿、石戸 拓朗 日経 xTECH/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01000/092500001/?P=4








『人工知能(AI)が、建築の設計や施工、維持管理を高速化し始めている。人手のかかる単純作業をコンピューターが「爆速」でこなしてくれれば、浮いた時間を人間にしかできない創造的な仕事や、ワークライフバランスの向上に充てることができる。AIをうまく使いこなせば、建築はまだまだ進化できるはずだ。
竹中工務店、HEROZの構造設計AI
構造設計の単純作業を爆速化
AIで単純作業を高速化し、生み出した時間を顧客との対話や人間にしかできない創造的な仕事、設計者のワークライフバランスの向上に充てる──。竹中工務店が将棋AIで有名なHEROZ(ヒーローズ、東京・港)と2017年から開発してきたAIの輪郭が日経アーキテクチュアの取材で明らかになった〔図1〕。〔図1〕これが竹中工務店「3つのAI」だ
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(資料:竹中工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]「リサーチAI」「構造計画AI」「部材設計AI」と呼ぶ3つのAIを設計の段階に応じて使い分け、構造設計にまつわる単純作業の7割を削減する。開発リーダーは高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市)などの構造設計を担当した竹中工務店設計本部アドバンストデザイン部構造設計システムグループの九嶋壮一郎副部長。「実務者目線で『使えるAI』を目指す」(九嶋副部長)
最初に取り組んだのが、社内に蓄積してきた膨大な設計データの整理。同社の構造設計システム「BRAIN(ブレイン)」で設計した400プロジェクト、25万部材の情報をデータベース化した。この中から、進行中の案件と似た事例を簡単に引き出せるようにしたのが「リサーチAI」だ(図1の1)。
構造設計の初期段階では、過去の類似事例を参考にしながら検討を進める。しかし、各事業所から情報を集めるのに時間がかかる上、経験の浅い設計者はどの事例を参照すべきか迷いがち。面積や階数、スパンなど構造を特徴付けるパラメーターは10~20個もあり、比較が難しい。
リサーチAIでは、10次元以上のパラメーターを2次元に縮約(圧縮)し、総合的に類似度が高いプロジェクトを示せるようにする。機械学習(「AIのキホン ディープラーニングって何?」を参照)の一種で、データの集まりを類似度に応じて分類する「クラスタリング」を用いた。
同社技術研究所先端技術研究部数理科学グループの木下拓也研究主任は、「ベテランが持つ嗅覚のようなものをAIで補い、誰でも有益な情報にたどり着けるようにする」と話す。』
『計算せずに仮定断面を出す
竹中工務店
設計本部アドバンストデザイン部
構造設計システムグループ 副部長
九嶋 壮一郎氏(写真:日経アーキテクチュア)
基本計画・設計の段階になると、構造設計者は建物のボリュームや空間の配置に応じて構造種別や架構形式を検討し、意匠設計に必要な柱・梁(はり)の仮定断面を出す。「構造計画AI」は、構造計算なしで仮定断面を自動推定する人工知能だ(図1の2)。複数案を簡単に比較検討できるので、短時間で構造設計の質を高められる。推定の精度を、詳細設計完了時の部材断面の±20%以内に収めるのが目標だ。
開発には、機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)を用いる。脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」をコンピューター上に幾層も構築して大量のデータを入力すると、コンピューターがその特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。
効率的に学習させるため、AIには「教師データ」と呼ぶ情報を与える。構造計画AIの学習に用いたのは、データベースに登録した25万部材の設計情報だ。建物の規模やスパン、位置などに応じて異なる柱・梁の断面サイズを学んだAIは、「10階建ての角の柱の断面はこのぐらい」と瞬時に見当をつけられるようになる。
HEROZの井口圭一最高技術責任者は、「過去の事例には特殊な構造の建物もある。うまく分けて学習させないとAIの回答がそれに引っ張られる。開発チームで事例を精査しながら学習させている」と話す。
3つ目の「部材設計AI」は、詳細設計の際に部材の「グルーピング」を支援するツールだ(図1の3)。
柱が全て同じ断面ならば施工性は高まるが、経済性は悪くなりがち。逆に数量を減らそうと断面サイズを柱ごとに変えると施工性が悪くなる。構造設計者は施工性と経済性が両立するよう、部材の種類をグルーピング(整理)しなければならない。部材設計AIは、施工性と経済性を両立する案を絞り込んで提示し、構造設計者の意思決定をサポートする。
竹中工務店の九嶋副部長は言う。「AIを、人を支援し、協働する存在と位置付け、新たな構造設計の在り方を示したい。20年度を目標に開発を進めていく」』
『Iのキホン ディープラーニングって何?
一口にAIと言っても、様々な種類がある。例えば1980年代に流行した「エキスパートシステム」は、人間が判断基準をコンピューターに入力し、コンピューターはそれに従って「もしAならばB」などとデータを分類・判断する仕組み。「ルールベースのAI」などと呼ぶ。一方、現在のAIブームをけん引するのは、コンピューターがデータの分類方法や判断基準を自ら学ぶ「機械学習」と呼ぶアプローチ。中でも「深層学習(ディープラーニング)」と呼ぶ手法が脚光を浴びている〔図2〕。
〔図2〕AIには様々な手法がある
手法によっては異なる分類をする場合がある(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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ディープラーニングでは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)のネットワークを単純化した「ニューラルネットワーク」を、コンピューター上に幾層も構築する。これに大量のデータを入力すると、コンピューターが自らデータの特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。それまでの機械学習に比べて高い精度で正解を導き出せる〔図7〕。〔図3〕脳の神経回路を模したニューラルネットワーク
中間層を多層化したものをディープラーニングと呼ぶ(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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機械学習には、「教師なし学習」「教師あり学習」「強化学習」の3つの学習方法がある。教師なし学習は、極めて大量のデータをコンピューターに入力し、データの傾向や規則性などを自動的に学ばせる方法だ。教師あり学習は、正解付き(ラベル付き)の「教師データ」を用いて効率的に学習する方法。例えば、コンクリートの画像から健全性を診断するAIをつくる場合、画像データと専門家による診断結果をセットにした教師データを学習させる〔図4〕。
〔図4〕産業用途は「教師あり学習」が大半
学習に必要なデータをそろえ、ラベル付け(アノテーション)をするには、人手と時間を要する(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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建築を含め、産業用途でディープラーニングを活用する場合は、ほとんどが教師あり学習だ。教師なし学習と比べてデータの数こそ少なくて済むが、ラベル付きのデータをそろえるのには多大な労力がかかる。このため、教師データ集めで挫折するケースは少なくない。』
『竹中工務店とHEROZの自動制御システム
AIで「建築設備が成長」
竹中工務店とHEROZが共同でAIを開発するのは、構造設計の分野だけにとどまらない。人工知能を用いて空調や照明などのビル設備を自動制御するシステム「Archiphilia Engine(アーキフィリアエンジン)」を開発した。管理員の手動に頼っていたビル設備の制御を自動化し、管理業務の効率化や省エネ性の向上を図る。アーキフィリアエンジンは、センサーなどから取得したビッグデータを基に設備の運転条件を制御する。竹中工務店が開発したビル設備の管理システム「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」とHEROZのAIサービス「HEROZ Kishin(キシン)」を組み合わせた。ビルコミュニケーションシステムが収集する温度や照度などのデータをAIに学習させ、ビル設備を最適な形で自動制御する。消費エネルギー量を最適化するだけでなく、利用者の好みに合わせた制御も可能だ〔図4〕。
〔図5〕AIで設備を自動制御
「アーキフィリアエンジン」のシステムの概要。「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」が収集した情報を「HEROZ Kishin」で学習して、設備を自動制御する(資料:竹中工務店)
[画像のクリックで拡大表示]
2年間の実証実験で省エネ効果などを検証竹中工務店は2019年6月5日に、自社が設計・施工した未来のライフスタイルを提案する体験施設「EQ House」でアーキフィリアエンジンの実証実験を開始した〔写真1〕。期間は2年間。人感センサーや温度などを測るセンサー、利用者の心拍などを測るウエアラブルセンサーを用いる。延べ面積88m2の空間に約1000個のセンサーを設けて、1分おきにデータを収集する。
さらに空調や照明などを通じて得られたデータを学習させることでEQ House内の設備を自動制御する。両社によると、データをこれほど大量に収集し、ビル設備の制御に生かす取り組みは珍しい。実験を通じて、自動制御に必要なセンサーの種類やアーキフィリアエンジンを用いた際の省エネ効果などを検証する。
〔写真1〕実際の建物で省エネ効果を検証
アーキフィリアエンジンの効果を実証する「EQ House」の外観(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]竹中工務店はアーキフィリアエンジンの導入によって省エネ性や快適性を高められると確認できれば、積極的に実プロジェクトへの提案を進めていく予定だ。』
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AIカフェロボベンチャーを率いる21歳起業家は300年後を夢見る
ニューイノベーションズ、中尾渓人CEOインタビュー
https://newswitch.jp/p/22867



『ニューイノベーションズ(東京都文京区、中尾渓人最高経営責任者〈CEO〉)は、1億7000万円の資金を新たに調達した。同社は人工知能(AI)で需要予測をする無人コーヒー機を開発するスタートアップ。調達した資金はサブスクリプション(定額制)モデルの実装などに投じる。今夏には東京都内の複数のオフィスビル内などで、無人コーヒー機の導入を計画する。
ソフトバンクグループの100%子会社で、AI支援に特化したベンチャーキャピタルのディープコア(東京都文京区)からの追加出資などで、累計2億4000万円の調達となる。
ニューイノベーションズが開発した無人コーヒー機「root C(ルートC)」は、AIで気温や天気、立地、時間、販売データなどを基にコーヒー需要を予測して抽出を始めるのが特徴。ユーザーはアプリを通じて注文と決済ができるため、上質なコーヒーを最大20人が待たずに受け取れる。
3月に実施した三菱地所の新東京ビル(東京都千代田区)での10日間の実証試験では、味の異なる2種類のコーヒーをホット、アイス、普通、濃いめの計8種類から1杯300円(消費税込み)で注文でき、約半数のユーザーが2回以上利用したという。
中尾CEOはロボカップジュニアの世界大会での入賞経験があるなど、長年ロボットを作ってきた。ニューイノベーションズは17歳だった18年に設立した。
日刊工業新聞2020年6月24日
ニューイノベーションズ・中尾CEOインタビュー
中尾渓人CEO
無人コーヒー機「root C(ルートC)」を開発したニューイノベーションズ。率いるのは大阪大学在学中の中尾CEOですが、お話を聞くうちに「学生が起業家になったのではなく、起業家が学生になった」という印象を受けました。聞き手は中尾CEOと同じ年代生まれの3人。年齢が近いことならではの疑問も飛び交いました。(聞き手・熊川京花、鈴木奏絵、伊藤快)-起業の経緯がとてもユニークだと聞きました。
もともとロボット作りが好きなんですけど、小学校4年生のころからロボカップジュニアの大会に出始め、中学生のときに世界大会で入賞しました。そのころから将来自分は何をしようかと考えていましたが、メーカーの開発職を想像してもどうにもこれだ!とはならなくて、モヤモヤしていました。ただ、ロボットの大会には出続けたいと思っていたので、その費用を稼ぐために、高校1年生の時から素性を隠してフリーランスのエンジニアとしてクラウドワークスに登録しました。最終的に取引先が300社くらいになったんですよ。受託作業は睡眠時間もほとんどない状況になりました。このままだと過労死するし、これをずっとやりたいと思っているわけではなかったので、高校卒業のタイミングでやめました。
僕は出身が和歌山県で、智弁学園に通っていたんですが、学校のHPがあまりにしょぼかったんで、理事長に直談判して、「作らせてくれ」とお願いしたこともありました。高校の卒業式の1週間後くらいに手がけたので、ある意味卒業制作ですね(笑)。学費分くらいは回収できたと思います(笑)。理事長も学校のいい宣伝になると思ったんじゃないでしょうか。
そのころにご縁ができたベンチャーキャピタル(VC)の方にいろいろと自分の将来について相談していたら、いつの間にか起業することが既成事実化していました。あと、受託で得た売り上げや取引先のことを考えたら、法人格がないと「社会資本市場的に損かもしれない」と考え始め、それも起業を後押ししたと思います。
あと受験勉強が意味が分からないくらいに嫌いすぎて(笑)。智弁学園は結構進学校なんですけど、周りの友人が「医学部を受ける」とか言っているのを聞いて、「あ、このままだとまずいな」と思いました。
高3で捨て身で起業
-まずいというのは?
学歴を取得することに対して、今の社会からのペイバック(見返り)がなくなってきているなと思いました。嫌いな受験勉強を強制されるくらいなら、やりたいことをやった方が自分の市場価値が上がると考えて、高3の夏に捨て身で起業しました(笑)。17歳の時でした。大阪大学の推薦入試の面接で起業したことをアピールしたんですが、落ちたら東京に行こうと決めていました。-高校生のころからすでにいろいろ経験していますね。
新卒で入社した方とは経験量が違うとは思いますが、社会経験で重要なポイントは押さえられたかなと。高1で受託業務を始めたときは、スキルが全然伴ってなかったんですが、「経験あります!」とか言って案件を受けて、その後死ぬほど怒られたりしました(笑)。でも、その時に世の中の厳しさや当たり前を学ぶことができたかもしれません。自分に能力が足りなかったから相手を怒らせたパターンと、相手がやばい人だったから自分が損害を受けたパターン、というように振り分けが少しずつできるようになってきて(笑)。どう振る舞えばいいかというのはなんとなくつかめていきました。ルートCについて説明する中尾CEO
-17歳で起業ってすごいですよね。周囲は止めたりしなかったんですか?
そもそも起業という行為自体が過大評価されていると思います。なので、大々的に周りに触れ込むようなことはしませんでした。友達に話しても「そうなんだ」みたいな感じ。逆にニュースで知ったという人もいました。先生の中には本気で止めてくる人もいましたが、合理性を説明していたら途中で諦めてくれました(笑)。後はひたすら大きくなるしかない
-起業して中尾さんの中で何が変わりましたか?
周りの対応と見える世界が変わったかもしれません。会社があるかないかで結構みんなオドオドするというか、普通かそうでないかに分けられてしまう。ですが、それは組織としての会社という箱の強さだと思っています。起業した本人にその強さがあるわけではないんです。自分は何も成長していないのに、世界が一気に変わるような怖さも感じました。あと起業するのもやめるのも、事業拡大するのも縮小するのも、自分で決断できるかと思っていましたが、実はそんなことはなくて。資本主義の世の中なので後はひたすら大きくなるしかないんです。無理だったら市場から駆逐されて終わります。そういうことも実感するようになりました。
その点、大企業はコンスタントに成果を出し続けていますよね。だけどそのためには、職階などが良くも悪くも制限されています。そのことに「自由がない」と思うのなら起業すればいい。起業という言葉に流される必要はないと思います。ところで、皆さんは僕と同世代と聞きましたが、周りで起業される人はいないですか?
世の中にフラットな目線、大事
-いませんね。先ほどから中尾さんのお話に圧倒されてばかりです。
全然そんなことはないですよ!いざ自分が起業してみれば「起業するなんてすごいな」という気持ちはゼロになると思います。だけど、世の中全般に対するポジティブなイメージはない方がいいかもしれません(笑)。フラットな目線が大事。ビジネスなので、法人対法人のバトルとか駆け引きとか、情けも容赦もない合理性でしかないでしょ。「札束の殴り合いになったらどうしよう」とか、怖いですよ(笑)。そこで守ってくれる人は誰もいないし。守ってくれる人を確保するか、自分で自分を守る知識を身に付けるしかない。そういう点では大企業はとても守られているかもしれません。
―ところで影響を受けた起業家の方はいますか?
それが全くいません。人なのでうまくいくこともいかないこともあると思うので、僕は人に対してではなく、「●●さんの何回の定時株主総会のあの発言がすごい」というような、その人が成し遂げた行動に対して尊敬するタイプです。―行動に対してなんですね。
そうですね。その点、今の自分にスキルがどれくらいあるのかというのは気になります。僕のことを評価してくださっている人が僕のエンジニアのスキルに対してなのか、今の僕の年齢にしてはすごいという程度のビジネススキルについてなのか。だから実際にビジネスをやって、負けるかどうかを判断した方が現実を知ることができていいと思ってます。市場は冷たいからダメな時もわかりやすいだろうと。その時に、成長の試行錯誤をするパワーを自分たちがまだ持っているならいいんです。そこでつぶれてしまうくらいなら止めた方がいい。僕たちも日々、大小さまざまなトラブルが起きていますが、成長の源泉だと考えて乗り越えています。
ルートCを使用する中尾CEO
無人化の行き着く先に
―今後ニューイノベーションズをどう大きくしていくのでしょうか?
二つあります。一つ目は上場することです。合理性もあるし、それを目標としているから投資をしていただいているというのもあります。もう一つは、「あらゆる業界を無人化する」というのを会社のビジョンとして掲げていますが、社会の中で必要とされていることを成し遂げて、価値を生んでいる状態を維持したいです。コングロマリット的なことはしつつも、今の自分たちが持っている「リアルビジネス×オンライン」という文脈での強みを生かせるところで、次の成長材料になるものを作っていきたい。10年20年のスパンで必要とされる会社だったら、300年後も1000年後も生き残っていられるのかな、と思っています。
少し逆説的な話になりますが、何か大きなことをやりたいと思った時に「お金や権力、人脈、資産がないからできない」という状態になるのを恐れています。それを避けるために今頑張っているというのもあります。
―今の急速なテクノロジーの発達を見ると、「AIやロボットが人の仕事を奪う」という声も大きくなっています。会社のビジョンとして掲げる「あらゆる業界を無人化する」にはどのような意図があるのでしょうか?
労働者を駆逐するというように誤解されることが多いですが、そうではなくて「ヒューマン トゥ ヒューマン」のコミュニケーションが求められるところにリソースを解放したいと考えています。これはあくまで僕の個人的な意見ですが、例えば人の代わりに機械が導入されたら、その機械をメンテナンスする仕事が生まれるように、何かが失われたら何かが生まれるはずです。市場なので満たされている人と、満たされていない人という分布は基本的には変わらなくて、その中での移動性が高まるのではないかと考えています。
低付加価値のものが効率化して代替される、というのは歴史的に何度も繰り返されてきました。それを乗り越えたからこそ、社会は豊かになってきたはずです。だから正しい時代のシフトなのではないでしょうか。』
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※ 上記は、Edraw Maxというソフトで、テンプレを利用して作成したものだ。3つの価値が三方から、せめぎ合っている…、という感じを出したかったんだが、そういう感じが出ているだろうか…。
※ 思考を図形化する作画ソフトは、いろいろあって、Edraw Maxはその一つだ…。10日間は、無料のお試し期間なんで、有料版を購入するかどうかは、その後で考えよう…。
※ 肝心なのは、思考、分析、考察を深めることで、「見栄えの良い図形」を作画することでは無い…。
※ 何のために図を描くのかと言うと、「イメージや発想・着想が、雲の如く湧いてくる」ということの助けにするためだ…。
※ そういう目的のためには、かえって「ラフなスケッチ」の方が、妙に「発想を刺激する」ことが、よくある…。

※ こういうものは、あまり整ってはいないが、囲んでいる線(黒の色鉛筆によるものだ…)や、ケチって印刷済みの紙の再利用による裏写りすら、妙に「発想を刺激して来る」…。
※ ただ、プレゼンなんかで、どうしても「整ったもの」が必要だというケースもあろうから、紹介しておく…。
AI開発でも世界に亀裂 異なる道を行く中国
編集委員 太田泰彦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62380610W0A800C2I00000/


『人工知能(AI)にも「お国柄」がある。判断の基準をマシンに教える側の人間社会に考え方の違いがあるからだ。同じ問題を解くのでも、開発した国や組織が異なれば別々の答えを導き出すことがある。
6月末、米政府の独立機関であるAI国家安全保障委員会が「コロナ危機対応とAI技術の役割」と題する白書を公表した。全米の病院や企業が臨床データを共有し、AIでワクチン開発を急ぐ案など10項目の提言からなる。
同委員会によるAIと新型コロナウイルス対策に関する白書は、5月以来、実に3冊目だ。プライバシーやソフト開発者の責任など根本的な倫理問題の見解について、議会と国民に明確に示す必要があるからだ。政府の予算を使う以上、いくら切羽詰まった状況でも民主主義の手続きは省けない。
中国ではAI導入のスピードが速かった。人の流れを監視するための個人の識別や感染経路の予測など、現場で活用が進んでいるのは事実だろう。
人口100万人あたりの感染者数(8月15日時点)を比べると、米国とブラジルが1万5千人を超えている。数字に信頼性の問題はあるが、ウイルス発生地とされる中国は62人にとどまる。個人情報の保護より監視データの収集を優先する社会の方が、感染対策で有利であるのは明らかだ。
コロナは国ごとの価値観の差異を浮き彫りにした。「機械ではなく人間が中心のAI社会を、どの国が築けるか」。社会と技術の関わりを研究する青山学院女子短期大の河島茂生准教授は、世界史の分岐点が来たとみる。
違いは研究開発の姿勢にも如実に表れている。「XAI」と呼ばれる研究分野が象徴的だ。
「X」は「説明できる(Explainable)」の意味。人間の言葉や画像を使って推論の筋道を分かりやすく説明できる能力を備えた次世代型のAIだ。この分野では米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が世界の最先端を行く。
機密が多いはずの軍事部門が透明性を高めようとするのは、自律的なロボット兵器や作戦行動の自動立案が、既に米国で実用化されているからだ。機械が人命に関わる判断を下すなら、その判断の理由を説明する責任が軍にはある。「AIが決めたから」では済まされないのだ。
機械学習の原理をみると、AIの「思考」の中身がブラックボックスであるという問題が浮かび上がってくる。
たとえば画像に映る動物が、猫なのか犬なのか判断するAIをつくるとしよう。それには人間が教師となり、1枚ごとにAIに正誤を教えていく。最初はハズレが多くても、教育を数千万回と繰り返せば、アタリの率は限りなく高まる。
だが、耳が三角だから猫と判断したのか、ヒゲが短いから犬なのか。理由は外部からは一切わからない。結果が正しいというだけである。機械学習とは、原理的に不透明な技術なのだ。
異なる社会では、異なるAIが育つ。膨大なデータによって、中国製のAIは今後さらに賢くなっていくだろう。人間にたとえればIQ(知能指数)だけが高くなるようなものだ。
中国では医療分野でのAI活用が進んでいる(写真は広東省・深圳の碼隆科技=マーロン・テクノロジーズ=の脳疾患診断システム
特許庁の7月末の調査によると、中国のAI特許の出願数は2017年に6858件に上り、それまで圧倒的な首位だった米国(5954件)を追い抜いた。毎年2倍のペースで増え続け、中国はAI大国の地位を着実に築きつつある。
中国での出願のほとんどは実用的な機械学習の特許だ。ブラックボックス化を防ぐ「XAI」の研究はみあたらない。思考の中身が分からない機械が医療や自動運転、裁判、組織人事などで、世界に先駆けて実用化されていくかもしれない。倫理と切り離して猛進する中国技術には、危うさがないだろうか。
欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年4月、非差別、説明責任など7項目の「AI倫理指針」をまとめた。日米ではグーグル、ソニー、富士通などの企業が、競うように自主倫理規範を導入している。ユーザーに信用されなければAIビジネスが成り立たないからだ。
中国でも昨年6月、国家次世代AIガバナンス専門委員会が、8つのAI原則を公表した。プライバシー尊重も項目の一つだが、果たしてどれほどの効力があるだろう。
美しい言葉を並べて倫理規範をつくっても、形だけに終わる恐れがある。極言すれば、人間の尊厳を軽んじる社会からは人間を大切にするAIは生まれない。』
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Amazonもハマった、「AIを使うとき」の落とし穴
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2007/09/news022.html
※ まあ、実際の画像は、こういう「クッキリ、スッキリ」ばかりじゃ無いからな…。

『それは大手IT企業も例外ではない。おなじみの米Amazon.comは採用活動を支援するために、応募者から寄せられる履歴書を審査するAIを使っていた。ところがこのAIが、女性の応募者を不当に低く評価していた、つまり女性に“偏見”を持っていたとして利用を中止している。
なぜそのようなことが起きたのか、それはAIにモデルを構築させるために、過去の社員や応募に関するデータを与えていたからだった。米国でも、IT技術者はまだまだ男性の方が多い。そのためAIは、過去のデータから「男性を採用すべき」というモデルを作ってしまったのだ。
将来は、新しいAI開発手法が考案され、こうしたミスを避けられるようになるかもしれない。しかしそれまでは、現在のAIは与えるデータによってアウトプットが大きく左右されてしまうものだという大前提を肝に銘じておこう。
また新しい手法が登場したとしても、それには別の長所と短所、そして別の前提条件が生まれるだろう。だからこそ、自分自身が開発者にならなかったとしても、「いま自分が使おうとしているAIは、いったいどのような仕組みで動いているのか」を理解しておく必要があるのだ。』
『その上で、次に必要になるのは「AIをどこに使うか」という判断力である。いまは第3次AIブームと呼ばれるほどAIへの注目が高まり、AIやそれらを使ったアプリケーションも進化しているが、残念ながらAIは万能ではない。というより、前述のようなAIを実現する仕組み、あるいはそれらが活用される環境では、得意なことと不得意なことが変わってくるのである。私たちには環境を変える力がないことが多いが、使うツールを選んだり、使い道を変えたりすることはできる。これらを考慮して、ツールの価値を最大限に引き出さなければならない。』
『一例を挙げよう。ある旅行会社で、スマートフォンで観光地の写真を撮ると、AIがそこに写っている被写体が何なのか(有名な寺社仏閣やモニュメントなど)を認識し、関連情報を表示してくれるアプリを作ってはどうかという計画が持ち上がった。
これなら外国に出かけたとき、現地語の説明が読めなくてもそれが何なのか理解できる。旅行ガイドを開くより手軽だし、適当に写真を撮っておいて、後からそれが何だったのかを確認することもできる。また、関連情報を表示する際、広告やクーポンなどの情報も表示すれば、旅行者にさらなるアクティビティーを促せる。それが新たなビジネスへとつながるだろう、というわけだ。幸い旅行会社なので、教師データとなる観光地の写真は多数用意できそうだ。早速、試験的なAIの構築が始まったが、精度の高いアプリケーションを実現することはできなかった。
理由は単純で、用意された教師データの大部分が、被写体を美しく撮影したものだったからだ。晴天の中、被写体がもっとも美しく見える角度で撮影された写真ばかり――PRが目的なのだから当然だ。しかしテストに協力してくれた一般の人々は、さまざまな天候、時間、角度で写真を撮っていた。バスで移動中に、急に気になる建物が視界に入ったので、ブレブレでピントも合っていない写真を撮ったという場合もあった。これでは思うような精度は出せない。最終的にこのプロジェクトは、精度が出せるように被写体と用途を限定するという方向へ進むことになった。あらゆる条件下で、達成したい価値の100%を実現できるAIを実現するのは難しい場合が多いが、AIを使用する範囲を一定に絞り込むことで、価値をある程度まで手にできることも多い。実現できなかった部分は、従来通り人間が担当したり、あるいは人間とAIが協力してタスクを実行したりすることができる。そうした判断を、AIを活用する側が下していくわけだ。
もちろんこうした判断を、誰もが正確に下せるわけではない。多くは試行錯誤を経て、あるいは過去の類似事例や経験に基づいて正解へとたどり着くことになる。これからAIを学ぼうというマーケターも、座学だけでなく、大小さまざまな実践と失敗を通じてスキルを磨くことになるだろう。』
『 実践する際には、失敗が致命傷とならないよう、AIが持つリスクを理解しておく必要がある。特にマーケティング活用では、AIの誤作動が顧客に直接的なダメージを与えてしまいかねない。そして前述のように、大手IT企業でも失敗する場合があるほど、AI利用に潜む落とし穴を把握することは難しい。AIの仕組みや利用法に関する知識を得るのと同時に、リスクについても確実に学んでおこう。』
『その際に参考になるのは、各国の政府や国際機関、業界団体が発表しているガイドラインだ。AIを利用する際の注意点についてまとめたもので、その多くは、非技術者にも理解できるような表現が使われている。
例えば、総務省の情報通信政策研究所が2019年8月に発表した「AI利活用ガイドライン」では、「AIサービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者が留意すべき事項」として、10項目のAI利活用原則を定めている。(1)適正利用の原則:利用者は、人間とAIシステムとの間および利用者間における適切な役割分担のもと、適正な範囲および方法でAIシステムまたはAIサービスを利用するよう努める。
(2)適正学習の原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムの学習などに用いるデータの質に留意する。
(3)連携の原則:AI サービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービス相互間の連携に留意する。また利用者は、AIシステムがネットワーク化することによってリスクが惹起(じゃっき)・増幅される可能性があることに留意する。
(4)安全の原則:利用者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用により、アクチュエータなどを通じて、利用者および第三者の生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないよう配慮する。
(5)セキュリティの原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスのセキュリティに留意する。
(6)プライバシーの原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用において、他者または自己のプライバシーが侵害されないよう配慮する。
(7)尊厳・自律の原則:利用者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用において、人間の尊厳と個人の自律を尊重する。
(8)公平性の原則:AIサービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスの判断にバイアスが含まれる可能性があることに留意し、また、AIシステムまたはAIサービスの判断によって個人および集団が不当に差別されないよう配慮する。
(9)透明性の原則:AIサービスプロバイダーおよびビジネス利用者は、AIシステムまたはAIサービスの入出力などの検証可能性および判断結果の説明可能性に留意する。
(10)アカウンタビリティの原則:利用者は、ステークホルダに対しアカウンタビリティを果たすよう努める。』
『ガイドラインによっては、AIの非軍事的な利用や公教育でのAI教育の必要性など、社会全体で行うべき取り組みを定めているものもあるが、多くは上に挙げた10項目のような、一つの企業や組織内で実践できる取り組みを解説している。信頼できる組織が発表したものを選び、自らの取り組みを検証してみると良いだろう。その際に重要なのは、関係各部との連携だ。AIはITシステムであり、開発から利活用までではシステム部とマーケティング部のやりとりが中心になるだろう。しかしプライバシーに関するリスクのように、コンプライアンスや法務が関係する部分もある。AIの利活用が生み出すリスクは、組織横断的に対応する必要があるのだ。その意味で、AIに関する知識やスキルを学ぶ段階から、他部門との連携や共同作業を進めておくべきだろう。
AIへの正しい対応方法を修得するというのは、誰にとっても簡単な話ではない。テクノロジー自体が現在進行形で進化していることに加え、それを正しく利活用する原則や理論にも、アップデートが加えられている。しかしマーケティングの世界は、これまでも各時代における最新のテクノロジーや理論を積極的に取り入れ、進化してきた。自らが新たなマーケティングの世界を切り開くという気概で、AIにチャレンジしてほしい。』
AI利活用ガイドライン
~AI利活用のためのプラクティカルリファレンス~
https://www.soumu.go.jp/main_content/000637097.pdf

















