※ まんま、この話しだな…。
※ 米国の「当局者」は、これを「ホントの話し。」と認定したようだ…。
※ まんま、この話しだな…。
※ 米国の「当局者」は、これを「ホントの話し。」と認定したようだ…。
“中国の秦剛前外相 駐米大使時代の不倫で解任か” 米有力紙
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230919/k10014200581000.html
『2023年9月19日 22時04分
中国の秦剛前外相がことし7月、就任から半年余りで突然、解任されたことをめぐり、アメリカの有力紙は、秦氏がアメリカで大使を務めていた際、不倫を続け、現地で子どもをもうけていたことが解任につながったとしたうえで、国家の安全について情報を漏らした可能性についても調査の焦点となっていると伝えました。
アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは19日、複数の関係者の話として、秦剛氏に対する中国共産党の内部調査の結果が先月、閣僚などに報告されたと伝えました。
それによりますと、秦氏がアメリカで大使を務めていた際に不倫を続け、アメリカで子どもをもうけたことがわかったということです。
解任の正式な理由は「生活スタイルの問題」とされ、現在は国家の安全について情報をもらした可能性についても調査の焦点となっているということです。
不倫の相手はわかっていないということですが、アメリカ生まれの子どもは親が外国人でもアメリカ国籍が与えられます。
このため、子どもの存在が外相として国益を損ねるおそれがあったことも解任につながったとする関係者の話も伝えています。
中国外務省の毛寧報道官は19日の会見で、この報道について問われましたが、「外相の任免についてはすでに情報を発表している。そのほかの状況については承知していない」と述べるにとどまりました。
中国では国防相の李尚福氏についても動静が3週間伝えられておらず、汚職で調査されているなどといった臆測が広がっています。』
北戴河にいた軍長老の名 曽慶紅隣席で習氏に無言の圧力
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE15CG70V10C23A9000000/
※ 「遅浩田」…。
※ 初めて聞いた名前だ…。
『「この夏、あの『海辺』にいたのは、力のある選(え)りすぐりの長老だ。ほんの数人だけである」「そのうちの一人は、(中国人民解放)軍の長老だ」「問題の(長老らとの)会合後、トップ(中国共産党総書記の習近平=シー・ジンピン)は、自らの側近を前に感情をあらわにした」
中国の内情をうかがい知ることができる複数の人物の証言である。海辺とは河北省の海浜にある保養地、北戴河を指す。そこは毎夏、長老と習ら現役指導…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『そこは毎夏、長老と習ら現役指導部メンバーが重要事項について意見交換する場だ。
ところが今夏は、奇妙なことに、いわゆる意見交換の場ではなかった。現役の最高指導部メンバーは、出席者した数少ない長老らの代表者一人だけが口にした彼らの「総意」にじっと耳を傾けるだけだったのだ。
習近平国家主席(15日、北京で会談したカンボジア首相側のSNSから)=AP
どういうことなのか。代表者は先々週、このコラムで詳しく紹介した元国家副主席の曽慶紅(84)である。だが、もう一人、極めて重みのある人物がいた。長年、軍の重要ポストを務めた威厳ある長老だ。
その名は、遅浩田。この夏、94歳になった。「習近平時代」の中国の若い人々は、名さえ知らない人物だろう。しかし、1980年代から中国に関わる人々にとっては、忘れられない名だ。多くの有名軍人を輩出してきた山東省の出身である。
「改革・開放」政策にカジを切った鄧小平(故人)は、最高実力者として軍の掌握と、軍近代化に努めていた。1980年代、軍政畑の長い遅浩田を要の総参謀長に抜てき。遅浩田はその後、10年にわたり国防相を務めた。
一部、重なる形で制服組トップ級の中央軍事委員会副主席と、国務委員(副首相級)も歴任した。非の打ちどころのない輝かしい軍歴だ。軍のご意見番として尊敬を集めてきたのは当然だった。
恒例の旧正月を前にした現指導部による長老への「挨拶回り」を紹介する中国の発表文でも遅浩田の名は、生粋の軍出身者として最も前にある。これは序列の高さを意味する。遅浩田は鄧小平生誕100周年の際も軍を代表して記念文を寄せた。
1990年代、北京に駐在していた筆者は、その威厳ある軍人、遅浩田の現役国防相当時の声を現場で直接、耳にした。1998年3月26日のことだ。日中防衛交流で訪中した当時の陸幕長、藤縄祐爾と北京で会談した際だった。
中国軍の長老で元中央軍事委員会副主席の遅浩田氏(1998年3月26日、北京で)
「(日中)防衛交流で信頼が増し、地域の安全保障にも貢献できる」。遅浩田は藤縄に告げた。上の写真は当時、北京で撮影したものだ。今の秘密主義と違って、軍もオープンだった。会談前の時間、控室で遅浩田はリラックスしていた。我々、日本人記者が写真撮影を頼むと気軽に応じていたのである。
軍長老・遅浩田氏は沈黙し一言も発せず
それから25年。この夏、遅浩田は、曽慶紅とともに北戴河入りし、隣席にどんと構えた。ところが、その場で軍長老は一言も発しなかった。基本的に沈黙を保ったままだったという。興味深い。
習が中央軍事委トップの主席に就いた後、新たに打ち出したスローガンは「(共産)党の指揮(命令)を聞き、それに従う軍隊」だ。これを軍内の隅々に浸透させるため軍施設に掲げられる全看板まで入れ替えた。それまでは、前々任の中央軍事委主席、江沢民(故人、ジアン・ズォーミン)の時代から続く彼の言葉が掲げられていた。
おかしい。習の打ち出した標語を素直に聞けば、従来は共産党の指揮に従わない軍隊だった、ということになる。人民解放軍は、そもそも共産党を守る軍隊として設立された。軍は初期の共産党そのものである。だからこそ、1989年には、共産党独裁体制を守るため、学生らの真摯な民主化要求運動を武力弾圧し、多くの死者まで出した。
まさに、ここが肝だ。今から振り返れば、習は「党の指揮を聞き、それに従う」というスローガンで、実質的に自らへの絶対の忠誠を求めたといってよい。今や中央軍事委メンバーで共産党中央を代表する「文民」は、習ただ一人である。
習は、鄧小平と、その息がかかった江沢民に近い軍内勢力の一掃に動く。そして自らへの絶対忠誠を確立するため、引退していた徐才厚ら制服組の元トップクラス(元中央軍事委副主席)の元老に対しても「腐敗問題」で厳しい調査を始めた。
そして多くに無期懲役という厳しい処断が下された。拘束された徐才厚は、ストレスもあってか、膀胱(ぼうこう)がんが悪化して全身に転移し、2015年3月、入院中のまま死亡した。
摘発された後、死去した徐才厚・元中央軍事委員会副主席(左)=2012年9月、北京の人民大会堂で、右は賈慶林・元全国政協主席
その後も軍要人の失脚は続く。中央軍事委政治工作部のトップだった張陽は、重大な規律違反の疑いによる軟禁中、自宅で首つり自殺した。第19回共産党大会が閉幕した後の2017年11月のことだ。旧勢力一掃の厳しい追及は今も続く。
一方、今年、軍内でここまで大事件が起きても軍の規律は絶対である。現役組は共産党を守る軍人としての矜持(きょうじ)もあって、どんなに不満があっても、それを口にできない。代わりに軍長老が、軍内の真の危うい雰囲気を北戴河会議などを通じて現役指導部に伝える。それが軍長老の役割でもある。
ただし、今や習は共産党中央の別格の指導者だ。1990代の軍長老、遅浩田でも、習を前に直接、批判的な発言をするのは「ご法度」。だからこそ代表者、曽慶紅を前面に立て、自らは発言しなかった。
それでも習は居心地が悪かっただろう。いまだ軍内ににらみを利かせる長老が隣に座っているからこそ、曽慶紅の厳しい諫言(かんげん)を無視できないのだ。実力組織である軍の長老による無言の圧力は大きい。
長老の独自会合は半ば公
そもそも今回、長老らは北戴河に先立ち、北京郊外とみられる場所で、じっくりと意見交換していた。これまで習は、長老らが個別に会ったり、集まって勝手に意見交換したりするのを非常に嫌っていた。
そこで出るであろう「習批判」が人口に膾炙(かいしゃ)すれば、権力基盤に響きかねない。そこで習は、様々な「お触れ」を出し、長老が独自会合を開くのをけん制してきた。自分の側近らをフル活用し、監視の目も光らせてきた。
ところが、今夏の長老らの事前協議の集まりは「(いわゆる)秘密会合ではなかった」とささやかれている。習指導部も半ば公認した会合。認めざるをえなかったともいえる。
中国の政治、経済、社会が相当な苦境にあることは、習も認識している。かつてなく高い失業率もあって、若者らは既に動き出している。昨年末の「白紙運動」の広がりは、共産党幹部には衝撃だった。「この状態下で共産党体制の行方を真摯に心配する老人の声まで全て封殺するのは得策ではない」。そういう判断のようだ。
長老らの核は、習と同様、革命期から共産党で要職を務めた幹部の子弟である「紅二代」「太子党」だ。曽慶紅もそうである。混乱回避には、彼らの声も一定の範囲内で聞く必要があった。ただ、習とすれば、これは単なる「ガス抜き」という認識だっただろう。
しかし、長老らの総意に基づいて曽慶紅が口にした習指導部への諫言は、極めて厳しい内容だった。もはや、単なるガス抜きではなくなった。この雰囲気は、1カ月近くかけて各地の共産党内にも伝播(でんぱ)し、内部で微妙に波紋を広げている。
中国全人代の全体会議で宣誓する李尚福国防相(3月、北京の人民大会堂)=共同
消息不明である国防相の李尚福(65)の現状については、なお公式発表がない。だが既に失脚に追い込まれたという情報が世界を駆け巡っている。これには駐日米大使のエマニュエルまで言及した。李尚福は、外相から解任された秦剛と同様、副首相級の国務委員を兼任している重要人物だ。
相次ぐロケット軍幹部失脚、習氏が進める大粛清の意図
この異常な軍への措置は、何らかの政治的な意図を持つ習が、十分に準備した後、主導的に措置をとった「軍内粛清」なのか。それとも、追い込まれる形で行動に出ざるをえなかったのか。それは謎のままだ。
ただ、ひとつだけ、はっきりしているのは、軍がある種の混乱の中にあるという事実だ。それは当然だった。8月の北戴河会議と、その前の長老らの会合があったとみられる頃、軍には大きな異変があった。
まず8月1日、核・ミサイルを運用するロケット軍の司令員の拘束が明らかになる。司令員と政治委員というトップ2人は前日の人事発表で、既に更迭されていたことが判明していた。さらにロケット軍の元副司令員が7月初めに死亡していた事実も判明。自殺という見方が出ている。混乱の裏には「機密情報の漏洩」という重大事件があるとの情報も中国内で出回りつつある。
核・ミサイルに関わる専門軍種であるロケット軍の新たなトップ2に抜てきされたのは、何と海軍の出身者と、空軍の出身者だった。急に部外者がきても専門的運用が要るロケット軍をうまく動かせるはずがない。現場に強い不満があることは、想像に難くない。
続いて軍の事務、対外関係を一手に担う国防相の李尚福まで理由不明のまま解任される場合、組織内がさらに混乱しないはずはない。しかも、李尚福は比較的、高齢にもかかわらず、習自身があえて抜てきした人材とみられていたからだ。
異常な軍内粛清の動き、国防を担う現場の混乱、そこにくすぶる様々な形の不満……。これらが、北戴河会議に、軍内ににらみを利かせる真の長老、遅浩田が現れたことに関係していることだけは間違いない。(敬称略)
中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』
天井張り付き状態の中国経済
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/32454303.html
※ やっと、「フォレスト・シティ」の話しが出て来てるな…。
※ 「碧桂園」行き詰まりの話題で、なんでこれが出てこないのか、不思議だった…。
※ しかし、「フォレスト・シティ」ポシャリなんてのは、3~4年も前の話しじゃなかったか…。
『カードローンで、天井張り付きという状態があります。貸出限度額の一杯まで借り入れて、返済する金額が金利分にしかならず、借金の元本が減らない状態です。この状態になると、一生でも借金の返済のみで過ごす事になります。この状態を作り易くしたのが、リボ払いという仕組みで、特に意識しなくても、天井張り付きになるように工夫されています。極力、カードを使用する時に、積み上がる金利を意識しなくて良いように設計されていますが、リボ払いの金利は高く設定されていて(18%とか)、しかも返済を遅延すると罰金も徴収されます。なので、リボ払いで破産する人は多いです。
これが、アメリカ辺りになると、30%とかの金利を取られます。そもそも、借金を負わせて金利を徴収する側からすると、計画通り綺麗に返済する顧客というのは、上客じゃないんですね。何度も返済を遅延しながら、金利だけ払い続け、できるなら生涯の大部分を借金の返済だけに費やし、元本の3倍くらいの金額を払って死んでくれる人が「上客」「太客」です。実際、そういう人に比べると、キチンと返済をする人から見込める利益は、微微たるものです。なので、高利貸し並の金利を合法的にかけられて、顧客が返済するのをむしろ妨害するようなリボ払いの仕組みは、銀行にとって大きなドル箱になっています。
で、中国の不動産開発会社が、現在、この状態になっています。現在、中国最大の不動産開発会社になっているカントリーガーデン(碧桂園)ですが、期限ギリギリで外債に関しては借金を返済しました。外債の返済は、返済期限になったら即ディフォルトするわけではなく、1ヶ月程度の猶予期間が設定されています。海外からの借り入れの場合、資金があっても手続きで返済日が遅れる事が多々あるので、その為の調整期間が予め設けられています。とはいえ、そんな事は判り切っている事なので、そもそもの返済日に遅延が発生すると、著しく信用を落とす事になります。
カントリーガーデンの外債は、今回のは一部に過ぎないので、同じように次々と返済期限が到来します。その支払が間に合わなくなった時が、最後です。と同時に、国内の元建ての借り入れに対して、3年間の返済期限延長の合意を債権者との間でしています。これは、債権者が納得して期限延長に応じたというよりは、明らかに中国共産党が命令して債権者に条件を飲ませたという事です。多くは社債と思われますが、3年も延ばしたら、その資金が手元にあったら、運用した金利で財産が築けてしまう期間です。そんな条件をまともな投資家が飲むはずがありません。つまり、飲まされたのです。
これは、外債に関しては不履行を起こすと、国際的な信用が落ちる上、潜在リスクと判断されて、外資が逃げてしまうので、国内の債権者を強権で黙らせて、かき集めた現金を、外債の返済にのみ使ったという事です。しかも、今回の返済は、元本を含まない金利の返済ですので、借金の総額は減っていません。つまり、中国最大の不動産開発会社が天井張り付き状態になっているという事です。
もし、この企業を破綻させたくなければ、中国共産党か、その命令によって、どこかが資金注入する必要がありますが、おそらく、そのお金は利払いで、外国の投資家に吸い上げられます。つまり、いくら資金を突っ込んでも、そのまま外国に吸い上げられて、借金が減らないという事です。カントリーガーデンが潰れない限り、海外の投資家にとって、もっとも美味しい状態です。そして、中国共産党としては、潰すわけにはいかない企業の一つです。
また、カントリーガーデンは、海外にも開発プロジェクトを抱えていて、それは現地の法律で処分できる資産です。もし、破綻しても、その国の裁判所の命令で、資産の差し押さえができます。一番目立つのが、マレーシアに人工島を作って建設した「フォレストシティー」です。最終的に70万人が生活できる都市として計画されたプロジェクトですが、政治的な圧力と、習近平氏の緊縮財政政策に巻き込まれて、資金がショートし、中途で止まっています。これを、借金の方として買い叩いて取り上げるべく、外資の熱い視線が注がれています。
恐らく中国国内の投資も入って築かれた、こうした資産が差し押さえられると、返済が後回しにされている国内投資家の資金が、どんどん危険に晒される事になります。つまり、海外投資家が優先して返済の対象になるので、最終的に残った絞りカスのような資産を、大勢の国内投資家で分ける事になるからです。もちろん、満額返済なんて事はなく、その時点で損が確定する負けゲームです。それを、無理矢理、中国国内の投資家は、中国共産党に飲まされたという事です。
天井張り付きの状態から、事業が復活する可能性は、そうなったカードローンを抱えた顧客が個人破産するように、ほぼありません。つまり、これからの中国経済は、借金しまくりで延ばしてきた数字を、タコが自分の足を食うように貪りながら、縮小していくしか無いという事です。状態として、日本のバブル崩壊後の失われた30年と同じなのですが、恐らく規模が数百倍です。この処理が可能かどうかは、人類史に残る社会実験になるでしょうね。 』
ニュース報道には政治的意味があるらしい | 韓国しじぷさり日記
https://ameblo.jp/edamamemame/entry-12820963999.html
※ 中国の朝鮮族に関する、貴重な情報だと思われるので、紹介する。
『2023年09月18日(月) 16時01分30秒
金正恩の訪露、露朝会談が成功裏に(!)終わりまして、プーチンの会談北朝鮮がロシアに武器提供をすることなど、露朝の連携の約束が交わされました。
これに対してアメリカは「対処する」と制裁を匂わせた、というニュースが韓国でも流されました。
ロシアが欲しい北朝鮮の武器リスト、見返りは衛星・原潜技術か ボストチヌイ宇宙基地で行われた首脳会談の意味とは | JBpress (ジェイビープレス) 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は9月13日、公式訪問先のロシア極東でウラジーミル・プーチン大統領と会談した。 ロ朝首脳会談の予定を事前にすっぱ抜いたのは米メディアだった。米情報機関(1/4)リンクjbpress.ismedia.jp
ところで、アメリカはウクライナを支援しているのに、北朝鮮のロシア支援は許さないとするこの基準。
もちろん韓国は一応はこの基準でいるわけですが、普段はアメリカの身勝手さを批判する韓国ですから、(アメリカは核を持っているのに韓国の核開発は阻止するのか?とか)本音ではきっとダブルスタンダードに気付いているでしょう。
本音では、自分はよくて相手はダメ、という身勝手ダブルスタンダード。
建前としては、侵略したロシアが悪者であるから正しい方は助けて悪い方は助けちゃダメ、という正義のダブルスタンダード。
ところでちょうど、職場の休憩室のテレビでわたしとこのニュースを一緒に見ていた人がいるのです。
中国人のおじちゃんです。
朝鮮族ですので民族的には韓民族と同じ。韓国文化によく順応して無難に仕事をこなしています。
が、おじちゃんのスマホの画面は中国語設定、スマホで見ているドラマは中国ドラマ。娘さん家族は韓国で働いています。
(わたしはスマホで日本のサイトを見ていますけど、スマホ自体の設定言語は韓国語にしてあるという現地同化レベルです。スマホはサムソン。現地同化。笑)
こういう、中国共産党の教育と支配を受けながら暮らした土壌がある、しかし漢民族ではない少数民族が自分の「民族の国」に出てきていて、現在中国共産党支配の外で資本主義の風に吹かれて働いている状況では、どういう思想とどういうアイデンティティでいらっしゃるのかなーというのに興味があります。
朝鮮族のみなさんはだいたい中国が大好きです。小国韓国に比べて、大きな母国を誇りにしています。
で、韓国でお金を稼げば中国に家を買えるらしい。二件も三件も。
中国内でも田舎なんですかね。朝鮮族の居住区域は。大都市のような収入はないようです。また定年後にもうひと稼ぎするために韓国に出て来ていたり、娘さん家族と一緒に来ていたりします。中国で働いた定年後に、さらに家を買えるほどの収入を追加で得ることができるなら、韓国行きも悪くはないですよね。
ある朝鮮族のおばちゃまは家族が中国にいるそうですが、息子に家を買ってやると、お母さんにも買ってあげたくなり、妹にも買ってあげたくなるから韓国で働くのを止められないそうですよ。家族主義ですね。
でもなんか不思議ですよね。近所に朝鮮族も漢族も住んでるなんて。街に出て朝鮮族に逢えば朝鮮語で、漢族とは中国語で会話をするそうです。それが普通。
日本もこれからはそういう多民族になっていくのかな。
おっとしょっぱなから話がすっとびました。戻します。
中国人のおじちゃんならば、きっとニュースはロシア側、北朝鮮側の立場で捉えるんだろうなーと思い、聞いてみました。
アメリカは自分がウクライナを助けているのに、北朝鮮がロシアを助けるのはよくないと言っているけど、どう思う?あと、中国の立場ではロシアがウクライナを侵攻したのは正しい事、いいことだと思ってるんでしょ?
質問に半分だけ答えてくれました。
そうしないとウクライナは西側の同盟に入ってしまうからだよ。しょうがなかったんだよ。
わたしも戦争の時系列を把握してないのですが、
これは、「紛争中の国はNATOに加入できない」、ということを言っているのかもしれませんし、あるいは、南部4州を独立させて緩衝地帯にすることを言っているのかもしれません。
それが戦争目的だと。
戦争の詳細の正しい間違っているのご指摘はご容赦ください。とにかくまぁおじさんはそう思っているのはわかりました。
まぁねぇ。日本がなぜ日露戦争を起こして朝鮮半島を併合したか。それを正当化しようとしたらロシアのことも悪く言えない気もします。時代はずいぶん違いますが。
国家のエゴとエゴとのぶつかり合いと・・・・言ってしまえば正義はない。
さて、ささいなおしゃべりですので結論はでません。
ニュースは変わって、火災や交通事故の報道となりました。
こんなニュースは中国では報道できないね。
やっぱり、中国のニュースは事故や火災など、よくないことは報道しちゃいけないのかな?
と思ったら、
こんなささいな事故まで報道してたらきりがない。国が大きいから。笑
だそうです。うん。確かに中国全土で起こる交通事故や火災をいちいち報道してたら夜が明ける。
でも、いえいえ、けっこうな大火災であっても、大事故であっても、ニュースにならない気がしますが・・・・
おじさんは顔をしかめながら言います。
韓国は資本主義だから、なんでもかんでも金で考えるね。
中国では、ニュースになったら、その政治的意味を考えるものだ。
なるほど。たしかに韓国のお金の計算は時に鼻につきます。
日本と韓国のニュース報道の違いに被害総額の報道があります。
火災が起これば「人命被害〇人、財産被害〇億ウォン」、
水害が起これば、「人命被害〇人、財産被害〇億ウォン」。と、お金がセットで出てきます。
何かイベントを誘致する際にも、経済効果が〇億ウォン、と試算され宣伝されます。
こういう被害総額や経済効果って、まぁどんぶり勘定で、大風呂敷なんでしょうけどね。
いくらもうかった、いくら損した、これが基本の考えにあるかもしれません。
で、中国では、ニュースを見ればまずその政治的意味を考えるのだということですね?一般人が。
これをこういう風に報道したということは政治的にこういうことだ・・・・という感性でニュースをみるわけだ。放送局は報道機関ではなく政府の広報機関であるならそうなのでしょう。
ということは、どっかの財閥が破綻する、どこかの不動産バブルが弾ける、どこかの工場が爆発する、こういう経済ニュース、社会ニュースからも、
背景にある政治バランス、政治的な意味をくみ取るのかなー。
中国ウォッチャーさんたちが分析しますものね。どこの企業はどこ系だとか。すると「誰が」潰されたのかがわかるわけだ。もしやコロナで都市がロックダウンする時にも政治の軋轢を考えたりしてたのかなー。
市場の見えざる手、というのは中国にはあるようでないわけですから。
そうしますと、どなたかの意思が誰かを持ち上げたり潰したり、攻防したりするのが、ニュースから透けて見えたりするのかなー。
金正恩とプーチンさんの首脳会談も、中国人さんたちは市民レベルでもっと別の面から深く広く考えるのかなー。
政治の風向きを俯瞰して、そして処世術に落とし来んでいるのだったらすごい。
#北朝鮮 #ロシア #金正恩 #プーチン #ニュース報道 #政治的 』
中国不動産不況の衝撃 マネー流出も【中国経済コラム】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230915/k10014195361000.html







※ 今日は、こんな所で…。
『2023年9月15日 15時58分
「中国の不動産問題のフェーズが変わった」
中国経済に詳しいエコノミストの言葉です。今、中国の不動産不況が世界の金融市場にも悪影響を及ぼし始めています。不動産大手の経営悪化は地方の財政問題にも飛び火し、中国政府が恐れていたマネー流出も起きています。(中国総局記者 下村直人)
不動産最大手もついに…
冒頭の「フェーズが変わった」との言葉のきっかけになったのは中国の不動産最大手「碧桂園」が8月初旬に一部の債券の利払いを先送りしたことでした。
「碧桂園」はこれまであまり名の通った会社ではありませんでした。
経営危機に陥っている不動産大手「恒大グループ」はサッカーチームの運営やEV=電気自動車の製造など、“派手に”多角化を進めてきたこともあり、知名度がありました。
これに対して「碧桂園」は国内の地方都市の開発などを中心に成長してきた会社なだけに、これまで国際ニュースの話題になることがあまりなかったのです。
しかし、今や「碧桂園」は世界でニュースの中心に躍り出ています。
英語名「Country Garden」は欧米メディアでも頻繁にとりあげられ、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は「Country Gardenが新たな懸念をもたらしている」などと伝えています。
2023年8月30日に発表した中間決算では489億人民元、日本円で9800億円の最終赤字に陥り、会社は「今後も業績が悪化し続ければ、デフォルト=債務不履行に陥る可能性がある」と投資家に脅しともとれるようなメッセージを送りました。
株価下落を引き起こし…
中国不動産最大手のデフォルト危機とあって中国の株式市場では、株価の下落傾向が続きました。
上海株式市場では、株価指数が8月25日に一時、ことしの最安値をつけました。
7月31日の高値と比べると、8%余りの下落です。
中国政府が恐れるマネー流出も
さらに中国政府が恐れていることが起きています。
資金の流出です。
中国政府は公表していませんが、アメリカ・ワシントンに本部があるIIF=国際金融協会がまとめた資金の流れによると、ゼロコロナ政策の解除以降、中国の株式市場へは資金の流入傾向が続いていましたが、8月は、一転して巨額の資金が流出しました。
その額は、149億ドル、日本円で2兆1000万円余りにのぼったのです。
人民元安も進む
資金の流出は、株式市場からだけではありません。
外国為替市場で、中国の通貨・人民元も売られています。
2023年9月8日には、1ドル=7.35台まで値下がりし、15年9か月ぶりの安値を更新しました。
加速する元安に危機感
元売りを抑えるため、中国人民銀行は取り引きの目安となる「基準値」を、元高方向に設定するなど、通貨の防衛姿勢を強めています。
また、市場介入には慎重な姿勢を示しているものの、9月7日に発表した8月末時点の外貨準備高は、前の月(7月末)から442億ドル、日本円で6兆4500億円あまり減少。
市場関係者のひとりは、「予想以上の規模の減少であり、通貨を防衛するために介入した可能性もあるのではないか。人民元安は資金流出を加速させるおそれがあり、当局は、相当危機感を強めているはずだ」と話していました。
地方財政をゆるがす
経営難が明らかになった「碧桂園」。
やっかいなのは地方財政と結びついている点です。
中国では土地は国有で、地方政府が土地の使用権を不動産開発会社に売って、その収入をインフラ開発の財源にあててきました。
地方都市での開発に力を入れてきた「碧桂園」の経営難は、不動産業界に依存してきた地方政府の財政悪化につながりかねず、経済に大きな打撃を与えるおそれがあるのです。
「住宅を建築するだけでなく、住宅所有者に包括的なライフスタイルのソリューションを提供する」
「ブランド価値は不動産部門を超えて拡大した」
これは2018年、碧桂園がアメリカのフォーチュン誌が発表する世界の企業の売り上げに基づくランキング「フォーチュン・グローバル500」の353位になったときのプレスリリースの文言です。
住宅建設だけにとどまらない事業拡大に会社が自信を深めている様子が手に取るように伝わります。
不動産投資熱とバブルの崩壊。
経済悪化や金融危機の発端の多くが不動産由来であることは日本のバブル崩壊と不良債権処理、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きから起きたリーマンショックを見ても明らかです。
経営難に陥った碧桂園は、年内に日本円で3000億円を超える返済が必要になるとされ、デフォルト懸念が依然、くすぶります。
中国経済がどのような道をたどっていくのか、歴史を繰り返さないのかどうか、世界の金融市場が神経を使う展開が続きそうです。
注目予定
来週は、アメリカ・FRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決定する会合が開かれます。
利上げ見送りが市場のおおかたの予想ですが、日本時間21日未明にパウエル議長が今後の政策について、何を語るのかが焦点です。
また、22日は日銀の金融政策決定会合が開かれます。
市場で、金融緩和策の修正が視野に入ってきたという見方も出ていて、こちらも植田総裁の会見内容が注目されています。 』
米バイデン政権 動静不明の中国国防相 解任と結論か 英経済紙
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230915/k10014196601000.html
※ 今日は、こんな所で…。
『2023年9月15日 12時57分
中国の李尚福国防相の動静がおよそ2週間、伝えられていない中、イギリスの経済紙は、アメリカのバイデン政権は李氏が解任され、中国当局の調査を受けていると結論づけたと報じました。
中国の李尚福国防相をめぐっては先月29日に北京で開かれた「中国アフリカ平和安全フォーラム」で演説したと発表されたのを最後に、およそ2週間、動静が伝えられていません。
こうした中、イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは14日、複数のアメリカ政府当局者や関係者の話として、バイデン政権は李氏が国防相を解任され、中国当局の調査を受けていると結論づけたと伝えました。
アメリカ政府の当局者らはバイデン政権が、李氏が調査を受けていると結論づけた理由については、明らかにしなかったとしています。
李氏は有人宇宙飛行プロジェクトの総指揮や中国軍で兵器の調達などを担当する装備発展部長を歴任し、習近平国家主席の信頼も厚いとみられていてことし3月に国防相に任命されたばかりです。
中国では、外相を務めていた秦剛氏が1か月にわたって動静が公表されないまま、7月になって就任から半年余りで解任されています。
また、汚職の疑惑が取り沙汰された中国軍の幹部らも相次いで交代していることから、李氏が汚職などで調査されている可能性があると、臆測が広がっています。
米駐日大使『何かが怪しい』
アメリカのエマニュエル駐日大使は自身のSNSで、中国の李尚福国防相が予定されていたベトナム訪問に姿を現さず、シンガポール海軍総司令官との会談も欠席していると指摘しました。
その理由について、エマニュエル大使は「自宅軟禁のせいだろうか」としたうえで「シェイクスピアが『ハムレット』で書いたように『何かが怪しい』」と投稿し、李国防相の動静に高い関心を示しています。
中国 李尚福国防相とは
李尚福氏は、65歳。
中国軍に入隊後、有人宇宙飛行プロジェクトの総指揮や、兵器の調達などを担当する部門のトップを歴任し、去年10月、中国軍を統括する「中央軍事委員会」の委員に就任しました。
ことし3月には国防相に就任するとともに、副首相級の国務委員にも選ばれ、習近平国家主席の信頼が厚いとみられています。
李氏をめぐっては、アメリカ政府が、ロシアからの兵器の調達にかかわったとして2018年から制裁対象にしています。
中国側はこれに反発してアメリカの国防長官との会談を拒否していて、李氏が国防相に就任して以降、米中の間で正式な国防相会談が行われない事態となっていました。』
中国経済は「日本化」しているのか? ―いま話題の「バランスシート不況」論から読み解く
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00931/


『 中国では経済が上向く気配が一向にないため、国民の間で先行き不安が高まっている。1990年代の日本経済の停滞を説明する「バランスシート不況」論が話題を呼んでいるのはその表れだ。すなわち、「不動産の資産価値が下がったことで企業や個人が消費や投資に慎重になり、それが経済の成長軌道を脅かしている」という見方だ。果たして現在の中国経済は、バブル崩壊時の日本と同様の問題に直面しているのだろうか?
バブル崩壊を防ぐのが良いとは限らない
日本は1990年代初め、不動産バブルを退治するため金融を厳しく引き締めたが、引き締め過ぎてバブル崩壊を招いてしまった。
中国でも未曾有の不動産不況の引き金となったのは、政府が2020年夏に始めた不動産業者向けの厳しい金融引き締め(「3本のレッドライン」)だった。性急過ぎる引き締め政策が深刻な政策不況を招いてしまった点で、日本と中国は似ているが、違いもある。
日本では資産価格の下落がはっきり表面化した。不動産価格は10年で4分の1になる激烈な価格崩壊を経験したのだ。債務不履行や債務超過に陥った企業も次々に破綻した。
これに対して、中国では資産価値の下落が(まだ)はっきり認識されていない。公式統計を見る限り、不動産価格は一昨年10%ほど下がった後で回復しており、大きな値下がりは見られないのだ。しかし、地方の中小都市には大量の売れ残り住宅があり、大都市では高額物件に買い手がつかない。つまり株式用語で言う「売り気配」、持ち主は希望の値段では買い手が現れないことから「価値が下がった」と落胆しているわけだ。
一方で住宅の需要や新規供給は急減している。23年7月の住宅統計を2年前と比べると、住宅販売額は46%減、新規着工面積は60%減という惨憺たる状況だ。
こうなると、企業は資金繰りがつかなくなって倒産しそうなものだが、中国では「隠れた政府保証」という慣行がある。すなわち、重要な企業は政府の助けで資金を融通してもらい、利払いや元本の借換えをさせてもらえるので、なかなか破綻しないのだ。
政府が強力に経済介入するおかげで、中国における資産価値の下落が表面化せず、企業の破綻が起きていないことは、バブル崩壊を防げているようで一見良いことに思える。しかし、それを人間の健康にたとえると、誤って腐った食べ物(劣化した資産)を口にしてしまったのに、吐きも下しもせずにいるのと似ている。それでは毒素が排出されず体内に溜まって、バブル崩壊とは異なる形で健康がむしばまれる。
政府・企業・家計ぐるみの過剰投資
中国は不動産においてのみバブルが起きているわけではない。この10年余り、企業、政府、家計の三つの主体がこぞって負債/GDP比率を増大させてきた。巨額投資の裏側では、投資に用いられた借金が増大する。
ここで企業、政府、家計ごとにみた中国の債務の推移を見てみよう。参考までに過去の他国の事例(バブルの発生と崩壊の様子)も載せてある。
負債の急増後には金融危機が起こりやすいが中国は例外なのか?
不動産バブルや、利用者が乏しく経済効果の低いインフラ投資のように、質の悪い投資がかさむと、借金の返済に時間を要してしまう。その速度が経済成長を上回るため、負債/GDP比が右肩上がりに上昇するのだ。一方、このグラフが途中から減少を始めるのは、バブルが崩壊して債務の繰上償還や債権カットが進められるためだ。
中国では、企業が不動産だけでなく、多くの産業分野で過剰投資を行ってきた。また、政府は年々の経済成長率を高めるために、地方政府が主体となって過剰なインフラ投資を行ってきた。
家計においては、言うまでもなく不動産ローンが中心となった債務の増大だ。国全体が投資過剰で、毎年の経済成長の4割以上が投資によるものである。これだけ債務が増大しても中国のバブルが崩壊せずにいるのは、不動産価格の下落を防ぐ、「隠れた政府保証」で企業の破綻を防ぐ、といった政府の経済介入が強力に行われてきたためだ。
「働きが悪い社員」に高給を払うようなもの
先に「バブルは崩壊しなくても、別の形で経済をむしばむ」と述べたが、具体的にはどういうことか?
不動産バブルの「毒」は分かりやすい。不合理に高額の住宅ローンを組まされた結果、金利も含めた返済で家計が圧迫され、消費が減るのだ。いま未曾有の不況にあえぐ不動産業者らの借り入れによる負債額と金利コストも当然膨らむ。
企業の過剰投資の「毒」は、借金で投資を始めたものの収益を生まず、利払いばかりかさんでいる状態から生まれる。たとえて言えば、働きの悪い従業員に高給を払っているようなもので、そんな社員が増えれば、会社の経営は悪化する。それと同様に、国全体を見ても、効果の乏しい投資を大量に行って借金を膨らませ、元利償還の負担が増大すれば、経済成長の低下は避けられない。
以下の図表は、中国経済が過剰投資とバブルによって年間どれくらいの無駄な金利コストを負担しているかを筆者が粗っぽく推計したものだ。
2022年に生じた富の配分のゆがみ(推計)
無駄な負債 金利水準 無駄なコスト
①不動産 開発貸付分 6.5 6% 0.4
住宅ローン分 19.5 3% 0.6
②地方インフラ投資 隠れ債務 35.5 5% 1.8
専項債 10.0 3% 0.3
③企業向け貸出 14.3 5% 0.7
合計額(兆元)3.8
対GDP比(%)3.1
①不動産:投資利回りは2%未満と銀行金利の半分にも満たないことから、不動産価格は適正水準の2倍に達していると仮定。これにより不動産関係の負債規模(開発業者貸付13兆元、住宅ローン39兆元)が2倍に押し上げられていると仮定。
②地方インフラ投資:地方政府のインフラ投資負債残高を、融資プラットフォームなどの隠れ債務分(71兆元)+インフラ専項債分(20兆元)として減損評価すれば、資産・負債双方を2分の1減額する必要ありと仮定。
③企業向け貸出:直近の企業向け貸出残高138兆元から(重複回避のため)地方政府の隠れ債務のうち銀行貸出分42.6兆元を差し引いた残りは95.4兆元。一方、IMFの16年調査に基づき、金融機関の企業向け貸出のうち、重度の潜在的不良債権の規模を貸出の15%と推計。
出所:①③の与信残高等の数字は22年末時点人民銀行統計、②の隠れ地方債務残高はIMF対中国Ⅳ条協議レポート(23年2月)、専項債残高は財政部統計(22年末)、③のIMF調査は「国際金融安定性報告」(16年4月)
中国の企業、政府、家計が暦年重ねてきた不効率投資のために中国経済に発生している無駄なコストは、元本返済をひとまず横に置いて金利だけを考えても、合計して年間3.8兆元、GDPの3.1%に相当するというのが筆者の大まかな推計だ。中国最大の税目である増値税(日本の消費税に相当する付加価値税)の年間税収6兆元、公的年金支給総額5兆元と比べても半端ではない規模だ。
市場メカニズムが働く普通の国では、これほどの不合理が起きる以前に、バブルが崩壊して企業の破綻や債権カットなどの外科手術が行われる。だが、政府が不動産価格の下落を防ぎ、「隠れた政府保証」で企業の破綻を防いでいる中国では、市場メカニズムによる浄化作用が働かない、と言ってもよい。
最近「中国経済の日本化」がよく取り沙汰されるが、こうしてみると、日本との違いも大きいことが分かる。中国のバランスシート劣化(危機)は、他の国では起きない、「特色のある(ユニークな)」形で進行している。
バブルが崩壊しない代わりに生じる「毒」
年々生まれるGDP(新たに生まれる付加価値)の3%が、成長に貢献しない不効率投資の報酬(与信の対価たる利息)として支払われることによって、重大な弊害が二つ生じる。
一つは、不合理な富の移転を生むこと。そして、もう一つは莫大な資金が無駄な投資に使われて経済の効率が落ちる結果、経済成長が低下することだ。
GDPの3%の利息は、まず国有資本が支配する金融機関に収まり、最終的には大枚の金を金融機関に預けている富裕層ほど利得をする流れ方をする。裏返して見れば、年間に生まれる付加価値(GDP)のうち3%相当は、国や富裕層の懐に、それ以外の人から召し上げられて移転しているとも言える。
習近平政権が打ち出した「共同富裕」論とは裏腹に、過剰投資・過剰債務とその調整を阻む「隠れた政府保証」など、政府の経済介入があるせいで、実際には「官」の肥大や貧富格差の拡大が進んでいることになる。
この結果、最も懸念されるのは、中国が中所得国の罠に落ちることだ。
経済成長を維持したければ、生産性の高いセクターの再生産を促し、生産性が低く傷付いたセクターはつらくてもリストラ、ダウンサイズしなければならない。中国の場合、生産性が高いのは民営企業だから、これをいかに伸ばすかが成長維持の要ということになる。しかし、いま起きていることはこれとは真逆な富の不当な移転だ。こんな仕組みを維持し続ければ、中国の経済成長が停滞していくことは避けられない。
最近問題化している若年失業率の上昇、民営企業の不振もゼロコロナ政策の過誤や大手民営企業たたきだけが原因ではない。不合理な富の移転やマクロで構造的な成長の低下も大きな原因のはずだ。
すべては中国政府の経済介入の結果生じる現象である。裏返して言うならば、市場経済が支配的な国では、バブルが起きて「働きの悪い社員に高給」現象が生まれても、「働きに見合った報酬」に向けた調整、すなわちバブルが崩壊してバランスシートが調整される外科手術が自然に始まる。
ところが、共産党が経済を指導・支配する中国では、政府介入によって資産価格の下落や企業の破綻が起きない。それは一見良いことに思えるが、実は不当な富の移転と効率の低下の形で経済をむしばむ。「中国の特色あるバランスシート危機」とはそういう意味だ。
中国は今後どうすれば良いのか
中国の短期的な課題は、目下の需要急減による成長低下にどう立ち向かうか、である。
いま中国で高い関心を集めているリチャード・クー氏のバランスシート不況論に従えば、財政が赤字を気にせずに需要の穴埋めをすべき、ということになる。ただ、地方政府は過剰債務の上に、不動産不況で土地収入という主要な財源が急減して危機的状況だから、やるとしたら地方政府に代わって中央政府が前面に出て、国債を大量発行して需要を創出することになる。
中国もいまや日本に比肩する対外純債権大国だから、国債を大量発行しても、国内の国有金融機関に買わせれば海外投資家の世話にならずに済む。そういう国は財政赤字を増やしても(当分の間は)平気だということは、この30年間日本が身をもって証明してきた。
しかし、問題が二つある。一つは、国債を発行して得た資金でどのように需要を創出するのか?だ。
地方政府に続けさせてきたインフラ投資は、過去10年余りで当面は「やり尽くした」。そのインフラ投資を地方から中央政府が引き継ぐのでは、不効率な投資をさらに増やして富の不当な移転をますます拡大させる。したがって、需要の創出は国民の先行き不安を緩和して消費に向かうように、社会保障の充実とか消費クーポン券のような新しい形に向かうべきだろう。
もう一つの問題は、中国共産党の保守派は「均衡財政」論者が優勢で、大幅な財政赤字に反対することだ。まして資産が残るインフラ建設ではなく、社会保障の充実だの消費クーポンだの、と民に金をばらまくような使い方には、なおさら反対するだろう。
しかし、これ以上財政赤字の増大やバランスシートのさらなる劣化を食い止めたいというなら、低成長を我慢してでもバランスシートの掃除に努めるべきだし、成長を下げるわけにはいかないというなら、財政赤字を覚悟するほかない。「低成長は嫌だ、赤字財政も嫌だ」は通らない。
中国の長期的課題は、国全体のバランスシートの資産・負債の両側に溜まった莫大なゴミ(不良資産と不良債務)を掃除することだ。
効果を生まないゴミ資産を資産評価し直して評価損を計上し、そのためにした借金(負債)を資産の働きに見合う水準まで債権カットする外科手術を施さない限り、中国経済の真の健康は戻ってこない。しかし、これを始めると、何年もゼロ/マイナス成長が続くことは、先の図表の他国の事例が暗示するところだ。
習近平主席は三選が決まった22年10月の共産党大会で、「35年までに1人当たりGDPを『中等先進国』の水準に引き上げる」ことを公約したばかりだ。今後十数年間、平均4.5%前後の成長を維持しなければならない計算だ。
さすがに、「舌の根も乾かぬうちに」ゼロ成長を何年も続ける選択をすることはできないだろう。そうなれば、当分の間は上述したように中央財政による需要の穴埋めで成長を低下させないように努めながら、時間をかけてバランスシートのゴミ掃除を進める以外ないだろう。
しかし、これがうまく行く可能性はあまり高くない。「時間をかけて過剰投資・債務問題からの脱却を図る」ことは、習近平政権が12年に登場してから過去2期10年間の間、「新常態」や「債務圧縮」といった標語を掲げて、心がけては挫折を繰り返してきたことだからだ。
おまけに、中国はゾンビ企業の莫大な負債の借り換え資金需要が旺盛なせいで、長期国債の金利が3%近い。日本のようにゼロ金利環境の下で、金利負担を気にかけずに国債を大量発行するわけにはいかないので、かけられる時間はそう長くないのだ。
世界経済は中国発の不況・デフレに直面するのか
中国はかねがね「広大な市場」を誇ってきた。昨今は日本のGDPの4倍近い規模だから、本当に広大だ。世界経済の成長の3分の1は中国の貢献分と言われるほどだ。
この広大な市場で需要の急減が起きれば、世界経済全体の成長低下は避けられない。すでに今年、コモディティ市場で多くの物資が相場を下げているのは中国経済減速の反映だろう。
「広大な市場」の裏側には「強大な供給・生産力」もあるので、今後、供給過剰によるデフレ圧力が生じて、世界に伝播する可能性もある。中国の生産者物価指数(PPI)は昨年10月から対前年割れが続いて現在は5%マイナスだ。7月にはとうとう消費者物価指数までマイナスになり、「いよいよデフレ到来か」と話題になった。
PPIが-5%で銀行金利が4%前後なら、実質金利は9%近いということであり、これもいまの中国経済の重荷だ。最近、6月、8月と2回にわたって政策金利が引き下げられたが、下げ幅はいずれも0.1%、これでは「焼け石に水」だ。
デフレはまだ良い方だ。労働力の過剰は賃金のデフレよりも失業の増大につながる。とくに中国で懸念されるのは、これまで高止まりしてきた不動産やインフラの建設に従事してきた建設労働者の失業だ。
建設ラッシュが長年続いたせいで、建設労働者は8000万人にも及ぶという。その大半は農民工だ。不動産不況に加えてインフラ投資まで減ると、農民工の失業問題が大規模に発生し、農村地域への所得移転も大きな影響を受ける。中国はなぜ過剰なインフラ投資を止めないのか?の理由もここにありそうだ。
この失業問題は輸出されないので、世界は貿易財のデフレのような直接の影響は受けないが、これで中国政治・社会が不安定化すると、国際情勢に思わぬ波及効果を及ぼすかもしれない。
バナー写真:中国河南省鄭州市の新街区にある未完成の集合住宅の遊び場の前を歩く女性。資金難に陥ったデベロッパーが、すでに前売りした住宅を完成させるのに十分な資金を調達するのに苦労しており、住宅ローンのボイコットの波が全国に広がっている(2023年6月20日、AFP=時事) 』
「中国版・失われた30年」が始まる理由と向き合い方
エミン・ユルマズの未来観測
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13C450T10C23A9000000/
『中国2位の大手不動産デベロッパー、中国恒大集団(エバーグランデ)が、米国で連邦破産法15条の適用を申請しました。これは同社の問題だけでは終わらず、「中国版・失われた30年」の始まりを告げるケースの一つと考えるべきでしょう。世界経済にも影響があり、投資家も注意が必要です。
中国で起きているのは不動産バブル崩壊ですが、日本の1990年代に起きたそれと比べてもはるかに深刻な状況と言えます。中国首位の不動産デベロッパー、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)も経営危機を迎えており、首位と2位の2社だけで、負債額は76兆円という規模に達しているようです。
日本のバブル崩壊においては、90〜92年頃までに破綻した企業の負債額は最大でも数千億円規模でしたが、そこから10年以上かけて、最終的な不良債権処理の総額は100兆円を超えました。中国は最初の2社だけで76兆円なら、今後10年でどこまで不良債権が膨らむのか、想像もつきません。
最悪のタイミングで規制
エコノミストのエミン・ユルマズ氏
日本とは異なるこの国の問題点は、経済の不動産セクターへの依存度の高さです。国内総生産(GDP)に占める比率は3割に達し、今の日米はもちろん、90年代の日本と比べても格段に高いのです。
これは歴史的に中国では、土地が「資源」のような位置付けだったことが背景にあります。それぞれの地方政府が土地の使用権を売却することで財源を捻出する構造になっており、地価が高騰するほど地方財政が潤うため、政府系金融機関が積極融資し、バブルを後押しする状況が続きました。
その構造が永遠には続かないことは中国政府も認識しており、2020年にはバブルの軟着陸を目指して、不動産向け融資の規制を打ち出しました。しかし、タイミングが不幸にもパンデミックによる経済失速と重なってしまい、急激なバブル崩壊の引き金を引くことになったのです。
中国の不動産の空室率は今、主要国の中でイタリアとスペインに次いで高い水準です。しかし、別荘需要が高い2国とは異なり、中国の空室は人口の減り始めた地方のタワーマンションに代表されるような、「最初から入居者が見つかる見込みのない」空室です。こうした不良債権の処理が終わるまで、個人も企業も投資や消費を抑えざるを得ません。
さらに追い打ちをかけるのが、習近平政権が不動産以外のセクターにもダメージを与えている点です。習近平は改革開放路線をやめ、毛沢東時代のような完全な独裁国家への回帰を意図していると思われます。ネット企業やソフトウエア企業を締め付け、周辺国との対立により海外からの直接投資を遠ざけ、最先端の半導体を入手できない状況を招きました。
半導体については国産化に挑んでいますが、先進国の技術に追い付くことはまず無理でしょう。たとえ中国が台湾を占領し、台湾積体電路製造(TSMC)の工場を無傷で手に入れたとしても、同じクオリティーの半導体は造れないのです。今、中国全土の中で最も不動産価格の下落率が大きい地域が、ハイテク産業の集積地・深圳であることは象徴的です。
不動産の落ち込みをカバーできるエンジンがない以上、10年後には経済成長率が1%まで落ちていても不思議はありません。日本で起きた「失われた30年」を、はるかに大きな規模で再現する可能性が高いでしょう。
日本の不動産に下落圧力
長く続く中国の不況は、世界経済にもマイナスのインパクトを与えることは避けられません。既に日本企業にも工作機械の需要減などの影響が出ています。株式投資においても、当面は公益やヘルスケア、食品、日用品などディフェンシブセクターが有利でしょう。
興味深い動きが「ロレックス価格の下落」です。時計だけでなくブランドバッグやワインなど、富裕層の好むラグジュアリー商品がバブル崩壊のような値動きになっています。
世界的な金融引き締めが背景にありますが、買い手として中国の富裕層の財力が弱まっている影響もあるでしょう。多くの場合、経済危機に直面した富裕層は、資産の換金売りに走ります。そして、換金売りの対象になりそうな資産の一つが「日本の不動産」です。遠からず、日本の地価に下落圧力がかかる可能性があります。
日本にとっては、福島第1原子力発電所の処理水放出を端緒とした、水産物の禁輸の影響もあります。こうした日本たたきもまた、経済不振への国民の不満をそらす目的で中国政府があおっているのであり、不動産バブル崩壊の副産物なのです。12年頃に吹き荒れた反日運動も、背景には当時の中国景気の悪化がありました。
ただし、直近では政府系メディアが「極端な情緒をあおる言動は慎むよう」と社説に書くなど、むしろ反日運動を鎮静化させるような動きも見せています。12年時と比べても経済実態が悪すぎて、反日の余裕もなくなりつつあるのかもしれません。
今、日本経済に必要なのは「中国需要に依存しない」構造をつくることです。インバウンド需要は中国の団体客なしでも十分に盛り上がっていますし、不動産価格は少し下がった方が日本人にとってポジティブでしょう。中国から撤退する直接投資は日本にも向かい、GDPに対する直接投資の比率は既に日本が中国を逆転しました。中国の自滅を、日本にとって追い風にすることが可能なのです。
エミン・ユルマズ
トルコ出身。16歳で国際生物学オリンピックで優勝した後、奨学金で日本に留学。留学後わずか1年で、日本語で東京大学を受験し合格。卒業後は野村証券でM&A関連業務などに従事。2016年から複眼経済塾の取締役。ポーカープレーヤーとしての顔も持つ。
【関連記事】
・米国株に下落リスク 日銀の変節が世界の相場を揺らす
・インドと中国 新興国株の両雄に待つ未来の明暗
・バフェット氏が次に買う株は 「日経平均5万円」の現実味 』
中国の日本化
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2023-09-11.html
『目次
ダブル・デフレの中国
中国の日本化
中国不動産バブル崩壊は深い傷跡を残す
中国にとって最善の結果
2023-09-10 161700.jpg
1.ダブル・デフレの中国
9月9日、中国国家統計局は8月の消費者物価指数が去年の同じ時期より0.1%上昇したと発表しました。マイナスだった7月からプラスに転じたものの、上昇は小幅にとどまっています。
その内訳は、「ゼロコロナ政策」の終了後初めての夏休みを迎え、旅行が14.8%上昇する一方、食品は1.7%下落し、ガソリンなどの燃料も4.5%のマイナスとなり、デフレへの懸念が続いているのですけれども、これに不動産不況を加え、物価の下落と不動産価格の下落とが同時進行する「ダブル・デフレ」の懸念が高まっています。
また、中国税関総署が9月7日に発表した8月の貿易統計では、輸出は前年比8.8%、輸入は7.3%とそれぞれ減少しました。輸出のマイナス幅は7月の14.5%から縮小し、市場予想の9.2%より小幅で、輸入も減少ペースが前月の12.4%から鈍化し予想の9.0%程には落ち込みませんでした。
8月の貿易黒字は683億6000万ドルと、前月の806億ドルから黒字幅が縮小。市場予想の738億ドルも下回っています。
HSBCのアジア担当チーフエコノミスト、フレデリック・ノイマン氏は「貿易指標はわずかながら改善しているが、深読みすべきではない。貿易は依然として縮小している……安定化の兆しは少し見えるが、まだ先は長い」と指摘。
国泰君安国際のチーフエコノミスト、周浩氏は「貿易統計は小幅に改善したが、逆風がなお存在することを示している」と述べ、中国の貿易活動が既に底を付けたかどうかは複数の要因に左右される見通しで、最も重要なのは内需だとしています。
その内需ですけれども、個人は新規の住宅購入に慎重で、それが市況の下落を長引かせています。また、若年層を中心に雇用情勢も悪化した状態が続き、1990年代のバブル崩壊後の日本を念頭に、「中国の日本化(ジャパナイゼーション)」も議論され始めているのだそうです。
2.中国の日本化
では、「中国の日本化」は本当に起こっているのか。
これについて、フィデリティ投信/マクロストラテジストの重見吉徳氏は、「中国の日本化」について考える標準的な方法として、「(1)バブル崩壊直前の日本と、(2)現在の中国とを比べて類似点や相違点を探す」があると指摘しています。
重見氏は、その例として、「人口のピーク」や「総信用のGDP比」を挙げ、次のように分析しています。
・バブル崩壊に至る過程やバブル発生の要因はだいたい同じです。とくに不動産のバブルは、(1)金融緩和があり、(2)おおむね、家を持つ年齢の人口の割合がピークに達する頃に生じがちです。
・30代や40代など、持ち家を取得する年齢に近い人たちが増えると、住宅への需要が高まります。合わせて、住宅への需要は、道路や鉄道、学校などのインフラの建設や、自動車や家財、家電製品への需要を促すほか、住宅以外の不動産価格も押し上げることが予見されます。
・ただ、インフラは往々にして、インフラ需要のピーク水準を満たすべく、供給されがちです。なぜなら、たとえば、満員電車や渋滞は利用者の効用を下げたり、経済活動に無駄を生じさせたりしますし、学校では(1クラスあたりの人数が増えるなどの)教育環境の悪化が反対され、むしろ逆に向上が求められるためです。あるいは、たとえ住宅などの供給に過剰感が認知されていたとしても、(前年を上回る)投資の水準や売上高、経済成長が「好まれる」ためです。
・しかし、10年、20年と過ぎ、人口動態が高齢化すると、それらの資本ストックは過剰になります。そして、投資が収益を生まなくなると、投資の裏付けである債務を中心として「逆回転」が始まります。アーヴィング・フィッシャーの「負債デフレ」やリチャード・クー氏のいう「バランスシート不況」です。
・すなわち、(1)債務者が資産バブルの崩壊や不況に直面して「債務の削減を最優先にする」ようになり、(2)担保資産の売却や支出の削減が資産価格のさらなる下落や一般物価の下落を招き、(3)実質ベースの債務が増えて、経済全体がデフレ・スパイラルに陥る、ような状況です。
・中国は日本化するか、不動産価格を下支えできるかという議論のときに、よく言われることは、次の2点です。「1.中国は、意思決定のスピードが早い」「2.中国は、日本や米国の経験から学んでいる」。筆者もこの両方について同意します。
・レイ・ダリオを持ち出すと、上記1について、ダリオは「政策担当者は危機発生当初、緊縮、貨幣発行、デフォルト/債務再編、富の分配のポリシー・ミックスについてバランスを欠く傾向にある。納税者は債務危機や失業の拡大を引き起こした債務者や金融機関の救済に反対し、政策担当者は今後のモラルハザードを恐れることで、政策担当者は救済に二の足を踏む」と述べています。
・たしかに、日本では住専(住宅金融専門会社)への公的資本投入が国民の反対に遭って紛糾したことで(→1996年の『住専国会』)、その後の政権は公的資本の投入に逡巡しました。他方の米国の対応は早かったものの、それでも、『不良債権買取プログラム』(TARP)は、有権者の意思を忖度した連邦議会によって一度否決されました。その点、中国は集団指導体制から一極体制にシフトしているように見え、早い意思決定が可能でしょう。
・しかし、上記2について考えれば、いかに指導部が日米の債務危機から学んでいても、トップに対し、不動産市況や金融機関の不良債権の状況についてつまびらかに説明するかどうかはわかりません。
・それは中国にかぎらず、どの組織でも同様ですし、日本でも当時の大蔵省や日銀は、政権中枢に対して「自分たちでなんとかするからご心配は無用」と繰り返していました。加えて、現在の指導部は、1970年代後半から始まった改革・開放政策による資本主義化やこれにともなう経済格差の拡大への行き過ぎを是正しようとしているようにみえます。
・言い換えれば、本来あるべき社会主義に立ち戻りつつあるようにみえます。そうした姿勢は、『共富(共同富裕)』の方針や、大手テクノロジー企業や教育産業への規制強化などに表れているでしょう。
・こうした本来の社会主義への回帰と、資本主義の象徴ともいえる不動産への投機に踊った人たちや彼らに融資を行うことで利益を得た金融機関の積極的な救済との整合性の欠如が避けられる可能性もあるでしょう。
・総じて、中国の金融政策と財政政策の対応の規模とスピードについては、まだわからないと筆者は考えます。
・別途、「中国の不動産市況が大幅に調整し、中国が日本化しても世界経済には影響はない」との考えもあります。その主たる論拠は「日本の不動産バブル崩壊は、世界経済に影響がほとんどなかった」というものでしょう。当時の日本も現在の中国も経常収支や貿易収支が黒字であることから、「食べるよりもつくるほうが多く、世界経済の需要はおもにアメリカしだい」といった考え方に基づいていると思われます。
・しかし、当然ながら中国にも需要はあり、世界のGDPに占める日本と米国、中国それぞれの輸入金額の割合を示すと、現在の中国の輸入需要は、2007年の米国に比肩します。
・危機の進行スピードにもよりますが、仮に、「中国の日本化」が生じるならば、世界経済への影響は少なく見積もるべきではないように思えます。
このように重見氏は、「中国の日本化」はまだ分からない、としています。
3.中国不動産バブル崩壊は深い傷跡を残す
「中国の日本化」について、慶應義塾大学大学院教授の小幡績氏は、 アメリカを中心としたまともなエコノミストたちは「類似点もあるが、本質的に当時の日本と今の中国は大きく異なる」と判断していると紹介する一方で「中国不動産バブル崩壊は、中国経済に長期的に深く傷跡を残し続ける」と述べています。
小幡氏は、「日本のバブルは例外中の例外、今の中国不動産バブル崩壊のみならず、どんなバブルに対しても、あれは似ても似つかないものなのだ」とし、日本はバブル期に、「人員の過剰、過剰なボーナス水準、過剰設備、平常時に戻ればまったく役に立たないビジネスモデル、それに適応した企業、つまり、リソース(資源)のほとんどが、バブル期に利益を最大化するものに投入されてしまい、バブルが終わった瞬間、平常時にはすべて役に立たない過剰なものになってしまった」と述べています。
その結果、バブル崩壊後、平常時に戻そうにも、「銀行も企業も資本が毀損して、リストラ、移行費用もままならず、新しい人材の採用、教育、21世紀向けの設備投資、21世紀用のビジネスモデル、何にもリソースを投入できなかった」と指摘しています。
小幡氏によると、これらの要因で、「日本経済は回復にバブル崩壊、後始末だけでなく、きれいになってからも、何もないところからのスタートで新しいモデルを確立するのに10年かかってしまった」とし、「よって1990年代、2000年代はコストカット、値下げによるコストパフォーマンスの上昇だけに頼った目先の回復戦略を取り続けなければならなかったのである」と述べています。
小幡氏は、中国の不動産バブル崩壊の影響が長く続く理由として、次の5つを挙げています。
1)中国経済の耐久力は、当時の日本よりも高いと思われ、その分、処理が遅れ、結果、非効率性が日本以上に温存される可能性がある
2)地方政府は、不動産バブルの膨張を前提に動いているから、これが崩壊したら、収入減や、非効率な無駄遣いの辻褄を合わせるものがなくなる。その非効率性は、かつての日本とは比較にならないくらいさらに杜撰であり、ダメージはとてつもなく大きくなる。
3)平均所得が高くなくとも、上海、北京などの沿岸部の所得水準は1990年の日本以上ある。この部分の打ち止め感が出てくると、これ以上の地方からの移動を都市部が受け入れる余地はなくなり、成長の持続は難しい。
4)中国経済の成長は、この10年は完全に内需主導であり、この内需は、個人消費のほとんどは、不動産投資収益、含み益により、ぜいたくをしてきた消費者による部分が大きい。これが崩れると修復は不可能であり、崩壊が広がるにつれて投資は減るだろう。
5)日本の住宅バブルが自宅をローンで購入しただけで、投資用物件に手を出したのはごく少数だったのに対し、中国の個人の住宅購入額の半分以上は投資物件であるから、今後、贅沢消費は激減するだろう。
小幡氏は、中国の不動産バブル崩壊の影響が長くのは、日本のバブル崩壊後の長期低迷の原因となった、経済構造の非効率化に加え、個人が住宅投資を行ってきたため、不動産価格の低迷はより個人にダメージを与え、消費が長く低迷するからだとしています。
まぁ、中国不動産の戸数は、中国の人口より多いと言われ、誰も済まない、住めない不動産がそこかしこに溢れているとされていますけれども、筆者にはこれも「非効率性」の一種だと思います。
こうしてみると、確かに、中国の日本化、経済の長期低迷の可能性はあるようにも見えてきます。
4.中国にとって最善の結果
反面、中国は日本化した方が良いという見方もあります。
8月31日、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストであるリーディー・ガロウド氏とダニエル・モス氏は、「日本化なら中国にとって最善の結果か」というコラムをブルームバーグに寄稿しています。
その概要は次の通りです。
・かつて、中国の台頭は不可避であり、これは同国特有の性質のたまものだとされる一方、日本による問題対応には誤りがあり、これは避けるべき反面教師とされた。今では中国でも物価が下落し、需要も伸び悩んでおり、日本と同じ道をたどりつつあると主張するのがあまりに容易となっている。
・中国国の状況は日本のバブル経済とはかなり異なる。それだけではなく、(あくまで仮定の話だが)中国経済が本当に転換点にあるなら、日本のようになるのは中国が望み得る最善の結果かもしれない。日本化ははしゃぎ過ぎたアジアウオッチャーが考えていたような悪夢のシナリオでは決してなかったのだ。
・ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏が指摘するように、「日本は反面教師ではなく、ある種のロールモデル(手本)」なのだ。振り返ると、日本は人口動態の変化に対処しきれなかったことは事実だ。日本が出生率や移民に関してどのような政策を推進しても、戦後の生産年齢人口の急増は単純に続けることはできなかった。
・現在まで日本は社会的混乱をほとんど招かずに高度経済成長からの移行期を管理してきた。最悪期でも失業率が6%を上回ることはなく、過去20年で自殺率も大きく低下。欧米の多くの都市のストリートにあるような薬物の問題もない。90年代に欧米のエコノミストらが批判した利益誘導型の財政支出で日本のインフラ整備も進んだ。犯罪率は低く、医療制度は国民皆保険だ。
・今後どのような政策が実行されるかに関係なく、中国はこのソフトランディング(軟着陸)を見習うべきだろう。バブル崩壊後の日本は、金融や不動産セクターの問題に率直に向き合わなかったとして批判を浴びたが、公共政策は進化し、時には革新的でさえあった。
・日本と中国との間にある一つの大きな違いは国民に対する説明責任だ。バブル崩壊後の日本では国民の不満が十分高まると、1993年や2009年のように、有権者は長らく政権の座にあった自民党を下野させることもできた。
・戦後政治システムにおける支配的立場に関していろいろ言われてきた自民党も、国内の雰囲気に敏感でなければならない。現在の岸田文雄政権が不人気なマイナンバーカード問題への対応に苦慮しているのを見てもそれは分かる。共産党一党支配で事実上選挙がない中国に、同じ圧力弁が見つかるだろうか。
・日中両国が直面する大きな課題は人口動態だ。少子高齢化は以前から日本の当局者の念頭にあった。日本を冷笑することが流行していた時代には、出生率の低さが日本の攻撃材料に使われ、ある意味で永続的な衰退期が迫りつつある兆候とされた。
・あまり注目されていないが、近隣諸国や他の先進国と比べて日本の状況はそれほど悪くない。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は22年に低下し、1.26となった。一方、韓国の昨年の合計特殊出生率は0.78、シンガポールは1.05だ。日本は近隣諸国よりもスペインやイタリアの水準に近い。
・ロイター通信や米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたところによると、政府機関の調査では、中国の合計特殊出生率は22年に1.09と、20年の1.30から急低下した。それに比べて日本の出生率は底堅い。
・今では信じがたいが、90年代半ばまで日本は米国にとって経済面の大きな怪物、ブギーマンだった。「『第二次太平洋戦争』は不可避だ」や「財閥アメリカ」などの書籍は、日本が欧米の勢力圏をどのように掌握するのか説いた。
・正反対への極端な方向転換も避けるべきだ。あなたが映画「ライジング・サン」を何度観賞しようとも、自国の安全保障を米国に頼る日本に、世界を支配する意図は毛頭なかった。だが、日本の崩壊という話もひどく誇張されている。
・日本と同じように、中国も世界での支配的立場に向かうことも、崩壊に向かうこともないだろう。グレーの色合いを多く持つ国々に関して、白か黒かといった極端な見方をいかに一部の観察者が取るのか。今回のことから得られる教訓があるとすれば、恐らくその点になるだろう。
リーディー・ガロウドとダニエル・モスの両氏は、中国が日本化することは悪いことではなく、むしろ最善に属し、また、中国が世界での支配的立場に向かうことも、崩壊に向かうこともないだろうと主張しています。
ただ、筆者は、中国が中国が世界での支配的立場に向かうことも、崩壊に向かうこともないだろうという意見は首肯しかねます。
8月28日、中国自然資源省が「2023年版標準地図」を発表しましたけれども、その地図では、南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されました。更にヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載されています。
この中国の新地図にアジアは一斉に反発していますけれども、このように領土的野心を剥きだしにする国が「世界の支配を目論んでいない」というのは、楽観に過ぎると思います。
仮に、経済的にそうする余裕がなかったとしても、だからといって、その野望を捨てる理由にはなりません。経済回復すれば、またその機会が巡ってくるかもしれないからです。
これはただの筆者の感想ですけれども、リーディー・ガロウドとダニエル・モスの両氏のこの寄稿には、どこか「そうあって欲しい」という願望が多分に含まれているように感じます。
仮に「中国が日本化」したとしても、それは経済状況の話であって、中国が日本になる訳ではありません。政治体制もメンタリティも全然違います。それを無視して経済だけですべてを語ろうとするのは危険ではないかと思いますね。 』