石平の中国週間ニュース解説・11月5日号
https://www.youtube.com/watch?v=epCyBNGutrY
※ この解説で、石平氏が注目しているのは、「中央書記処」という部署の人事だ。
※ 「中央書記処書記」は7名いるらしいが、そのうち3名までに、「警察・公安」出身者が就任したという…。
※ それで、「国内の思想統制・抗議鎮圧」を強化する方向性が、見て取れる…、というような話しだった…。
石平の中国週間ニュース解説・11月5日号
https://www.youtube.com/watch?v=epCyBNGutrY
※ この解説で、石平氏が注目しているのは、「中央書記処」という部署の人事だ。
※ 「中央書記処書記」は7名いるらしいが、そのうち3名までに、「警察・公安」出身者が就任したという…。
※ それで、「国内の思想統制・抗議鎮圧」を強化する方向性が、見て取れる…、というような話しだった…。
中国、GDP3割水増しか 米シカゴ大学の最新研究が指摘
https://www.epochtimes.jp/2022/11/123245.html
『(李沐恩 2022/11/02 更新: 2022/11/02)
人工衛星が観測した夜間の明かり「夜間光」を用いて各国の経済規模を推定する最新の研究から、中国などの権威主義国家がGDP(国内総生産)の数値を大幅に水増ししていることが明らかになった。
米シカゴ大学の研究では、184カ国の「夜間光」とGDP成長率、政治体制に関するデータを組み合わせ、各国政府が成長率を過少または過大に報告しているかどうかを推定した。一般的に、夜間光は経済の発展に伴って増加する傾向がある。』
(※ 無料は、ここまで。)
[FT]中国、芸能人の広告起用を制限 教育・健康関連など
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB023YP0S2A101C2000000/
『中国で、教育・健康サービスの宣伝に著名人が関わることができなくなった。中国の企業と社会のあり方を改革しようとする習近平(シー・ジンピン)国家主席の取り組みが、新たな段階に入ったことを物語る。
個別学習指導や健康食品、たばこ、健康・美容器具などが制限対象となる=ロイター
ソーシャルメディアやテレビCM、ライブ配信、インタビューなどで商品の推奨をすることを禁じる新たな規定により、芸能人やインフルエンサーは稼げる活動を制限される。
社会的価値感と若者文化を改革
規制当局の国家市場監督管理総局など7つの政府機関が連名で発表した指導方針によると、個別学習指導や健康食品、たばこ、健康・美容器具などが対象となる。
指導方針は、「著名人は推奨広告活動において、社会主義の核心的価値観を実践すべきである」としている。「社会道徳と伝統的美徳に従う活動であらねばならない」
習氏は2020年末から、IT(情報技術)や娯楽産業を含む企業と富裕層の実業家に対する広範な締め付けを推進している。
今回の規制の背景には、世界最多の人口を抱える中国で習氏が「(ともに豊かになる)共同富裕」の旗印の下、社会的価値観と若者文化を改革する取り組みを強めていることがある。
「愚公移山」の精神
10月に北京で開かれた5年に1度の中国共産党大会で、習氏は最高指導者として異例の3期目に入り、権力基盤を固めた。
アナリストや投資家は、習氏が「新時代」に踏み出し、党が社会と経済の統制を強めるのではないかと懸念している。
習氏は先週、大きな象徴的意味を持つ河南省中部の水路「紅旗渠(きょ)」を視察した際、若い世代は「好みにこだわる生活様式と現状に甘んじる態度」を捨てなければならないと警告を発した。
「中国の社会主義は大きな努力と闘争、さらには人命の犠牲によって勝ち取られたものであるという紅旗渠の精神を国民、特に若者に教え込む必要がある。これは過去のみならず新時代にも当てはまる」。中国国営メディアは習氏の発言をこう伝えている。
「今日、我々の物質的生活は大きく向上したが、『愚公移山』(努力を続ければ、どんな困難も成し遂げられるという意味の故事成語)の忍耐の精神と勤勉の姿勢は変わってはならない」
仏投資銀行ナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、アリシア・ガルシア・ヘレロ氏は、習指導部は過剰な蓄財に対する規制を強め、若者を習氏が思い描く中国の未来像に沿わせようとしているようだと指摘する。
「『共同富裕』の意味がますますその方向に変わってきている」とヘレロ氏は付け加える。
スキャンダルに対応
商品の推奨活動に新たなルールが定められた背景には、ここ数年、国内でスキャンダルが続発したことや、健康・投資関連の商品、個人間融資の仲介サイトなど、著名人による推奨広告が誤解を招いたとして人々の怒りを呼ぶ事態が相次いだことがある。
地元メディアは以前から規制当局の監督が行き届いていないことを批判し、特に国家市場監督管理総局傘下の薬事当局である食品薬品監督管理総局に矛先が向けられていた。
10月の共産党大会の後、中国株式は売られ、人民元も対ドルで下落した。習氏が側近や腹心で固めた指導体制に対し、投資家は懐疑的な見方を示した。
指導部の交代に加え、低調な経済指標が予定より遅れて発表されたことで、世界第2の経済大国に対する信頼感は揺らいだ。
By William Langley & Edward White
(2022年11月1日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
川島真のアバター
川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
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ひとこと解説
第20回党大会の演説において、習近平は若者を共産党の理論で武装させると述べた。
これは、今後若者世代への思想教育を強化していくことを意味していた。
この記事が伝えているのはその一環としての政策だと見ていいだろうが、同時に中国共産党以外の「権威」として芸能界のスターが存在することへの警戒心を示したものと言える。
芸能人も、これまで以上に当局の立場を擁護し、それを伝える存在にならねばその活動を維持できなくなる。
だが、習近平政権は芸能人の活動を縮小させようとているのではなく、「核心的価値観」を伝える存在になれと言っており、芸能人を通じて固定ファンの心に浸透することも視野に入れていると考えられる。
2022年11月2日 18:40
今村卓のアバター
今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察
こんな取り組みを重ねるのなら、中国経済の成長の鈍化は止まらないと思います。
「好みにこだわる生活様式」を捨てれば、中国を高所得国に導く新たな成長産業や企業の誕生と育成のチャンスも失われるでしょう。
それは現在の高所得国を支える産業、企業をみれば自明のはず。
しかし今の習氏と指導部は米国など現在の高所得国は退廃し、経済運営にも失敗した国々、学ぶことなどないと考えているのかもしれません。
統制と管理が強まる体制下では、建設的な苦言や批判も指導部の耳に入らず、今後の経済運営の柔軟な軌道修正も難しそうです。
中国の成長鈍化が続き、高所得国に加われない未来を考える必要が高まってきたように思います。
2022年11月2日 20:00』
鴻海の中国iPhone工場、1週間封鎖 コロナで混乱
https://jp.wsj.com/articles/chinese-iphone-city-locks-down-to-curb-foxconn-covid-crisis-11667409504
『【香港】中国河南省の鄭州空港経済区が2日正午から1週間のロックダウン(封鎖)に入った。当地には台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)が米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を生産する工場を構えているが、新型コロナウイルス感染発生への対応に苦慮し、ソーシャルメディア上では労働者が脱走する動画が拡散している。
同経済区はコロナの感染拡大を阻むため、7日間にわたり不要不急の移動を禁止する。河南省トップの王凱氏は1日に同経済区と鴻海の工場を視察し、省都・鄭州の当局者にコロナ規制を厳守し、労働者の環境を改善させるよう指示した。
国営メディアによると、地元当局は鴻海の支援へ検査要員や衛生管理者を大量に派遣した。河南省政府は2日遅く、同経済区内で働く全ての人を対象に、4日にPCR検査を実施すると発表した。… 』
(※ 無料は、ここまで。)
Foxconn の鄭州 iPhone 工場から逃げる労働者を見る (ビデオ)
https://www.ped30.com/2022/10/31/apple-foxconn-workers-flee/

『(※ 翻訳は、Google翻訳。)
Foxconn の鄭州 iPhone 工場から逃げる労働者を見る (ビデオ)
ロイター通信は、世界最大の組立工場の 1 つである iPhone の生産量が 30% 減少する可能性があると報じています。
サウス チャイナ モーニング ポストが月曜日に YouTube に投稿しました。
私の見解: SCMP ビデオは、プラントの状況をかなり悲惨に見せています (そして音も)。Foxconn は、組立作業の一部を深センの工場に移していると伝えられている。
更新: AppleInsiderは、短縮されていた iPhone 14 Pro のリードタイムが再び伸びていると報告しています。』
「習近平崇拝だけは許すな」 長老が守り切った最後の砦
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD277QK0X21C22A0000000/
『誰もが、3期目入りした共産党総書記、習近平(シー・ジンピン、69)の完全な勝利で閉幕したと思っていた共産党大会。それは片面にすぎなかった。完勝と言い切れるのは人事だけだったのだ。
【関連記事】「胡錦濤と目を合わすな」 病が招いた軍団完敗の悲劇
「退職した老人は黙ってろ」。5カ月前、現役ワンマン社長から怒鳴られて鬱屈していた創業に尽力した老人らは、裏でひそかに動き出していた。驚きの成果が突然、明らかになったのは、閉会から4日が過ぎた10月26日のことだった。
習がこだわり続けた改正後の共産党規約全文に、彼への忠誠を示す「二つの確立」というスローガンが全く見当たらない。多くの指導者が口にし、北京の街角には横断幕も掲げられた。党大会決議でも言及されたのに、肝心の本文では完全に無視された。
短縮された「習近平思想」「人民の領袖」という文言もない。あの騒々しい前宣伝は何だったのか。この異変にはもちろん裏がある。カギは「老人パワー」だった。
第20回中国共産党大会の開幕式で言葉を交わす105歳の最長老、宋平氏㊧と曽慶紅・元国家副主席(10月16日、北京の人民大会堂)=共同
習が狙った表現は、簡単にいえば鄧小平を超えて、毛沢東と並び立つ地位を得るための政治的な道具だった。だが、党大会のひな壇に並ぶ長老は全員、鄧小平時代の申し子だ。人生の矜持(きょうじ)にかかわるだけに、簡単に通すはずがない。
闘いの火蓋を先に切ったのは、意外にも習サイドだ。5月15日に表に出た「老人は黙れ」という命令である。伝達者は今回、序列6位で最高指導部入りした実力秘書、丁薛祥(ディン・シュエシアン、60)だ。
「党中央の大きな政治方針をみだりに論じるな」という異例の中央弁公庁通達の主眼は、習が面談で勝手に決める仕組みが出来上がった指導部人事ではなかった。中国憲法より権威ある共産党規約の抜本改正を有利に導く言論統制だったのだ。
北京・中南海での改正に向けた「小組」全体会議初会合(5月30日) を前にした「口封じ」。それは完全に裏目に出た。長老、一般の退職幹部からも「ふざけるな」という散々な反応だったのだ。
江沢民、曽慶紅両氏まで「ゆるゆる連携」
党規約には、毛沢東のような独裁者を永遠に生まぬよう「いかなる形式の個人崇拝もこれを禁止する」という金言がある。文化大革命(文革、1966~76年)時の失脚から復活した鄧小平による82年9月の党規約抜本改正の根幹だ。
「『習近平崇拝』だけは許すな」。これが5月以降、長老、退職幹部らの緩やかな連帯の合言葉になっていった。会談で示し合わせたわけでもないあうんの呼吸。「ゆるゆるの連携」にすぎないが、それぞれ声を発するなら、習への大きな圧力になる。
党大会閉幕式で、習近平総書記㊧の書類に手を伸ばす胡錦濤前総書記㊨(10月22日、北京の人民大会堂)=共同
もちろん奇怪な「宮廷政治劇」の主人公、胡錦濤(フー・ジンタオ、79)も、40年続く信念を胸に抱きながら退場したに違いない。挙手採決の直前だった紅(あか)いファイル内の改正最終案が、彼にとって心から賛同できるものだったかは不明のままである。自分が苦労の末、作り上げた公正な幹部任用規定は既にズタズタだからだ。
高齢の元総書記の江沢民(ジアン・ズォーミン、96)は、党大会に出ていない。だが、やはり鄧小平の遺志を継ぐ後継者だ。習が党規約改正を道具に使って、自分ばかりか、師匠までないがしろにするのは許せない。
胡錦濤は、江沢民、元国家副主席の曽慶紅(83)ら「上海閥」といがみ合ってきた。とはいえ「習近平崇拝は許すな」の1点だけなら思いは同じだ。タッグは組めなくても、それぞれ異論をぶつければ圧力は増す。盟友の前首相、温家宝(80)、「胡・温」コンビを見いだした名伯楽で105歳の最長老、宋平は当然、同志である。
香港紙がインターネット上に出回ったと報じた中国の江沢民・元国家主席㊨の近影とみられる写真=共同
長老はもはや人事には口を挟みにくい。だが今や9600万人を超す共産党員がこの40年、大事にしてきた根本の崩壊だけは阻止する。中国の発展を止めないために、という「大義」は賛同を集めやすい。こうして今回も鄧小平の金言は維持された。
「個人崇拝禁止と『二つの確立』は相いれず、矛盾する。両立が無理なのだから、どちらかが落ちる。今回は『二つの確立』が負けた。当然の結果だ。『老人』は最後の力を出した」。老共産党員の説明は理路整然としている。
客観的な証拠がある。国営通信の新華社は、改正党規約誕生のドキュメント記事で「現行党規約は、82年9月の第12回党大会の改正で制定された。40年来、党規約の基本内容を安定的に保持する前提の下・・」という大前提をわざわざ紹介している。5年前、10年前のドキュメントにはない特別な表現だ。
党大会閉幕式を途中退席する胡錦濤氏㊥。手前左から2番目は温家宝氏(10月22日、北京の人民大会堂)=比奈田悠佑撮影
後段では「党内で合意が形成された内容だけを修正する」とした。こちらは毎回の決まり文句だが、前段と合わせれば意味は明らかだ。「鄧小平以来の基本を守り、合意重視で改正した」という説明になる。長老らの抵抗で習は事実上、挫折した。その蹉跌(さてつ)に直接、触れない苦心の作文である。共産党政治の表と裏は全く違う。
「二つの確立」とは、習の核心として地位の確立、そして「習近平新時代中国特色社会主義思想」(中国語で16文字)の指導的地位の確立を指す。重要なのは後者だ。個人名を冠した思想の指導的地位が確立されれば、長い表現も「習近平思想」と短縮される。2つはセットだ。
それは「習近平思想」が、党の公式ルール上も「鄧小平理論」を超えて「毛沢東思想」に並び立つ革命的な変化を意味する。理論より権威ある思想は、毛沢東と習近平だけになる。
習に毛沢東に倣う「領袖」の呼称を使うことが公認され、最後は共産党中央主席(党主席)ポストの復活で、トップ「終身制」に道を開く。個人崇拝禁止も事実上、消える。これが習が狙った段取りだ。
一矢報いた胡錦濤氏、「鄧小平超え」却下
終身制だけは阻みたい長老らは、代償として一つだけ妥協した。それが「二つの維持」の容認だ。これは核心の地位を守り、集中統一指導を守るにすぎない。核心は、毛沢東、鄧小平、江沢民も同じで、個人崇拝、終身制に直結しない。
街中に記された「二つの確立」の文言(10月13日、北京市)=比奈田悠佑撮影
「この規約ならトップが彼(習)でなくなった時代にも何とか通用する」。82年改正の経緯から知る老識者の指摘にはハッとさせられた。
仮に2027年に権力を委譲してもすぐには問題が出ないのだ。最終的に習は「二つの確立」を党員に要請するだけの党大会決議採択で面目を保つしかなかった。苦渋の妥協だ。
胡錦濤は人事では弟分、子分を守れなかった。それでも最後のとりでの党規約だけはギリギリ守り切った。一矢報いたのだ。習と一心同体ではない共産党という大組織が党の憲法上、習の「鄧小平超え」という野望の実現をひとまず却下したのである。これが「胡錦濤劇場」の幕切れ後にわかった極めて重大な内幕と歴史的な意義だ。
これを踏まえ党大会評価の角度を少し変えるべきかもしれない。習は人事で完勝し、党規約抜本改正=「鄧小平超え」で挫折したのではなく、「鄧小平超え」を体現する党規約改正で勝てないのが明白だから、人事だけは完璧な勝利を必要とした。そんな見方も成り立つ。改正難航は8月の「北戴河会議」後にはわかったはずだ。
首相の李克強(リー・クォーチャン、67)は北戴河会議明けの8月16日から広東省深圳に入り、鄧小平像に献花。港湾視察で改革開放に触れ、「黄河、長江が逆流することはない」と言い切った。鄧小平に由来する党規約の根幹維持を意味していた。
鄧小平像に献花する李克強首相(8月17日の中央テレビニュースの画面から)
一方、これが人事を指すという解釈は誤解だった。人事は究極的には習の独断で決まる。「面談重視」は、習に圧倒的に有利なのだ。
5年後に再挑戦する戦略転換を強いられた習は、極端な最高指導部人事に走る。李強(リー・チャン、63)、蔡奇(ツァイ・チー、66)、丁薛祥、李希(リー・シー、66)の側近4人を引き入れ、政治局からも胡錦濤派を一掃した。リベンジに向けた体制立て直しである。
「新四人組」連れて毛沢東詣で
「これは『新四人組』を使った新たな整風運動だ」。中国政治をよく知る人物の分析は少しオーバーに感じたが、その例えは的外れではないことがすぐ証明された。習は党大会が終わると真っ先に、「新四人組」と評された面々を含む6人を連れて陝西省・延安に入った。
内陸部の黄土高原にある延安は、1940年代に毛沢東が反対派を迫害した「延安整風運動」の地だ。毛沢東はその20年後、本当の「四人組」を使った文革の悲劇を引き起こす。習は延安の毛沢東旧居でリベンジを誓っただろう。
毛沢東の革命根拠地だった陝西省延安の記念館に並ぶ習氏㊥ら新最高指導部メンバー=新華社・共同
長老の政治力は年々、衰える。中央委員まで自派で固めれば、5年後に熟柿(じゅくし)が落ちるように望みがかなう。ただし、「新四人組」のうち半数以上は5年後にお払い箱になり、「新新四人組」に入れ替わるかもしれない。習の腹ひとつである。
人事完勝と対照的に思い通りにならなかった「鄧小平超え」を体現する党ルールの抜本改正。習はなお「闘争」を口にしている。少なくても今後5年、再び激しい政治的な闘いが続くのは間違いない。
「胡錦濤劇場」は宮廷政治劇である以上、観衆の共産党の現役幹部からアンコールを求める拍手が起きることはあり得ない。主役の胡錦濤が舞台あいさつのため再び登場するのは難しいだろう。
それでも、表では決して上演されない第2幕、第3幕が必ず内部で用意されているはずだ。今回の長老と退職幹部のうごめきのように。それを竹のカーテンの隙間からのぞいてみたいという衝動に駆られる。永遠の謎として封印される前に。(敬称略)
中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』
習近平氏、3期目の外交始動 北京で相次ぎ会談へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM312LZ0R31C22A0000000/

『【北京=羽田野主、ハノイ=大西智也】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が3期目の外交に乗り出している。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相がブリンケン米国務長官と協議し、11月の首脳会談をにらんだ調整を始めた。共産党大会を経て国内体制を固めた習氏が周辺外交を加速している。
米中外相は31日(米国時間30日)、電話で協議した。米国務省の声明によると、ブリンケン氏は両国が意思疎通を維持し、対立する米中関係について責任をもって管理する必要性を強調した。
中国外務省の発表によると、王氏は「米国は中国を抑圧するやり方をやめるべきだ」と述べた。バイデン米政権の対中輸出規制を「中国の正当な権益を損なっている。是正しなければならない」と批判した。
最大の焦点となるのは11月にインドネシアで開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた米中首脳会談の実施だ。両首脳はこれまでオンラインなどで協議をしてきたが、バイデン氏が2021年1月に大統領に就任して以降一度も直接の顔合わせをしていない。10月の共産党大会で「1強体制」を完成させた習氏がバイデン氏とどういう形で向き合うのか関心を集めている。
習氏は10月26日、キッシンジャー元米国務長官らがメンバーとして名前を連ねる米中関係全国委員会に「中国は米国と共に努力し、正しい付き合いの道を見つける用意がある」と祝電を送った。バイデン氏も同委員会にお祝いのメッセージを寄せており、両国で首脳会談に向けた機運は醸成されつつある。
習指導部は周辺国外交も強化している。習氏は31日、北京を訪れたベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長と会談した。中国はベトナムと南シナ海の領有権問題を抱え、米国の介入を招きやすいと警戒を強めている。
チョン氏は国内で実質的に「1強体制」を築き、中国とベトナムの経済的な結びつきも強まっている。習指導部にはトップダウンで関係改善を進める思惑がありそうだ。
中国新疆ウイグル自治区の人権問題などで関係が冷え込んだ欧州との関係立て直しにも動いている。11月4日にはドイツのショルツ首相が中国の招きに応じて訪中する。習氏と李克強(リー・クォーチャン)首相がそれぞれ会談する。習氏が主要7カ国(G7)の首脳と会談するのは19年12月の安倍晋三首相(当時)以来とみられる。
ドイツは欧州で最大の経済大国だ。ロイター通信によると、ドイツのIW経済研究所はドイツ経済の対中依存度が22年上半期に急激に高まったとの報告書をまとめた。
上半期の対中投資は約100億ユーロ(1兆4700億円)と、00年以降の最高記録を上回った。ドイツの輸入品に占める中国製品の比率も12.4%まで上昇した。
10月には中国企業が独最大の港湾・ハンブルク港にあるターミナルへの出資を決めた。習指導部はドイツを対中包囲網の突破口と位置づけているとみられる。』
上海ディズニー、新型コロナ対策で休園 再開未定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM314JW0R31C22A0000000/
『【上海=若杉朋子】上海ディズニーランドは31日、新型コロナウイルス対策で同日から休園すると発表した。園外の関連商業施設も営業を停止し、再開時期は未定という。29日から一部のアトラクションやレストランなどの営業を停止していた。
上海市衛生委員会の発表によると、31日に確認された感染者が立ち寄った。市政府によると、テーマパークへの出入りは許されていない。同日に園内にいる人はPCR検査で陰性が証明されれば、現場の指示に従って外に出られるという。27日以降に来園した人は、今後3日間で3回のPCR検査を受けることが求められている。
上海ディズニーは上海でロックダウン(都市封鎖)があった3月下旬以降、約3カ月間休園していた。相次ぐ休園で、上海ディズニーの経営だけでなく、中国経済を下支えする消費にも影響しそうだ。
上海市では10月30日時点で新型コロナの新規市中感染者数(無症状含む)は10人。市内では11月5日から「中国国際輸入博覧会」といった大規模イベントが開かれる予定。当局は感染者が増えることに対する警戒を強めている。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説
習近平総書記(国家主席)が権力固めをする上での一大政治イベントである共産党大会を通過すれば、中国の「ゼロコロナ」政策は表面上続行されても、実態としてある程度緩むのではないかという期待感が、打ち砕かれた。たった1人の感染者が発覚しただけで入園者全員が足止めされ、パーク自体も一時休園となった。中国ではこのほか、河南省鄭州市にあり米大手メーカーのスマートフォン「アイフォーン」を生産している台湾企業の工場からの出荷が、「ゼロコロナ」政策の影響で最大3割減少する可能性ありと報じられている。感染力が強いオミクロン株に対して有効とは言えない「ゼロコロナ」政策への固執が、世界経済の下振れリスクを増やしている。
2022年11月1日 7:41
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説
天下一番の愚策はオミクロン株を抑えようとするゼロコロナ政策。まるで風邪を引くなというようなもの。しかも、現場では、職権乱用も多発。正しいことをやるため、法的根拠を示す必要はないという文化が根付いている。瀕死の状態に陥った患者はPCRの陰性証明がないからといって病院に入れない、診てもらえない。親族はどんなに頼んでも、病院の扉は開かない。ゼロコロナ政策はいつまで続けるつもりなのだろうか
2022年11月1日 7:02 』
習近平氏、安全部門に側近引き上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB3027U0Q2A031C2000000/
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が国家安全を巡る要職に相次ぎ習氏の側近を引き上げている。中国共産党は30日までに警察・司法を統括する党中央政法委員会トップの書記に陳文清氏を充てる人事を決めた。同委がホームページで公表した。
陳氏は習党総書記が就任した2012年から中央規律検査委員会副書記として習氏の「反腐敗闘争」を支えた。16年から国家安全相を務めた。かつては習氏にゆかりのある福建省で要職を務めた。今月の党大会後に党序列24位以内の政治局員に昇格した。
中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は30日、国家安全相に陳一新氏を任命した。陳一新氏は習氏が浙江省トップ時代の部下。』
李強氏、経済手腕は未知数 中国首相候補
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302L90Q2A031C2000000/

『【北京=川手伊織、羽田野主】中国共産党序列2位の李強(リー・チャン)氏が、2023年3月の首相就任に向けて急ピッチで準備を進める。近く副首相に就くとみられる。「ハイテク研究に熱心」との評価がある一方、中央政府での勤務経験がない。マクロ経済運営の手腕は未知数だ。
李強氏は上海市に近い浙江省生まれ。地元の農業大学の分校で学んだ。浙江省政府で農民の救済事業などを担当し、浙江省温州市のトップに就いた。
転機は2002年に浙江省トップとして赴任した習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)との出会いだ。党委員会の秘書長として支え、信頼を得るようになった。習氏が党トップに就いてから江蘇省や上海市のトップを任され、今年10月に最高指導部である政治局常務委員のメンバーに選ばれた。
「口数が少なく、だれに対しても腰が低い」。李氏を知る共産党員はこう語る。
上海市トップとして今春、新型コロナウイルス対応のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。短期間のはずだった封鎖が2カ月に及んだ不手際は国民の反発を呼んだ。インターネット上では封鎖中の視察先で住民の抗議を受ける動画も拡散された。
都市封鎖で猛烈な批判を浴びた李氏だが、別の党員は「米テスラを上海に誘致できたのは紛れもなく李氏の手柄だ」と弁護する。李氏が地元当局にテスラの税制優遇や安価な土地の貸与などを指示したのが決め手になった。ハイテク分野の研究に余念がないとの指摘もある。
スピード出世を遂げた李氏だが、中央政府である国務院での勤務経験はない。現首相の李克強(リー・クォーチャン)氏や前首相の温家宝氏は、5年の副首相経験を経て首相に就いた。
副首相経験者を首相候補への登竜門と位置づけてきたのは、それだけ首相の所掌範囲が多岐にわたり、重責であることを物語っている。李氏は首相登板まで準備期間が5カ月足らずしかなく、今から副首相に就いても経験をどこまで積みあげられるのか不安を残す。
中国経済は、新型コロナの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で停滞局面が長引いている。バブルを抑え込むための規制強化が住宅不況を招き、不動産経済からの脱却も見通せていない。
地方では急速な少子高齢化や人口流出で経済が疲弊している。農村系金融機関の破綻など金融不安のマグマもたまっている。輸入資源などの価格を押し上げる人民元安も歯止めがかかっていない。
首相就任後は習氏の意向をくみ取って、格差縮小をめざす「共同富裕(共に豊かになる)」政策の具体化などに着手するとみられる。山積する課題への対応も待ったなしだが、危機対応への不安はくすぶる。』