南ドネツクの戦い、ウクライナ軍がウロジャイネの集落内に侵入
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-south-donetsk-ukrainian-forces-enter-the-village-of-urozhine/#comment_headline
『南ドネツクで戦うウクライナ軍がウロジャイネに侵入して集落の一部に定着、ロシア人軍事特派員も「ウクライナ軍が集落の一部を占領することに成功した」と認めており、さらにスタロマイオルズキーもウクライナ軍が保持し続けている可能性が高い。
この反攻作戦が成功するかどうかは「最前線で地雷を除去し続ける工兵」の肩に掛かっているのだろう
ロシア人軍事特派員(Русской весны)もロシア側情報源(Рыбарь)も「ロシア軍がスタロマイオルズキーからウクライナ軍を追い出すことに成功した」と報告していたが、この話は「集落から追い出した」から「どちらとも支配を確立していないグレーゾーンだ」に変化し、ロシア軍が集落の郊外=Ⓓを砲撃しているのが確認されため、スタロマイオルズキーを支配しているのはウクライナ軍だと考えて良さそうだ。
出典:GoogleMap 南ドネツク周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
これまでロシア側情報源はウロジャイネについて「ウクライナ軍の攻撃は失敗し続けている」と報告していたが、集落内のロシア軍陣地=Ⓐに対してウクライナ軍の戦車が発砲する様子、Ⓑ付近でウクライナ軍の戦車がロシア軍陣地に発砲する様子、Ⓒ付近のロシア軍陣地をウクライナ軍が砲撃で破壊した様子が視覚的に確認され、ロシア人軍事特派員(Русской весны)も「ウクライナ軍が集落の一部を占領することに成功した」と認めている。
因みにニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロイター、Timesといった海外メディアは「反攻作戦が期待通りに進展しない原因」に挙げられる地雷問題についても興味深い記事を公開しており、どうやらウクライナは要請した地雷除去機材の15%以下しか受け取っておらず、進行ルートの確保に役立つと期待された西側製の地雷処理戦車は戦場で目立つ上、これをロシア軍は優先的に狙ってくるため第47機械化旅団の工兵部隊を率いる司令官は「もう戦場では使えない」と述べているのが興味深い。
出典:Telegram経由
そのためウクライナ軍の工兵部隊は「味方が前進するためルート」を確保するため「夜間に手作業で地雷の除去作業」を行っており、携帯式の金属探知機も「目立ちすぎる」「砲弾の破片が散乱する戦場では役に立たない」という理由で活用されておらず、ロシア軍は工兵部隊の地雷除去を妨害するため至るところにブービートラップを仕掛けているため「ルート確保には信じられないほどの時間がかかる」と主張。
極めつけは工兵部隊が安全を確保したルート上にロケット弾や無人機を使用して地雷を再散布するため「地雷を除去したルートは絶対に安全」とは言えず、工兵部隊はロシア軍陣地の目と鼻の先で作業することもあり、海外メディアは「野戦病院に運び込まれる兵士の多くは工兵で最も死傷率が高い兵種だ」「ウクライナ人の歩兵達は工兵を『使い捨てのアイテムだ』と冗談を言うが、これは戦場における生存率で工兵は歩兵に劣るという意味で、彼らは自分達のことを『特攻部隊だ』と表現する」と報じている。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
現在のウクライナ軍は1m進むため信じられないような努力と犠牲を支払っており、この反攻作戦が成功するかどうかは「最前線で地雷を除去し続ける工兵」の肩に掛かっているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 13 』
『 名無しさん
2023年 8月 12日
返信 引用
西側諸国の用意した地雷処理戦車というものは、航空戦力によって敵の砲兵を蹴散らした後や、停戦した後に残された地雷原を処理するような、ほぼ安全な環境下で使用することが前提で設計されているのでしょう。
と言うか、敵の砲兵戦力の目前で地雷除去を行えるような地雷処理車なんて、世界中探してもほとんどないのでは、と思います。
13
猫
2023年 8月 12日
返信 引用
地雷処理機は日本も送っていますが、もっと送る事は難しいでしょうか。そもそも目立ってしまうという問題も重大ですね。カンボジア人などの手作業での地雷処理のノウハウが重要視されそうです。自衛隊も地雷処理の道具は持ってますが、大きいので狙われそうですね。70式地雷原爆破装置はどうでしょうか?他のと比べてコンパクト、それでいて一気に100m程の人員用通路を開設できます。しかし、ちょっと古すぎますね。
1
カディロフ上級大将
2023年 8月 12日
返信 引用
似たような爆索投射機ならロシア製のUR77をとっくに使ってるよ。
道を作っても一列に密集して進まないといけないから、攻撃されても散開出来ないからいい的にしかならないし、パニックになって道を外れたらそのまま地雷踏んで悪化するからね。
1 』
『 Easy
2023年 8月 12日
返信 引用
それにしても、そろそろ一気にロシアの戦線を抜かないとまずいんですよ。
最近戦場動画で丸太が散見されるようになりましたが。
あれは「秋冬に向けての陣地改造」が始まっている証左ですね。
もう秋の泥濘期の準備をしないといかんのです。
そしてその後には冬の厳しい寒さが控えており。
この夏の間にどれだけ陣地に手入れをしておくかが、秋冬での兵力消耗を防ぎ戦闘力を維持するためのポイントになります。
東部戦線なんて、塹壕内で兵士が凍死するような気候ですからね。
夏の遅くに進撃しても、進出先で急造の陣地しか作れていないと秋冬で気候にやられて自滅する。ナポレオンの時代からこれは変わりませんね。
1 』
『 朴秀
2023年 8月 12日
返信 引用
いくら無尽蔵に動員できるといっても
攻めきる前に兵隊いなくなるだろこれ
3
TKT
2023年 8月 12日
返信 引用
軍事委員会の軍事委員が、不正で全員解任という状況では、そもそも無尽蔵に動員などできるわけないですし、おそらく委員を交代させても無理でしょう。後任の委員が見つかるかどうかも危ういでしょう。
公表されているウクライナ軍の兵力、兵士の人数も疑うべきです。おそらく実際の人数、部隊の数はもっとずっと少ないのではないでしょうか。死傷者の人数もおそらくちゃんと数えていません。
縦深陣地を突破できないのは、地雷があるからとかではなく、それ以前のもっと根本的な問題、組織の欠陥と言えるでしょう。
1 』


