ウクライナ軍司令官、ロシア軍は防衛ラインが突破されないと信じていた
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-military-commander-believed-russian-forces-would-not-break-through-defense-line/
『2023.09.3
ウクライナ軍のタルナフスキー准将は「ロシアは1年以上も準備した防衛ラインが突破されないと信じていたが、我々は数週間に渡る地道な地雷処理作業の末、ザポリージャ方面で敵の第1防衛ラインを決定的に突破した」と述べた。
参考:‘Everything is ahead of us’: Ukraine breaks Russian stronghold’s first line of defence
この話が真実なら第2防衛ラインや第3防衛ラインの強固さは「第1防衛ライン」ほどではないという意味だ
ウクライナ軍のタルナフスキー准将はGuardian紙の取材に対して「ロシアは1年以上も準備した防衛ラインが突破されないと信じていたが、我々は数週間に渡る地道な地雷処理作業の末、ザポリージャ方面で敵の第1防衛ラインを決定的に突破した。現在は第1防衛ラインと第2防衛ラインの間で突破口の両翼を押し広げ、解放した地域の安定性を固めつつある。さらに第2防衛ラインの背後でロシア軍の後退を支援する部隊(恐らく砲兵部隊のこと)の破壊も完了しつつある」と明かした。
出典:Об’єднаний пресцентр Сил оборони таврійського напрямку
タルナフスキー准将は昨年秋のヘルソン反撃を指揮した人物で、現在はウクライナ南部で実施されている反攻作戦に参加するタブリア作戦軍(基盤戦力は第35海兵旅団と第55砲兵旅団)の司令官を務めており、Guardian紙の取材に答えた内容をまとめると以下のようになる。
“ロシアは1年以上も準備してきた防衛ラインを突破されることはないと信じていた。敵は広大な地雷原、対戦車溝、対戦車障害物の向こう側に用意したコンクリート製陣地に籠もり、接近してくるウクライナ軍に激しい砲撃を加えてきたため、我々の歩兵部隊は昼ではなく夜に出撃し暗闇の中で地雷除去作業を行った。文字通り数メートル単位で地雷原を突破するためのルートを切り開いた”
出典:GoogleMap ザポリージャ州ロボーティネ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
“ロシア軍は陣地に籠もったまま近づいてくるウクライナ軍を砲撃や無人機で攻撃するだけだったが、地雷原を突破されたことで多くの優位性を失った。第2防衛ラインは第1防衛ラインほど準備されたものではなく、地雷の数も少ないためウクライナ軍は車輌を使用した攻撃が出来るようになる。さらに同地域内(第1防衛ラインと第2防衛ラインの間)はロシア軍部隊も活動しているため、ここからの防衛ラインは単一のものではなくパッチ状に配置されている”
“最も準備された防衛ラインが破られたためロシア軍は機動防御への移行を余儀なくされており、ウクライナ軍の作戦は戦車や装甲車輌を使用したものに戻りつつある。我々の圧力を受け始めたロシア軍は占領地域のドニエプル川左岸地域やリマン方面、国内から戦力を抽出してザポリージャ方面に移動させ始めているが、遅かれ早かれ敵は手持ちの予備戦力を使い果たすだろう。そうなれば反攻の前進スピードはより早くなり、もっと広範囲での攻撃を行えるようになる”
出典:Об’єднаний пресцентр Сил оборони таврійського напрямку
以上が言及された内容の要約で、タルナフスキー准将は「広大な地雷原が我々の前進を複雑なものにし地雷処理作業にも予想以上の時間がかかった。残念ながら(地雷のせいで車輌が使えなかったため)負傷者の救出は我々にとって困難なものだった」とも述べており、地雷原を含む第1防衛ラインの突破は「少なくない犠牲の上に成り立っている」とも示唆したが、ロシア軍が3つの防衛ライン構築に投入した時間と資材の割合についても「60%対20%対20%」と言及しているのが興味深い。
この話が真実なら第2防衛ラインや第3防衛ラインの強固さは「第1防衛ライン」ほどではないという意味だ。
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※アイキャッチ画像の出典:35 окрема бригада морської піхоти ім.контр-адмірала Михайла Остроградського
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 83 』
『 名無し
2023年 9月 03日
ロシアの国会議員で、「この防衛ラインを突破しようとしてるウクライナ軍の上に核を落とせば一網打尽じゃね?」って言った人がいるらしいが、まあとんでもない発言ではあるが、これも多少は裏返せばだいぶ苦戦している証左の一つでもあるのかなあ・・?
43
らっしー
2023年 9月 03日
返信 引用
どう弁護したところで鬼畜の発言ですね…。
前線の友軍が安全な所まで下がれる時間など計算してないでしょうし、
仮に退避の作戦行動が可能だとしても、それならウクライナ軍も察知して行動するでしょうし効果は薄く、
その一網打尽とやらは友軍も囮の捨て駒にする前提でしょう。
仮にも議員の発言なら、有権者が我が子や親族の子をそのように扱う者に投票するか考えそうですが、
それを無視しても議員の椅子が安泰と高を括って居られる社会って事ですよねぇ。
凡そ民意など顧みられない社会という証左でしょうか。
43
たむごん
2023年 9月 03日
返信 引用
プーチンは、ロシアの政治家の中では、(これでも)穏健派なんですよね。
他の政治家、周辺国に核兵器の使用・威嚇をもっとやれのような趣旨を、平気で繰り返しています。
プーチンの後の方が過激でヤバいんじゃないのか?と言われている理由の1つなんですよね(ポジショントークかもですが、核大国ですからね)
23
チェンバレン
2023年 9月 03日
返信 引用
本当の穏健派はプーに全員😇されたので、1番穏当なのはプーという説
やべーやつが多すぎて、おいそれと西側もプー排除を画策できないという防御戦術
21 』
『 nachteule
2023年 9月 04日
少なくとも核保有国だから運用政策があって当然その中のシナリオとしてあるって感じでしょう。鬼畜だとは思いませんよ核保有国ならば当然出てくる考えでしかないですし、それで純粋にロシアにプラスの利益しかないなら取らない理由は無い筈です。当然ロシアの核使用によるNATOが取りうる対応を考えると選択肢としては無しでしかありませんが。
ロシアになってからの将官クラスの考えはどうか知りませんがソ連時代の将軍は核の怖さを知っていましたが威力が大きい爆弾ぐらいの認識であるならそんなもんかなとは思います。
そもそも議員がどのような核を想定して話をしたかで変わるでしょう。
実戦レベルにあるかは分かりませんが低出力の1kt核砲弾を地上/空中炸裂させてすら近くのロボティンみたいな小さな村を消滅させるような威力はありません死亡率が高くなる範囲にしても1kmも無いし3kmも離れれば被害らしい被害を受けるかも分からないレベルだと思います。
友軍を犠牲にするとかはどこにどんな威力の核をどんな形で爆発させるかの結果でしかないのですから、貴方の言うような事態になるかどうかなんて確定の話じゃないでしょう。
この地域のウクライナが解放した範囲をそれなりに掃討するつもりなら平地であっても効率最大に狙って広島に落とされたリトルボーイ位の威力は必要ですね。
ただ必ずしもウクライナ兵全部を巻き込めるギリギリを狙う必要は無くロシア支配地域から離れた場所を攻撃するだけでウクライナは侵攻所の話ではなくなるでしょうし、ロシア兵を巻き込んだ攻撃をする必要すら無いと思いますが。
5 』