変容する企業中心社会の男性学的解剖 男性学の視点とサラリーマン・ヘゲモニーのゆくえ

シンポジウム(2)変容する企業中心社会の男性学的解剖
男性学の視点とサラリーマン・ヘゲモニーのゆくえ
関西大学多賀太
https://jss-sociology.org/research/87/372.pdf#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81%E8%87%AA%E3%82%89%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%92%E3%82%88%E3%82%8A%E8%87%AA%E5%BE%8B%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%82%B3%20%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E3%82%88%E3%82%8A%E9%AB%98%E3%81%84%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%A8%E5%BC%95%E3%81%8D%E6%8F%9B%E3%81%88%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E9%AB%98%E3%81%84%E5%9C%B0%E4%BD%8D%E3%81%A8%E5%8F%8E%E5%85%A5%E3%82%92%E6%89%8B%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AB%E9%96%8B%E3%81%8B%E3%82%8C%20%E3%81%9F%E3%80%8C%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%82%92%E7%A7%B0%E8%B3%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E6%A7%98%E5%AD%90%E3%82%82%E8%A6%8B%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82%20%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E7%A2%BA%E3%81%8B%E3%81%AB%E3%80%81%E6%97%A7%E6%9D%A5%E5%9E%8B%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%20%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%81%AF%E4%B8%80%E5%AE%9A%E7%A8%8B%E5%BA%A6%E8%84%85%E3%81%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82%20%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%88%E3%80%81%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%89%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%8C%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%B9%85%E3%81%AA%E5%B0%B1%E5%8A%B4%E6%A9%9F%E4%BC%9A%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%82%84%E8%B3%83%E9%87%91%E4%B8%8A%E6%98%87%E3%82%92%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82%20%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%8F%20%E3%81%A8%E3%82%82%E7%8F%BE%E6%AE%B5%E9%9A%8E%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%A8%E8%A6%AA%E5%AF%86%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%97%E3%81%A4%E3%81%A4%E7%94%B7%E6%80%A7%E6%94%AF%E9%85%8D%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%82%92%E6%B8%A9%E5%AD%98%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E3%80%81%20%E3%80%8C%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E5%85%B7%E7%8F%BE%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%83%98%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AA%E7%94%B7%E6%80%A7%E6%80%A7%E3%81%AE%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%8C%E5%BE%AE%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%AB%E9%81%8E%20%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E8%A6%8B%E3%81%9F%E6%96%B9%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%95%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82&text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%B8%AD%E5%BF%83%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%94%B7%E6%80%A7%E6%94%AF%E9%85%8D%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BE%9D%E7%84%B6%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%80%81%E9%95%B7%E6%9C%9F%E5%AE%89%E5%AE%9A%E9%9B%87%E7%94%A8%E3%81%AB%E5%AE%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%20%E7%B5%82%E4%BA%86%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%E5%90%8C%E3%81%98%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%81%A7%E9%95%B7%E6%99%82%E9%96%93%E5%8A%B4%E5%83%8D%E3%81%AB%E5%8A%B1%E3%82%80%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E5%83%8F%E3%82%92%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%AE%E6%A8%99%E6%BA%96%E3%81%A8%E8%A6%8B%E3%81%AA%E3%81%97%E3%80%81%E3%81%8B%E3%81%A4%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E7%94%B7%E6%80%A7%E5%83%8F%20%E3%82%92%E4%BD%93%E7%8F%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AB%E6%A8%A9%E9%99%90%E3%81%A8%E8%B3%83%E9%87%91%E3%82%92%E5%81%8F%E3%81%A3%E3%81%A6%E9%85%8D%E5%88%86%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BD%A2%E3%81%A7%E7%B6%AD%E6%8C%81%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82%20%E3%81%A4%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%80%81%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%98%20%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%81%AF%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%BB%E3%81%A9%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%8F%E6%8F%BA%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82%20%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%97%E5%90%8C%E6%99%82%E3%81%AB%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E7%94%B7%E6%80%A7%E6%94%AF%E9%85%8D%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%B7%E6%80%A7%E5%80%8B%E4%BA%BA%E3%81%8C%E5%88%A9%20%E7%9B%8A%E3%82%92%E5%BE%97%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AF%E6%B8%9B%E5%B0%91%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%82%92%E7%B6%AD%E6%8C%81%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E9%9B%86%E5%9B%A3%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%8C%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%81%99%E3%82%8B%20%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AF%E5%A2%97%E5%A4%A7%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82%20%E3%81%97%E3%81%8B%E3%82%82%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%8B%E3%82%89%E5%BE%97%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%82%92%E7%B6%AD%E6%8C%81%E3%81%99%E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  1. 目的と方法

本報告に与えられた課題は次の2点である。1つは、企業中心社会における男性支配体制を読み解
<ための男性学の分析枠組みを示すこと、もう1つは、男性雇用労働者への生活構造インタビューの
結果(多賀編2011)と既存の統計資料に基づき、「サラリーマン」を男性の標準に据えることで維持
されてきた日本社会の男性支配体制の持続と変容の程度を見極めることである。

  1. 男性支配の構造と過程

男性学(men’s studies)は、フェミニズムに対する男性側からのリアクションとして誕生したもの
であり、狭義には社会的に「男性」として生きる人々の経験や立場性に根ざした「当事者学」と定義
できる。しかし本報告では、これをより広義にとらえ、狭義の男性学から発展した「男性と男性性」
(men and masculinities)研究に相当するものと見なして議論を行う。「男性と男性性」研究におい
ては、女性研究者の貢献度も高まっており、フェミニズムの視点と初期の男性学の視点を接合しつつ、
より洗練されたジェンダーと権力の分析が展開されている。本報告では、その過程で提唱されてきた
諸概念を援用し、男性支配体制のもとでの権力配分の様相と、そうした体制の再生産戦略を理解する
ための枠組みを示す。

男性支配社会では、集団としての男性は集団としての女性の犠牲によって構造的に利益を得ている
(「男性の制度的特権」)。しかし、そうした構造は、少なくとも部分的には、それを維持するための
コストを男性が負担することで維持されている(「男らしさのコスト」)。しかも、男性支配にともな
う利益とコストのそれぞれは、しばしば男,性集団内で不平等に配分されている(「男性内の差異と不
平等」)(Messner1997) 0こうした複眼的な視点を採用することで、男性支配社会における男性の「生
きづらさ」を理解したり、男女間の支配と男性内の支配を関連づけて把握したりできる(多賀2006)。
こうした男性支配の再生産戦略を理解するうえで有用なのが、R.コンネルの男性性理論である
(Connell1995) 0コンネルによれば、「男性性とは、ジェンダー関係によって構造化された実践の形
態である」(ibid: 44)。そうした実践は、様々な社会的文脈において展開されるため、同じ社会の内
部においても複数のパターンへと構造化されうる(「男性性の複数性」)。しかも、複数の男性性のそ
れぞれは、多くの場合、文化的に理想と見なされる度合いや、そうした位置に付随する権力の度合い
が異なっている。コンネルは、これら複数の男性性のうち、「文化的理想」と「制度的権力」の相乗
効果によって最も称賛される男性性のパターンを「へゲモニックな男性性」(hegemonicmasculinity)
と名付けた。留意すべきは、コンネルのオリジナルな定式化において、「へゲモニックな男性性」に
は「家父長制の正当化問題に対して目下のところ受け入れられる答えを具現化し、女性に対する男性
の支配を保証する(と考えられる)ジェンダー実践の形態」(ibid: 77)という含意がある点である。
「へゲモニックな男性性」とその関連諸概念を用いた社会分析の醍醐味は、単に対象社会における特
定時点での男性性の複数のパターンを同定するといった静態的なアプローチにあるのではなく、それ
らの概念を分析概念として用いながら、ジェンダーと権力をめぐるダイナミックな政治過程を分析す
ることにあるといえよう(ibid: 76)。
1990年代以降の国際的な「男性と男性性」研究は、「へゲモニックな男性性」の概念を基軸として
展開されてきたといっても過言ではない。この概念を用いて日本の男性性を分析したほとんどの研究
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シンポジウム(2)変容する企業中心社会の男性学的解剖
は、「サラリーマン」を戦後日本社会のへゲモニックな男性性と位置づけてきた(Hidaka 2010,
Dasgupta 2013) 〇本報告における「サラリーマン•ヘゲモニー」とは、制度的かつ文化的に「サラ
リーマン」を男性の標準に位置づけながら男性支配体制が維持されている社会的状況を指す。

3.男性支配体制の持続と変容

各種統計からは、日本の企業社会の男性支配はそれほど大きく揺らいではいないことがうかがえる。
賃金、職位、雇用形態などを指標として見れば、日本の企業社会は、かつて男性によって専有されて
いた権力の中枢ヘ一部の女性を引き入れる一方で、一部の男性と大半の女性を従属的・周辺的な位置
に追いやりながら、総体として男性に制度的権力を偏って配分する体制を維持している。そうした体
制の中枢を担う男性雇用労働者の生活パターンは、労働時間や家事・育児参加時間という外的指標で
見る限り、高度成長期から今日までそれほど大きくは変化していない。「男性稼ぎ手」意識は依然と
して男女ともに強固であり、非正規雇用や相対的低収入の男性は結婚相手として女性から忌避されが
ちである。共働き世帯数が夫片働き世帯数を上回って久しいが、共働きが支持されているのは、文化
的理想としてよりも圧倒的に実利的な理由からである。増加する「フリーター」との差異を際立たせ
ることで、サラリーマン・ヘゲモニーは依然として首尾良く達成されているように思える。
ただし、少なくとも若い世代の大企業中核社員たちの間では、いくらかの変化は見られる。一方で、
働くことの私事化や職場への心理的コミットメントの弱化、他方で、職場以外のコミュニティや家庭
責任への心理的コミットメントの強化の傾向がうかがえる。また、自らのキャリアをより自律的にコ
ントロールしながらより高いリスクと引き換えにより高い地位と収入を手にするチャンスに開かれ
た「ビジネスマン」を称賛する様子も見られる。こうした変化によって、確かに、旧来型のサラリー
マン•ヘゲモニーは一定程度脅かされつつある。
とはいえ、これらの変化が女性の大幅な就労機会拡大や賃金上昇をもたらしそうにはない。少なく
とも現段階では、経済のグロ ーバルイ匕と親密性の変化に対応しつつ男性支配体制を温存するために、
「サラリーマン」として具現化されてきたへゲモニックな男,性,性のパターンが微修正されているに過
ぎないと見た方がよさそうである。

4 .結論

日本の企業中心社会における男性支配体制は、依然として、長期安定雇用に守られながら学校教育
終了から定年まで同じ組織で長時間労働に励む労働者像を男性の標準と見なし、かっそうした男性像
を体現する男性たちに権限と賃金を偏って配分する形で維持されている。つまり、サラリーマン•へ
ゲモニーはそれほど大きく揺らいではない。しかし同時に、そうした男性支配体制から男性個人が利
益を得られるチャンスは減少しており、そうした体制を維持するために集団としての男性が負担する
コストは増大している。しかも、そうした体制から得られる利益とそうした体制を維持するためのコ
ストの男性内でのアンバランスは拡大している。その意味では、日本の企業中心社会における男性支
配体制は、決して盤石とはいえないであろう。

文献
Connell, R.W., 1995, Masculinities, Polity Press.
Dasgupta, R. 2013, Re -reading the Salayman in Japan, Routledge.
Hidaka, T., 2010, Salayman Masculinity, Brill.
Messner, M.A., 1997, Politics of Masculinities, Sage.
多賀太,2006,『男らしさの社会学』世界思想社
多賀太編,2011,『揺らぐサラリーマン生活』ミネルヴァ書房
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