ポルトガル軍は米国製のF-35の購入を…。
https://st2019.site/?p=22927
『ポルトガル軍は米国製のF-35の購入をキャンセル。手持ちのF-16も、欧州製戦闘機で更新するという。
2025/03/15/ 06:57 / 兵頭二十八』
ポルトガル軍は米国製のF-35の購入を…。
https://st2019.site/?p=22927
『ポルトガル軍は米国製のF-35の購入をキャンセル。手持ちのF-16も、欧州製戦闘機で更新するという。
2025/03/15/ 06:57 / 兵頭二十八』
ウクライナ侵攻に至るロシアの対NATO戦略観の変遷について
ーロシアにおける影響圏思想の観点からー
高橋慶多
https://www.mod.go.jp/msdf/navcol/assets/pdf/column237_01.pdf



ロシアの行動は謎の中の謎に包まれた謎だ。しかしおそらく鍵
がある。それはロシアの国益に他ならない。
ウィンストン・チャーチル
はじめに
「他の選択肢は残されていなかった」。
2022年2月24日、ウクライナ
侵攻開始に際して、プーチン(Vladimir Putin)大統領はロシアの正当性
を強く主張した2。
これに対して、ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)
北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization : NATO)事務総
長は「すべての責任はロシアにあり、NATOが提供した対話の道も閉ざし
た。NATOは世界最強の軍事同盟として、これからも平和のために行動す
る」とロシアを痛烈に批判しつつ、NATOの存在意義を改めて強調した3。
ロシアのウクライナ侵攻は、我々にとっては合理性を著しく欠いた行動
として映る。
しかし、このような見方が西洋的価値観によるものであり、
むしろロシアはその独自のリアリズムに基づき、一貫した行動を取ってき
たとの見方も存在する4。
こうしたロシアの行動は、多極化世界における自
らの極としての地位がNATOに脅かされているという世界観に基づいて
いる5。
またロシアは、この包囲網に対する緩衝地帯を確保したいという時
11939年10月1日、チャーチル(Winston Churchill)がロンドンにて行ったス
ピーチの内容である。
2 “IlyTiiH Ha3Baji flencTBHH Poccmh Ha YKpanHe BBiHyxneHHOH MepOH,”
HHTep(j)aKC, February 24, 2022, https://www.interfax.ru/russia/824312
(Accessed on March 1,2022).
3 NATO HQ, “Press conference by NATO Secretary General Jens Stoltenberg
following the extraordinary virtual summit of NATO Heads of State and
Government,v February 25, 2022, https7/www.nato.int/cps/en/natohq/
opinions_192455.htm (Accessed on March 1,2022).
4グレン・カール「元CIAが分析するプーチンの心理と論理」『ニューズウィーク
日本版』2022年3月22日、18頁。グレンはNATOの不平等なリベラリズムに対
する、ロシア(プーチン)の「怒りのリアリズム」にウクライナ侵攻の原因を見
出している。
5小泉悠『軍事大国ロシア』作品社、2016年、74頁。
1
代錯誤な思想を固持している6。
問題は、こうしたロシアの世界観•思想が、
我々の中で理解困難なイデオロギーとして扱われ、注目すべき対象外に置
かれたまま、ウクライナ侵攻という惨事を防止できなかったことにあろう。
ウクライナ侵攻に関して、ハーバード大学のウォルト(Stephen Walt)
はNATOにロシアの立場を理解し、これに適切に対応する「戦略的共感」
が欠如していたことが原因の1つと見出している7。
また東アジア研究所の
キム(Yang Gyu Kim)は、NATOはロシアに対する抑止に失敗したもの
と指摘する8。
ややもすれば、我々はこうしたリアリスト的観点から事態を
分析することを忌避しているとは言えないだろうか。
ロシアのウクライナ侵攻は国際法に違反する明白な侵略行為であり、決
して正当化できるものではない。
ウクライナは多大な犠牲を払いながらも、
主権を守るため徹底抗戦を繰り広げている。
この前提と現実を踏まえた上
で、今後のロシアへの対応を分析する一助として、本稿ではウクライナ侵
攻に至った過程に関して、あえてロシア側の視点に立ち、対NATO戦略観
という切口からアプローチを試みる。
構成としては、まずロシアの影響圏
思想とその戦略観を概観する。
その上で、ロシアの対NATO戦略の変遷過
程を各種戦略文書上の文言や要人の公式発言などから導出することとする。
1ロシアの影響圏思想と戦略観
(1)影響圏思想
2009年5月、メドヴエージエフ(Dmitrii Medvedev)大統領は「2020
年までのロシア連邦国家安全保障戦略(以下、「2009年安保戦略」)」を承
認した。2009年安保戦略では、近隣諸国との紛争に備えて旧ソ連圏の国境
管理を強化することが明記されている%兵頭らはこの2009年安保戦略を
境に、ロシアの安全保障上の関心がテロなどの「非伝統的な脅威」から国
6木村汎、名越健郎、布施裕之著『「新冷戦」の序曲かーメドベージェフ・プーチ
ン双頭政権の軍事戦略ー』北星堂書店、2008年、190頁。
7 Stephen Walt, “The West Is Sleepwalking into War in Ukraine,” February 23,
2022, https://fbreginpolicy.com/2022/02/23/united-states-europe-war-russia-
Ukraine-sleepwalking/ (Accessed on March 20, 2022).
8 Yang Gyu Kim, After Deterrence: Implications of the Russia-Ukraine War for
East Asia/5 * 7 8 9 March 14, 2022, https7/www.globalnk.org/commentary/view?cd=com
000079 (Accessed on March 25, 2022).
9 ロMUTpnii A.Me^BeaeB, “CTpaTern旦 Hau;n〇HajibH〇n 6e3〇nacH〇CTn Pocchhckoh
①e_qepaii;HH 且。 2020 ro^a,” May 13, 2009, 2 章12 節,http7/kremlin.ru/
supplement/424(Accessed on June 2, 2021).
2
境紛争という「伝統的な脅威」へと重心が移動したものと分析する1〇。
また
この背景には、欧米諸国の影響力が旧ソ連諸国に及ぶことにロシアが抵抗
した結果生じた、2008年のジョージァ紛争があると導出している11。
2009年安保戦略における伝統的な安全保障観への回帰は、ロシアの「影
響圏思想」を高揚させたといえる。
影響圏思想とは、自らの縄張りとも言
える、政治的、経済的な思考とは異なるロシア独自の安全保障観である10 * 12 * * 15〇
この源泉には建国以来、陸上国境から度重なる侵攻を受けたという歴史で
植え付けられた、ロシア人の過剰な防衛意識があると考えられる弱。
この
発想・思想がドウーギン(Aleksandr Dugin)の下で体系化され、プーチ
ン政権で実践されている14。
そしてロシアから影響圏思想というレンズを
通して自国を取り巻く安全保障環境をとらえた場合、拡大を続けるNATO
は国益に対する大きな脅威として映るのである。
(2)影響圏思想におけるウクライナの位置づけ
伝統的な安全保障観に裏付けされたロシアの影響圏思想において、ウク
ライナの位置づけはどのように整理されるのか。
ここでは紙面の関係上、
軍事的意義と民族思想的意義からアプローチすることとする。
ロシアは2008年からウクライナがNATO加盟に向けて活発化して以
来、ラブロフ(Sergey Lavrov)外相が「ウクライナのNATO加盟を阻む
ためには、あらゆる措置を講じる」と発言するなど、ウクライナに対して
強硬な姿勢を示すようになっている崩。
ロシアにとってNATOの東方拡大
によって生じる最も深刻な問題は、戦略縦深(StrategicDepth)の喪失に
10兵頭慎治、秋本茂樹、山添博史「ロシアの国家安全保障戦略ーロシア経済、対
中関係の視角からー」『防衛研究所紀要』第13巻第3号、2011年3月、84頁。
11兵頭慎治「序論ーロシアの国家安全保障政策」『国際安全保障』第39巻第1
号、2011年6月、4頁。
12兵頭慎治「クリミア編入に見るロシアの影響圏的発想」『海外事情』2014年6
月号、42頁。
13佐々木孝博「ロシアの対外政策構想と「特権的利害地域」ーグルジア紛争にみ
るロシア安全保障の課題ー」『国際情報研究』第7号、2010年11月、16頁。
14グランドストラテジーとは、外交の基本をなす大戦略であり、プーチン政権で
はその影響圏(勢力圏)維持を達成するために様々な戦術や手段を駆使してきた
とされる。廣瀬陽子「プーチンのグランド・ストラテジーと「狭間の政治学」」北
岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学』東洋経済新報社、2020年、256-257、271
頁。
15 “P① c^ejiaeT Bee, hto6bi He 且oiiycTHTB npHHHTna YKpaiiHbi π rpyann b
HATO,” August 4, 2008 (Accessed on April 26, 2022)•なお対照的に 2004 年のバ
ルト三国NATO加盟に対してはロシアは最終的に容認する立場をとっている。
3
他ならない16。
冷戦期にはワルシャワ条約機構の最西端に位置していた東
ドイツからソ連本土国境までは約900kmが隔たれていたものの、東欧諸
国などがNATOに加盟したことで、ロシアの戦略縦深は東方へ約!400km
後退することとなった17。
そしてさらにウクライナがNATO加盟を果たし
た場合、ロシアは欧州正面に対する軍事的脆弱性をさらに高めるほか求
海洋戦略上重要な作戦基盤である黒海が「NATOの海」と化すことなる也
これはロシアにとって、軍事的な意味で明らかに影響圏の喪失といえよう。
またロシアにとってウクライナは民族的にも、言語・宗教•文化などの
面からも共通性が高く、時に「ほとんど我々」<と称するなど、ウクライナ
に対して非常にセンシティブな意義を見出している2〇。
両国の起源は1〇~
12世紀にヨーロッパの大国として君臨したキーフ・ルーシ公国にあり、む
しろウクライナがスラブの本家筋ともとらえられる。
しかしモンゴル帝国
の侵攻により、キーフ公国が衰退する一方で分家筋のモスクワ公国が台頭
し、これが現在のロシアのルーツ・となっている用。
2021年、ブーチン大統領は論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体
性」を発表した。
ここで彼は独自の歴史観を展開し、ロシアとウクライナ
が単一の主体であるべきと明言している22。
また、西側諸国とともに反露
を強めるウクライナ国内の動静はロシアへの大量破壊兵器の指向に等しい
と表現し、ウクライナの真の主権はロシアとのパートナーシップによって
確保されるものと結んでいる23。
ウクライナにとっては到底許容し得ない
論理であるものの、ロシアには民族的観点からウクライナを不可分の領域
訟小泉悠「ロシアの軍事戦略における中・東欧一NATO東方拡大とウクライナ危
機のインパクトー」『国際安全保障』第48巻第3号、2020年12月。
17小泉悠『現代ロシアの軍事戦略』筑摩書房、2021年、32頁。
須小泉「ロシアの軍事戦略における中・東欧」56頁。
19木村他『「新冷戦」の序曲か』205頁。
2。小泉悠『「帝国」ロシアの地政学:「勢力圏」で読むユーラシア戦略』東京堂出
版、2019年、68頁。
21黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』中公新書、2002年、iii-iv頁。
22 Bjia且hmhp B.IIyTHH, 06 ncT〇pnHecK〇M e^iiHCTBe pyccKnx π yKpaHHii;eB,”
http7/kremlin.ru/events/president/news/66181, July 12, 2021 (Accessed on April
26, 2022),当論文における独自の歴史観として、例えばウクライナ国家建設の礎
を築いたボフダン・フメリニッキーがモスクワ公国の庇護を求めたという事実を
もって、現在におけるウクライナに対するロシアの保護的立場の正当性を主張し
ている。しかしウクライナの立場からは、フメリニッキーがモスクワに接近した
のは、強国ポーランドに対抗するための短期的な軍事同盟に他ならず、ウクライ
ナの主権を揺るがすものではないという意見が一般的である。黒川『物語 ウク
ライナの歴史』100109頁。
23 Ibid.
4
と見なす勢力が存在し、他ならぬプーチン政権がこれを公言しているので
ある。
ここから、ロシアが民族的観点からも影響圏としての特別な意義を
ウクライナに見出しているといえよう。
図1ロシアの影響圏思想に基づく戦略的空間認識
※認識の整理として、ウクライナは含まれる。
(出所)廣瀬陽子「プーチンのグランド・ストラテジーと「狭間の政治
学」」を基に筆者作成24。
(3)安全保障戦略上の判断基準
2010年2月、ロシアは10年ぶりに軍事ドクトリンを改訂(以下、「2010
年軍事ドクトリン」)し、改めて伝統的な脅威への対処を重視する方針を明
らかにした25。
またその中で、「軍事的安全保障」、「軍事的危険」、「軍事的
脅威」、「軍事紛争」、「武装紛争」、「局地紛争」、「地域紛争」及び「大規模
戦争」という戦略用語を前提として規定した26。
これらの具体的な定義や
それぞれの位置づけは図2のとおりであり、安全保障戦略上の事態判断基
準とこれに応じたエスカレーションの管理を体系的に整備したものと言え
る。
なお当概念は2009年安保戦略で明文化された影響圏思想からっなが
るものであり、ロシアは影響圏思想に基づく対外行動を2010年軍事ドク
トリンから公式化したものと理解できる27。
24廣瀬「プーチンのグランド・ストラテジーと「狭間の政治学」」258、304頁。
25 JUmmtphh A.MeABe^eB, ^BoeHHaa 只OKTpuHa PoccniicKon ①eHepamiii,”
February 5, 2010, 2 章,https://kremlin.ru/supplement/46l(Accessed on June 2,
2020).
26 Ibid.
27兵頭「クリミア編入に見るロシアの影響圏的発想」43-44頁。
5
図2 ロシアの安全保障戦略上の事態判断基準とエスカレーション管理
(高)
紛争の烈度
用語 文書上の規定内容
軍事紛争 大規模紛争 (KpyimoMaciuTaGHaii Boiuia) 国家同盟間または国際社会の最大規模の戦争 であり、根源的な軍事•政治的目的の達成を追求 するもの。
地域紛争 (pemoiia Jibnaa Boinia) 1個の地域において2国またはそれ以上数の国 家が参戦し、重要な軍事•政治的目的の達成のた めに、自国軍または同盟軍によって行われる戦争。
局地紛争 (poKajibuaji Bomia) 2個またはそれ以上の数の国家間における、限 定された軍事•政治的目的の達成を目指す戦争。
武装紛争 (BoopyTKeHHuir koh^uthk) 限定された規模の、国家間または1国内で対立 する当事者間の武力衝突。
(低)
(高)
事態の程度
/
用語 、”、、、、、、 文書上の規定内容
軍事紛争 (B〇eHHblM koh^wimkt) 敵対する主体との問題を軍事力により解決する 状態。
軍事的脅威 (B〇eHHaH yrpoaa) 敵対する主体間で軍事紛争が生起する可能性が ある状態。
軍事的危険 (B〇eHHaH OUHCHOCTb) 特定の条件下で軍事的脅威に発展する可能性 がある状態。
軍事的安全保障 (B〇eiman 6e3〇nacH〇〇Tb) 軍事的脅威が存在せず、国家の利益が保護され ている状態。
国
(出所)2010年軍事ドクトリンを基に筆者作成28
2 ロシアの対NATO戦略観の変遷
ロシアはプーチン政権下で「影響圏の維持」を実践している29と述べた
が、本節では「影響圏に対するNATO」というロシアの安全保障的視点か
ら、先述した安全保障戦略上の判断基準を用いて、その戦略観の変遷を導
出する。
(1)2010年〜2014年:「軍事的危険」
2013年2月、プーチン大統領は対外政策概念(以下、「2013年対外政策
概念」)を承認した3〇。この中でロシアは、NATO拡大をヨーロッパの安全
28 Me^Be^ee, 4<BoeHHaM aoKTpnHa PoccnncKon ①eaepaHHH.” 各用語|ま 1 章 6 貝[!
で規定されている。
29廣瀬「プーチンのグランド・ストラテジーと「狭間の政治学」」271頁。
3〇対外政策概念はロシアの外交、国防、経済その他の総合的な中期方針を示し、
戦略文書の基となるものである。小泉悠「ロシア連邦対外政策概念の改定」『外国
の立法』No. 270、2017 年 2 月、https 7/dl. ndl.go.jp/view/download/digidepo_
10303182_po_02700207.pdf?contentNo=l(2022 年 3 月 5 日アクセス)。
6
保障に支障をきたすものとして、断固たる対抗の意思を示した31。この認
識が2014年12月に改訂された軍事ドクトリン(以下、「2014年軍事ドク
トリン」)において、より具体的に記載されている。
2014年軍事ドクトリンでは、国際秩序が公平に安全保障を提供していな
いという世界観を述べつつ、ロシア国境付近での地域紛争の存在を指摘し
ている32。
その上で軍事的危険として、NATOの軍事力強化と国際法に反
したグローバルな役割やロシアと隣接する国家内に脅威となる体制や政策
が打ち立てられることを挙げている。
さらに軍事的脅威としては、ロシア
及びその同盟国に隣接する国家での演習を通じた軍事力の顕示を挙げてお
り、影響圏に迫るNATOの存在を匂わせている33。
しかし、ロシアは戦略文書上、NATOを軍事的危険から軍事的脅威へは
格上げしていない。
これはロシアがNATOへ不満を表明するにとどめ、軍
事的脅威として対応することを回避していたためとも言われる34。
ともあ
れ2010年から2014年にかけて、ロシアの影響圏維持のための対NATO
戦略観は、軍事的危険という事態で安定していたと判断できる。
(2) 2015年〜2018年:「軍事的脅威」
2015年12月、プーチン大統領は国家安全保障戦略を改訂(以下、「2015
年安保戦略」)し、NATO加盟国による軍事的活動の活発化や同盟のさら
なる拡大と国境への軍事的インフラの接近を国家安全保障上の脅威に挙げ
た35。
またNATOのグローバル化を引き続き国際法に反する行為と位置付
ける一方で、NATOがロシアの国益を遵守し、現状のあり方を見直すので
あれば、関係性の発展も可能との見方も示している36。
これはロシアが単
にNATOを敵視するだけではなく、対話の可能性と関係性の深化も追求し
31 Bjia且hmhp B.IIyTnH, uK〇HD;enLi;HH BHeniHeii 110jihthkh Poccmmckoh
①e_qepaii;Hii,” February 12, 2013, http://www.pircenter.org/articles/702-
koncepciya-vneshnej-politiki-rossijskoj-federacii(Accessed on June 2, 2022).
32 Bjia且hmhp B.IIyTHH, “BoeHHaH aoKTpnna Pocchhckoh eHepanHH,”
December 30, 2014, 2 章10 節,https:// rg.ru/2014/12/30/doktrina■ dok.html
(Accessed on June 2, 2020).
33 Ibid., 2章12節及び14節.
34 Carolina V. Pallin and Fredrik Westerhind, “Russia s Military Doctorine-
Expected News,” RUES Briefing No. 3, Swedish Defence Research Agency,
Feburuary 2010, https://www.fei.se/upload/RUFS/RUFS_Briefing_feb_10.pdf.
35 Bjia且hmhp B.IIyTnH, <4CTpaTernH Hau;n〇HajibH〇n 6e3011acHOCTn Pocchhckoh
①eAepan;uii,” December 31,2015, 2 章15 節,http7/kremlin.ru/acts/bank/40391
(Accessed on June 2, 2022).
36 Ibid., 4章106項及び!07項参照.
7
ていたという点で注目に値する。
この姿勢は2016年11月に示された対外
政策概念(以下、「2016年対外政策概念」)にも継承されており、NATOの
拡大がヨーロッパの分断を進める行為と批判しつつも、NATO—ロシア理
事会(NATO —Russia council:NRC」)37を通じた協力の模索とこれによ
る地域の安定を目指している38。
2010年軍事ドクトリンから2016年対外政策概念にかけて、ロシアの対
NATO戦略観は軍事的危険で安定していた。
また一部NATOが関与する
ことで事態が軍事的脅威へと発展する可能性を意識しながらも、ロシアは
NATOとの対話を模索していたといえる39。
しかし2017年3月、ロシア外務省は「NATOはロシアの脅威という動
機を作り上げ、加盟国を団結させている」と表明した如。
また2018年3月、
プーチン大統領は「我々が無知であったため、NATOへの一方的な陣地引
き渡しに至ってしまった」と、冷戦後の国際認識が甘かったという見解を
示した心。
この時期を境に、ロシアの対NATO戦略観は強硬化していく。
2018年8月には、メドヴエージエフ首相が「ロシアを仮想敵とした
NATOの拡大はロシアにとって絶対的な脅威である」•と明言した42。
また
プーチン大統領も「ロシア国境付近でのNATO軍事演習や軍事インフラの
接近は明らかな脅威である」と非難している43。
こうした発言から推察す
るに、ロシアは自らの影響圏に向けて拡大するNATOに対して、危機感を
強めていったといえよう。
そしてこうした認識は、もはや「敵対する主体
•との対立が軍事紛争が発生する可能性にある44」という軍事的脅威に該当
している。
ここから、ロシアの影響圏維持のための対NATO戦略観は2014
年から2018年にかけて、事実上軍事的危険から軍事的脅威へエスカレー
ションを遂げたものと判断することができる。
37パートナーシップ醸成に資するための協議、協力及び合意形成のメカニズムで
ある。NATO HQ, UNATO-Russia Council,5,March 23, 2020, https7/www.
nato.int/cps/en/natohq/topics_50091.htm (Accessed on June 2, 2022).
38 Bjia且hmhp B.IIyTHH, “K〇HD;erm;iiH BHeniHeii hojimthkh Pocchhckoh
①eAepaii;Hii,” November 30, 2016, 4 章,https://docs.cntd.ru/document/
499003797 (Accessed on June 2, 2020).
39 IlyTUH, “BoeHHaH 且OKTpnHa Pocchhckoh ①e;i;epaii;HH,” December 30, 2014, 2
章14節参照.
40『ロシア月報』第885号、2017年3月、71頁。
41『ロシア月報』第897号、2018年3月、72頁。
42『ロシア月報』第902号、2018年8月、55頁。
43同上、61頁。
44 IlyTUH, “BoeHHaH 且OKTpnHa Pocchhckoh ①e;i;epaii;HH,” December 30, 2014,
1章8節.
8
(3) 2019年〜2021年12月:「軍事的脅威」(軍事紛争への漸進)
2019年に入っても、ロシアはNATOを軍事的脅威ととらえる見解を度々
示している。
ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は2019年4月、「ロシア
国境付近でのNATOの行動は緊張を増大させており、ロシアを西側の主要
な脅威として描き出すNATO政策には対抗措置を講じる」と表明した45。
プーチン大統領も同年12月、「NATOの拡大及びロシア国境付近での
NATO軍事インフラの発展が安全保障上の脅威であることに立脚し、軍の
近代化を進めなければならない」と語り、軍事的措置を指示している46。
こうした見解を背景として、2020年6月、ブーチン大統領は「核抑止分
野におけるロシア連邦国家政策の基礎について」と題された大統領令(以
下「核抑止政策の基礎」)に署名した。
当文書はロシアの核抑止を実施する
基準や条件などを規定している47。
この核抑止政策の基礎とその公表には、
ロシアの戦略的な意図が垣間見える48。
文書中、ロシアに対する脅威を抑
止することを最優先事項の1つとし、そのために核を十分な基準に保っと
表明している49。
また核抑止を行使する基準に軍事的脅威を設定し、ロシ
アを潜在敵とみなす国々によるミサイル防衛システムの配備などを例示し
ている5〇。
さらに核抑止指向の対象として、ロシアを敵とみなし、核兵器の
みならず汎用的な戦闘能力を保有する軍事同盟を具体的に挙げている躍。
その後2021年7月、ロシアは国家安全保障戦略を改訂(以下、「2021年
安保戦略」)した。
この中で地政学的な不安定性と紛争の拡大により軍事紛
争が核保有国を含む地域に拡大する危険性が高まっているとの認識を示す
ほか、国境付近へのNATO拡大とその軍事インフラの接近がロシアの軍事
的危険と軍事的脅威を強化するものと指摘している52。
また国防目標とし
“『ロシア月報』第910号、2019年4月、67頁。
“『ロシア月報』第918号、2019年12月、82頁。
47 Bjia且hmhp B.IIyTnH, “〇〇 OcnoBax rocy/i;apcTBeHH〇n hojikthkh PoccniicKon
①e_qepaii;HH b o6jiacTH H^epnoro c^ep招HBaHHH, ” June 2, 2020, https7/xn.
3veaabcahvp3aypd2a3deubak3alvuzd5n8bzl.xn--plai/ld/6/643.doc___
(Accessed on March 17, 2022).
48 ロシアは2010年「核抑止分野における2020年までのロシア連邦国家政策の基
礎」を採択するも、核使用の思考過程など具体的な内容は一切非公開とした。小
泉悠「「核抑止の分野におけるロシア連邦国家政策の基礎」に見るロシアの核戦
略」日本国際問題研究所 HP、httpsV/www.jiia.or.jp/research-report/ post-3.html
(2022年3月16日アクセス)。
49 XlyruH, “06 OcnoBax rocyaapcTBeHHoii 110jihthkh PoccniicKon Qe/];epaii;nn b
o6jiacTM mi;epH〇ro c^ep招HBarniH,”1 章 2、4 及び 5 fip.
50 Ibid., 2 章11節・
51Ibid., 2章13節.このほかに具体的な対象は記されていない。
52 Bjia且hmhp B.IIyTnH, **CTpaTernn Hau;n〇HajibH〇n 6e3〇nacH〇CTH PoccnncKon
9
て核による軍事紛争の戦略的抑止を挙げており、核抑止政策の基礎との連
続性がうかがえる53。
さらに外交政策を達成するため、隣接する領域にお
ける緊張と紛争の温床の出現を排除することを挙げている54。
ここから、
ロシアがウクライナを含む旧ソ連地域に対する介入の意志を確かにのぞか
せていたものと判断できる。
2019年から2021年にかけてのロシアの戦略文書を分析すると、ロシア
が自身と影響圏を取り巻く安全保障環境がNATOによって深刻化したと
認識していることが分かる。
さらにその戦略観は軍事紛争も視野に入れて
おり、核による戦略的抑止という意志表明にも至っている。
山添はロシア
の核戦略抑止に「最終手段としての核使用」、「紛争局限のための核使用」
及び「核の言説攻勢」という3つの役割があるものと分析した55。
この考
えに基づくと、2021年までロシアは核によって、軍事的脅威に値する
NATOとの軍事紛争の局限を目指すとともに、核使用の可能性を示唆する
ことで、影響圏へ拡大するNATOに向けた核の言説攻勢を仕掛けていたも
のと判断できる。
(4) 2021年12月〜2022年:「軍事紛争」へ
202I年12月、ロシア外務省はNATO及び米国との安全保障合意案を
両者へ提出し、承認を求めた56。
NATOに対する9か条からなる文書内で
は、ロシアとNATOが互いを敵視しないことを確認するとともに、ウクラ
イナにおけるNATOのあらゆる軍事活動が見直されることなどが条件と
して挙げられている57。
公表に際してリャブコフ(Sergei Ryabkov)外務
次官は、「この草案は包括的に検討されるべきであり、どちらか一方に偏る
①ewepai^HH,” July 7, 2021,2 章17 節及び 4 章 35 節,http7Zbase.garant.ru/
401425792/#friends (Accessed on March 5, 2022).
53 Ibid., 4章40節参照.
54 Ibid., 4章100節参照.なお同節では、「ロシアとベラルーシ及びウクライナ間
の兄弟関係を強化すること」も明記されている。
55山添博史「ロシアの国際闘争手段としての核兵器一「戦略的抑止」における最
終手段、紛争局限手段、言説攻勢手段一」『国際政治』第203号、2021年3月、
110-111頁。
56 「ロシア、東欧から軍撤収要求 米欧との安保案公表」『日本経済新聞』2021
年12 月18 日、https7/www.nikkei.com/article/DGXZQOGR 17DWA0X11C21
A2000000/ (2022年3月22日アクセス)。
57 uAgreement on measures to ensure the security of the Russian federation
and member states of the North Atlantic Treaty Organization,n December 17,
2021, https://mid.ru/ru/foregin_policy/rso/nato/l790803/?lang=en&clear_cache=
¥(Accessed on March 23, 2022).
10
のではなく相互に補完しあうことで、緊張緩和という双方の利益を見出す
ことができるはずである」と述べた58。
こうしたロシアの働きかけに対し、2022年1月、NATO全加盟国と口
シアが参加したNRCが開催され、ロシア側から提出された安全保障合意
案について議論が行われた5%
ストルテンベルグ事務総長は当会開催の意
義を評価する一方で、ロシアから示された条件への明確な回答は控え、口
シアにウクライナに対する行動を全面的に改めるように求めた叫,
これに
対しプーチン大統領は「ロシアの主要な懸念が無視された。ウクライナの
NATO加盟に向けた動きが戦争を意味するということが理解できないの
か」と、戦争への意志を明言している61。
ロシアが示した安全保障合意案は、NATOにとっては冷戦期的な、非常
に野心的かつ独善的な要求に他ならない62。
しかしロシア側からすれば影
響圏に対する危機感に基づくものであり、もはや許容できない事態にある
との認識に達したものとも推察できる。
そしてこの認識が2月24日、
「NATOに支援されてウクライナを人質に取り、ロシアとロシア国民を侵
害する主体との問題を軍事力で解決する事態63」、すなわち軍事紛争へと口
シアを踏み込ませた要因の1つとなったものと考えられるのではないだろ
うか64。
58 “B o6nj;nx HHTepecax chh3htb HanpaaceHHOCTb : KaK Poccmh npe且jiaraeT
CIIIA h HATO BbiCTpanBaTb OTHOineHna b c(j)epe 6e3011acHOCTH,” December 18,
2021, httpsV/russian.rt.com/world/article/939702-rossiya-ssha-dokumenty-
bezopasnost/amp (Accessed on March 23, 2022).
59 NATO HQ, 4<NATO-Russia Council meets in Brussels,January 12, 2022,
https7/www.nato.int/cps/en/natohq/news_190643.htm(Accessed on March 23,
2022).
60 NATO HQ, “Press conference by NATO Secretary General Jens Stoltenberg
following the meeting of the NATO-Russia Council,January 12, 2022,
https7/www.nato.int/cps/en/natohq/opinions_190666.htm (Accessed on March
25, 2022).
61″HaM hto, BoeeaTb c 6jiokom HATO?,” IlyTHH nefloeojieH otbctom 3ana^a
Ha TpedoBaHHH Poccnu,” February 1,2022 (Accessed on March 25, 2022).
62 Patricia Lewis, ‘”Russian treaty proposals hark back to post-Cold War era,”
https://www.chathamhouse.org/2021/12/russian-treaty-proposals-hark-back-
post-cold-war-era (Accessed on July 20, 2022).
63 「ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領演説全文」『NHKNEWSWEBJ 2022
年 3月 4 日、https7/www3.nhk.or.jp/news/html/20220304/kl0013513641000.
html(2022年5月9日アクセス)。
64 Me^Be且eB, “BoeHHa^ HOKTpuHa Pocch就cK〇ii ①eaepaRHu.”なおプーチン大統
領は2022年5月9日時点で、引き続きウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」と称し
ている。筆者はこれが同戦略文書上で「限定された規模の1国内で対立する当事
者間の武力衝突」と定義される、武装紛争に近い位置づけにあるものと考える。
11
図3 ロシアの対NATO戦略観の変遷
期間 2010 年 ~2014 年 2015年〜2018年 2019 年 ~ 2021年12月 2021年12月 ~ 2022年
対 NATO 戦略的事態 軍事的危険 軍事的脅威 軍事的脅威 (軍事紛争へ漸進) 軍事紛争
主な 戦略文書等 ■ 2010年軍事ドクト リン ■ 2013年対外政策 概念 ■ 2014年軍事ドクト リン ■ 2015年安保戦略 ■ 2016年対外政策 概念 •核抑止政策の基礎 ■ 2021年安保戦略 ■ NA 安全 TO(米国)との 保障合意案
(出所)ロシアの戦略文書を基に筆者作成
おわりに
本稿では、ロシアが影響圏思想に基づく 一貫した戦略観に基づき、対
NATO脅威感を募らせ続けてきた過程を導出し、これがウクライナ侵攻へ
の1つの要因となった可能性を分析した。
その国益を最優先させた理念や
行動が決して許容できないことは明白である。
しかし我々が戦略文書やそ
の動向から、ウクライナ侵攻に至るロシアのエスカレーション過程を察知
できたこともまた確かである。
この事実に立脚し、ロシア的視点から今後
の彼の戦略的思考を予察していくことは、今後ロシアに対応していく上で
必要な研究といえよう。
次回稿ではウクライナとNATO間関係を体系的に整理しつつ、これと本
稿で明らかにしたロシアにおける対NATO戦略観の変遷の間に関連性が
見い出せるのかについて焦点を当てることとする。
12
NATOとロシアの戦力比較から読み解く「ウクライナ戦争後」の最悪シナリオ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78753


『2024.1.4(木)深川 孝行
深川 孝行のプロフィール
(ふかがわ・たかゆき)昭和37(1962)年9月生まれ、東京下町生まれ、下町育ち。法政大学文学部地理学科卒業後、防衛関連雑誌編集記者を経て、ビジネス雑誌記者(運輸・物流、電機・通信、テーマパーク、エネルギー業界を担当)。副編集長を経験した後、防衛関連雑誌編集長、経済雑誌編集長などを歴任した後、フリーに。現在複数のWebマガジンで国際情勢、安全保障、軍事、エネルギー、物流関連の記事を執筆するほか、ミリタリー誌「丸」(潮書房光人新社)でも連載。2000年に日本大学生産工学部で国際法の非常勤講師。
著書に『20世紀の戦争』(朝日ソノラマ/共著)、『データベース戦争の研究Ⅰ/Ⅱ』『湾岸戦争』(以上潮書房光人新社/共著)、『自衛隊のことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)などがある。』
『敵に塩を送る?トランプ氏の「再選リスク」
出口の見えないウクライナ戦争だが、ここへ来て「NATO(北大西洋条約機構)とロシアの直接対決」が危惧され始めている。
2023年12月、アメリカの著名なシンクタンク「戦争研究所(ISW)」が、「アメリカがウクライナを見捨てれば、ロシア軍のウクライナ全土占領も不可能ではなく、結局アメリカはこの対処に天文学的な軍事費を支払うことになる」と、異例の“警告”を発したことで、世界中がざわついた。
この警告は「風が吹けば桶屋が儲かる」的な理屈で、ウクライナがロシアに占領されれば、ロシアと直接対峙する欧州のNATO諸国支援のため、アメリカは在欧米軍の大幅派兵を迫られる。
そしてこれを静観する権威主義の国々は「米軍に余裕がないからチャンス」とばかりに、中国が台湾に攻め込んだり、ベネズエラがガイアナに侵攻したり、北朝鮮が韓国への軍事的挑発を強めたり、とあちこちで火の手が上がれば、これに対処するためにアメリカはさらに莫大な国防費を強いられる──という論法だ。
現在、アメリカの対ウクライナ援助は滞りがちで、2023年分の支援予算はついに底をついてしまった。軍資金・武器の大半をアメリカに頼っているウクライナにとっては死活問題だ。最前線での弾薬不足も表面化し、皮肉にも侵略を止めようとしないロシアを援護射撃する格好となっている。
アメリカ国内では「ワシントンでのもう1つの戦い」が勃発している。民主党のバイデン政権と、連邦議会下院で多数派の共和党とが角逐し、共和党は「大統領がメキシコ国境の壁構築を再開しなければ、ウクライナの追加援助は認めない」と噛みついた。
結局、2023年中に対ウクライナの追加予算案は可決されず、民主党は2024年早々にも援助を再開しようと共和党の説得工作に必死である。
悩ましいのは、トランプ氏の大統領返り咲きを望む共和党内の一派が、ウクライナへの援助そのものに反対の意志を表明している点だ。2024年は米大統領選の年であり、今後彼らの意見が共和党内で高まることも予想される。
一方、再選を狙うバイデン氏は、ウクライナへの「支援疲れ」やイスラエル・ガザ戦争への対応、バイデン氏自身の高齢・健康問題などが響き、支持率は芳しくないとも伝えられている。
仮にトランプ氏が大統領選で勝利すれば、「米第一主義」を掲げ、ウクライナ戦争への関与を批判しているだけに、本当にウクライナ援助をすべて打ち切るかもしれない。
>>NATO vs ロシアの主要戦力(写真全8枚)』
ドイツ財政出動、急いだ合意 「欧州再軍備」へ協調優先
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR14CW30U5A310C2000000/
『2025年3月15日 5:06 [会員限定記事]
【ベルリン=南毅郎、ロンドン=大西康平】総選挙を終えたドイツで財政出動に必要な憲法改正へ交渉が前進した。主要与野党の改革案に反対していた環境政党「緑の党」は一転、国防費の増強に向けた財政拡張策を巡り合意した。欧州の安全保障強化へ協調優先で国政の転換を急ぐ。
「ドイツは欧州の自由と平和の防衛に大きく貢献している」。次期首相への就任が確実視される中道右派キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首は14…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
ウクライナ安保「有志国連合」、15日オンライン首脳会議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1504D0V10C25A3000000/
『2025年3月15日 7:30 [会員限定記事]
【ロンドン=江渕智弘】英仏やカナダなどは15日、停戦後のウクライナを守る有志国連合の結成に向けたオンライン形式の首脳会議を開く。部隊の派遣など各国の役割を協議する。前提となるロシアとの和平交渉の決着や米国の後ろ盾の確保は見通せていない。
スターマー英首相が呼びかけた。首相官邸によると、欧州諸国に加え、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の首脳が…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
中国株「セブン・タイタンズ」、AIで評価一転 米M7を圧倒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM102RF0Q5A310C2000000/
『2025年3月14日 11:00 (2025年3月14日 18:30更新) [会員限定記事]
中国株の評価が一変した。仏金融大手が「セブン・タイタンズ(巨人7銘柄)」と名付けた中国の主力ハイテク株の2025年の時価総額増減率は、米マグニフィセント・セブン(壮大な7銘柄、M7)を大きく上回る。世界の投資家はDeepSeek(ディープシーク)台頭でにわかに始まった中国株の強気相場に乗るかどうかの決断を迫られている。
「ディープシークが人工知能(AI)にもたらした変化によって、世界の投資家は中…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
米のイラン制裁解除要求、中国・ロシアと共闘 核問題巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM138PA0T10C25A3000000/
『2025年3月14日 19:03 [会員限定記事]
【北京=田島如生、ドバイ=福冨隼太郎】イランの核開発を巡りトランプ米政権が圧力を強めるなか、中国とロシア、イランの3カ国政府が14日、北京で核問題を協議する次官級会合を開いた。イランの原子力利用の権利を尊重する方針を確認し、米国による対イラン制裁の解除を求めた。
中国国営中央テレビ(CCTV)が伝えた。中国の馬朝旭外務次官、ロシアのリャプコフ外務次官、イランのガリババディ外務次官が出席した。協議…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
カナダ新首相マーク・カーニーとは?経歴・政策・トランプとの関係をわかりやすく解説!
https://yosukesite.com/mark-carney-profile/
※ サイト主催者と執筆者が、異なる点は注意。
『※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
2025.03.10
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カナダの新首相に就任予定のマーク・カーニー氏。
彼は カナダ銀行(中央銀行) や イングランド銀行 の総裁を歴任し、 世界的な金融エキスパート として知られています。
しかし、意外なことに 政治経験はゼロ。それにも関わらず、なぜ彼が首相に選ばれたのでしょうか?
この記事では、 マーク・カーニー氏の経歴、掲げる政策、そしてトランプ氏との関係 までをわかりやすく解説します。
目次
マーク・カーニーってどんな人?
💰 金融のプロ!中央銀行総裁としてのキャリア
🏛 政治未経験なのに首相?意外な経歴とは
🏛 新首相としてどんな政策を掲げている?
💰 経済対策はどうなる?財政管理の手腕に注目
🌱 環境・エネルギー政策はトルドー政権とどう違う?
🇺🇸 トランプとの関係は?貿易戦争の影響は?
🔥「トランプに立ち向かう!」カーニー首相の強気発言
💼 関税・貿易戦争でカナダ経済はどうなる?
🇨🇦 今後のカナダ政治の行方は?
📅 解散総選挙はあるのか?自由党の戦略とは
🌎 カナダ国民や各国の反応は?
🔍 まとめ
マーク・カーニーってどんな人?
▶ 経済のプロがカナダ首相に!その人物像を解説
マーク・カーニー氏は 金融界での実績が豊富な経済エキスパート です。
カナダとイギリスの中央銀行総裁を歴任し、 G7で2つの中央銀行を率いた唯一の人物 でもあります。
一方で、 彼は政治家ではありません。
国会議員の経験もなく、今回の首相就任が 政治家としての初仕事 になります。
なぜそんな彼が カナダのリーダーに選ばれたのか?
その理由を探っていきましょう!
💰 金融のプロ!中央銀行総裁としてのキャリア
▶ 世界的に注目される金融エキスパート
マーク・カーニー氏は 1965年生まれの59歳。
カナダの ノースウエスト準州フォートスミス に生まれ、教育者の家庭で育ちました。
ハーバード大学で 経済学士号、オックスフォード大学で 経済学博士号 を取得した後、
世界的な投資銀行 ゴールドマン・サックス に入社し、ロンドン・東京・ニューヨーク・トロントの各地でキャリアを積みました。
その後、2008年に カナダ銀行の総裁 に就任。
当時42歳という異例の若さで G8(主要8か国)の中央銀行総裁の中で最年少 という快挙を成し遂げました。
さらに2013年には、カナダ人として初めて イングランド銀行(イギリスの中央銀行)の総裁 に選ばれました。
つまり G7の中央銀行を2つ率いた唯一の人物 という経歴の持ち主なのです!
📌 彼が歴任した主なポジション
カナダ銀行総裁(2008-2013年)
イングランド銀行総裁(2013-2020年)
国際連合 気候変動問題担当特使(2019年~)
ストライプ(決済サービス)の取締役(2021年~)
中央銀行総裁時代には 金融危機への対応 や 気候変動問題 への取り組みが評価され、
世界的な影響力を持つ存在となりました。
🏛 政治未経験なのに首相?意外な経歴とは
▶ そもそも政治家ではなかった?
マーク・カーニー氏は 純粋な金融エキスパート であり、これまで 政治経験はゼロ。
これまで一度も国会議員になったことがなく、政党の運営にも関わっていませんでした。
それにも関わらず、なぜ彼が カナダ首相 という重要なポジションに就くことになったのでしょうか?
その背景には 前首相ジャスティン・トルドーの辞任 があります。
トルドー氏は 約10年間の長期政権 を維持していましたが、支持率低迷や野党の圧力によって 2025年1月に辞任を発表。
与党・自由党は 経済を立て直せるリーダー を探していました。
そして 「金融危機を乗り越えた実績を持つエキスパート」 として、マーク・カーニー氏に白羽の矢が立ったのです。
「政治経験がないからこそ、新しい視点でカナダを導く」 という期待も
金融・経済のプロとして、財政赤字を立て直せるか? に注目
「金融のプロが政治の世界に飛び込む」——これは大きな挑戦ですが、今後の活躍に注目が集まっています!
🏛 新首相としてどんな政策を掲げている?
マーク・カーニー氏がカナダ首相に就任し、最も注目されているのが 「どんな政策を実行するのか?」 という点です。
彼は 経済・環境・外交 の分野で大きな公約を掲げていますが、前任のトルドー政権とはどのように違うのでしょうか?
ここでは 「経済対策」「環境政策」「外交方針」 に焦点を当てて解説します!
💰 経済対策はどうなる?財政管理の手腕に注目
▶ 「経済のプロ」として財政改革に挑む!
カーニー氏の最大の強みは 「金融・経済のプロ」 であること。
中央銀行総裁として 金融危機の対応 を経験し、世界的な財政政策にも精通しています。
そんな彼が掲げる経済対策のポイントは 「財政再建」と「成長戦略」。
✅ 財政健全化を最優先
トルドー政権下で 40%拡大した連邦政府の支出 を見直し
財政赤字を削減 し、均衡のとれた予算を目指す
✅ 民間投資の促進
企業の税制優遇 を強化し、新たな雇用を創出
海外からの投資を呼び込む政策 を実施
✅ 貿易の多様化
カナダ経済の アメリカ依存を減らす ため、他国との貿易協定を拡大
中国・EU・アジア諸国との経済関係を強化
財政健全化と経済成長の両立を目指すカーニー氏ですが、 「政府支出の削減」が景気悪化につながるリスク も指摘されています。
果たして、 「経済のプロ」としての手腕を発揮できるのか? 注目です。
🌱 環境・エネルギー政策はトルドー政権とどう違う?
▶ 気候変動問題に積極的な姿勢!でも、トルドー路線とは一味違う?
カーニー氏は 国連気候変動特使 の経験を持ち、環境問題に対する関心が高いことで知られています。
そのため、 気候変動対策を重視する政策 を打ち出しています。
しかし、トルドー政権と比べると 「より実利的なアプローチ」 を取っているのが特徴です。
✅ クリーンエネルギー投資の推進
再生可能エネルギー(風力・太陽光・水素)への大規模な投資
クリーンテクノロジー産業を成長分野にする方針
✅ パイプライン建設を容認
トルドー政権と違い エネルギー産業の成長も重要視
カナダ国内の石油・天然ガス開発を促進 し、経済と環境のバランスを取る
✅ 炭素税政策を一部見直し
これまでの炭素税を 「目的は果たした」として段階的に緩和
環境対策と企業の負担軽減のバランスを模索
カーニー氏は 「環境問題と経済成長の両立」 を掲げていますが、
炭素税の緩和については 環境保護派からの反発 も予想されます。
この微妙なバランスをどう取るかが、彼の環境政策のカギになりそうです。
🇺🇸 トランプとの関係は?貿易戦争の影響は?
マーク・カーニー氏がカナダ首相に就任する中で、特に注目されているのが 「ドナルド・トランプ氏との関係」 です。
カナダとアメリカは貿易関係が非常に密接ですが、トランプ氏の関税政策が大きな火種になっています。
カーニー氏はトランプ氏の政策に 真っ向から対立する姿勢 を見せていますが、この強気な戦略はカナダ経済にどんな影響を与えるのでしょうか?
🔥「トランプに立ち向かう!」カーニー首相の強気発言
▶ 貿易戦争は激化するのか?
カーニー氏は 党首選の勝利演説 で、トランプ政権が進める関税政策について 強い反対意見を表明 しました。
特に注目されたのが、次の発言です。
「トランプ氏を成功させてはならない!」
これは、カナダに対する アメリカの不当な関税措置 に対し、報復関税を維持するという強気な姿勢を示したものです。
✅ カーニー氏の対トランプ政策
トランプ氏の関税政策に対抗し、報復関税を継続
アメリカ依存を減らし、他国との貿易を強化
カナダの労働者・企業を守るための防衛策を導入
カーニー氏は「カナダの労働者、企業を守る」と主張し、トランプ氏に対して妥協しない姿勢を見せています。
しかし、 アメリカ市場への依存が大きいカナダ経済にとって、この対立がリスクになる可能性もある ため、今後の動向が注目されています。
💼 関税・貿易戦争でカナダ経済はどうなる?
▶ 貿易摩擦がカナダ経済に与える影響とは?
カナダ経済は、輸出の75%以上がアメリカ向け というほど、アメリカ市場への依存度が高いです。
そのため、トランプ政権の関税政策が カナダ経済に大きな影響を与える ことは避けられません。
✅ 懸念される影響
関税引き上げにより、カナダの輸出企業が打撃を受ける
報復関税が続けば、消費者価格の上昇も懸念
アメリカ市場の影響でカナダ経済の成長が鈍化する可能性
一方で、カーニー氏は 「アメリカ依存からの脱却」 を掲げ、他国との貿易を強化する方針を示しています。
EUやアジア諸国との経済関係を強化し、多角的な貿易戦略を進めることで、アメリカの影響を軽減する狙い です。
この方針が 成功すればカナダ経済の安定につながる 可能性がありますが、貿易の転換には時間がかかるため、
短期的には経済へのダメージも避けられない と予想されています。
🇨🇦 今後のカナダ政治の行方は?
マーク・カーニー氏が首相に就任することで、カナダの政治は 大きな転換期 を迎えています。
彼が 解散総選挙を決断するのか、そして 自由党政権は今後も続くのか。
さらには カナダ国民や各国の反応 など、今後の展開が気になるところです。
📅 解散総選挙はあるのか?自由党の戦略とは
▶ 早期の解散総選挙に踏み切る可能性は?
カナダでは、次の総選挙が 2025年10月20日までに実施される予定 ですが、
カーニー氏は 数週間以内に解散総選挙を決断する可能性 も示唆しています。
✅ 解散総選挙のシナリオ
選挙で支持を固め、安定政権を確立する狙い
与党・自由党の支持率が回復してきており、選挙を有利に進めるチャンス
野党・保守党の勢いが強まる前に、早めの選挙で主導権を握る戦略
ただし、選挙を急ぐことには リスクも伴う ため、カーニー氏がどのタイミングで決断するかが鍵になります。
🌎 カナダ国民や各国の反応は?
▶ カナダ国内では賛否が分かれる?
カーニー氏の首相就任について、カナダ国内では 期待と不安が入り混じった声 が聞かれます。
✅ 期待する声
「経済のプロがカナダを立て直してくれる!」
「政治経験がないからこそ、新しい視点で国を変えられるのでは?」
✅ 不安視する声
「政治未経験で本当に国をまとめられるのか?」
「トランプ氏と対立することで、経済に悪影響が出るのでは?」
また、海外の反応としては、アメリカ・EU・中国 などが カーニー氏の政策を注視している 状況です。
アメリカ:トランプ政権との対立が貿易にどう影響するのかを警戒
EU:カナダとの経済協力を強化する可能性
中国:カナダとの関係改善を探る動き
🔍 まとめ
マーク・カーニー氏の首相就任は、カナダの未来を左右する重要な出来事です。
彼の 経済・外交政策 が成功すれば、カナダは新たな成長の道を歩むかもしれません。
しかし、政治未経験というハンデ や アメリカとの関係悪化 など、課題も多くあります。
今後のカナダ政治がどのように動いていくのか、注目していきましょう!
✍️ 執筆者:近藤 健太郎(政治・経済ジャーナリスト)』
『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カナダの旗 カナダの政治家
マーク・カーニー
Mark Carney
2015年
生年月日 1965年3月16日(59歳)
出生地 カナダの旗 カナダ
ノースウエスト準州フォートスミス
出身校 ハーバード大学(AB)
オックスフォード大学セント・ピーターズ・カレッジ(MPhil)
オックスフォード大学ナフィールド・カレッジ(DPhil)
前職 経済学者、銀行家
所属政党 自由党
カナダの旗 カナダ
第30代首相
在任期間 2025年3月14日 –
国王
総督 チャールズ3世
メアリー・サイモン
カナダの旗 第8代カナダ銀行総裁
在任期間 2008年2月1日 – 2013年6月30日
イギリスの旗 第120代イングランド銀行総裁
在任期間 2013年7月1日 – 2020年3月15日
その他の職歴
カナダ自由党党首
(2025年3月9日 – 現職)
テンプレートを表示
マーク・カーニー(Mark J. Carney、1965年3月16日 – )は、カナダの経済学者、銀行家、政治家。現在、カナダ首相、カナダ自由党党首。イングランド銀行総裁、金融安定理事会(FSB)議長、カナダ銀行総裁を歴任した。2021年よりストライプ取締役。
来歴
1965年、ノースウエスト準州フォートスミスで地元の高校で校長をつとめていた父と元小学校教師の母のあいだに次男として生まれる。兄弟は兄と弟、妹の4人兄弟。1971年、父親がアルバータ大学の教育史教授に就いたことで家族はアルバータ州エドモントンへと引っ越す。
そんな教育一家に育ったカーニーは1988年、ハーバード大学で経済学学士号を取得。次いでオックスフォード大学セント・ピーターズ・カレッジ及びナフィールド・カレッジ(英語版)に学び、1993年に経済学修士号、1995年には経済学博士号を取得し[1][2]、卒業後ゴールドマン・サックスに入社した[3]。ロンドン、東京、ニューヨーク、トロントのオフィスを渡り歩き13年間勤務。その間、様々な部門で要職に就き、順調にキャリアを積んでいった。特にロシア財政危機が起きた1998年は、アパルトヘイト後の南アフリカ新興債券市場への投機的業務に関わっており、ひたすら仕事に没頭していたという[4]。
2008年2月1日にはカナダ銀行総裁に7年間の任期で任命された[5][6]。G8参加国の中央銀行総裁では最年少[7]。2011年には金融安定理事会(FSB)議長に就任。 2012年11月26日に、公募による選定でイングランド銀行の総裁へ300年の歴史の中で外国人の同行初めての就任が発表された[8]。任期は2013年7月1日の就任から5年間の予定。同年6月にカナダ銀行総裁を退任した。
2019年12月1日、イングランド銀行総裁退任が予定されていたことに伴い、国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長より、マイケル・ブルームバーグの後任として気候変動問題担当特使に任命された[9][10]。2020年1月、ボリス・ジョンソン首相によって、グラスゴーで行われる第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の金融顧問に任命される[11][12]。同会議は、当初2020年11月に開催される予定であったが、後に2021年11月に延期された[13]。
2020年8月26日の時点で、カーニーは、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの副会長を務めており、ESG(environmental, social and governance)及びインパクト投資戦略部門を統括している[14][15]。
→「2025年カナダ自由党党首選挙」を参照
2025年1月6日にカナダ自由党党首で首相のジャスティン・トルドーが辞任を表明した際には、後継を決める党首選挙へ名乗りを上げる意向を表明[16]。3月9日の党首選挙で新党首に選出した[17]。
2025年3月14日、カナダ首相に就任した[18]。
政策・主張
富の不平等
2016年12月、リヴァプール・ジョン・ムーア大学で行われた公開講義(ロスコー・レクチャー)において、カーニーは、「すさまじい富の不平等」という社会的なリスクについて次のように警告した。「アメリカ人の1%である最富裕層が保有する富の割合は、1990年の25%から2012年の40%へと増加している…グローバルに見ると、世界の1%である最富裕層が持つ富の持分としては、2000年の3分の1から2010年の2分の1へと増大している」[19]
ブレグジット
カーニーは、ブレグジットはイギリス経済に悪影響を及ぼすことが見込まれるとして、イングランド銀行総裁時代に複数回にわたって警告を行っている。そのため、イギリスの欧州連合離脱に関する国民投票に当たってEU残留を支持する発言をしたとして、ブレグジット支持派の活動家からは同銀行の立場としては政治的に過ぎると非難された[20][21]。これに対し、このような問題に関して声を上げるのは同銀行にとっての義務であるとカーニーは回答している[22]。
その他
カーニーは、博士論文を書き上げた1990年代なかばに結婚している。妻は第三世界の発展といった問題に精通したエコノミスト。4人の娘にも恵まれ、イングランド銀行総裁になるまでは、家族とともにオタワで暮らしていた[4]。
公明党の岡本三成議員は、同党のyoutubeチャンネルの中で、マーク・カーニーがゴールドマン・サックス証券時代の同僚であることを明かした上で、東京支店勤務時代の経験から、日本に対する知識が豊富であり、「日本が大好き」だという見解を示した[23]。
関連項目
カナダ銀行
カナダドル
参照
^ “St Peter’s College – Oxford University Alternative Prospectus” (英語). apply.oxfordsu.org. 2020年12月4日閲覧。
^ Ottawa, Author Oxford University Society in (2020年12月1日). “Webinar with Mark Carney” (英語). Oxford University Society in Ottawa. 2020年12月4日閲覧。
^ “Mark Carney named next Bank of Canada governor”. CBC News. (2007年10月4日) 2008年1月4日閲覧。
^ a b Scoffield, Heather (2008年1月26日). “Mark Carney takes up his mission”. The Globe and Mail. pp. B1, B4–5 2008年1月29日閲覧。
^ Bank of Canada Press Release
^ New Bank of Canada governor named
^ Vieira, Paul (2007年10月4日). “Carney vaults over heir apparent for Bank of Canada top job”. National Post. オリジナルの2011年5月20日時点におけるアーカイブ。 2008年1月4日閲覧。
^ カナダ次期首相「金融界の風雲児」唯一の外国人英中銀総裁- 2025年3月10日 Yahoo!ニュース
^ カーニー英中銀総裁、年俸1ドルで気候変動国連特使に-金融業界主導bloomberg
^ Butler, Sarah (2019年12月1日). “UN appoints Mark Carney to help finance climate action goals” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2019年12月3日閲覧。
^ カーニー英中銀総裁、今年のCOP26でジョンソン首相の顧問にReuters
^ “U.K.’s Johnson Names Mark Carney as Finance Adviser for COP26” (英語). Bloomberg.com. (2020年1月16日) 2020年12月4日閲覧。
^ “New dates agreed for COP26 United Nations Climate Change Conference”. gov.uk (2020年5月28日). 2020年12月4日閲覧。
^ “Mark Carney joins Brookfield to lead firm’s expansion into ESG funds”. BNN Bloomberg
^ “Mark Carney, ex-head of Bank of Canada and Bank of England, joins Brookfield Asset Management”. CBC News
^ “カーニー氏、カナダ自由党党首選への出馬検討-トルドー氏辞意表明で”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2025年1月7日) 2025年1月7日閲覧。
^ “カナダ与党党首選、カーニー氏が勝利-次期首相に就任へ”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2025年3月10日) 2025年3月10日閲覧。
^ “Mark Carney sworn in as Canada’s PM after Trudeau steps down”. CNN World (2025年3月14日). 2025年3月15日閲覧。
^ Speech given by Mark Carney, Governor of the Bank of England (2016年12月5日). “The Spectre of Monetarism”. Bank of England/Liverpool John Moores University. 2017年6月10日閲覧。
^ “Mark Carney: EU exit is ‘biggest domestic risk’”. BBC News. (2016年3月8日) 2016年5月13日閲覧。
^ “Brexit vote may spark recession, Mark Carney warns”. BBC News. (2016年5月12日) 2016年5月13日閲覧。
^ “UK Bank governor Carney says is ‘duty’ to speak of Brexit risks”. BBC News. (2016年4月19日) 2016年5月13日閲覧。
^ “https://www.youtube.com/watch?v=ovLufCXQk_w”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
外部リンク
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カナダ銀行公式サイト (英語)
公職
先代
ジャスティン・トルドー カナダの旗 カナダ首相
2025年 – 現職
先代
デイビット・A・ドッジ カナダ銀行総裁
2008年 – 2013年 次代
スティーブン・ポロズ
先代
マーヴィン・キング イングランド銀行総裁
2013年 – 2020年 次代
アンドリュー・ベイリー
先代
マリオ・ドラギ 金融安定理事会議長
2011年 – 2018年 次代
ランダル・クオールズ
(英語版)
党職
先代
ジャスティン・トルドー カナダ自由党党首
第19代:2025年 – 現職
表話編歴
カナダの旗 カナダ首相
表話編歴
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表話編歴
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カテゴリ: カナダの首相各国の銀行家カナダ勲章受章者ノースウエスト準州の人物カナダ系アイルランド人1965年生存命人物
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カナダ新首相にカーニー氏が就任 元英中銀総裁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14DAG0U5A310C2000000/
『2025年3月15日 2:46 [会員限定記事]
【シャルルボワ(カナダ東部)=三島大地】カナダ与党・自由党のマークー・カーニー党首は14日、新首相に就任した。カナダでの首相交代は9年ぶり。カナダの憲政史上、政治経験を持たずに首相に就任するのはカーニー氏が初となる。
カナダの元首を兼ねるチャールズ英国王に代わり、サイモン総督が任命した。任命に先立ち、トルドー前首相が総督に辞表を提出していた。トルドー氏は1月に辞意を表明し、後任を選ぶ党首選でカー…
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