トランプ関税、対カナダ・メキシコは延期 中国とも協議へ

トランプ関税、対カナダ・メキシコは延期 中国とも協議へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN03CAZ0T00C25A2000000/

『2025年2月4日 3:28 (2025年2月4日 9:56更新) [会員限定記事]

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多様な観点からニュースを考える
前嶋和弘さん他7名の投稿
前嶋和弘小野亮上野泰也

トランプ米大統領とカナダのトルドー首相は3日、4日に予定されていた関税の発動を1カ月延期することで合意したと発表した。メキシコも首脳間の合意で1カ月延期が決まった。トランプ氏は中国とも4日にも協議する。

トランプ氏は1日にメキシコとカナダに25%の関税、中国に10%の追加関税を課す大統領令に署名した。発動時刻は米東部時間4日午前0時1分(日本時間午後2時1分)。カナダとは7時間前という土壇場での…

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多様な観点からニュースを考える
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前嶋和弘のアバター
前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授

ひとこと解説 フェンタニルの流入阻止が目的なので、その対策をメキシコが取るとするなら延期は順当。シェインバウム大統領にとっても、国内の大きな懸念である麻薬組織対策が進むのは大きなプラス。カナダがどう出るか。

『鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

これまで「戦略的関税政策」として、交渉の手段としての関税という話をしてきたが、まさか、土壇場まで引っ張るとは思っていなかった。まさに「Art of the Deal」を書いたトランプ大統領だけに、交渉は最後まで優位な立場を持ちながら進め、相手を追い詰めるという手段に出たのだろう。結果的に、メキシコもカナダもアメリカの言いなりにならざるを得なくなった。今後も、こうした関税を武器にした交渉は頻発するだろうし、その対象として日本が標的になることも十分あり得る。
2025年2月4日 7:41

渡部恒雄のアバター
渡部恒雄
笹川平和財団 上席フェロー
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別の視点

今回のように、トランプ大統領が、関税を脅しに開始直前で相手の譲歩を迫る手法は、「瀬戸際政策」(ブリンクマンシップ)と呼ばれるもので、北朝鮮が核開発を脅しに、国際社会を翻弄してきた手法です。トランプ氏が、北朝鮮の金正恩氏に親近感を持つ理由がわかるような気がします。
2025年2月4日 7:37 』