パナマ運河、中国が支配? トランプ氏「怒り」の源泉
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『2025年1月29日 6:10 [会員限定記事]
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川島真さんの投稿
川島真
【メキシコシティ=市原朋大】トランプ米大統領はパナマ運河(中米パナマ)の奪還を公言してはばからない。同運河は米国が建設し、1999年にパナマに返還するまで90年近く独占管理した歴史がある。トランプ氏は「運河は中国に渡したわけではない。パナマに渡したのだ」と中国の影を理由に挙げる。
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川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
ひとこと解説 MAGAの論理に基づいてアメリカのかつての栄光の時代を基準とすれば、「パナマ運河は本来自らのもの」であり、ましてや中国の影響力が強まることなど認められないというのがトランプ大統領の発想だろう。いわばパナマ運河は自らの「影響圏」の下にあるから発言権があると述べているようにも思える。だが、このような「発言」はあっても、アメリカ政府がパナマ政府に対して、また中国系企業に対して何ができるのかが問題だ。中国側も、トランプ大統領や政権関係者の「言葉」よりも、具体的に何が政策、法案になるのかに注目している。日頃から自らの「影響圏」を意識する中国やロシアだからこそ、言葉よりも実質に注目しているであろう。』