日本・ラオス首相が会談、関係格上げ 次官級会議を新設
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA20AWY0Q5A120C2000000/
『2025年1月21日 22:04
会談を前にラオスのソンサイ首相と握手する石破首相(21日、首相官邸)
石破茂首相は21日、首相官邸でラオスのソンサイ首相と会談した。共同声明で「今後の日・ラオス関係を議論し、両国関係を包括的・戦略的パートナーシップへと格上げすると合意した」と表明した。外務・防衛分野での次官級会議の立ち上げも決めた。
両国は2015年に「戦略的パートナーシップ」と2国間関係を位置づけた。今年、外交樹立から70年を迎えることを受けて、石破首相が24年10月にラオスを訪れた際に関係を強化する方針を示していた。
外務・防衛の次官級会議の新設はその一環だ。首相は「不透明さを増している国際情勢の中で、東南アジアとの関係強化は極めて重要だ」と強調した。ラオスは防衛装備品の輸入などで中国との関係が深い。日本として中国に代わる選択肢を狙う。
共同声明では「更なる財政の安定化および自律的で質の高い経済発展に寄与する」と言明した。特に現地通貨建て債券市場の育成支援や災害リスクファイナンスといった金融面での協力を重視する。
安保や経済以外の分野でも友好関係を深化させる。25年国際博覧会(大阪・関西万博)に向けた協力を確認した。教育を支援する政府開発援助(ODA)の拠出に向け共同発表の前に文書を交わした。
ソンサイ首相は「日本人観光客に対するビザ免除を現在の15日間から最大30日間に拡大する予定だ」と明らかにした。二国間の直行便開通も視野に、両国民の往来を促進する方針だ。
石破首相がソンサイ氏と会談するのは2回目。ラオスは24年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めた。』