トランプ氏、中国に10%追加関税 メキシコ・カナダは25%

トランプ氏、中国に10%追加関税 メキシコ・カナダは25%
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN260VP0W4A121C2000000/

 ※ さあ、物語(ものがたり)の始まりだ…。

『2024年11月26日 9:10 (2024年11月26日 10:04更新) [会員限定記事]

【ワシントン=八十島綾平】トランプ次期米大統領は25日、中国からのほぼ全ての輸入品に対して追加で10%の関税をかけると表明した。自身のSNSに投稿した。中国からメキシコなどを経由し、合成麻薬「フェンタニル」が米国に流入していることへの対抗措置と位置づけた。

トランプ氏は同日、カナダやメキシコについても2025年1月20日の就任初日に25%の関税を課すための大統領令に署名すると宣言した。フェンタニルや不法移民の流入が終わるまで続けるとしている。

トランプ氏は選挙戦で不法移民対策を最大の争点の一つとしていた。その問題を解決するために関税を最大限活用する姿勢を明確にした。』(以下、省略)

『多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説 米国と中国の2国間貿易は大きく縮小しましたが、メキシコなどMUSCAを通じた経路やベトナムなどアジア経由への迂回が進んでいることが貿易や直接投資のデータなどから推察されてきました。アジアへの扱いが今後どうなるのか注目です。今回は2回目の政権となるので、人事や経済政策プラン等の事前準備が早く、政策の遂行は1回目よりも迅速になりそうです。中国に対してはとりあえず10%追加し、交渉の余地を残すようにもみえます。国務省、商務省、財務省のトップの人事案がいずれも対中強硬派で固めています。来年実際に政策の実践がはじまり、中国は報復関税をすると予想されますが、中国以外のどの国が報復関税をするのかも注目点です
2024年11月26日 9:23
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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説 そもそも関税を決める権限があるのは議会なのですが、「安全保障」名目での関税引き上げなのかと想像します。中国は手始めに10%。いずれは60%といわれています。それよりも公約の「国境封鎖」にメキシコだけでなく隣接するカナダにも関税を使うことを明言。
2024年11月26日 11:06
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今村卓
丸紅 執行役員 丸紅経済研究所社長・CSO補佐
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分析・考察 このトランプ氏の主張は、米国の労働者を守り製造業の国内回帰を促すための高関税とは別物でしょう。フェンタニルや不法移民の流入阻止も重要な選挙公約でしたが、流出側のメキシコ、カナダ、中国に関税引き上げという脅しで圧力を掛けて流出を止めさせるという同氏の新たな発想か側近の助言の採用では。
これで中国への60%関税が遠のいたのではなく、関税を貿易以外でも交渉の取引材料に使うというトランプ氏の宣言と捉えるべき。同氏が選挙公約の実現、支持基盤の労働者の救済にどれだけ懸命かの表れでしょう。選挙戦では、トランプ氏は労働者が合成麻薬のせいで寿命が短くなり、不法移民に雇用を奪われていると強く訴えていました。
2024年11月26日 10:58
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 カナダも含めた関税となるのはやや予想外だった。トランプは関税を「懲罰的措置」と見ており、実際の経済的な効果よりも政治的な効果を狙ったものと思われる。薬物の管理の問題は以前からあったが、子ブッシュの時は薬物との戦いだとしてコロンビアなどに軍を出したりしていたが、トランプはメキシコやカナダにその責任を負わせるというあたりがユニーク。それでどうにかなるのであれば、もうなんとかしているはずなのだが…。
2024年11月26日 10:52
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小野亮
みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 プリンシパル
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ひとこと解説 直近1年間の輸入額に基けば総額2,710億ドル(年率)の”増税”の発表。かつての対中関税の50倍以上、税引後企業利益の8%以上が失われる規模。カナダ、メキシコへの25%関税が極めて深刻。在墨日系企業への影響も懸念されます。今晩の米国市場の反応が心配です
2024年11月26日 10:40
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