アルゼンチン、大型改革法が成立 ミレイ氏の政策前進

アルゼンチン、大型改革法が成立 ミレイ氏の政策前進
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28EZS0Y4A620C2000000/

『2024年6月29日 4:49

【サンパウロ=水口二季】アルゼンチンで28日、ミレイ大統領による一連の改革をまとめた法律が成立した。

全238条で構成され、大統領への一時的な立法権の付与や大型投資に対する税優遇策などが盛り込まれている。

ミレイ氏は自由至上主義者(リバタリアン)を自任し、経済再建に向けた大規模な改革が必要だと主張してきた。

今回成立した改革法はミレイ氏が就任した2023年12月に議会に提出され、半年にわたって議論が…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』

『今回成立した改革法はミレイ氏が就任した2023年12月に議会に提出され、半年にわたって議論が続けられてきた。

1年間の緊急措置として、経済や行政、エネルギーなどの分野で大統領が率いる行政府に立法権が付与される。

アルゼンチン国内への投資を促進するため、新たな優遇制度についても定めた。

エネルギーやテクノロジー、鉱業などの分野で、一定の条件を満たした上で原則2億ドル(約320億円)以上を投資する企業には、30年間にわたって税優遇措置を講じる。

長期的な輸出が見込まれる投資には追加の優遇策を設け、輸出代金の国内への還元義務などを免除する。

労働市場の緩和策も盛り込んだ。従業員の試用期間を6カ月間に延ばし、企業の規模に応じてさらに延長ができる。職場の封鎖や占拠に参加した場合は解雇の理由となる。

ミレイ氏は就任以降、公共工事の凍結や補助金の削減といった厳しい緊縮策を進め、国内経済は冷え込んでいる。

今回、既に8割以上完成している公共工事は継続可能とした。3500程度の公共工事が停止しており、再開されるのは15%程度とみられる。

目玉の1つとしていた国営企業などの民営化は、原子力発電を扱う企業などが対象となる。

当初想定していた公共メディアや郵便局、航空会社などは除外した。

ミレイ氏が率いる右派の「自由前進」は上院72議席中7議席、下院257議席中38議席にとどまる。

他党の協力を取り付けるため、当初は600以上だった同法案を3分の1程度に縮小した経緯がある。』