世界で最も無意味で過酷な中国の受験戦争

世界で最も無意味で過酷な中国の受験戦争
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『2024.06.12

中国人の一生は「高考」だけで決まり他の人生はない

https://www.hokkaido-np.co.jp/article_photo/list/?article_id=857948&pid=13159202 中国、大学入試に習氏演説 作文試験、思想教育を強化:北海道新聞デジタル

現代の科挙が今年も始まった

6月7日から始まった2024年の中国の大学入試「高考」は受験者が史上最大1342万人に達し、23年の1290万人を大幅に上回った

高考の難易度は増しており受験者の数が急増したのに大学数や一流大学の合格者数は同じなのでかつてなく狭き門となった

景気が後退し失業率が高い中国では4年後に卒業しても就職の保証がなく、大学を出て薄給の単純労働に就いたり失業する者が多い

北京大学や精華大学のような超一流大学の合格率は下がり続けていて、しかも卒業者の就職率も下がりつ透けている

超名門とされる大学の合格率は2022年にわずか1.38%で、東京大学の合格率は34.2%もあり中国人に言わせると日本の受験など暇すぎてあくびが出るという

中国各省の地域格差も高考の難易度を上げていて河南省は最も競争が激しく、人口9800万人なのに名門校は一つもない

ここで高考のシステムを説明すると中国のすべての学校の試験を一回の試験だけで行い、戸籍がある省の受験者が優先合格し越境受験者の入学枠は少数になっている

例えば河南省の人が北京の大学に合格するには北京出身者よりずっと高い点数を取れなくてはならず、地元出身者は少し楽だが地元同士の競争がある

日本の共通試験は一次試験あるいはセンター試験の結果を見て、自分が入れそうな全国の大学の中から選んで申請するのでどこかに潜り込める

中国の高考は1年に1回だけで他の試験というものはなく、今日は調子が悪かったが明日頑張ろうという事はなく別の選択肢も無い

高考でいい成績を取るには小学校かもっと早い段階から英才教育をする必要があり、幼稚園から高考を目指して過酷な勉強をさせるのが一般的になっている

北京上海深センのコロナ前のサラリーマン給与は月給16万円くらいでしたが、当時子供の塾代が月に16万円以上という家庭が珍しくなかった

大学は出たものの就職先は低賃金

河南省の高校を出てアメリカに移住したある中国人は、河南省のすべての高校では朝5時から校庭で体操をし、夜10時まで勉強をし、そのような生活は小学校から高校まで10年以上も続くと話した

子供が野球やサッカーなどをやりたがっても親や教師は勉強時間が減るので反対し「スポーツをやると頭が悪くなる」と言われる場合もある

卓球とか国技として英才教育をしている競技は強いのだが人数が必要な団体競技でほぼ弱いのは、甲子園のようにスポーツを熱心にやると大学受験で不利になるからです

さらに不幸なのはこのようにして名門大学に入学しても卒業時の就職内定率は8%程度に過ぎず、多くの卒業生はまともに就職できていない

ちょっとした公務員の応募倍率が「数千倍」になる事があり、今や好条件のIT企業とか好待遇を期待できる求人はすべてそうなっている

40年前の中国では大学卒業者は珍しく卒業したら共産党幹部や国営企業の幹部になり、20年前なら外資系企業に請われて好条件で働くことが出来た

今は不況なのに全員が大学を卒業する時代で23年の出生数が903万人なのに24年の大学卒業生が1342万人、日本は出生数72.6万人で卒業者は65万人ほどだった

日本の大学卒業時の就職内定率は98%で中国は20%以下と見られている(中国は卒業後の就職率)

こういう状況でも中国は高卒より大卒の年収や生涯賃金がかなり高いので全員が大学を卒業しようとし、大卒者は全員が管理職に成ろうとします

「労働者」は中国では一生時給で働く使用人に過ぎず低賃金、管理職のホワイトカラーは大卒で有名都市戸籍と明確に分かれています

河北省の大学を卒業した22歳の青年は1000社以上に書類を送ったが書類選考に通ったのは1社だけで、週6日12時間働いて5000元(695ドル=10万4千円)なので悪くないように見えるが時給360円に過ぎない

河北省は首都北京を取り巻く位置にあり2022年の平均給与は9万745元(約178万円)、政府の公式発表では18の省で平均年収が10万元(約207万円)を超え上海と北京で20万元(約414万円)を超えたそうですが信ぴょう性は低い

政府が発表する『平均年収』は対象を絞り込むといくらでも上昇させることができるし、都市戸籍を持たない人や正社員で無い人は調査対象にすらなっていない 』