2023年にロシアは、1010万バレルの原油を日産した。
https://st2019.site/?p=22083
『Michael Liebreich, Lauri Myllyvirta, and Sam Winter-Levy 記者による2024-5-8記事「Why Ukraine Should Keep Striking Russian Oil Refineries」。
2023年にロシアは、1010万バレルの原油を日産した。その半分は輸出されて、外国の精油所へ。のこり半分は、ロシア国内の製油所へ行った。
ロシア国内で精製した石油製品は、トルコ、中共、ブラジルを筆頭の買い手として、輸出されている。北鮮にも売られているが、これは国連制裁決議違反である。
ウクライナがロシア国内の精油工場を無人機で破壊しているのは合理的だ。
ロシア国内で原油を精製できなくなったロシアには、原油を今以上に多くタンカーで海外へ売るか、原油の採掘をセーブするか、ふたつにひとつしか選択がなくなるからだ。
原油をダンピング輸出するといっても、大口の買い手は中共、インド、トルコだ。
そしてこれを続けると、ロシア国内の消費者が買わねばならない石油製品の価格が、じりじりと上昇する。産油国でありながら、燃料費の高騰に苦しまねばならなくなるのだ。
ロシアが原油の採掘量を絞ると、国内の石油製品価格が上昇するダメージは、もっと急になる。だから国内向け政治を考えると、国策としてそれを選ぶことはできない。原油のダンピング輸出をもっと増やして行くほかに道はない。
今年の2月いらい、ロシアからの石油製品(ガソリンや軽油など)の輸出量は甚だしく落ち、他方で原油輸出量は増加している。ウクライナの無人機による精油所攻撃は、効いているのだ。
ロシア政府は、国内のガソリン価格の暴騰をおさえるために、カザフスタンからガソリンを輸入することを迫られている。
おそらく今後、ロシア政府は、国内市場で売られるガソリンの「質」を下げることを許可するだろう。それで市価上昇は抑制されるが、ロシア人が走らせている乗用車のエンジンにダメージが行くはずだ。』