大量に噴出する天然水素ガスを発見、世界を変える?

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:大量に噴出する天然水素ガスを発見、世界を変える?
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『南欧アルバニアにあるブルチザ・クロム鉄鉱鉱山 Bulqizë chromite mine in Albaniaで、水素ガス hydrogen gas(H2) が漏れ出ているところが見つかったと、2024年2月8日付けで学術誌「Science」に発表された。

科学者たちは首都ティラナの北東にあるブルチザ鉱山の地中深くで、激しいジャグジーのように気泡を出す小さな水たまりを見つけた。

「ガスはかなり激しく出ていました」とアルバニア、ティラナ工科大学の地質学者で、論文の著者の一人であるバルディル・ムツェク氏は言う。写真:アルバニアのクロム鉱山坑道

 噴出するガスの84%が水素だった。ブルチザ鉱山ではこのような場所がいくつか確認されており、すべて合計すると、少なくとも年間200トンの水素が漏れ出ている。参照記事

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史上最大の天然水素の鉱床がアルバニアの鉱山で発見されたという研究報告に続き、全世界の地中に埋蔵されている天然水素が5兆トンに達するという米国地質調査局(USGS)の未発表報告書の内容が公開され、注目を集めている。写真左:米ネブラスカ州の天然水素ボーリング施設=Natural Hydrogen Energy提供 すでに試掘が始まっている。

水素は温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギー源だ。

5兆トンとは、現在全世界で年間消費される水素1億トンを基準にした場合には5万年、今後予想される年間5億トンを基準にした場合には1万年にわたって使える量だ。

水素経済に関する世界の企業家の協議体である水素委員会(Hydrogen Council)は、2050年までに全世界のクリーン水素の需要は年間3億7500万トンに達すると推算している。 160年前の油田開発ブームが再現される可能性も、、、

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現在、燃料や産業の原料としての水素は、主にメタンが主成分である天然ガスを高温高圧で水蒸気と反応させる改質工程を通じて得られる。これを「グレー水素」と呼ぶ。

水素市場全体の90%以上がグレー水素だ。

この時、副産物として出てくる二酸化炭素を外に排出せずに捕集・保存するもう一つの過程を経ることになれば、ブルー水素と呼ぶ。

再生電力で水を電気分解して得るグリーン水素は炭素を排出しないが、費用対比効率が落ちるため生産量は微々たるものだ。

しかし、地中から天然水素を抽出することになれば、温室効果ガスである二酸化炭素を排出する環境負担や、グリーン水素を作る際の費用負担を大幅に減らすことができる。こうした点から天然水素を「ゴールド水素」と呼ぶこともある。

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発生のメカニズム:科学者らは、地球マントルの上部に広く分布しているカンラン石を主な天然水素の供給源とみている。

鉄成分が豊富なカンラン石が高温高圧で水と反応して蛇紋石になる過程で水素が作られるためだ。鉄は水分子から酸素原子を奪い水素を放出する。写真:鉄分が豊富なカンラン石は、高温高圧で地下水と反応し水素を生成する

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発見の歴史:天然水素が初めて注目を集めたのは1987年だった。

当時、西アフリカ・マリ Maliの首都バマコから60キロ離れたBourakebougou村で井戸を掘っていたところ、深さ108メートルの地点からガスが漏れているのを発見した。

しかし、ガスの正体が水素と確認されると、爆発の恐れでボーリング孔は埋め立てられ、すぐに忘れられてしまった。

そして2007年、マリ出身の実業家アリウ・ディアロが率いる石油ガス会社ペトロマ(現ハイドロマ:Hydroma)が同地域の資源探査権を獲得し、水素は再び機会をつかんだ。

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ハイドロマは2012年、この地域のガスの水素濃度が98%にもなることを確認したのに続き、2018年国際水素エネルギージャーナルに「天然水素ガスの開発価格が化石燃料または電気分解で製造された水素よりはるかに安いと推定される」という探査結果を発表した。

初めて天然水素の経済性を確認したこの研究を契機に、天然水素研究が活発になり始めたと「サイエンス」は伝える。、、、

これまでは石油や天然ガスの抽出に資金と研究が集中したため、天然水素の潜在力は注目されなかった。:参照記事 参照記事 英文記事:

水素を含むガスは世界中で広く観測事例があり、例えば、トルコ・ヤナルタシュの Chimaera では 『永遠の火』と呼ばれる地面の割れ目からメタン(87 vol. %)と水素(10 vol.%)の混合ガスが漏出し、少な くとも数千年にわたり燃え続けている。

日本では長野県白馬八方温泉で観測されている 。白馬八方温泉は pH 11.4 の 強アルカリ泉で、溶存水素と遊離水素ガスが観測されており、国内では唯一の高濃度の天然水素の観 測事例である。参照記事 』