習氏、米国の輸出規制は「弾圧政策」 バイデン氏と協議

習氏、米国の輸出規制は「弾圧政策」 バイデン氏と協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02EMY0S4A400C2000000/

『2024年4月3日 3:56 (2024年4月3日 3:58更新)

北京=田島如生、ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2日、1時間45分ほど電話で協議した。中国国営新華社によると、習氏は米国の対中輸出規制について「中国の経済、貿易、科学技術に対する米国の弾圧政策は枚挙にいとまがない」と非難した。

先端半導体の対中輸出・投資規制などが念頭にある。習氏は「制裁対象の中国企業のリストはますます長くなっている。これはリスク…

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『米ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏は「貿易や投資を過度に制限することなく、米国の先端技術が自国の安全保障を損なうために利用されるのを防ぐため、必要な行動を取り続ける」と改めて説明した。

米政府は軍事転用できる先端技術などを想定し、対中貿易で規制対象を絞って厳しく管理する「スモールヤード(狭い範囲)、ハイフェンス(高い塀)」を設ける方針を示している。一方、中国側は国内経済のテコ入れには米欧からの投資や貿易が欠かせないとの認識がある。』

『台湾問題も平行線をたどった。習氏は「台湾問題は中米関係の第1の越えてはならないレッドラインだ。我々は台湾独立勢力の活動と外部からの支援を野放しにはしない」と改めて主張した。

バイデン氏は1月の台湾総統選で米国寄りとされる与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統の当選が決まった直後に「台湾の独立を支持しない」と明言した。習氏は「『台湾独立を支持しない』という大統領の前向きな表明を実行に移すことを望む」とクギを刺した。』

『バイデン氏は台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を改めて提起した。南シナ海での法の支配と航行の自由の重要性を唱え、フィリピン周辺での中国船による「危険な行動」に懸念を伝えた。』

『米中首脳が話すのは2023年11月に米カリフォルニア州で対面会談して以来になる。米政府高官は記者団に、競争関係にある米中が「緊張を管理し、誤解に対処し、偶発的な衝突を防ぐための対話が必要だ」と説明した。

ホワイトハウスは声明で、両首脳は「ハイレベルな外交や実務者協議を通じた開かれた意思疎通のパイプを維持し、責任を持って関係を管理する取り組みを歓迎した」と記した。
イエレン米財務長官が4〜9日に中国を訪れるほか、数週間以内にブリンケン米国務長官も訪中する。近く国防相が電話協議するほか、週内に海洋の安全保障政策を議論する米中の実務者が米ハワイ州ホノルルで会合を開く。』