強気派も愛想尽かすテスラ(NY特急便)

強気派も愛想尽かすテスラ(NY特急便)
米州総局 竹内弘文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02EPT0S4A400C2000000/

『ただ、この日の個別株で最も注目されたニュースは電気自動車(EV)大手のテスラ株急落だろう。1〜3月期の世界販売台数は前年同期比9%減の38万6810台となり、米ファクトセット集計の市場予想(同7%増の約45万台)を大幅に下回った。米中などでの販売苦戦が鮮明だ。失望売りを招いて株価は5%安となった。

「最悪の第1四半期だ」。米ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏は、2日の顧客向けメモをこう書き出した。アイブス氏は、テスラを含めてテック株への強気で知られる有名アナリストだ。買い推奨を意味する「アウトパフォーム」との投資判断は継続しつつも、メモには厳しい表現が並んだ。

「(最高経営責任者のイーロン・)マスク氏が大失敗の第1四半期から立て直せるかどうかが正念場だ。できなければテスラの成長ストーリー崩壊に至る暗い日々が待ち受ける」「ウォール街からの信頼を回復するため、マスク氏は経営の手綱を締め直す必要がある」』

『多様な観点からニュースを考える
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白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説 電気自動車業界は販売と生産の両面で考える必要があり、このどちらも最大なのが中国です。

これまで政府が様々な産業政策の一環としてサポートしてきたことも大きいですが、人口が大きく利用者も多いので規模の経済性を実現できていることが中国の強みとなっています。

販売市場としては中国、欧州、米国があり、欧州は中国につぐ大きい市場ですが、生産の一部は中国に依存しており自立しているとはいえません。

米国ではテスラが圧倒的に優位ですが、米国自動車市場に占める電気自動車の割合がかなり低いです。

中国は低インフレなうえに過剰生産が起きており、価格競争力が高まっており、世界のEVメーカーにとっては脅威となっています。

2024年4月3日 8:15 』