モディ政権、米独が強権批判 総選挙前に野党指導者逮捕

モディ政権、米独が強権批判 総選挙前に野党指導者逮捕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM313FF0R30C24A3000000/

『2024年4月1日 20:29

【ニューデリー=岩城聡】インドの捜査当局がモディ首相を批判する野党指導者を逮捕したことを巡り、モディ政権が国内外の批判を受けている。野党は4月19日から始まる総選挙の勝利を確実にしたい政権の意向が働いたと主張し、米国やドイツも「不当逮捕」だとして懸念を示す。

首都ニューデリーで3月31日、モディ氏を支える与党・インド人民党(BJP)に抗議する2万人規模の集会が開かれた。

「民主主義か、独裁のどち…

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『唐突な逮捕の背景には、BJPが直面する政治献金問題があるとの指摘がある。

BJPは18年に導入された「選挙債」と呼ばれる制度を使い多額の献金を受け取っていた。企業などが国営銀行で選挙債を購入し匿名で献金できる仕組みだが、最高裁は2月に「政治資金に関する国民の知る権利を阻害する」と違憲判決を下した。

ケジリワル氏はこの献金問題でBJP攻撃のトーンを上げようとしていた矢先だった。』

『米欧諸国は野党指導者の逮捕に疑問を呈した。逮捕の翌日にいち早く反応したドイツ外務省は「ケジリワル氏にも公正で公平な裁判を受ける権利がある」との見解を示した。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は、ケジリワル氏の「公正かつ透明性のあるタイムリーな法的手続き」を求めた。国民会議派の銀行口座の一部が凍結され、選挙活動が困難になっているという主張があることについて「承知している」と言及した。

ヒンズー至上主義を推し進めるモディ政権は国内では圧倒的な支持を誇る。一方、国際的にはイスラム教徒やシーク教徒などの宗教的少数派や野党を抑圧しているとして批判にさらされている。

モディ氏が23年6月に米国を国賓訪問し演説した際は、一部の議員が出席をボイコットした。懸念を表明した米国務省には、国際社会の監視の目が行き届いていることを総選挙前に印象付ける狙いがあるとみられる。』

『インドは独米の懸念表明に「内政干渉だ」と反発する。インド外務省は声明で「インドの法的プロセスは客観的で独立した司法に基づいている。非難は不当だ」と強調。「国家は他国の主権と内政を尊重することが求められる」と非難した。

ケジリワル氏はモディ氏やBJPを脅かすほどの影響力を持つ存在にはなっていない。ただ、捜査当局の処遇によっては野党が結束を強めかねない。米国など西側諸国との関係を一層ぎくしゃくさせる可能性もある。』