北朝鮮キム・ヨジョン氏 談話 “岸田首相が早期に会談の意向”

北朝鮮キム・ヨジョン氏 談話 “岸田首相が早期に会談の意向”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240325/k10014401711000.html

『2024年3月25日 14時47分

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏は、岸田総理大臣ができるだけ早い時期にキム総書記と会談したいという意向を伝えてきたとする談話を発表しました。拉致問題について、解決済みだとする立場を改めて示した上で岸田総理大臣の政治的決断を求めていて、日本側に譲歩を迫るねらいがあるとみられます。

北朝鮮のキム・ジョンウン総書記の妹、キム・ヨジョン氏は25日、国営の朝鮮中央通信を通じ、日本との関係について談話を発表しました。

談話では「岸田首相は最近も、これまでとは別のルートで、できるだけ早い時期にわが国の国務委員長に直接会いたいという意向をわれわれに伝えてきた」として、岸田総理大臣から日朝首脳会談の早期開催を打診されたと主張しました。

そして、拉致問題については、解決済みだとする立場を改めて示し「拉致問題にこだわるならば、首相の構想は人気取りにすぎないという評価を免れないだろう」とけん制しました。

そのうえで談話は「心から日本が両国の関係を改善したいのならば、政治的勇断を下すことが必要だ。自分が望んだからといって、わが国の指導部に会えるものではない」として、岸田総理大臣の政治的決断を求めていて、日本側に譲歩を迫るねらいがあるとみられます。

キム・ヨジョン氏は、先月15日の談話で「岸田首相がピョンヤンを訪れる日が来るかもしれない」としながら、拉致問題について従来の立場を繰り返し、日本側の出方を見極める姿勢を示していました。

岸田首相 “諸課題の解決にはトップの会談が重要”

岸田総理大臣は参議院予算委員会で「報道について私はまだ承知していない。そのうえで拉致問題などの諸課題を解決するためにはトップの会談が重要で、私直轄のレベルでの北朝鮮に対するさまざまな働きかけを行ってきていることは従来申し上げてきたとおりだ」と述べました。』