自民失速、それでも野党は…。立民支持9%「共闘」遠く

自民失速、それでも野党は…。立民支持9%「共闘」遠く
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA111LQ0R10C24A3000000/

 ※ 「永遠の敵も、永遠の味方も無い。あるのは、永遠の国益だけだ…。」

 ※ その肝心要(かなめ)の、「国益」(≒最大多数の国民の、最大限の幸福)を極大にするための「国家戦略」「方策」が、さっぱり語られないし、その点での一致も無いように見受けられるんではな…。

 ※ 今回も、ある程度「票」は減らしても、「政権交代」というところまでは、行かないだろう…。

『野党を支持する人が一向に増えてこない。立憲民主党をはじめ野党各党にとっては、自民党派閥による一連の政治資金問題は政権交代への好機になると期待された。明らかな「敵失」でも支持率が伸びぬ理由は何か。過去と比べ足りない要素を探った。

立民と国民民主党を支援する連合の芳野友子会長は15日と19日、それぞれ両党の幹部と協議した。「一本化したほうが戦いやすい」。表現の違いはあれど次期衆院選を見据え双方に訴え…

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『連合にしてみれば候補者調整が進めば確かに選挙の支援はしやすくなる。芳野氏の意図はそれだけではない。内閣支持率と自民党の支持率がともに低迷するいまこそ、党の再合流を含め「大きな塊」への道を探らないのか。いらだちに似た思いもにじむ。』

『選挙協力という難路

立民をはじめ野党各党が意識するのは、自民党を下野に追い込んだ2つの歴史の成功例よりもそれらを再現するのが難しい部分にある。

少なくとも無党派層がこれだけ広がった状況だ。立民が現状の9%の支持率を09年のように30ポイント強も上積みできるとは展望しにくい。いまは与野党の第1党を足しても40%を切った。そもそもこれは02年に現行の調査方法になって初めての事態だ。

93年当時の中選挙区制度から小選挙区制度に変わった。旧民主党は09年、政権交代を求める世論の風にも乗り全国の選挙区で相次ぎ当選者を輩出したものの、風が再び吹く保証などない。

小選挙区制度は一般的に、与党候補と事実上の一騎打ちの構図をどれだけつくりだせるかが勝敗を分ける。反対に野党候補が乱立すれば政権への批判票は分散する。この点を分かりつつ各党が共闘にカジを切れない現実がある。』

『「塊なくして政権奪えず」(吉田徹・同志社大教授)

日本の有権者の動向を分析するとき、特に「55年体制」の崩壊以降で顕著なのは、政党支持率が減り無党派層が圧倒的に増えた点があげられる。

同志社大の吉田徹教授

与党の失策があってもいまは無党派を増やすだけだ。野党の支持につながりにくい。時の政権が支持されないのならば本来、違う選択肢が浮上していいはずだ。

有権者にとっては選択肢が取り上げられてしまったような状況に等しい。』

『旧民主党は2009年に悲願の政権交代を果たした。

それでも結果として「政権交代によって政治を良くする」というモデルを民主党自身が壊してしまった。

この失敗がその後の野党のイメージとしてこびりついてきたことは否めない。』

『人材不足も深刻だ。

立民などの幹部の顔ぶれがあまり変わっていない。

リーダーシップを支えるフォロワーシップの醸成も民主党時代の反省としていかすべきだ。

9月までにある立民の代表選はその試金石となる。』

『記者の目 政治改革、野党を試す

「敵の敵は味方にならない」。野党どうしの関係について永田町でいまもよく聞く言葉だ。

多くの党が政権奪取を目標に掲げながらその計画と道筋はばらばらのまま。

「分断」が続くことで結果として得をするのは渦中の自民党だけだろう。

自民党派閥による政治資金問題を受けて今国会で変化の芽も出てきた。

立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の4党が連絡協議会を設置したのは、これまでにない歩み寄りではある。

政治資金規正法の改正を含めて野党主導で改革案をつくれる環境は整ってきてはいる。

政治資金問題で自民党の自浄能力には期待しにくい。

次期選挙を意識して安易なポピュリズムに傾かず、時代に即した案を示せるか。

世論に試されているのはむしろ野党のほうかもしれない。

(関本皓介)』