米国人アナリスト、なぜ日本は日本を守る米軍の準備を妨害するのか?
https://grandfleet.info/japan-related/american-analyst-why-is-japan-interfering-with-the-readiness-of-the-u-s-military-to-defend-japan/
※ 「永遠の敵国も、永遠の同盟国も無い…。あるのは、永遠の国益だけだ…。」
※ 物事には、かならず「陰・陽」の両面、「プラス・マイナス」の両面がある…。
『日本戦略研究フォーラムのグラント・ニューシャム氏は20日「日本が日本を守るための適切な準備を容認しないなら、米国は日本のため米軍兵士が何千人も犠牲になるというストレスに耐えられないだろう」と指摘し、日本国内における米軍の軍事活動への反対運動に警告を発した。
参考:US Navy Unwelcome: Why is Japan Making Life Difficult for Its Strongest Ally?
管理人は本当に「負担軽減ビジネス」と呼ばれるものが存在するか把握していない
日本戦略研究フォーラムの上級研究員を務めるグラント・ニューシャム氏(米海兵隊予備役大佐)は「米国にとって日本は最強の同盟国で防衛義務も負っている。必要があれば日本を守るために戦わなければならないのに、これらの軍事活動は地元民の反対や負担軽減ビジネスに突き当たる。米国人から見ると日本は『我々が指を鳴らしたら米軍は我々のために死んで欲しい』『それまでは檻の中か短い鎖に繋がれていろ』言っているのだ」指摘し、この興味深い話を要約すると以下のようになる。
出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Devin Monroe 石垣島を訪問する駆逐艦ラファエル・ペラルタ
米海軍の駆逐艦ラファエル・ペラルタは沖縄と台湾の間に位置する石垣島に向かったが、この訪問は決して歓迎されたものではなかった。
地元当局は当初「港の深さが十分ではない」という理由で停泊を拒否し、沖縄県庁も駆逐艦の寄港に反対した。最終的に許可は降りたものの地元の港湾労働者は寄港に抗議するためストライキを行った。
米国にとって日本は最強の同盟国で日本防衛の義務も負っている。米軍には当該地域で抑止力を維持し、必要があれば日本を守るために戦うという作戦上の要件があるが、これらの軍事活動は地元民の反対、さらには負担軽減ビジネスに突き当たる。
出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Devin Monroe 取材を受ける駆逐艦ラファエル・ペラルタの艦長
米軍は日本を効果的に防衛するため出来るだけ多くの港にアクセスしておきたいと考えており、この様な取り組み(phase zero)は戦いが始まる前に済ませておくのが理想で問題が起きてからでは遅いのだ。
事前に地理や活動環境に精通しておくことは作戦上の助けになる。何処で何をしたという経験があるのと、初めその場所を訪れるのでは大きな違いがあり、軍隊が訓練を行うのは野球チームやオーケストラと同じだ。
より多くの港を使用して活動できれば標的になりにくく、主要拠点が攻撃を受けても作戦を継続できる確率が高くなる。中国のミサイルにとって限られた基地で活動する在日米海軍は格好の標的だ。これは米空軍の艦艇だけではなく、空軍、海兵隊、海軍の航空部隊も少数の基地に集中し過ぎて同じ問題を抱えている。
出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Luis E. Rios Calderon 嘉手納基地を飛び立つE-3
日本にはバブル時代に過剰建設した民間空港が100以上も存在し、その大半が全く活用されていない。
これを米軍機や自衛隊機に開放すべきで米国もこれを問題化すべきだ。日米地位協定によれば日本政府は米軍に日本の港や空港の使用許可を与える義務があるものの、この権利を米国は何十年も行使してこなったため形骸化してしまった。
米国は日本を防衛する義務を負っているのだから必要な権利を行使すべきで、日本も自らの生存性を高める努力をしなければならない。特に石垣島への寄港は前例を作るという点でも重要な意味を持ち、両国が条約上の義務を果たすと示さなければならない。
出典:Nathan Keirn/CC BY-SA 2.0 DEED
反対活動の中には市民による軍事作戦を原則的に拒否するものがある。日本の悲惨な第二時大戦の経験を考えれば十分理解できるが、この抗議者の大半は高齢者で数も少ない。実際、沖縄本島だけでなく南西諸島に属する島々では米軍や自衛隊の駐留を支持する声も多いが、この事実に言及するメディアは滅多にない。
一番の問題は負担軽減ビジネスに関連した反対活動で、簡単に言えば軍事訓練を許可することで中央政府から金がもらえるのだ。文句を言って難癖をつければ延々と金が流れ続け、もっと多くの文句を言えばより多くの金を手に出来るかもしれない。このゆすりやたかりに官僚が屈すのは、いつもそうだからで、批判されることを極度に恐れているためだ。
出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. David Getz 岩国基地からグアムに移動するF/A-18D
米国人はこれに耐えながら物事を前進させようとしているが、日本を守るための訓練を日本から遠く離れた場所で行わなければならない不条理さを感じている。米国人の視点から同問題を考えると日本は「我々が指を鳴らしたら米軍は我々のために死んで欲しい」「それまでは檻の中か短い鎖に繋がれていろ」と言っているように映る。
この見方は公平ではないかもしれない。しかし時期が来ればワシントンにいる中国の代理人達は上記のように主張し、これは議会だけでなく多くの米国人から共感を得るはずだ。
出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Juan K. Maldonado
日本がより多くの港を使用する米海軍の艦艇、より多くの空港を使用する米軍機のストレスに耐えられないなら、米国も日本を守るための適切な準備をさせなかった日本のため「何千人もの米軍兵士が犠牲になる」というストレスに耐えられないだろう。
もう残された時間は少ない。
因みにバイデン大統領は台湾に対する防衛義務があると主張したが、米シンクタンクのDefense Prioritiesは2021年10月「米国の政治的指導者達も識者も米軍兵士を台湾海峡で戦死させることに熱心だが、恐ろしいほどリスクの高いアプローチへ踏み出す前に、台湾人自身が自国防衛のためにどれだけ命を掛けられるのかを考える必要がある」「台湾人が自らの命を自国防衛に捧げる気がないのなら、米国人が台湾人の代わりに死ぬことは不道徳だ」と主張したことがある。
出典:DoD News photo by EJ Hersom
当時の台湾は徴兵制度から志願制に移行、満18歳の男子全員に課している基礎軍事訓練(4ヶ月間)に嫌悪感を抱く若者が多く、台湾軍も戦闘部隊に必要な60%しか人員を確保出来ていなかったため、Defense Prioritiesは「本当に台湾人は自国防衛に命を捧げる気があるのか?」と疑っていたという意味なのだが、ニューシャム氏の指摘も良く似た構造だ。
米軍は日本を守る作戦上の要件を満たすため「より多くの港と空港を使用させて欲しい」と要請しているが、これを反対運動で妨害し続ければ中国に「米国人は日本防衛の準備を容認してこなかった日本人のために死ぬのか」とつけ込まれ、ニューシャム氏は「中国と軍事衝突が避けられなくなった段階で『必要なだけ港と空港を使用してもいい』と言っても手遅れだ」と言いたいのだろう。
※管理人は本当に「負担軽減ビジネス」と呼ばれるものが存在するか把握していない。
関連記事:米シンクタンク、なぜ台湾のために米軍兵士は死ななければならないのか?
関連記事:台湾メディア、米軍基地が沖縄に不要なら台湾に移せば良い
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Captain Pawel Puczko
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投稿者: 航空万能論GF管理人 日本関連 コメント: 127 』
『 aestas(同じ人F)
2024年 3月 20日
返信 引用
全くもって同盟国の事情を考慮に入れてない勝手な理屈だ。
53
hogehoge
2024年 3月 20日
返信 引用
日本の事情っていうか、アメリカが武装占領して、改憲困難な憲法押し付けて、航空機開発禁止したり、やりたい放題で日本を骨抜きしたのにね。
独裁国家じゃないんだから急な方向転換は出来ないし、占領軍さん曰わく、対等な同盟だと言うのであればまず横田空域返還して、そこに常設の日米連合防空部隊でも組織してから言って欲しいな。
67
2024年 3月 20日
返信 引用
気持ちはわかりますが、米国に世界一の軍事力と核の傘を格安で借りて戦後の繁栄を謳歌してきた歴史があるので、力の衰えた米国が同盟国への費用対効果を考え始めるのは仕方ない事だと思いますよ
戦争疲れに喘いでいるアメリカという国は力の在り方を見直さざるを得ないのでしょう。あの国には今や余裕がなく、いつパワーバランスが崩壊するともわからない時代なので…
7 』
『 マサキ
2024年 3月 20日
返信 引用
その通りではあるけど、このキナ臭い段階になっても改憲すらしようとしない政治家とそれを選んでいる日本国民の平和ボケを見ていると、「この国民、大丈夫か?」と思われても仕方ないと思う。
調べてみると分かるけど、日本の憲法だけが飛び抜けて改憲のハードルが高いわけではない。
68
kitty
2024年 3月 21日
返信 引用
実際改憲されるかどうかはともかく、改憲の発議・国民投票すら行われたことがないのが情けないですね。
6
な(同じ人B)
2024年 3月 20日
返信 引用
何十年前の話だよ、、、
戦力縛りして米国頼みの国防スタイルを固めたのは日本自身だろ
変えようと思えばいつでも変えられたのに、一時の米国の政策を言い訳にしてだだこねるのはもう止めようよ
56
2024年 3月 21日
返信 引用
確かにな
日本の真の敵は
米国じゃなくて
ソ連率いる共産主義勢力だったはずなのに
まんまと共産主義勢力に仲違いさせられてしまってからに・・・
5 』
『
名無し(同じ人D)
2024年 3月 20日
返信 引用
日本という国はキングではないがキングメーカーではある。
もし日本が罷り間違って中露についたら四方を敵に囲まれた韓国まで失う上、かつての大戦がそうだったように太平洋、東南アジア、オセアニアの安全保障もままならなくなる。
その上経済規模も無視できる水準ではなく、西側の大半が失った製造基盤をなんとか維持している
冗談抜きで本邦が寝返ったらアメリカの覇権はおしまいだろうな
23
名無し
2024年 3月 20日
返信 引用
まあそのときは、日本国内でマイダン革命を扇動されて、日本国内で内戦が起きるでしょうね。
35
朴秀
2024年 3月 20日
返信 引用
同感ですね
ウクライナみたいになるでしょう
下手すればロシアの役割をアメリカが担当しますよ
27
名無し(同じ人D)
2024年 3月 20日
返信 引用
実際のところアメリカが日本の内戦を煽るとしたらどこにアプローチするんだろうね
親米派の自衛隊?
6
NHG
2024年 3月 21日
返信 引用
まかり間違っても中ロにつくことはないだろうから心配無用じゃないかな
というか太平洋戦争という大きな負債とそれ以来80年にわたる関係を米と作っておきながら、必ずしも米の思い通りに動いてるわけではない日本が、思い切って中ロの側につくという仮定が成立しないと思う
今の米・西側と対ロ制裁で歩調を合わせながら利亜から燃料買うみたいなのらりくらりが許される西側の国って立場が一番居心地がいいと思う
5
2024年 3月 21日
返信 引用
まさしく戦後の価値観がそうですが、欧米の凋落が始まった現在にこのまま脳死で欧米従属を続けることもないと思いますけどね
数十年もすれば再び大アジア主義的な試みが出てきますよ、おそらく今度は中国からですが
その波の中で日本がどちらの側につくのか、結局欧米側につくとしても一波乱はあるでしょう
2 』
『
general
2024年 3月 20日
返信 引用
台湾を見捨てたとしても同じ要領で日本を切ることは絶対にアメリカにはできないでしょうね
米軍属が起こした死亡事故の一件といい逆に日本人を怒らせる振る舞いをするなとアメリカには要求したいものです
41
無(同じ人C)
2024年 3月 20日
返信 引用
絶対にないでしょうとか本気で思ってるんだもんなー(苦笑い)
こういうのがアメリカが作った憲法を不変の方程式とかと思ってるんだろうか
1
c4g5t
2024年 3月 20日
返信 引用
アメリカが日本が損切りするかどうかは台湾と同様にアメリカの世論次第では。
アメリカの世論が「日本や台湾は遠いし、正直言ってどうでもいい。」になったら、アメリカ政府は世論に配慮せざるを得ません。
なので日本はアメリカの世論に愛想を尽かされないように頑張る必要があります。
12 』