中国、政策金利据え置き 2月利下げの効果を見極め

中国、政策金利据え置き 2月利下げの効果を見極め
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM196S30Z10C24A3000000/

『2024年3月20日 10:16

【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)が20日発表した2024年3月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、期間1年、5年超ともに据え置きだった。人民銀は期間5年超のLPRを2月に引き下げており、効果を見極める。

人民銀はLPRを毎月公表し、事実上の政策金利と位置づけている。期間1年は優良企業に適用する貸出金利の参考となる。3月は年3.45%で据え置いた。7カ月連続の据え置きとな…
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『中国経済は回復力がなお弱い。中国国家統計局が18日発表した1〜2月の新築住宅販売面積は前年同期を24.8%下回った。23年まで2年連続で減少した流れが続き、マイナス幅も拡大した。

人民銀の潘功勝総裁は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)期間中に開いた記者会見で、市中銀行から強制的に預かるお金の比率である預金準備率は「引き下げ余地がある」と述べていた。

追加利下げで銀行の貸出金利が一段と下がると、収益を圧迫しかねない。当面は2月の利下げの効果を見極めながら、預金準備率の引き下げで不動産不況に対応する考えとみられる。

中国の商業銀行の利ざやは過去最低を更新し、銀行の業界団体が設定する「警戒ライン」を下回る。不動産不況で銀行は不良債権の増加が予想されており、不良債権処理の原資となる利ざやの確保が重要となっている。』