曲がり角のAI相場、リスク分散の好機に(NY特急便)
NQNニューヨーク 三輪恭久
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL160EX0W4A210C2000000/
『2024年3月16日 5:28
AIブームがけん引してきた米株高は曲がり角にさしかかってきた=ロイター
15日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が続落し、前日比190ドル安の3万8714ドルで終えた。ハイテク株主導から幅広い銘柄が相場を押し上げる構図に変わりつつあるように見えたが、週後半に勢いを失った。S&P500種株価指数も12日に最高値を更新した後は3日続落。週間では2023年10月以来となる2週連続の下落となった。
人工知能(AI)ブームのけん引力には陰りがみえる。15日にはアドビが14
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『ゴールドマン・サックスは14日にまとめたリポートでAI相場を4段階に分類。第2段階が半導体やクラウド、データセンターなどのインフラ、第3段階が自社の製品にAI機能を盛り込むソフトウエアやIT(情報技術)とした。最後にAIによる生産性の向上が見込める企業と、その恩恵が広がるという分析を示した。
こうした分析の背景には、第1段階に位置するエヌビディアの株高余地が乏しくなってきたとの見方があるのかもしれない。投資家が次の銘柄探しを始めるなか、AIブームに乗り切れない事情も浮上してきた。米国の景気や物価の先行きを巡る懸念だ。』
『今週発表の複数の経済指標は物価の上昇圧力が残るなかで、景気の減速感が高まったことを示した。ニューヨーク連銀が15日発表した3月の製造業景況指数もマイナス20.9と前月から大幅に低下。新規受注や出荷、雇用といった項目が悪化する一方、販売価格を示す項目が6カ月ぶりの高い水準となった。
インフレの抑制が一筋縄ではいかないことに市場参加者も警戒する。市場予想を上回る1月の米消費者物価指数(CPI)が発表された2月以降、物価連動債から算出する米債券市場の予想物価上昇率「ブレーク・イーブン・インフレ率」は、2年物が1月の2.1%前後から足元で2.5%程度に切り上がった。
米経済が大きく落ち込まないまま物価上昇が沈静化し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転換するというのが市場のコンセンサス。景気が減速するなかで物価が高止まりする現状は、米経済のソフトランディング(軟着陸)シナリオにとっては都合が悪い。』
『AIブームとソフトランディングという米株高を引っ張ってきた両輪が揺らいでいる。投資家はどう動くべきか。JPモルガンのマルコ・コラノビッチ氏は「コモディティー(商品)の投資配分引き上げが、株を買い持ちしている投資家にとってはよいリスク分散になる」と指摘する。
18日にはエヌビディアの開発者会議が始まり、19〜20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FRBが当面の政策方針を決めるとともに金融政策と経済の見通しを示す。米株高が曲がり角にさしかかった今が当面の投資戦略を見直す好機となりそうだ。』