インド首相、係争のトンネル開通式に出席 中国は反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM12DAT0S4A310C2000000/
『中国に対する強硬姿勢を貫くインドのモディ首相=ロイター
【ニューデリー=岩城聡、北京=田島如生】インドのモディ首相は13日までに、中国が領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州のトンネル開通式に出席した。中国側が反発し、両国のあいだの緊張が高まっている。
インドと中国は2020年春ごろから、激しい国境紛争を繰り広げてきた。総選挙を間近に控えるモディ政権は、対中国で弱腰な姿勢を見せたくない事情がある。
モディ首相は9日、セラ峠に完成した「
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『モディ首相は9日、セラ峠に完成した「セラ・トンネル」の開通式に出席した。82.5億ルピー(約150億円)を投じて建設されたトンネルは、1962年の中印国境紛争の激戦地となった北東部アルナチャルプラデシュ州タワンと、同アッサム州テズプールを結ぶ。
セラ・トンネルは、強硬な対中姿勢を貫くモディ氏の指示で、インドが中国との国境沿いの攻撃力と防御力の両方を強化する目的で進められた大規模なインフラ整備の一環だ。
インド軍にとっては、中国との事実上の国境である「実効支配線(LAC)」沿いの前線拠点への部隊や装備の移動を、雪に閉ざされる冬季も円滑に行うことが期待される。
地元メディアによると、このトンネルは標高1万3000フィート(約4000メートル)以上の場所にある世界最長の2車線トンネルだという。大型砲やT-90のような戦車などが通ることができるように設計されており、運搬時間も短縮されるという。』
『「中印国境問題はまだ解決されていない。許可なく中国の南チベット地域を開発する権利はインドにない」と主張した。「インドの側の動きは国境問題を複雑にするだけだ」と述べた。
インド外務省の報道官は12日の声明で「中国側のコメントを拒否する。アルナチャルプラデシュ州は過去も現在も、そしてこれからもインドの不可分の一部であるという現実を変えることはできない」と反論した。』