仲良し親子に潜むリスク 子の自己犠牲、自立阻む可能性

仲良し親子に潜むリスク 子の自己犠牲、自立阻む可能性
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD145OB0U4A210C2000000/

 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ 人は、絶対に「他人」には、なれない…。

 ※ たとえそれが、「親子」であってもだ…。

 ※ 自分の「子ども」であったとしても、生まれたときから、まごうことなく「他人」(≒自分とは、「別の人間」)なんだよ…。

 ※ しかし、どうしても、そこを「誤解」する…。

 ※ 血を分けた(自分の遺伝子を受け継ぐ)「子」であれば、似ているところはたくさんある…。

 ※ 周囲もまた、「○○ちゃん(親の名前)の小さい頃に、そっくり!」とか言って、助長するしな…。

 ※ まあ、親の方も、徐々に「親になっていく」わけだが…。

 ※ 早い段階で、「自分とは違う人間なんだ。」と肝に銘じて、極力「ニュートラル」に子育てしないと、いろいろと「マズイこと」になる…。

 ※ 特に、「良かれ」と思って、「あなたのためなんだよ!」とか、「将来のためなんだよ!」とか言って、どんどん「鋳型にはめて」行くのは、よくやる(しかし、絶対にやってはいけない)「間違い」だ…。

『子どもが思春期以降も共通の話題が豊富で、趣味などを一緒に楽しむ「仲良し親子」が増えている。親は子育てしやすいと感じる一方、親の提案や考えに同調する子どもに不安を感じることもあるだろう。「仲良し親子は、実は危うさをはらんでいる」と話す目白大学心理学部特任教授、黒沢幸子さんの助言を紹介する。

2000年代に行った調査で、仲良し親子は00年代前半に比べ後半はさらに増えた。全体的に子どもが「いい子」化し、

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『2000年代に行った調査で、仲良し親子は00年代前半に比べ後半はさらに増えた。全体的に子どもが「いい子」化し、親も以前より「理解ある優しい親」になっているのが特徴だ。これは良い面もある一方、子どもが負うリスクもある。

「優しい親」増加の背景には、社会の成熟のほか、共働き家庭の増加もあると考えられる。親子が一緒に過ごせる時間が限られるため、気持ちよく過ごせるよう互いに許容範囲で気持ちを器用に調整し、波風を立てずに過ごす傾向がある。

こうした親子関係の下で育った子どもたちは反抗期も顕在化せず、そつなく生活しがち。友達関係でも同じで、友達と衝突したり仲間外れに遭ったりしないように、相手の気持ちや空気を読んで同調し合い、承認を求め合う。この傾向は低年齢化しており、意見の違う友達とも仲良く合わせていける半面、友達の輪に器用に入れないと疎外感や孤立感が非常に大きくなる。

かたや親はわが子に嫌われたくないと、あらゆる局面で「あなたが好きなことを選んでいいよ」などと理解ある言葉がけをする。

親がわが子を信頼できていればわが子が他の多くの子と違う選択をしても尊重できる。だが多くの親は信頼が不安定で、安心できる枠内にわが子が収まるようコントロールしたくなる。

わが子を信頼できない親が多いのは、自信がないからだ。情報過多な環境での子育ては選択肢が多く、情報や他人の選択を参考にして、それにわが子を当てはめて安心したくなる。

そこで問題になるのが親からの「ダブルバインド(二重拘束)」だ。親は「自由にしていいよ」と言いながら、子どもがテレビをつけると露骨に嫌な顔をするなど、2つの矛盾したメッセージを子に送る状態を無意識につくってしまう。

親のメッセージが不明確だと、子どもはメッセージを読み続けなくてはならない。「読む」ことにたけた「いい子」は、「親を安心させたい」と親の意図を積極的に取り込もうとする。結果、自分の意思を育む機会を失い、親を安心させる責任まで抱え込んでしまう。この過程で仲良し親子は「理解し合う」レベルを超え「同質化」していく。すると「共振状態」が起きる。

子どもが学校であった嫌なことの愚痴を自宅で口にした時、子と同質化した親は同調的な反応をして子の感情を増幅させてしまう。こうした共振状態は思春期以降の子どもには負担になり、親の前で自分の感情を隠そうとし、家で愚痴を言えなくなっていく。

外で頑張り、家庭では愚痴を言って発散し、また外で頑張る。これが子どもの本来の健康的なサイクルだが、発散の場がないと、家で「いい子」になり外で発散する逆転現象が起きる。親は子の本当の姿に寄り添えず、子どもは外で社会性を育めなくなる。

「仲良し親子」化の落とし穴に陥らないためには3つの注意が必要だ。

まず、親子は別人格であると意識した声がけをする。日頃から「あなたには私とは違う個性があり、そこがすてき」などと話そう。

2つ目は、忙しさからくる余裕のなさを子どもにぶつけないこと。親に余裕がないと子どもは遠慮して次第に本心を言えなくなる。自分が何を感じているかを自覚しにくくなり、ますます親と同質化してしまう。

そして3つ目が、夫婦の不満を子にぶつけないことだ。夫婦間のコミュニケーション不足や、家事育児シェアの不満を子どもに向けイライラに巻き込むと、子どもは親に遠慮するようになる。子どもに「ママ(パパ)の代わりに自分がしっかりしなくては」と思わせてしまい、子どもが自己犠牲的な関わりを続け自立できなくなるリスクもある。

親子の線引きは子どもを守る上で必要。親子時間を楽しみながら、子どもが親の気持ちまで抱え込まぬようコミュニケーションを取れば、「いい子」は真っすぐ育つはずだ。

=詳細は日経クロスウーマン DUAL(https://woman.nikkei.com/dual/)23年11月17日付で
 くろさわ・さちこ 臨床心理士。医療、産業、学校領域のカウンセラー、東京大学客員研究員などを経て現職。専門は臨床心理学、スクールカウンセリングなど。学校、思春期・青年期、家族を主な対象に臨床実践を行う。

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