米司法省、Googleの中国籍元社員起訴 AI機密窃取疑い

米司法省、Googleの中国籍元社員起訴 AI機密窃取疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN072U20X00C24A3000000/

『2024年3月7日 12:01

【シリコンバレー=奥平和行】米司法省は6日、人工知能(AI)に関する機密情報を米グーグルから盗んだとして、中国籍の同社元社員(38)を起訴したと発表した。

機密情報を記録した500を超すファイルを不正に持ち出して中国企業に横流ししたほか、自らの起業に使おうとした疑いが持たれている。

中国籍で2019年からグーグルで働いていたリンウェイ・ディン被告を米連邦捜査局(FBI)と共同で逮捕して起訴した。

訴状などによると、ディン被告はグーグルのデータセンター部門に所属し、AIの学習や推論に利用する半導体やソフトなどに関する機密情報にアクセスすることができた。

AIは企業の業務効率の向上につながるほか、軍事利用の可能性が高まっている。

ガーランド司法長官は6日の声明で「国家安全保障を危険にさらしかねないAIや先端技術の窃取は許容できるものではない」と述べた。

ディン被告は有罪になった場合、最高で10年の禁錮刑と25万ドル(約3700万円)の罰金を科される可能性があるという。

訴状によると、ディン被告は22年6月に中国のテクノロジー企業から最高技術責任者(CTO)に就任する誘いを受け、同年10月から約5カ月にわたって中国に滞在した。

また、22年5月から約1年にわたってグーグルの社内システムにアクセスして機密情報を記録したファイルのコピーを作成し、個人のグーグルクラウドのアカウントに移していた。
一方、中国に滞在している期間もほかの社員に入館証を貸与して使ってもらうことにより、米本社にいるように見せかけていたとしている。

訴状には他社のインターネットサービスの利用やファイル形式の変換により、機密情報の流出を防ぐグーグルの社内システムを回避するといった手口を記載した。

グーグルの広報担当者は6日、日本経済新聞の問い合わせに対して「当社は事業にまつわる機密情報の窃取を防止するため、厳格な保護措置を講じている。調査の結果、当該社員が多数の文書を盗んでいたことが判明し、直ちに法執行機関に照会した。当局と今後も緊密に協力していく」と述べた。』